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DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
『スラムダンク』の秘密 完全版
『スラムダンク』の秘密 完全版
データハウス
price : ¥1,050
release : 2006-10

【商品詳細】

幅広い年齢層に慕われているキャラクター、ムーミン谷のムーミントロール。本書は、1954年から15年間にわたり、ロンドンの新聞で連載された漫画版「ムーミン」である。 新聞連載ということもあってか、この「ムーミン・コミックス」は、風刺色が色濃い。1巻表題作「黄金のしっぽ」では、ある日突然しっぽが金色になってしまったムーミンの周囲で巻き起こる騒動がユーモラスに描かれる。ささやかれるウワサ、流行に群がるファン心理、便乗商法や利権問題、名声の裏のスキャンダル疑惑など、ムーミン谷のパブリックイメージとやや異なる現代的なモチーフが次々と登場。意外性があっておもしろい。 ただ、もちろん風刺に終始しているわけではなく、風刺はあくまで添え物のひとつに過ぎない。メインとなるのは、多彩で愛らしいキャラクターたちのユーモアとセンスあふれる会話であり、彼らの仕草のひとつひとつである。困り顔のムーミンの、せつなさとかわいらしさが入り混じった不思議なたたずまい、どんな事態に遭遇しても、まったくテンポを変えない彼らのありかたのおおらかさ…。 祖父江慎による装丁も素敵なので、ぜひ手にとって、こののんびりとした世界をゆっくりと味わって欲しい。(横山雅啓)

ロックンロール・ウイドー (文春文庫)
ロックンロール・ウイドー (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥930
release : 2004-12

ハイアセン入門篇として最適

犯罪小説界のマーク・トゥエインことカール・ハイアセンの小説のなかでも、これはかなり読みやすい部類に入るのではないかと思う。
ストーリーもわかりやすいし、キャラも魅力的。初期の作品ほどの異常な暴力的、残虐描写も少ないような気がする。
相変わらずの小気味のいいセンスあふれる文章と、スピード感あふれるストーリーは健在。

これを気に入った方はぜひ、ハイアセン最強(最凶?)のキャラ『スキンク』が登場する作品群に手を出して見てください。
ダレン・シャン 7―黄昏のハンター
ダレン・シャン 7―黄昏のハンター
小学館
price : ¥1,575
release : 2003-02

ヴァンパニーズ大王は誰?

半ヴァンパイアの身でありながら歴代最年少のヴァンパイア元帥に選ばれ重責を負ったダレン。ヴァンパニーズ大王の出現、掟が通じないヴァンペット、ハーキャットの悪夢。そんな中大王ハンターとして旅立つダレン。大人になったエブラとの再会、そして宿敵ヴァンパニーズ大王発見。果たして倒すことが出来るのか。

ダレン自身も少し大人に近づき、ヴァンパイアらしくなってきました。

推理小説作法―あなたもきっと書きたくなる (光文社文庫)
推理小説作法―あなたもきっと書きたくなる (光文社文庫)
光文社
price : ¥580
release : 2005-08

黄金のしっぽ ― ムーミン・コミックス1巻
黄金のしっぽ ― ムーミン・コミックス1巻
筑摩書房
price : ¥1,260
release : 2000-07

理想の母親はムーミンママである

 アニメにもなった二作。「黄金のしっぽ」「ムーミンパパの灯台守」を収録。

 彼らに巻き起こる諸々の事件問題何題の数々。彼らは自分の感じた通りに思うがままに行動します。

 ムーミン一家はみんな単純で、お人好しでちょっとマヌケ。ですが彼らはみんなすごく素直で純粋で、どんな困難も考え方次第でそれが自分の力になったりみんなの幸福につながることを教えてくれます。それはどんな偉人や著名人の名言や、法則にもあてはまらない、一番簡単で、一番幸せになる方法に思えます。
 
 だから私はいつも思います。
 「こんなとき、ムーミンパパならなんて言うだろう?」「こんなことを言われた。ムーミンママならなんて言うだろう?」
 彼らの自然となりゆきに任せた、生きるために生きる生き方が、明るく、ちょっぴりシュールに皮肉られたムーミンコミックス。

 オススメ
小説の解剖学 (ちくま文庫)
小説の解剖学 (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥798
release : 2002-09

ディズニーの真髄―クラシック・ディズニーポップアップ・ギャラリー (ディズニーぶたいしかけえほん)
ディズニーの真髄―クラシック・ディズニーポップアップ・ギャラリー (ディズニーぶたいしかけえほん)
大日本絵画
price : ¥2,940
release : 2005-05

きれいです。とっても。

五場面か六場面か忘れましたが、それぐらいの数のディズニーの有名な「見せどころ」が飛び出す仕掛けになった本です。
発色がきれいで、でもちょっとスモーキーなかんじで、すごくいいと思いました。

本の形は普通に左からぺらぺら捲るのではなく、本当の舞台のように、上を持ち上げてゴムで留めて鑑賞する形になっています。ピノキオや、ピーター・パンやバンビなど古典的ディズニーの名場面が本物の劇場のように「そこにある」というのは、なかなか興味深く、そしてオリジナリティーに溢れていると思います。

素敵なpop-upです。

絵本 ライオンと魔女 (ナルニア国ものがたり)
絵本 ライオンと魔女 (ナルニア国ものがたり)
岩波書店
price : ¥1,470
release : 2005-09-22

コンキチ&ナターシャの絵本ナビ

C・S・ルイス原作で映画化された物語を小学生向けにわかりやすく
編集されている絵本です、これが本当によく出来ているのです。
映画はDVDでさっと見ましたが残念ながら説明的な要素が多すぎて
楽しくありませんでしたがこの絵本は原作のイメージを見事に映像化
しています。もう何度も読んでいますがある意味芸術の域まで絵本を
昇華させているといえるでしょう。
白鯨 中
白鯨 中
岩波書店
price : ¥945
release : 2004-10

中だるみ無し!

メルヴィルの筆力も八木の訳文も、膨大な情報量をものともせず読者を引きずり込む。
ストーリーは一向に進まないにもかかわらず。この力業にはただただ脱帽。
あまつさえ第81章「ピークオッド号、処女号にあう」ではスタッブが
原典にすらないオヤジギャグをかっ飛ばす。これを許した岩波書店って心が広いなあ…。

もちろんギャグやジョークばかりが『白鯨』の取り得ではない。例えば第82章「無敵艦隊」で
母親の乳房にしゃぶりつく赤子の眼差しについて触れた一節からはメルヴィルの
人間に対するただならぬ観察眼・洞察力がうかがわれるし、
第45章「宣誓供述書」の「この世には真実を証するのに虚偽を糊塗するのとおなじほどの
エネルギーを必要とするという、意気阻喪すべき事例にみちあふれているものでありますが」は
現代においてなお痛感される真実だ。

これと言って悩みも無いけど刺激も無くて毎日が物足りないというあなた。
岩波文庫の『白鯨』を手に取って、どこでもいいから適当に開いて読んでみて下さい。
もしかしたら、あなたを突き動かす何かに出会えるかも知れません。
雨月物語―マンガ日本の古典〈28〉 (中公文庫)
雨月物語―マンガ日本の古典〈28〉 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥620
release : 2001-07

古典の導入に

切ない読後感が残ります。性的な描写もないので小学生にも安心してみせられます。
緑の国エコトピア-エコトピア・レポート 下巻
緑の国エコトピア-エコトピア・レポート 下巻
ほんの木
price : ¥1,529
release : 1992-07

新しい世界観

 この本の秀逸なところは、ただ単に『一人一人の心の問題』といった個人レベルに還元をしないで、生態系に危険を及ぼさないライフスタイルを全て実現するには、独立しなければならないという次元まで踏み込んでいる点です。僕はSFとして読みましたが、実際には極めて現実的なシュミレーションで、読んだ当時、背筋が寒くなりました。

 ここで維持されている政治体制は、リベラリズムを許さない祭政一致であるわけだし、エコを貫いた文化を維持・浸透させるというのは宗教共同体をいかに結束させるかという近代国家にとっては危険な領域まで踏み込んでいる点です。

オウム真理教が、自分たちの協議・ライフスタイルを貫くために、最終的には国家転覆と自分らの教義による神政を望んだことと、全く同じことです。

この話は、アメリカの北西部における自治州(といっても事実上の独立国)を形成するまでにいたった、その後、を一般のアメリカ人ジャーナリストが取材をするという形式になっています。村上龍の『希望の国のエグソダス』や半村良の『2030年東北自治区』などと読み比べると面白いかもしれません。

長くつ下のピッピ
長くつ下のピッピ
岩波書店
price : ¥714
release : 2000-06

自由で明るい性格

自由で明るい性格は、いろいろな文化の影響を素直に受け止めるところから始まるのでしょうか。ピッピのような女の子がいれば、きっとどんなクラスも楽しいでしょう。家、学校へ行かないことを引き籠もりというのではなく、冒険好きという名前に変わるかもしれません。

ダレン・シャン 12巻 運命の息子
ダレン・シャン 12巻 運命の息子
小学館
price : ¥1,575
release : 2004-03-31

苦しいです

ただただ、泣きました。本でこんなに泣いたのは、生まれて初めてです。
読み手にとって、最後まで切なく苦しいお話でした。
何度ももう嫌だ、こんな切ない思いはもうしたくない、と思いながらも、
本に引きずられるようにしての読了です。

ラストのあり方には賛否両論あるでしょうが、私は何とかダレンには
別の方向に活路を見出して欲しかったです。
ダレン自身は最後、新しいステージへの希望でいっぱいでしたが、この世に生きている限り
自分には、あのラストは到底受け入れる事が出来ない気がします。

数学的にありえない〈下〉
数学的にありえない〈下〉
文藝春秋
price : ¥2,200
release : 2006-08

偉大なる才能の登場

オリジナルは2005年、翻訳は2006年8月25日リリース。筆者のアダム・ファウアーは1970年生まれ、年少時に病気で視力を一度失うとともに少年時代の多くを病院で過ごした経歴を持っている。

素晴らしい才能だ。そして今までのどのミステリ作家にも似ていない。似ていないが次々と爆発するスピード感溢れる筆致に僕はジェフリー・ディーヴァーを連想した。そしてもう一人連想したのは荒木飛呂彦だ。この作者の持つイマジネーションは荒木飛呂彦に似たものがあると思う。

ケインが『すべてのとき』にアクセスする時、それは荒木飛呂彦の創り出したスタンド、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムが創り出す『何処にも決して到達しない』と同じ感覚なのでは、と思った。間違いなく今世紀を代表するであろう偉大なる才能の登場だ。
ダレン・シャン 1 (小学館ファンタジー文庫)
ダレン・シャン 1 (小学館ファンタジー文庫)
小学館
price : ¥693
release : 2006-07-15

読みやすい!

ハリポタも終わる…、そんな寂しさからあたらしい物語を選んだんですが、おもしろい!です!!なんといってもタイトルのとおり読みやすい!次の章が早いので次の章まで次の章までと読み進め結果1日で読破してしまいました!おすすめです、最後に私はオタクでノーカプ好きですが、腐女子の人は萌るものがあるかも?
童謡の謎〈2〉―案外、知らずに歌ってた (祥伝社黄金文庫)
童謡の謎〈2〉―案外、知らずに歌ってた (祥伝社黄金文庫)
祥伝社
price : ¥600
release : 2004-04

なるほど???の連続

小さい時から歌っていた歌にこんな意味があるなんて・・・月の沙漠は日本の海が舞台だったとは。しかしながら「ほんとうは戦争の歌だった 童謡の謎」「外国生まれの童謡の謎」のほんの方がより面白く深いかな?と感じました・・・・
デルトラ・クエスト2〈2〉幻想の島
デルトラ・クエスト2〈2〉幻想の島
岩崎書店
price : ¥945
release : 2003-10

引きつけられる

1に比べ一段と恐怖感、絶望感が増幅されておりわずか3巻ながらとても引きつけられる展開となっている。これまでのようにモンスター相手の戦いだけではなく人間を相手に疑心暗鬼に陥りながら辛い旅路を進んでいく様子がとてもリアルに感じられた。ここまで読みつめて新たにデルトラストーリーの魅力を味わうことになった。パート3にも期待したい。
「三国志」史話
「三国志」史話
立風書房
price : ¥1,427
release : 1987-05

リリス (ちくま文庫)
リリス (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥924
release : 1986-10

幻想小説の名作・翻訳も良いと思います

幻想小説の代表的な作品で、マイル・ストーン的な存在の書です。
よく幻想小説の代表的な作品として紹介されることが多い作品で、読んでみたいと思いましたが、つたない英語力では、洋書では、あらすじを追うだけで精一杯で、味わって読むことができませんでした。
翻訳者は、博物学でも有名な荒俣宏氏で帝都物語といった小説も書いて、映画化もされて有名になりました。
翻訳は有名になる前から、持ち込みで若い頃から多く手がけているベテランです。
日本語に翻訳したのは、荒俣氏が初めてだと思います。
妖精文庫で出ていますが、長らく絶版でした。本書が刊行された時にはうれしく思ったものです。
郷愁の詩人 与謝蕪村 (岩波文庫)
郷愁の詩人 与謝蕪村 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥483
release : 1988-11

原色の世界

蕪村の原色の世界と芭蕉の墨一色の世界。この二人をうまく対比させることでそれぞれの持ち味がうまく説明されていると思いました。
やかまし村の子どもたち (リンドグレーン作品集 (4))
やかまし村の子どもたち (リンドグレーン作品集 (4))
岩波書店
price : ¥1,995
release : 1965-01

やかまし村好きに悪い人はいない

大嫌いで顔を見るのも嫌な人でも、「やかまし村好きなんだよねー」って言われたら、私の中でいい人ランキングはかなりUPします、「本当はいい人かも」って、感じです。その位、この本好きです。

子供たちの日常生活を、主人公の女の子が語る形式で、お話は進んでいます。この本の中では、事件らしい事件は起こりません。でも、ただの日常がこんなにも楽しいものと気づかされるのです。ごくごく普通、でも楽しい。何度読んでも幸せになれる本です。

月世界へ行く (新装版) (創元SF文庫)
月世界へ行く (新装版) (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥714
release : 2005-09-10

原作の方は殆どおぼえてないが。

あまりにもメチャクチャな設定が、かえって面白かった。大砲で月まで宇宙旅行しようとは、すごすぎるよ本当に。細かいことは原作の方はもう忘れたが、映画の方じゃ宇宙人なんかも出てきたっけな。あと、でっかいトカゲみたいなやつ。もう、全てがウソくさいがSFの古典ということでは、貴重な一品。
アンをめぐる人々 (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
アンをめぐる人々 (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
講談社
price : ¥770
release : 2006-01

不思議の国のアリス
不思議の国のアリス
新書館
price : ¥1,680
release : 2005-12

ラッカムの絵がすばらしい

完訳版アリスがほしくて色々調べた末この本に決めました。その理由は、
・言葉遊びがきちんと訳されていること(上手く訳されていると思います)
・語注のバランスがよい(アリス初心者向き)
・挿絵がラッカムであること(カラーもあります、新装版はさらに綺麗だそうです)
 鏡の国のアリスのラッカムがないことが残念です。
・高橋康也の訳であること(新装版は、奥様が一部改訳しています)
 鏡の国のアリスの高橋訳がないのも残念です。
アリス本は沢山出ていますが、完訳でありながら、言葉遊びが全く訳われていないものもあります。他に、もっと語注が多いものや、全くないもの、台詞が大阪弁のもの、もあります。用途にあわせて購入されると良いと思います。挿絵はテニエルが有名ですが、この本を読んで、ラッカムの画集を集めたくなりました。
現代批評理論のすべて
現代批評理論のすべて
新書館
price : ¥1,995
release : 2006-03

バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉 (中公文庫)
バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥680
release : 1999-09

カットグラスの鉢

若い頃読んだ時にはフィッツジェラルドにしては少し気味の悪い作品と思った記憶がある。
今になって読んでみて、このカットグラスに象徴された物が解るようになった自分がちょっとかなしいかな。。。
ほぼデビュー時に書かれたこの作品。フィッツジェラルドの初期の作品は女性にとっては意地悪な感じが少しある。
漆黒の瞳のある青年に”僕は君に贈り物をあげるよ。それは君と同じように硬くて、美しくて、空っぽで中が透けて見えるものだよ。”
という言葉と共にもらったカットグラス、大して重要性も感じず持ち続ける。
年月は経ち、この硬くて冷たくて美しい物に復讐されているように感じてしまう主人公。
この短編終わり近くのガラスの幻想的描写はなんだか心に刺さります。
光は影に、影は光に屈折しゆがめられる光ときらめき。そして
”私は運命だ・・・物事の結末であり君のささやかな夢の成れの果てだ。私は飛び去る時間であり、
消え行く美しさであり、満たさざれる欲望だ・・・君の手の及ばぬものであり、人生という料理の薬味なのだ。”
もう呪いとしか思えない主人公はこのガラスと共に破滅する。しかしこの粉々に砕けた破片を
”月光に照らされた街路中に・・・光煌きを放つ・・・”と描写するところはとてもフィッツジェラルドらしく思う。
「村上春樹」を聴く。 -ムラカミワールドの旋律-(CD付)
「村上春樹」を聴く。 -ムラカミワールドの旋律-(CD付)
阪急コミュニケーションズ
price : ¥1,680
release : 2007-03-28

ディスクガイドとしても使いやすいです。

「ねじまき鳥クロニクル」の冒頭に「ロッシーニの『泥棒かささぎ」はスパゲッティーをゆでるのにうってつけの音楽」と書かれています。
初めてこの本を読んだとき「「泥棒かささぎ」とはどんな音楽なんだろう?」と思い急ぎCDを買いに行ったことがあります。
村上春樹の小説を読んだことがある人なら、誰でも一度は同じような経験があるのではないでしょうか。
この本はそんな人にとっては格好の一冊となっています。
1つの作品ごとに音楽が使われた箇所の記載、アーティスト名、アルバム名が書かれており、CD購入の際には非常に便利です。
自分もあまり詳しくないクラシックを購入する際の一つの目安としています。
付属のCDも落ち着いた雰囲気で好盤です。CD付きでこの値段も良心的だと思います。
衣服の描き方 学校制服少女篇
衣服の描き方 学校制服少女篇
グラフィック社
price : ¥1,523
release : 2003-06

かゆいところに手が届く一冊!

制服の少女が、普通に立っているところから
走る、電車のつり革につかまる、胡坐をかいて座る、傘をさす
ピアノを弾く、バイオリンを奏でる
などの、細かいポーズまで丁寧に描かれています。

セーラー服の仕組みや、ブレザー少女なども載っていますし
学生かばんやローファーなどの小物も詳細に載っていてとても参考になります。

絵を描くときにとても役にたっています。

十字の刻印を持つふたり―アニタ・ブレイク・シリーズ〈1〉 (ヴィレッジブックス)
十字の刻印を持つふたり―アニタ・ブレイク・シリーズ〈1〉 (ヴィレッジブックス)
ソニーマガジンズ
price : ¥903
release : 2006-04

ヴァンパイアもの大好き。

ヴァンパイア・ハンターであるヒロインのアニタ・ブレイクが活躍するロマンティック・サスペンスですが、ヴァンパイアやゾンビ・獣憑きが出てきてホラー要素もしっかりあります。
マスター・ヴァンパイアであるジャン=クロードとアニタとの不思議な絆が感じられ、二人のラブロマンスかと思いきやこの作品ではそうとも言えないようです。
この作品ではエロティックな雰囲気のシーンやラブシーンらしきシーンはよく出てきますが、ロマンス感は意外と薄いと思います。
それでも、ロマンスありホラーありアクションありで、しっかりワクワクする内容です。
美形キャラが多く登場しますし、訳者あとがきによると今後アニタとジャン=クロードと並ぶ主要キャラとして人狼のリチャードが登場するらしく、人間・ヴァンパイア・人狼の三角関係に期待が持てそうです。
また、アメリカではアニタ・ブレイク・シリーズは13作にもなり、各種ベストセラーリストでトップに登場したそうですのでますます今後の作品が楽しみです。
ノーラ・ロバーツがもうひとつのペンネームJ.D. ロブ で書いているイヴ&ロークシリーズがお好きな方にはこの作品もお勧めできると思います。

前田建設ファンタジー営業部
前田建設ファンタジー営業部
幻冬舎
price : ¥1,300
release : 2004-11

いったいいくらなの??

本書はWebのコンテンツに加筆、修正したものです。
さて、この本。光子力研究所のマジンガーの格納庫の施工の見積を作る話です。
いたってまじめに、見積を作成しています。
現在の技術で、現在の材料で、果たしていくらであの格納庫を作れるのか。
この本。あの空想科学読本(←おいらは、だいっきらいです)に、似てますが、まったく取り組み方が違います。もともと企業のサイトのコンテンツなので、いたってターゲットに対してまじめに取り組んでいます。また、内容もプロフェッショナルなもので、建築に関する知識も、もりもり増えていきます。
建築関係の本としても、読み応えがあります。
ひょっとすると、この本、もっと評価されてもいい本かもしれません。
それでは、マジンガーの格納庫の施工期間と工費は、いくらか?
この本を読んでみてください。

しあわせの石のスープ
しあわせの石のスープ
フレーベル館
price : ¥1,470
release : 2004-12

【商品詳細】

引退間際の年寄りギャング、エディ・デクーチが、ニュージャージー州のトレントン近くで逮捕された。容疑は、たばこの密輸。ところが、デクーチは法廷に現れなかった。そこで、バウンティハンター(逃亡者逮捕請負人)のステファニー・プラムは、彼を見つけだし、そのよぼよぼの体を刑務所に引っ張ってくるという仕事を任されることになった。 仕事は簡単ではなかった。デクーチは長年にわたり悪事を重ねてきているし、銃の扱いにも慣れている。彼はすでにロレッタ・リッチを射殺しており、その死体はデクーチの小屋でミミズのエサになっていた。ステファニーをミミズに進呈することくらい、彼にはどうってことないのだ。 愛すべき人生の落後者(そして高校の同級生)ウォルター・“ムーンマン”・ダンフィーとドジー・“ザ・ディーラー”・クルパーは、不注意にもデクーチとかかわり合いをもってしまっていた。彼らはたばこの密輸という簡単な仕事だけでなく、かなりの危険を伴うヤバい仕事にまではまってしまって抜けられなくなっていた。 ドジーが消息を絶っても、ステファニーは捜索を続けた。しかし、ムーンマンが消息を絶つと、さすがにショックを受け、同僚のバウンティハンターのレンジャーに助けを求めた。レンジャーの見返り? それは、ステファニーと一夜を過ごすこと。もちろんこれは、たまに泊まりに来る刑事、ジョー・モレリにはないしょである。でもこれは、ステファニー・プラムにとっては別に普通のこと。 一方、実家では、ステファニーの非の打ちどころのない姉、バレリーが、トレントンに戻ることを決意。しかも、やんちゃで手のつけられない2人の子どもたちを連れて。マズールおばあさんは「レスビアンであるというのはどういうものなのか?」という質問を繰り返し、大食い犬のボブは目に見えるものはすべて、家具であっても食べてしまう。 泥レス、バイク、暴走、ファーストフード、手の早い男たち。それが『Seven Up』。ジャネット・イヴァノヴィッチの最高作であることは疑う余地もない。

母の勧めで知りました

いい本だから、子供に読ませてと頂いた本。
心温かくなる、優しい本でした。
幼稚園の子供には少し文字が多すぎますが
ゆっくりと読み進めると理解してくれたようです。

それと、絵がとってもいいです。
一人一人表情が違くて、細かく丁寧な描写。素敵です。

他人を思いやる気持ち、大切だなぁとしみじみ思う本でした。

ダレン・シャン〈5〉バンパイアの試練 (小学館ファンタジー文庫)
ダレン・シャン〈5〉バンパイアの試練 (小学館ファンタジー文庫)
小学館
price : ¥693
release : 2006-11

試練につぐ試練

やはりコンパクトサイズだと持ち運びしやすくて嬉しいです。字も大きめで読みやすいです。ただ、児童向けのはず(?)ですが、血なまぐさい展開も多いです。その為、そういったものが苦手な方にはオススメできないかもしれません。
ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥945
release : 2001-03

面白いです

 アイデア(例えばAIがどこにいるのか)は面白いし、キャラクター(キャラクターとは言わないけど雲門など)も立っているし、十分に楽しめました。星3つなのはちょっと長すぎる気がしたから。といっても4部作の中では続作の『エンディミオン』と並んでもっとも読みやすく引き締まっている方なのですが。が、「読み出したら止まらない」ということは私についてはありませんでした。結局読み終わるのに1週間はかかりましたからね。でも、本読みなら一度読んで損はない作品です。
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥903
release : 2001-03

面白いです

 アイデア(例えばAIがどこにいるのか)は面白いし、キャラクター(キャラクターとは言わないけど雲門など)も立っているし、十分に楽しめました。星3つなのはちょっと長すぎる気がしたから。といっても4部作の中では続作の『エンディミオン』と並んでもっとも読みやすく引き締まっている方なのですが。が、「読み出したら止まらない」ということは私についてはありませんでした。結局読み終わるのに1週間はかかりましたからね。でも、本読みなら一度読んで損はない作品です。
IT〈4〉 (文春文庫)
IT〈4〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥780
release : 1994-12

アホ訳

全体を通して、誤訳、偽訳、ゴマカシ訳の嵐。英語を全く理解していない低能極まりないボンクラによる拙訳。読みたければ、原書を読もう。こんな馬鹿げた翻訳を読んではいけない。
パリの恋人〈上〉
パリの恋人〈上〉
竹書房
price : ¥1,680
release : 2005-02

ただのシンデレラストーリーではありません!

私は今まで「韓流」に特に興味がなく、ブームの波に全く乗っていませんでした。そんな私でしたが、偶然知人が貸してくれた「パリの恋人」のDVDを見てこのドラマにはまってしまいました。

今まで愛を知らなかった主人公ギジュが、生まれて初めて自分の心に芽生えた恋心に気づき、今まで経験したことのない悩みに苦しみ、そして幸せを感じる。こういった心理描写や愛が意味するところを俳優さんたちがすばらしく演じていました。また、テヨンが男性とは違う女性特有の「強さ」や「たくましさ」でやさしくギジュを包み込むシーンも大好きです。

DVDの最終話にしっくりきていない人が多いと思います。最後の最後でなんだかややこしい結末になっていて、私は正直ショックを受けました。そこでこの本がその苦しみから救ってくれました。DVDを見てから本を読まれることをおすすめします。できればサントラもかけて。心理描写は本のほうがより詳しく描かれています。また、結末も非常に納得の行く、最後までほっこりとした気分で読み終えることができる内容となっています。

買うかどうか迷われている方は、買ってください。後悔はしないと思います。
かいけつゾロリのきょうふの宝さがし (ポプラ社の新・小さな童話―かいけつゾロリシリーズ)
かいけつゾロリのきょうふの宝さがし (ポプラ社の新・小さな童話―かいけつゾロリシリーズ)
ポプラ社
price : ¥945
release : 1999-07

埋蔵金とは?

本のカバーに、仕掛けがある!
電気の光をカバーに当ててから、部屋を暗くすると、カバーが光り出すのである。

表表紙の裏には日本中の埋蔵金のある場所が書かれ、裏表紙の裏には「毎讀新聞」が書かれていて、隙間なくびっしりと読める。

探検隊が、埋蔵金を探していると勘違いしたゾロリ。
洞窟の中で出会った妖怪学校の先生に、生徒(=妖怪)たちの協力をたのんで、探検隊員を捕まえた。

ところが、探検隊の探していたものとは?
そして「埋蔵金」と書かれた、切れた文章の謎とは?

相変わらず、宝を手に入れられないゾロリ。
けれど、せっかく運んだ石のお金を割ってしまったイシシとノシシに、
ゾロリは明るく、
「また、(宝のある場所を)みつけてやるぜ」
と言うのだった。

その明るさが、いい。

快傑ムーンはご機嫌ななめ (扶桑社ミステリー)
快傑ムーンはご機嫌ななめ (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥920
release : 2003-03

ハイテンション!

 今日紹介する本は、とにかく元気が出る本です。
 このイワノヴィッチのバウンティハンター(バウンティハンターというのは逃亡中の犯罪者や、保釈金を払って一時帰宅したまま出頭しない犯罪者を捕まえる賞金稼ぎです)シリーズは、いきなりですが、まぁ下品です。
それでもって登場人物たちは自分の欲望(物欲はもちろんのこと、色欲もとんでもないレベルで濃いです)のままに生きている、まぁとんでもない小説です。けれど、それが汚らしくというかギトギトにならないギリギリのレベルでとてめられているので、読むとあまりの馬鹿馬鹿しさにひたすら笑い転げ、いろいろなことを気にしたり悩んだりするのが馬鹿馬鹿しく感じられるという、なかなか得難い小説です。
 個人的には、これはもう「抗鬱小説」と読んでもいいのではないか、なーんて考えてます。
 さて。そんなわけでシリーズ第七作ですが、またまた今回も主役のステファニー・プラムは厄介な逃亡者を追いかけることになります。なんといっても相手は60代のおじいちゃん。同じ町内に住んでいるし、大人しそうに見えるし、強いて問題をあげるなら、プラムの実のおばあちゃんのメイザとつきあっているという噂があるだけなので楽勝の依頼と思われました。しかし、捕まえるのに苦労はないどころか、捕まえようとしたら迷わず拳銃をぶっ放してくるし、車で彼女をひき殺そう襲って来ます。
 しかも、彼が逃げ去った家からは、死体が出てくるし、プラムのちょっとした友人(いつも薬でらりってて盗品ブローカーとして有名な二人組)は行方不明になるし、そのうちの一人がプラムの家に転がり込んできたことで
恋人のモレリ刑事はイライラが頂点に達してしまいます。また、そんなモレリとはりあうように黒人の逞しい傭兵、レンジャーがブラムに言い寄って来ます。
 まぁ、シリーズのメインキャラがハイテンションでプラムのまわりをうろうろしているというのが今回の物語のはじまりで、そこに逃げたおじいちゃんや、何故か彼女に脅しをかけてくるようになったマフィアや初登場のこれまたいかれたプラムのお姉ちゃんまで現れて、ハチャメチャで賑やかな世界が繰り広げられます。
 正直なところストーリー云々よりも、キャラクターの方がメインになってしまった感もありますが、それもまたよいかなと思えるくらい事件と関係ないところで話は盛り上がっています。
 下手なハーレクインロマンスより恋愛的にというかしもネタで盛り上がるこの小説ですが、不思議と笑いはからっとしていてじめついていないのでお薦めです。

抄訳版 失われた時を求めて〈3〉 (集英社文庫)
抄訳版 失われた時を求めて〈3〉 (集英社文庫)
集英社
price : ¥1,000
release : 2002-12

小説の楽しみ

プルーストに登場する人々って何だか日本人とは異質の全然別世界のフランスのお金持ちとか貴族っぽい人なのかなあ?・・?って初めは思うんですが、段々慣れてくると、ロシアの小説に出て来る破天荒で面妖な?ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」や、本当に全ての人間の原型みたいなトルストイの「アンナ・カレーニナ」の人々のように、こういう人っていますよね?!って感じになって来ます。

この「囚われの女」のアルベルチーヌなんか本当に可愛いです。こういう悪戯っぽいチャーミングな女の子になってみたい!って一度は思う若い女の子も多いんじゃないでしょうか?昔はアルベルチーヌみたいだったけど、最近のアタシはもう老けちゃって、スワンの奥さんになったオデットみたいになんだか世間ズレしちゃったわ・・トホホ。なんて感慨に耽るのもまたご一興。掛かりつけの○○医院の先生ったら、コタール先生と同じで全然気が利かないんだから。でも信用してるけど。など等。

ちょっとオタクっぽいですが、小説の登場人物がまるで自分の友達のように思えてくる小説は、本当に貴重だと思います。人生の財産。寂しい時、疲れた時の本当の癒しです。いい日本語の翻訳が安く買えるようになって本当にうれしいです。
競売ナンバー49の叫び
競売ナンバー49の叫び
筑摩書房
price : ¥2,835
release : 1992-11

仕組まれた自由に誰も気づかずに…

 本書はThomas Pynchonの小説二点の翻訳、"The Crying of Lot 49"および
"Mortality and Mercy in Vienna"を収録。

 表題作、『競売ナンバー49の叫び』。
「ある夏の日の午後」のこと、「どの日もどの日もまずは似たものばかり」、そんな平凡な
ヒロイン、エディパ・マースのもとに一通の手紙が舞い込むところからすべてははじまる。
それは大富豪ピアス・インヴェラリティの遺言執行人に彼女が選出されたことを告げる手紙、
そしてそれは彼女を夢幻とも現ともつかぬ波乱の日々へと誘う手紙。
 テレビの映画放送、観劇した芝居『急使の悲劇』、切手コレクションと秘密の郵便組織――
全てのものが意味ありげなざわめきを以って彼女にささやきかけてくる。彼女が巻き込まれた
世界は果たして、誰かの手によって周到に仕掛けられたものなのか、それとも歴史の必然の
こだまか、あるいは単なる偶然の連なりの中に妄想を見出しているに過ぎないのか。
「ザ・トライステロ」、それは彼女を包囲する何かの謎を明かすに留まらず、「彼女の塔に
幽閉されている状態に終止符を打つ」鍵を握ることばに違いなくて、ところが、このことばを
めぐる探求が彼女をさらなる深みへと引きずり込むこととなる。
 やがて狂気と正気は境界を失い…そんな人間の依って立つ世界の危うさ、セカイの危うさに
肉薄した、実はすぐれて正統派の佳品。

 この小説は決して軽やかなエンターテインメントの類ではない。幾度となく執拗に慎重に
読み返され、読み解かれるべき一冊。
点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)
点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2000-09

子供の視点

子供をほったらかしにする親。
子供の友達づきあいの中で、家族からは得られない情報と経験を積み重ねていく。
それでも、家族の絆の大切さもにじませている。

最初は、あまりよくわかりませんでしたが、
映画(DVD)を見て、筋が分かってから、文庫を読んだら、よく分かりました。

人によって、文庫が先の方がいい人と、
映画が先の方が良い人がいるかもしれません。

文庫をよんでピンと来ない人は、ぜひ、映画(DVD)をごらんください。

エマ〈下〉 (岩波文庫)
エマ〈下〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 2000-10

見物です。

フランク・チャーチルの突然の婚約。ハリエットはフランクを好きだと思いこんでいたエマだけど、実はハリエットが好きなのはナイトリーだった!そのことを知らされてやっとエマ自身もナイトリーが好きだと気づいた。
エマの葛藤がうまく表れているし、その背後で起きる出来事も奥が深くて面白い!上巻と合わせて読んでみてください。
プロファイリング・ビジネス~米国「諜報産業」の最強戦略
プロファイリング・ビジネス~米国「諜報産業」の最強戦略
日経BP社
price : ¥2,310
release : 2005-09-15

読みやすいですよ。

内容は、他の方が色々と書かれているので割愛し、読みやすさから言うと読みやすい本になると思います。

また、感情的に情報産業を批判するために書かれた物では無く、客観的に悪い点・良い点を両方を書いています。

ダーウィンの進化論を聞いて、人間の価値観が変わったように、これからインターネットの利用や、ITの進歩に伴ってプライバシーが無くなりこれまでとは違う価値観が形成されていくかもしれません。

そう思わせる本でした。
アインシュタインの夢 (ハヤカワepi文庫)
アインシュタインの夢 (ハヤカワepi文庫)
早川書房
price : ¥609
release : 2002-04

さまざまな「時間」の世界

天文物理学者でもある著者が、アインシュタインの夢として、さまざまな「時間」の世界を小説風に語ったもの。時期は1905年(奇跡の年)に設定され、アインシュタインが特許局に勤めていた頃の夢として記述されており、30もの「時間」の世界がそれぞれ4?5頁程度に纏められていた。「時間のない世界」、「時間が逆に進む世界」および「不連続な時間の世界」など普段あまり考えたことのない世界をみることができてとても新鮮だった。また、著者観点の叙述のみで語られているスタイルも、内容がスッキリとして伝わってよかったと思う。
アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3 (ランダムハウス講談社文庫)
アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3 (ランダムハウス講談社文庫)
ランダムハウス講談社
price : ¥819
release : 2006-12-02

とても読みやすい

お茶と探偵シリーズ第三作です。
今回の事件は殺人ではなく、デレインの姪の婚約披露会場で婚約指輪が消えた!主人公セオドシアは、チャールストンに怪盗がいるのでは!?と疑います。そしてヘリデッジ協会主催の名宝展で首飾りが盗まれた。責任を問われるネヴィルやデレインを救う為、セオドシアは立ち上がります。
今回もお茶の話がいっぱいで、セオドシアの店も大忙し。日本茶だけでなく、ドレイトンの盆栽やイケバナもでてきます。作者は日本文化が好きなのでしょうか?
相変わらずセオドシアは無茶をして危機もありますが、今回は愛犬アール・グレイもご主人とともに大活躍!シリーズの中では最高です♪読みながら自分もチャールストンの住民になりたい!と思っちゃいますよ。
盟約 下  文春文庫 ニ 1-5
盟約 下 文春文庫 ニ 1-5
文藝春秋
price : ¥820
release : 2002-08

大河ストーリーの第二段

「勇魚」に始まるニコル氏の大河小説の第二段である。
「勇魚」の主人公であった甚助(銛一甚助=ジム・スカイ)の末子である銛一三郎の物語である。カナダに居住する甚助の末子三郎は、日本人への偏見に満ちたカナダを後にし、明治期の日本へ渡る。下巻では日本海海戦勝利後の三郎の諜報員としての訓練、カナダへの帰国などを描いている。

上官のレビューでも触れたが、「勇魚」での父甚助の物語のような爽快さは、三郎を主人公とする本作では描かれない。エピソードの一つ一つは爽快な側面を持ち、山中での諜報員訓練の描写などは、ニコル氏の武道、格闘技への造詣の深さにより精緻な描写が行われ、山中の空気の清清しさまで伝わってくる。しかし、いかんせん時代背景と、国や組織への忠誠が背景にあるため、三郎の成長と活躍もどうしても暗い印象を与える。

結末は続編の執筆を含んだものとなっているため、中途半端な印象を受けるが、四巻ものの第2巻が終わったと考えれば良いのか。幸い既に続編は上梓されているので、「どうなるんだよ」というストレスは感じなくても大丈夫だし、ラストが物足りないと感じる場合は続編である「遭敵海域」と「特務艦隊」を読まれることをお勧めする。
「特務艦隊」はまだ文庫になっていないのだが。
チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)
チャタレイ夫人の恋人 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥900
release : 1996-12

愛とは何か?

辞書によると、『対象をかけがえのないものと認め、それに引き付けられる心の動き。また、その気持ちの表れ。』という事になります。その「愛=かけがえのないもの」とは何か?どんなものであるのか?どのようなキッカケでそうなり得るのか?またその事に気が付いた人々はどうなっていくのか?を描いた小説。とても意義のある大変面白い小説です。また、作者の構成力も、ストーリー、そのディテール、描写、どれも大変素晴らしかったです、これについては訳者の方も素晴らしいと思いました。

階級社会の生活、機械社会の、また拝金主義の蔓延に繋がっていく流動性がある社会の中で「愛」の重要性に図らずも気が付いてしまった夫人のとてもリアルな心の動きが良かったです。下半身不随の夫がすがらなければならない権威と精神生活では得られない肉体的快楽との対比や、生活のためのお金と贅沢のためのお金の対比、保守的なものと保守的さえ超えた原始的とも言って良い生活の対比、その他にも非常に多くの生活、社会全般の様々な事に焦点を当てながらも、究極の生きていける目的のような「愛」を獲得していこうとする主人公を取り巻く動き、描写、様々な人物の心情までもがとても細かく、それでいてそれぞれが納得できる、作者の都合だけで動かされない小説です。素晴らしいです。


昔の感覚ではワイセツにあたるか論争があったようですが、それを判断するのはそれぞれの読者であって、小説であればたとえどんな内容でも特に規制する必要は無いのではないかと。今では「美しい」とさえ言えるのでは。ワイセツを誰が定義するかですよね?これがワイセツなら、今はワイセツな本だらけになっちゃいますし、それでも良いと思います。規制されるより。
バーティミアス 3 プトレマイオスの門
バーティミアス 3 プトレマイオスの門
理論社
price : ¥1,995
release : 2005-12-08

衝撃のラスト!

衝撃のラスト!
いよいよ最終章!
すっかり国民の人気者、アイドルとなったナサニエル、性格は相変わらずですがかなり自信家となっています。
そして彼に使われてへとへとになっているバーティミアス。
彼らが新たな難問に立ち向かいます。そこに人間の少女キティがからんで、唯一バーティミアスの心を開いた少年の逸話、彼の秘密が明らかにされると共に、みんなにとって最後のそして最大の冒険が始まります。
そして衝撃のラスト!
このシリーズが好きな人だったら絶対はずせません。

南仏プロヴァンスの木陰から (河出文庫)
南仏プロヴァンスの木陰から (河出文庫)
河出書房新社
price : ¥693
release : 1996-05

南仏に行った気分?

イギリスから移住した著者と一緒にプロバンスを楽しめます。土地の人たちが偏屈で頑固で、でも優しいところも沢山あって何よりワインや料理にはとてもうるさい そんな人達に教えられながら色々な体験をして私もプロヴァンスに詳しくなったようなグルメになったような気がします。南仏プロヴァンスの12か月を先に読むことをお薦めします。 ビデオも出てますよ。 
メディエータ〈2〉キスしたら、霊界?
メディエータ〈2〉キスしたら、霊界?
理論社
price : ¥1,449
release : 2005-06

最高☆

本屋で見掛けて気になったので、そのままレジへ直行!
買って正解でした!!私はこの手の話が大好きなので、見事にはまりました☆出ているメディエータシリーズ4冊全部買っちゃいました^^
主人公の霊能者(メディエータ)スザンナは同年代として共感できる事も多くてカワイイし、スザンナの部屋に住み着いてる幽霊のジェシーはめっちゃかっこいい!!
私のツボにクリーンヒットした作品です!!
主人公と幽霊の彼とは結構イイ感じで、これからが楽しみです!
その二人を邪魔するポールも素敵です・・・。
早く続刊でないかな?続きが気になって仕方ないですvv
DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
ダレン・シャン〈4〉バンパイア・マウンテン (小学館ファンタジー文庫)
ダレン・シャン〈4〉バンパイア・マウンテン (小学館ファンタジー文庫)
小学館
price : ¥693
release : 2006-11

いまのとこダレンシャンシリーズでこれが1番好き

ダレンは半バンパイアなので、年をとるのがおそいのでいきなり6年後とかなりそこがちょっと気になるのですがめちゃこのバンパイア・マウンテンでダレンシャンシリーズ好きになります!!ダレンとエブラの間に距離ができてさみしくかんじられるとこもありますがリトルピープルことハ?キャットとがぐっとかかわりあい面白くなってきます。ぜひ読んでみてください
蕪村俳句集 (岩波文庫)
蕪村俳句集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1989-03

ザ・スタンド  2 (文春文庫)
ザ・スタンド 2 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥900
release : 2004-05-12

欠伸が出そう

評価が高かったので、読みました。
評価の割には、退屈な内容でした。
登場人物は大勢居ますが、一人も共感できませんでした。
つまらなすぎて、取り上げる内容が見つかりません。

ある日どこかで (創元推理文庫)
ある日どこかで (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥1,029
release : 2002-03

映画から入ったけど

コアなファンが多いあの映画の原作ということで読んでみました。
訳はしっかりしていて読みやすかったのですが、微妙に主人公のイメージが違う。小説として、男性の視点からのみ語られている限界だったのかな
映画のときほどは感動が得られなかったのが残念。
夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)
夢みるピーターの七つの冒険 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥620
release : 2005-10

ヴァージン―僕は世界を変えていく
ヴァージン―僕は世界を変えていく
阪急コミュニケーションズ
price : ¥1,890
release : 2003-04

冒険の人生を謳歌しています 

会社の経営も、冒険も、私生活(笑)も、相当破天荒です。

また、それを隠さずに自分の言葉で表現して行きます。
常にアクセルを吹かし、ハイスピードで人生を謳歌している姿がまぶしいです。

航空ビジネスへの進出がその際たるものだと思いますが、合理的な事業の選択も何するものぞ、既存の業界大手で席捲されているマーケットに挑み、こじ開けながら進んで行きます。

顧客の視点を、強烈に持っていることが、成功を生み出して来た原点かと思います。最初に始めたレコードショップも、自分だったらこういう店に行きたい、こうあって欲しいという強いこだわりがあり、実際にそうした店を作って行きます。

「数字よりも直感を大切している」「30秒でその人を見極める」「30秒で決める」というコメントもありますが、それぞれの分野で才能のある人を見つける能力が非常に高く、またそうした人達に任せる、というスタンスも徹底していると思います。

普通の人なら参ってしまうようなピンチや極限状況で、とてつもない集中力を発揮し、運も引き寄せて次々とクリアして行きます。何度死に損なったことか(笑)。
なかなかマネするのは大変ですが、決断すること、また、その時の行動力を見習いたいと思います。


ぷれいぶっく (主婦の友はじめてブックシリーズ) (主婦の友はじめてブックシリーズ)
ぷれいぶっく (主婦の友はじめてブックシリーズ) (主婦の友はじめてブックシリーズ)
主婦の友社
price : ¥1,365
release : 2006-01-01

赤ちゃんが楽しめる絵本

遊べる絵本の中でも、
特に色合い、イラスト、しかけの内容などが丁寧な作りで、
親も赤ちゃんもきっと大満足なはず。
0歳の赤ちゃんに是非触って欲しい、遊んで欲しい絵本です。
他にもシリーズがあります。
おしゃれママ達にも是非オススメしたいかわいい絵本です。
諸王の冠―ソーサリー〈04〉 (Adventure game novel―ソーサリー)
諸王の冠―ソーサリー〈04〉 (Adventure game novel―ソーサリー)
創土社
price : ¥1,260
release : 2005-04

到着

無事届きました。。ありがとうございます。。
これからゆっくり楽しみます
クィディッチ今昔―ホグワーツ校指定教科書〈2〉 (ホグワーツ校指定教科書 (2))
クィディッチ今昔―ホグワーツ校指定教科書〈2〉 (ホグワーツ校指定教科書 (2))
静山社
price : ¥945
release : 2001-09

クィディッチの歴史

サッカー、ハンドボール、水球に似た球技だが、
放棄にのっているところは、一線を画している。

ハリーポッタの背景情報として、1024倍楽しめる。
白い雌ライオン (創元推理文庫)
白い雌ライオン (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥1,575
release : 2004-09

久々にオモシロイ刑事ものシリーズ発見

スウェーデンの田舎刑事、クルト・ヴァランダーのシリーズ3作目。抱えた失踪事件が、南アフリカのマンデラ暗殺計画に遠くつながることが次第にわかり、ダイ・ハードさながらの活躍を見せるヴァランダーですが、相変わらず冴えない中年刑事に変わりはありません。自分のアパートには泥棒が入るし、ジャンクフードばかり食べてるし、前作で出会った女性に未練たっぷりだし。イースター警察の面々も相変わらずいい味を出しています。
砂の本 (集英社文庫)
砂の本 (集英社文庫)
集英社
price : ¥820
release : 1995-11

ボルヘスはwikipediaの夢を見たか? !(^^)!

ボルヘスの円熟期の短編集です。

まずタイトルの「砂の本」。読んだ後、頁を閉じてまた開くと新しい頁が
増えている。まるでwikipediaじゃないか!
初めて本書を読んだ頃はまだネットも始めていなかったので邀撃でした。
しかしボルヘスの短編には「砂の本」「バビロニアの図書館」などITを予言したと
思われるものが数多くあります。宇宙の全ての情報を詰め込んだ本なんて現在の
ナノテクガラスに通ずるアイデアのものもあります。

もう一つの短編集のテーマ「恥辱の世界史」は古今東西の極悪人特集です。
日本からは吉良上野介を選出されています。勿論忠臣蔵のネタに迫ります。
「恥辱の世界史」は小説というよりも極悪人百科という意味合いとして
捉えてください。

蛇神の女王 - ベルガリアード物語
蛇神の女王 - ベルガリアード物語
早川書房
price : ¥987
release : 2005-03-24

ふつう

指輪物語を下敷きにしていることは、すぐにわかります。指輪と比べると、だいぶ面白さが落ちます。でも、ハリーポッターよりは格上です。
物語の展開が、やや重たい。余分な逸話がたくさん入っている感じです。主人公たちは絶対に無事なのが、読んでいてわかるので、安心して読めますが、一方では物足りない。
途中で何度も読むのをやめようかと思いましたが、それなりに面白いと思います。
擬人化たん白書
擬人化たん白書
アスペクト
price : ¥1,365
release : 2006-08-08

正直、こんなにいっぱいいるとは…!

食べ物とか新幹線なんかを萌えキャラにしてしまうのが擬人化で、びんちょうたんとかハバネロたんなどが有名です。
この手の有名な擬人化キャラは、以前からネットでちょくちょく見てましたが、この本で初めて知ったキャラがたくさんいました。
200人以上集めているとのことですが、こんなにいたのか!って感じで驚きました。

また、この本は擬人化キャラの図鑑としても楽しめますが、単なるキャラクター本という感じではなく、
いざ読み始めると非常に読みごたえがあり、長く楽しめるところが良いですね。
擬人化の歴史や海外の擬人化キャラ情報や精神科医の斉藤環のコラムなどもあって、擬人化について真面目に1冊にまとめています。
その意味で資料的価値もあり、擬人化について詳しく知りたい人にはお勧めできます。

そして、表紙をめくった裏には驚くべきキャラクターが!・・・ぜひ買って確かめてみてください。
週刊司馬遼太郎 2 (2) (週刊朝日MOOK)
週刊司馬遼太郎 2 (2) (週刊朝日MOOK)
朝日新聞社出版局
price : ¥900
release : 2007-04

やめられない とまらない 週刊司馬遼太郎

司馬遼太郎さんの作品を軸に縦横無尽に広がり、
読者を裏切らない展開はこのVol.2でも顕在。
司馬さん亡き後、生まれては消えていく、幾つもの
司馬さん関連の出版物があふれるなかで、
『週刊司馬遼太郎』というブランドをこのVol.2で
早くも確立してしまった感がある。
決して二番煎じではない、意義のある
Vol.2である。
サイズ的にも旅行カバンにも入れやすく、
ちょっとした旅のお供にも最適。

一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)
一人の男が飛行機から飛び降りる (新潮文庫)
新潮社
price : ¥700
release : 1999-08

もう最高

立花隆の本から、その存在を知った。

かなりいい感じの本だ。ぶっ飛びすぎ。

この手の本は、どういうカテゴリーに分類されるのであろう?。

是非とも著者に会って、一つ一つの話の奥深い意味を知りたい。
嵐が丘〈下〉 (岩波文庫)
嵐が丘〈下〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥693
release : 2004-03

a chainless soul

エミリ・ブロンテのことは、NHKドラマ「ハゲタカ」のエンディング・テーマとなっている以下の詩の作者として知った。

Riches I hold in light esteem.
And Love I laugh to scorn;
And lust of Fame was but a dream
That vanished with the morn -

And if I pray, the only prayer
That moves my lips for me
Is - 'Leave the heart that now I bear,
And give me liberty.'

Yes, as my swift days near their goal,
'Tis all that I implore -

Through life and death, a chainless soul,
With courage to endure!

ブロンテの考える"a chainless soul"すなわち「自由な魂」を持った者の哀しみが、この物語では描かれている。
身分違いの恋を成就させることができず、発狂死を遂げた女主人公キャサリンの亡霊は、童女の形をとってヨークシャーの荒野を彷徨う。
現在と過去、夢想と現実とを巧みに織り成して、物語は読む人を、人間のこころの不思議へと誘うのだと思われた。

「ねえ、ネリー、わたし、もし天国へ行ったら、とってもみじめな思いをすると思うの…
地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、天使たちが怒って、わたしを荒野に放り出したんだけど、落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、嬉し泣きして目がさめたわ。」

「穏やかな空のもと、ぼくは墓のまわりを歩きながら、ヒースや釣鐘草の間を飛ぶ蛾を眺め、草にそよ吹くかすかな風に耳をすませた。
そして、こんな静かな大地の下に休む人の眠りが安らかでないかもしれないなどと、誰が考えつくだろう、と思うのだった。」

神〓剣侠〈5〉めぐり逢い (徳間文庫)
神〓剣侠〈5〉めぐり逢い (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥840
release : 2006-10

大団円はいいけれど。

読み進むにつれてこの5巻・・・。笑うしかなくなってきちゃって。(^^;)
ハッピーエンドは好きですけど。
でもこんなに何もかも無理やりな展開でなくても???!!!!!
と、冷や汗をかいてしまいました。

納得いかないところが多いかったんですがそれでもドラマがなかなか面白かったので
原作を読んでみたんですが・・・。

「この作家さんはすごく人気のある大家らしいから
ドラマの破綻しているところはきっとドラマの脚本のせいで
原作はしっかりした話なんだろうな?。」とわくわくして読み始めたら。
違うよ!原作からこの調子なんだ!!!とよく判りました。

特にこの5巻の破綻ぶり!!

いっそ爽快です。

読みながらちょっと気が遠くなったのは私だけなんでしょうか?!
この戦争シーンは背景も何もかも曖昧で無茶というのは置いておいても
ご都合良すぎ・・・。それも相当な力技。

どれだけ命を助けてやっても今までは
楊過を事あるごとに悪く思ってきた黄容と郭芙がもう気持ち悪いぐらいに
楊過を大絶賛。小龍女は相変わらず書き手に都合のいい女だし、
みんなに英雄!と言われちゃうし。
もう怖いくらい。

なんだか今まで読み通したのが一気に馬鹿馬鹿しく・・・。
まあドラマで語られていないところが判って良かった。
1度は読みたかったのでいいです。気が済みました。
でも、これが・・・中華圏で大人気の作家・・・?微妙な心境。

文学とは何か―現代批評理論への招待
文学とは何か―現代批評理論への招待
岩波書店
price : ¥3,990
release : 1997-02

「文学理論」の解体からイデオロギー論へ

文学理論とは、われわれの生きる時代の政治やイデオロギーの一部であることを立証するのが、本書の最大の課題である。こんな課題当たり前のこと、と思われそうだが、日本では(おおざっぱにいって)「政治と文学」の問題は、もっぱら党派政治とそれの従属化、超克か、という点で論じられてきたようにおもう。本書のように、政治思想・イデオロギー史の文脈で文学論を整理するということはやられてこなかった。文学理論は政治的であり非政治的たりえない」これが結論である。そして本書は、文学の「審美性」への内向が批判されており、したがって、のちの『ポストモダニズムの幻影』につづく、ポストモダン論が展開されている。デリダ・フーコーらに対して、その政治的実践性の観点から評価を与え、他方でそうした実践性を換骨奪胎し、ただの「言説論」に堕していったその追従者に対しては断罪する。日本では全く逆の(政治実践性が否定される)評価が、80年代なされたことを考えれば、いまだこのイーグルトンのポストモダン評価は(日本)新しいのかもしれない。
本書で「文学」を解体したイーグルトンは、ポストモダンへの懐疑をさらに深めつつ、イデオロギー論の探求へとむかう。『イデオロギーとは何か』とたてつづけて読んでもいい。
ぼくのつくった魔法のくすり    ロアルド・ダールコレクション 10
ぼくのつくった魔法のくすり ロアルド・ダールコレクション 10
評論社
price : ¥1,050
release : 2005-04-30

ありえるかもしれない

ボクはグランマの命をうばう気はないこらしめてやりたいだけだー読んでいるとそれは嘘でしょと思いながらも、次は何を入れようか!と私はどんどん本の中のボクに同化していきます。
最後に火にかけた時の物質?の科学反応の様子を読んでいると、こちらまで少しやってみたいかもという好奇心が湧き上がって来ます。(あぶない…)
結末は意外でした。けどもしかしたらありえるかもしれません。
あと、グランマはうちのグランマに少し似ています。









カイト・ランナー
カイト・ランナー
アーティストハウスパブリッシャーズ
price : ¥1,890
release : 2006-03

アフガニスタンの歴史を軸にした、裏切りと償いの人間ドラマ

アフガニスタンの裕福な家に生まれたアミールと、召使いの息子ハッサンは、幼い頃からの親友同士。だがアミールが12歳の冬、凧合戦の時に起きた事件をきっかけに、2人の友情は暗転する。その後アミールは、ソ連の侵攻によりアメリカに亡命、平穏な生活を送るが…38歳になった2001年の夏、思わぬ運命の転機を迎える。ハッサンを裏切った償いを決意し、タリバン支配下のアフガニスタンに戻るアミールだが…。

屈折した友情、ファーザー・コンプレックス、秘密と裏切り、良心の呵責と償いが複雑に織りなされた人間ドラマが、アフガニスタンの激動の歴史(1960?70年代前半の平和な時代、王制転覆クーデター、ソ連の侵攻、内戦、タリバンの圧政)を軸に描かれる。

読むのが辛い箇所もあったが、とても良い話で、読んで良かったと思う。たとえ取り返しのつかない過ちを犯したとしても、人生は決して終わりではない…と勇気づけてくれる。過ちを償うのに遅きに失した感があろうとも、永遠に償わないよりはずっと良い。良心を持たない人間は苦しんだりはしない、自分で自分を許す事が大切だ…というフレーズにはジーンと来た。

また、著者はアフガニスタンで生まれ、アメリカに亡命した人物で、だからこそ描けるディテールが興味深かった。特に、アメリカではネタばらしは”犯罪”だが、アフガニスタンでは誰もが物語の結末を知りたがる…というカルチャー・ギャップがおもしろかった。

恋の香りは秋風にのって (ライムブックス)
恋の香りは秋風にのって (ライムブックス)
原書房
price : ¥940
release : 2006-11

【商品詳細】

死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。「おめでとうございます、抽選にあたりました!」。そうして、ぼくは輪廻のサイクルに戻るために、下界にいるだれかの体を借りて(天使業界では「ホームステイ」というのだそうだ)前世で犯した悪事を思い出さなくてはならなくなった。 乗り移ったのは「小林真」という自殺したばかりの14歳の少年。ところが、真は絵を描くのが得意な以外は、親友と呼べる友だちもいない、冴えないヤツだった。父親は自分だけよければいい偽善者で、母親はフラメンコの先生と浮気中。しかも、好きな女の子は、中年オヤジと援助交際中ときた。しかし、ホームステイの気楽さも手伝って、よくよく周りを見回してみると、世界はそんなに単純じゃないってことが次第にわかってくる。 森田芳光の脚色で映画化もされた、多くのファンをもつ1冊である。著者は、講談社児童文学新人賞受賞作「リズム」でデビューした児童文学界のトップランナー、森絵都。シナリオライターだった著者による本書は、生き生きとしたセリフが心地よく、軽快なテンポで一気に最後まで読ませる力をもっている。そして、周りを見渡せばすぐにいそうな登場人物との距離感が、物語をよりリアルにみせてくれる。 中学生が主人公である本書は、中学生に読んで欲しい本ではあるが、「世界はたくさんの色に満ちている」というテーマは、どの世代にも共感できるもの。かつて中学生だったすべての大人にもおすすめしたい。(小山由絵)

なかなかよかったです

前作で伏線がたっぷり引かれていた堅物のウエストクリフ伯爵と
アメリカ成金のじゃじゃ馬娘リリアンの恋の話。

互いにどうにもこうにも癪にさわってしょうがない相手に実は惹かれていること
すら気付いてない二人の関係がどう進んで行くかが読みどころ。
リリアンのじゃじゃ馬っぷりが鼻につくという感想も聞いていたので
ちょっと心配でしたが、なんの、私は面白く読めました。
たしかにちょっと強情すぎるきらいはありますが、我慢できないほどではなかったです。
カラフル
カラフル
理論社
price : ¥1,575
release : 1998-07

何だかすごくリアル

人生は白黒だけじゃない、カラフルなんだ。
色んな人が色んな色を持ってる。
みんなそれぞれ傷ついて、悩んで、苦しんでるんだ。

そんなお話です。
魂から話が始まって、天使が出てきたりして、
現実離れしている設定なのに、何だかすごくリアル。

読み終わった後は、気持ちが軽くなる。
読み出したら止まらない、大好きな作品です。
初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
初秋 (ハヤカワ・ミステリ文庫―スペンサー・シリーズ)
早川書房
price : ¥630
release : 1988-04

別格です

スペンサーシリーズの中で、この作品は別格。
ハードボイルドながら心温まる、ホロリとさせる作品です。
愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫SF)
愛はさだめ、さだめは死 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥756
release : 1987-08

耳元で”ティプトリー”・・・と3回ささやけば・・・・・・。

 このレビューのタイトルは、一種の呪文のようなもので。ティプトリーの作品のレビューを書いているこのような人物と、一瞬の間に恋に堕ちることが出来る。ありがたいお言葉なのです。(経験談)
『愛はさだめ、さだめは死』に収められた、12篇の短篇作品。「すべての種類のイエス」「楽園の乳」「そしてわたしは失われた道をたどり、この場所を見出した」「エイン博士の最後の飛行」「アーバンジャック」「乙女に映しておぼろげに」「接続された女」「恐竜の鼻は夜ひらく」「男たちの知らない女」「断層」「愛はさだめ、さだめは死」「最後の午後に」どれも素晴らしい作品ですが、一つだけ選ぶとすると、やはり「エイン博士の最後の飛行」と「男たちの知らない女」となってしまいます。えっ、一つじゃないって。それじゃぁ、エインと思い切って「エイン博士の最後の飛行」ですね。1969年に発表された「エイン博士の最後の飛行」ですが、地球温暖化や気候変動が顕著になっている、今こそ地球人類の一人として読んでおきたい作品なのです。
量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)
量子宇宙干渉機 (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥1,050
release : 1998-10

ホーガンの思想をかいま見ることができる

 ホーガンに書かせたら多次元世界もこういう物語になるのか、という納得の作品。
 パラレルワールドの解釈も、それを実現するハードウェアも、すでに円熟のテクニックを感じさせる描き方で、ホーガンの作風を堪能することができる。
 読んでいて無神経な汎アメリカ的・白人至上主義の発言が散見されたので、ちょっとがっかりしてしまったのだが、実はそれが大きな伏線であって、この作品がホーガン流のユートピアの物語であることに気づかされた。作者は東洋人の哲学者を借りて、自分の理想の世界を語らせているのだ。
空想科学読本4[新装版] (空想科学研究所の本)
空想科学読本4[新装版] (空想科学研究所の本)
メディアファクトリー
price : ¥1,260
release : 2006-07-19

空想科学読本4について

今回の空想科学読本4は、エヴァのセカンドインパクト後のなくなった人の墓問題。Tシャツにはりついたピョン吉の正しい姿勢。魔女の宅急便から魔女がほうきに乗っているが、それはどうなの問題。など、今の世代の人でも十分知っている作品の検証しているので、話が解りやすく面白い。しかし、ウルトラマンやガンダムなど昔の作品の検証も少なくない。話は面白いがいまいち伝わってこないのが残念である。しかし、ウルトラマンのカラータイマーは何のためについている?などの興味をそそる話もあり、大人から子供まで楽しめる作品に仕上がっていると思う。
ダレン・シャン〈6〉バンパイアの運命 (小学館ファンタジー文庫)
ダレン・シャン〈6〉バンパイアの運命 (小学館ファンタジー文庫)
小学館
price : ¥693
release : 2006-11

ひとまず、一区切り

展開がスピーディで5巻に続けて一気に読んでしまいました。気になる終わり方をした5巻からの話に一応の区切りがつきますので、次の7巻がでるまでは、おちついて待っていられそうです。
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
スタイルズ荘の怪事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
早川書房
price : ¥672
release : 2003-10

日英の法律観の一致に驚く

記念すべきクリスティのデビュー作。ポアロのデビュー作でもある。本作を読んで驚いたのは、犯人が意図する法律上の問題の解釈が日本とイギリスとで同一な事だ。犯人はこれを盾に取ってポアロに立ち向かうのだが、この考え方が万国共通なら興味深い事だ。

話自体はデビュー作からもうクリスティ風味が出ていて、事件関係者の人物描写等の間にヘイスティングスの恋愛話を織り込む等、既に老獪さが出ている。ヴァン・ダインは作者自身を一人称として登場させ、クリスティもヘイスティングスを一人称として登場させる。この時代でも、ポーの影響の大きさを感じざるを得ない。

この先、半世紀以上、世界のミステリ・ファンを楽しませてくれているクリスティの愛すべきデビュー作。その意味で、心から楽しんで読むべき作品。
嵐が丘(上) (岩波文庫)
嵐が丘(上) (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥588
release : 2004-02-19

a chainless soul

エミリ・ブロンテのことは、NHKドラマ「ハゲタカ」のエンディング・テーマとなっている以下の詩の作者として知った。

Riches I hold in light esteem.
And Love I laugh to scorn;
And lust of Fame was but a dream
That vanished with the morn -

And if I pray, the only prayer
That moves my lips for me
Is - 'Leave the heart that now I bear,
And give me liberty.'

Yes, as my swift days near their goal,
'Tis all that I implore -

Through life and death, a chainless soul,
With courage to endure!

ブロンテの考える"a chainless soul"すなわち「自由な魂」を持った者の哀しみが、この物語では描かれている。
身分違いの恋を成就させることができず、発狂死を遂げた女主人公キャサリンの亡霊は、童女の形をとってヨークシャーの荒野を彷徨う。
現在と過去、夢想と現実とを巧みに織り成して、物語は読む人を、人間のこころの不思議へと誘うのだと思われた。

「ねえ、ネリー、わたし、もし天国へ行ったら、とってもみじめな思いをすると思うの…
地上に帰りたくて胸が張り裂けるほど泣いたら、天使たちが怒って、わたしを荒野に放り出したんだけど、落ちたところが嵐が丘のてっぺんで、嬉し泣きして目がさめたわ。」

「穏やかな空のもと、ぼくは墓のまわりを歩きながら、ヒースや釣鐘草の間を飛ぶ蛾を眺め、草にそよ吹くかすかな風に耳をすませた。
そして、こんな静かな大地の下に休む人の眠りが安らかでないかもしれないなどと、誰が考えつくだろう、と思うのだった。」

悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)
悪徳の栄え〈下〉 (河出文庫)
河出書房新社
price : ¥693
release : 1990-10

話題の作品

今も昔も変りませんね。
クラッシックさが新しい。
レインボー・シックス〈4〉 (新潮文庫)
レインボー・シックス〈4〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥660
release : 1999-12

久しぶりに登場のクランシー一家

まだ一巻目を読み終わっていない時にレビューを書くのは早いと思いましたが、どうしても著者、出版社にこの嬉しいと言うか待ちこがれていたと言うか気持ちを伝えたく書きました。 最初の登場人物を見た時からわくわくしていましたが最初からスピードの早い展開、周囲の細かな描写による臨場感読み進むのが楽しみです。

決して「オブセンター」シリーズが良くないと言うわけではありませんが、やはりクラーク、ディングと「今ここにある危機」の軍曹また新しく入ってくるキャラクターの念入りな設定はトム クランシーの本流だと思います。

  

さかしま (河出文庫)
さかしま (河出文庫)
河出書房新社
price : ¥1,155
release : 2002-06

「すべては空しい」

 かつてあったことは、これからもあり
 かつて起こったことは、これからも起こる。
 太陽の下、新しいものは何ひとつない。(コヘレトの言葉1:9)

 ソロモンによって語られるあまりに有名なこのテーゼを受け入れるか、否か。
 この問いに対する返答が同時に、ユイスマンス『さかしま』の受容をめぐる可否を決する、
そう私は考える。
 この世に起きる出来事のすべてに対し「どれも空しく風を追うようなこと」とは思えぬ、
何か「新しいもの」を信じられる人間はたぶん、この小説を読むのに向かない。

 本書は、世に倦み果て、人里離れたフォントネエの地で隠遁生活を送ることを決意した男、
デ・ゼッサントをめぐる物語。
 とはいっても、物語らしい展開は特にあるわけでもない。世の冗長な小説に苛立ちを覚え、
「この数百ページを煮つめたエッセンスとして、わずか数句のなかに凝縮し得るような小説を
書くことはできないものかどうか」と文中で主人公に語らせてはいるが、あいにくその難題を
ユイスマンス自身がこの小説で克服した形跡はない。
 記述の大半に費やされるのは、孤独な住処における彼のひたすらの内省。
 一方には、彼の愛した書物、絵画、家具などがもたらす喜悦と夢想があり、あまりによく
知られた種々の批評も展開される。そしてもう一方には、過去の忌まわしい記憶や悪夢、
あるいは病のもたらす暗鬱な苦悩が横たわる。

 その結末、消化器の不振に苦しむデ・ゼッサントは、世から隔絶された孤独の日々を断念
し、パリで普通の人々と同様の暮らしを送ることを医師によって強いられる。それは即ち、
彼が忌み嫌う腐敗と汚濁への回帰に他ならず、しかし、回復への道はただそれひとつ。
 さて、男の選択やいかに。

 正直、デカダンス云々との議論に関しては、私にはその真意を測りかねる。
 私の見るところ、この小説の主題はすなわち、「想像力をもって、容易に俗悪な現実に代用
し得る」か、否か、その可能性をめぐる不条理。この世の重力を逃れえぬ人間存在と神の、
あるいは身体と魂の葛藤を描き出したのが最後の一文と私は睨む。そして、それはすぐれて
フランス文学における名作群、いや世界文学史に連なる系譜と思うが、果たして……
魔の山〈上〉 (岩波文庫)
魔の山〈上〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥903
release : 1988-10

教養小説って響きは堅苦しいけど

学業を卒業し、職場に勤務するようになる直前、
ぼんやりと無気力に陥っているハンス・カストルプは、
気晴らしと療養を兼ねて、従兄弟の居る山奥のサナトリウムに滞在することを勧められる。
山では下界と違った時間が流れ、病人たちが日々独特の生活を送り、
その大抵のものは長く留まりすぎて下界に帰るところをなくし、魔の山の住人となってしまう。
山を下りたがる者、山を出入りする者、山で死ぬ者、山で諭す者、
あらゆる登場人物がそれぞれ教訓となっている。
ナフタとセテムブリーニの論争、特にナフタの発想は面白かった。
教養小説と言われてますが、正直難しかったです。
文章に読み難さを感じなければ、大半は山で繰り広げられる
ドタバタコメディーだと思って気軽に読めます。
IT〈3〉 (文春文庫)
IT〈3〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥780
release : 1994-12

アホ訳

全体を通して、誤訳、偽訳、ゴマカシ訳の嵐。英語を全く理解していない低能極まりないボンクラによる拙訳。読みたければ、原書を読もう。こんな馬鹿げた翻訳を読んではいけない。
エレクトラ―中上健次の生涯
エレクトラ―中上健次の生涯
文藝春秋
price : ¥2,500
release : 2007-11

“中上健次に迫る道標”といってもよい

私自身の中上健次との出会いは「地の果て 至上の時」。
そこからさかのぼって作品を読んで行く方向と、
作品をリアルタイムで読んでいく方向との2方向で付き合ってきた。
作品世界の豊饒さと読み解く順の交錯とで、より豊かさが広がったと思っている。

中上健次のあまりにも早い死は衝撃だった。
それだけに、「第11章熊野に死す」は静かで悲しかった。

レビューにもある通り、作家は作品で評価するのが第一ではあると思う。

しかし、中上健次を読みたい人に何を読んだらよいかのアドバイスは難しい。
これまでまったく読んだことのない人ならなおさらである。

一人でも多くの人に、中上健次に出会ってもらうためには、
本書のように、それだけで読み応えのある評伝は必要なのだとあらためて感じた。
本書を読んでもらうのも、中上健次に迫るひとつの道になるのではないかと思えた。



幸せのちから
幸せのちから
アスペクト
price : ¥1,680
release : 2006-12-20

もっと知りたい

映画の影響で「ホームレス」の部分がやたらと強調されていますが、
ほんの数ヶ月のできごとです(日数換算すると1、2ヶ月)。
それと、日本人の感覚で言うホームレスと本書で書かれている
ホームレスは全く異なるものです。
クリス氏が住むサンフランシスコは家賃がやたら高く、普通にサラリーマンを
していても、家賃を払うと最低限の生活しかできない。
ましてや、シングルファーザーでは家賃を払って、託児所(有料)に子供を
預けると生活費が無くなってしまう。
そこで仕方なく、会社・ボランティア施設・木賃宿に寝泊りしたりいた。
その合間に、公園・駅のトイレで寝泊りしていた。
“その合間”ばかりを強調して宣伝するのはどうかと思う。
もっと、黒人社会、根深い人種差別、低所得者の待遇など語られても
いいのではないか。

本書は3/4を幼少期から株屋になる前の話。残り1/4を株屋になって成功を
収める話で構成されています。
わたしが知りたかったのは、1/4の部分でした。
努力と運だけでは成功はしません。

例えば、テキサス在住の石油王の資産を年利35%で運用した。
その知識はどこで吸収したのか?
どういった組み合わせ(ファンド)で資産を運用したのか?
実際に力と知識がないとここまでの運用はできない。

3/4の部分を1/4に圧縮して、1/4の部分を3/4に拡大して書いていただきたかった。
だから本書を読み終わった後、感動も何もなかった。
ありきたりの努力とド根性本になり下がった。
残念。
シャイニング〈上〉 (文春文庫)
シャイニング〈上〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥660
release : 1986-11

彼も見える人?

人が狂気に走る過程を、こんなにも緻密な描写で文章にする人がいるなんて。
私は、見える人です。
ときどき、この世に存在しないものが見えたりします。

そのときの描写、自分の気持ちが暗い方へをひきずられる感じ。
キングは、きっと見える人なんだろうと感じたりしました。
それくらいに、私が現実に感じることがこの本には書かれていました。

キングが酷評した映画「シャイニング」も、そのあとに原作通りに作られた「シャイニング」もみましたが、ぜひ、原作で楽しんでいただきたいです。
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
筑摩書房
price : ¥714
release : 1999-01

もてない男のための


この本は
もてない男の
もてない男による
もてないのための
本です。

みんな読むといいよ。
ディー・グレイマンの秘密
ディー・グレイマンの秘密
データハウス
price : ¥1,050
release : 2005-12

うーん

やはり出たかという感じ。
このシリーズの本はファンにとって
為になるものは無いと断言したいです。

「研究」する、というだけの内容ですので、真実があるわけでなし。
内容が薄っぺらくても、クイズ等で楽しみたい方にはいいかも。
眼球譚(初稿) (河出文庫)
眼球譚(初稿) (河出文庫)
河出書房新社
price : ¥630
release : 2003-05

見ること、さわること、それ以上のこと

 いや、すごく面白かった。

 眼球譚という名前ではありますが、視覚から触覚への躄の文学であるように思います。バタイユは視覚から触覚へにじり寄っていく、否むしろ、視覚を触覚へとまろめこんでゆく。眼球を舐めさせる仕草に見られるように、「みること」は「さわること」によって舐め取られてゆきます。

 円い尻、その尻に挟まれる卵、皿に並べられた牛の睾丸、そして切り取られた眼球。
 球形の滑らかな形状は、触覚の甘美な記憶を呼び起こします。触覚とは確かな実在感覚であります。同時に安住できる感覚でもあるように思われます。

 最後に見られる「眼窩から取り出された眼球」が象徴されるように、見るものつまり眼球は、切り出されることによって見られるものへと転化し、そしてそれはつかみ上げられることによって触られるものに変容します。それらを撫で、つかみ、噛みつき、挟み、性器に入れる。それらは実在を手の中に入れようとする営為なのではないでしょうか。
 しかしながら真の実在感覚、言葉を換えると「なにかがある」「誰かが居る」「わたしが居る」感覚、なるものは、対象を触ることによっても、舐めることによっても、噛みつくことによっても、性交することによっても、また視覚の主たる眼球を、どうにかすることによっても得られるものではありません。
 第一部、とくに最後に見られるような乾いた明るい不毛は、現代における生および性の不毛を示して余りあるのではありますまいか。徹底的な涜神、徹底的な逸脱、そして性。死による性。死に基づく性。性に籠絡された死。ここから再びOrthodoxに飛び上がれば生は、また性は回復しうるのでありましょうか?しかしこれらはそもそも、そこからの逃走の試みなのでは?

 もうひとつ、この作品に出て来るもので印象的なのは「ほとばしる尿」なのですが、まるで交響曲におけるシンバルのように(そう、双方とも黄金色!)鮮やかに場面にアクセントがつけられます。出て来る場所も、ああこれがチャイコフスキーの音楽ならこの辺に入るだろうなあという適所を得てシャーと入れられます。
 尤も回数的にはやや飽和している印象もあります。よろず小便がつきまとうというのは面白い営為でバタイユさんが好きなの分かりますが。第二部で言い訳してもダメです。

 個人的には第二部以降は要らんような気がします。
 シューベルトの未完成交響曲に説明的な第三楽章がついているような違和を感じます。
あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから
あなたも作家になろう―書くことは、心の声に耳を澄ませることだから
風雲舎
price : ¥1,680
release : 2003-03

生まれながらして作家である

この本は何か出版物を出すだけが、作家ではないと
している。
自分の心に流れるものをせき止めずに思いのまま
書き続けていく。
それがモーニングページであり、自分を見つめ返す
きっかけを与えてくれる。
随所に確かに!なるほど?と思わせる言葉があって
説得力があって、納得できる。
書くことで、より良い人生になり楽しめるので
あれば、こんな安上がりのことはない。
今日からあなたも作家だ。
そういわれるとくすぐったくもあり、自信がもてる。
特に朝のモーニングページはやりがいがありがいが
ありそうだ。
早速始めてみよう!
ドン・キホーテ〈前篇3〉 (岩波文庫)
ドン・キホーテ〈前篇3〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 2001-02

こなれた訳の「ドン・キホーテ」

ちくま新書版で挫折してしまった「ドン・キホーテ」。この岩波文庫版は読みやすくて、まあ膨大な本なので、まだ読了しているわけではないですが、暇な時に手にとっては爆笑しています。それにしてもドストエフスキーなどの文豪やヘーゲルなどの哲学者といった大思想家でセルバンテスに言及しないものはいないと言われるほど、のちの近代・現代文学への影響力は圧倒的なものがあるのに、一般に原作そのものがあまり読まれることがないので、少し残念な気持ちがします。本作品自体は分量はありますが、別に難しい本ではないので出来ればもっと多くの方に手にとって欲しいです。訳者である牛島信明氏が書いた案内書「ドン・キホーテ 神に抗う遍歴の騎士」が中公新書から出ています。それと同じ中公新書の「物語スペインの歴史」も作者セルバンテスの生涯に詳しく触れているので、併読されると良いと思います。
ドラゴン・スレイヤー・アカデミー〈3〉お宝さがしのえんそく
ドラゴン・スレイヤー・アカデミー〈3〉お宝さがしのえんそく
岩崎書店
price : ¥840
release : 2005-01

小学校3〜4年におすすめ!

読書にあまり興味のなかった子供がはまりました。表紙にも、工夫がしてあり、プレゼントには最適だと思います。
キャラクターをつくろう! 少女イラスト見本帖 制服コレクション編 (キャラクターをつくろう!)
キャラクターをつくろう! 少女イラスト見本帖 制服コレクション編 (キャラクターをつくろう!)
ビー・エヌ・エヌ新社
price : ¥2,100
release : 2005-07-25

参考になります

ポーズをとっているマネキンに自分のキャラを重ね合わせて書いて練習する、
この本はそういった用途を目的にして作られていますので、
結構な数のマネキンポーズがあり、
自分が思い描いているポーズが見つけやすいのではないでしょうか。

重ね合わせて練習していくというのは大変頼りになると思います。
そのうち、慣れてきたらそのポーズから少し体を動かした状態で練習し、
それを繰り返すことで違うポーズを描けるようになれば、
絵を描くのがもっと楽しくなってくるでしょう。
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥740
release : 1986-07

衝撃です

私がこの本を読んだのは、86年くらいだったはずです。
著者は、この暗殺チームのリーダーで、この本はまさに「記録」なんです。
暗殺に関しての方法などはかなり詳しく書かれていたようでしたが、最も印象に残ったのは、著者が暗殺を遂行するにつれて、思い悩み、精神的に追い詰められていくあたりや、組織の冷徹さが浮き彫りになったところでした。
20年以上前に読んだ本なのに、その部分だけは今だに覚えているんですから、かなり強烈な印象を持ったんでしょうねえ。
憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談
憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談
河出書房新社
price : ¥1,890
release : 2006-08-22

じわじわと効いてくる恐怖か、正攻法か・・・格調高さが最後まで飽きさせない珠玉の12編

「うろんな客」や空想的動物のイラストで人気のエドワード・ゴーリーが選び、イラストをつけた12編の怪談。
主にビクトリアンから20世紀前半までに書かれたイギリス怪奇譚である。

12編のどれも、イギリスを代表する第一級のストーリーテリングによるサスペンスに引き込まれ、ぐいぐいと引き込まれて読んでしまう。しかも、繊細に、時にはユーモラスに、原文の格調高さを伝える名訳を、味わうように何度も読み返す醍醐味。
R・Lスティーヴンソンの短編「死体泥棒」、ディケンズの「信号手」ジェイコブズ「猿の手」などの永遠の定番も含まれるが、これまでに感じなかった興趣は、やはり訳の素晴らしさとゴーリーの挿絵による恐怖の増幅効果であろう。
最初から最後まで不気味な「空家」、「八月の炎暑」の奇怪な運命の符合、「豪州からの客」のわらべ歌の不気味など、イギリスはやはり怪談では、西の横綱だと感じ入りつつ・・・とにかくどの短編も面白く読める最高のエンターテインメントである。
ロビンソン・クルーソー 下    岩波文庫 赤 208-2
ロビンソン・クルーソー 下  岩波文庫 赤 208-2
岩波書店
price : ¥840
release : 1971-01

また別の冒険話しが。

よく知られている無人島での生活を記した冒険話は上巻で終わり、下巻では何年かしてまた、その島を訪れたりする別の冒険話しです。無人島での生活とは異なり、人と人が争ったり、交流したりする場面が多くなります。上巻と雰囲気が違うので、途中であきそうになるのですが、適当なところで場面展開があり、ついつい読み進めてしまいます。
「クマのプーさん」を英語で読み直す (NHKブックス)
「クマのプーさん」を英語で読み直す (NHKブックス)
NHK出版
price : ¥1,124
release : 2003-11-30

今までの疑問が解けた!

プーさん関連本ということで、なんとなく買っていた本だったのですが、
読んでみると、予想以上に面白かったです。
今までプーさんの本を読んでいて、そこはかとなく引っかかっていたこと‥
(イーヨーのしっぽを釘で打ちつけるのは痛いんじゃないのか、とか、
 ルーをさらっていくなんて、ちょっとひどいんじゃないのか、とか‥)
に対する疑問が解けました。

イギリス文化という物語の背景や、
一見軽く書いているように見える作中のプーさん作の詩が
いかに作者の手によって練られたものだったかということがよくわかりました。
また登場人物の性格分析なども面白かったです。
プーさんのカラーの原書は持っていても、
時々挿絵を眺める‥という程度だったのが、
ほんとうに英語で読み直したくなりました。
マイケル・K (ちくま文庫)
マイケル・K (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥1,050
release : 2006-08

クッツェーの小説を初めて読む人におすすめ

なんというか、読み出したら止まらないのだ。奇妙な時間のなかにすっぽりはまってしまうような、作品内のことばの空気が貼り付いてくるような本だ。読んでいる側にとっては非日常なのに、作品世界がこちらの日常に侵入してくる、ふしぎな小説。

入り組んだ構成の多いクッツェーのほかの作品とくらべて、とっても読みやすい。作品の密度や、充実した読後感がすごくいい。クッツェーの小説を初めて読む人は、この本から入るといいと思う。
ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)
ブラッド・ミュージック (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥798
release : 1987-03

グロいので苦手

中盤は只事でなく気持ち悪かった。
クトゥルー神話のモンスターの描写やギーガーの絵なんかはむしろ大好きで、
大抵のグロ描写には耐性がある方なのですが、この作品は比較にならないほどの
グロ描写満載で、胸が悪くなりました。
そういうのが平気な方なら、終盤は楽しめると思います(ストーリーはしっかりしたSFなので)。
過剰なグロが苦手な方は、覚悟が必要です。
DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)
ロビンソン・クルーソー〈上〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 1967-01

人間の存在意義を考えさせられた

子どもの頃に読んだ話とは、全く違っていて、
本当に驚きました。
『ガリバー旅行記』をきちんと読んだときと同じほどの
衝撃でした。
ただの無人島でのサバイバル冒険譚ではありません。
人間の存在意義や文化の違い、信仰といったことを
決して説教くさくなく、考えさせてくれる素晴らしい作品です。

だからといって冒険譚としてのおもしろさも十分にあります。
サバイバルな世界を二次体験したい人も十分満足させる内容だと思います。

子どもの頃、子供向けに書かれたものだけを読んで、
そのままになっている人に、ぜひ読んでもらいたい1冊です。

三島由紀夫―剣と寒紅
三島由紀夫―剣と寒紅
文藝春秋
price : ¥1,500
release : 1998-03

なんだかちょっと・・・

三島由紀夫作品が好きなので、こちらも興味をそそられて購入しました。
ただ、ちょっと筆者の主観的な妄想のような回想が入り過ぎていて
読みにくいというか、濃すぎて飽きてきてしまいます。

小説なのか、自伝なのか、立ち位置をしっかりしてほしい。
そうでないと、ゴシップ本の域を抜けないでしょう。

三島由紀夫の一部分を知る上では、良書だと思います。
金田一耕助The Complete―日本一たよりない名探偵とその怪美な世界 (ダ・ヴィンチ特別編集 (6))
金田一耕助The Complete―日本一たよりない名探偵とその怪美な世界 (ダ・ヴィンチ特別編集 (6))
メディアファクトリー
price : ¥1,575
release : 2004-06

我々に強烈な印象を与えた犬神佐清の仮面と両脚

この書物についての魅力は先の大将さんとサマンサさんが全てを語りつくしているので私が今さらとやかく言うつもりはありません。
金田一といえば、『犬神家の一族』につきるのですが個人的には横溝ブームの仕掛人である角川春樹氏の復帰第一声ともいえるインタビューが一番興味を示しました。
以前、何かの話で角川映画公開以前『犬神家の一族』の読者の人気度は1位『八つ墓村』2位『獄門島』3位『悪魔の手毬唄』の次の4、5番人気であることを耳にしたことがあるのですが映画公開以後はみなさんも御存知のとおり現在における金田一シリーズの代表作になりました。物語の面白さでは『八つ墓村』や『獄門島』は決してひけをとらないのですが、なぜ『犬神家の一族』がこれ程までに人気が高いのかと考えると(映像というビジュアル効果も大きいのですが、)やはり主人公金田一耕助に匹敵する以上に個性あるキャラクター・犬神佐清の存在が大きかったのだと思います。黒ずくめの頭巾の下あの強烈な仮面やあと湖の水面から突き出た両脚が何よりも我々に強烈な印象を与えました。
余談ですが、シンクロナイズドスイミングで『犬神家の一族』という題目で演舞をやって頂けたらおもしろいだろうなあと思う今日この頃です。

ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち
ナイン・インタビューズ 柴田元幸と9人の作家たち
アルク
price : ¥2,625
release : 2004-03-26

コロッケについて思うこと

作家の多くが「自分の著作を広く紹介してくれる翻訳者に対して基本的には好意をもっている」のは事実だとしても、まずは「良い読者」たろうとする柴田元幸のスタンスに絶大にも近い信頼を寄せていく様が、特に付録のCDに収められた肉声のやり取りによく表れている。インタビューする者とされる者との距離が一挙に縮まる瞬間は、聴く者をもまた幸福な気分にさせてくれる。

また、9人目として登場する村上春樹は「自分のことを書くのは大変だから、コロッケについて思うことを書きなさい。」という投げ掛けで、彼の考える“物語の有効性”を説く。語りかけている相手は読者のようでいて、実は作家村上による、大学教授柴田への授業のようにも感じられて、この二人の関係性も暖かいものを感じさせる。

そして、蛇足ながら、8名の米国作家+村上春樹で「ナイン・インタビューズ」という書名に持っていったのは、サリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」を意識して、というのは、ほぼ間違いのないところだろう。こんなちょっとした遊び心も、柴田元幸の魅力のひとつである。

バッテリー〈3〉 (教育画劇の創作文学)
バッテリー〈3〉 (教育画劇の創作文学)
教育画劇
price : ¥1,575
release : 2000-04

うそつき

あさのあつこって野球しらないっていうか野球に興味ないんでしょ、朝日新聞にでてましたよ。
高校野球を真面目になっていた身からするとこんな本が売れているのは悲しいです。
ガープの世界〈上〉
ガープの世界〈上〉
新潮社
price : ¥740
release : 1988-10

夢中でむさぼり読める小説

めまぐるしいストーリー展開、私小説のような抒情さ、悪趣味な人間描写、生きることへの希望の率直さ、これら全てが高密度で1つの小説にパックされていることに驚愕。延々と自己満足的に続く終幕も全く許せる。

夢中でむさぼり読める小説。
竜神の高僧 (ハヤカワ文庫FT)
竜神の高僧 (ハヤカワ文庫FT)
早川書房
price : ¥945
release : 2005-04-21

佳境を迎えた物語はさらに盛り上がっていく

 ガリオン達一行の旅路もいよいよ佳境を迎える本作では、金を巡る争いのために滅亡した亡霊が徘徊するマラゴーでの悲しみを抱えるマラの神との出会いと頭の中に響く「声」との対話、そしてアルダーの谷への旅路を通じてガリオンは自らの力と向き合い、それをコントロールする術を学んでいく。
 とはいえ、そこはエディングスならではの展開で、”意思”と”言葉”で表現されるこの世界の魔術の訓練に、用いる言葉の品格を語るベルガラスなどには思わずニヤリとさせられてしまう。
 そして、成長するのはガリオンだけではない。恐怖を覚えた堅物の騎士マンドラレンは木訥な鍛冶屋のダーニクとのやりとりで恐怖を克服する術を学び、排他的な選民思想の持ち主レルグは自らの小ささに気づいてシルクをその能力を用いて救出し、意地っ張りなセ・ネドラは思いがけない事態に飾らない自らの気持ちをさらけ出す。
 まさにそれぞれの個性が織りなす絶妙のハーモニーは、本書の後半で一行を恐るべきトラクの弟子、クトゥーチクの住処であるおぞましきラク・クトルへの旅路とクトゥーチクとの対決でクライマックスを迎える。
 前半の様々な景色が織りなす旅路と後半のラク・クトルでの対決という物語の盛り上がりに引き込まれて分厚い本書を一気に読み通してしまった。
 ユーモアとシリアス、キャラクターの造形と景色の描写、緩急を付けた物語の展開など、やはりベルガリアード物語は私にとって最高のファンタジー小説の一つである。
オズの魔法使い (岩波少年文庫)
オズの魔法使い (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥714
release : 2003-08

挿絵も美しく、テンポ良く楽しめた。

 とてもテンポ良く物語が進行することで、有名な物語でも楽しんで読むことが出来ました。そのテンポの良さが訳によるものか、原作のリズムによるものなのかは、本書以外の『オズの魔法使い』をきちんと読んだ事がないのでわかりませんが、一先ず、本書の訳のうまさ―2003年に訳されたものなので、現代的でなじみやすいのかもしれません―は素直に評価できると思います。

 また児童文学として有名な本書ですが、所々で人や動物が殺される場面が見られました。それも他の児童文学と比較すると、直接的で、批判的な意見も出るのではないかとも思いました。しかし、私個人の意見としては、そのようなものを児童向けだからといって排除するのではなく、優れた児童文学の中の一場面として受け止めることで、児童にとっても読書のための良い刺激と思えるほどの範囲に感じられました。
 魅力的な登場人物(ドロシー、ライオン、カカシ、ブリキのきこり、オズなど)、鮮やかな背景設定(エメラルドの都、灰色の草原)などには、様々な象徴的な意味が感じられたので、それを自然と感じることのできる大人が読んでも十分に楽しめる作品では無いでしょうか。更にデンズロウの挿絵もモノクロながら、素晴らしいものであると思います。

 アメリカでは本書に登場する「西の魔女」が比喩的に使われることがあるそうです。(完璧に余談ですが・・・)梨木香歩の『西の魔女が死んだ』と、何か関係があるのでしょうか。
インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
インド夜想曲 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)
白水社
price : ¥861
release : 1993-10

カルヴィーノ的な「軽さ」に満ちた傑作

だいぶ前に初めて読んだ時は、
謎めいた暗示やイメージに満ちてはいるものの、
思わせぶりなだけでとくに何かが起こるというわけでもない、
短くて軽い小説としか思わなかったような覚えがあるが、
今回、何度目かに読み直してみて(短いからすぐに読める)、
他にも何人かのレビュアーが述べているように、
上等の酒をごく少量だけ口に含んだような、
独特の味わいがあると感じた。

この何も起こらない短い作品の中に、インドという国の
エッセンスのようなものが含まれていると感じるのは、
インドについて誰もが語る極度の貧困や不潔さと、
贅を凝らした超高級ホテル(タージ・マハルやオベロイは、
世界的に見ても五つ星だろう)の調度や料理の華やかさが、
ほとんど等価のものとして取り扱われていて、
美と醜が渾然一体となったインドという広大な迷宮を
夜の夢の中でひたすら彷徨い続けているような、
ひどく曖昧で捉え難い雰囲気が生み出されているからだろうか。
主人公が登場人物と交わす会話には、
形而上学的な話題も多く登場するためか、
どこかボルヘスの作品を思わせるような、衒学的な感触もある。

インドという「重い」対象を扱いながらも、
カルヴィーノが言うような意味での「軽さ」を、
これほどの水準で達成している本書は、紛れもない傑作だと思う。
幸福論 (新潮文庫)
幸福論 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥540
release : 1977-01

ヘッセの仕上げに

いままでヘッセの作品を読んだことのない人にはお勧めしません。
ヘッセの晩年の短編集でもあり、作品の中には過去の自分の作品を振り返っているところもあります。
なので、「車輪の下」や「デミアン」を読まれてからのほうが、楽しめると思います。
それでも、ヘッセの素直・素朴でノスタルジックな世界は満載されている作品ですので、
お勧めには間違いありません。
プロ作家になるための四十カ条 (ベスト新書)
プロ作家になるための四十カ条 (ベスト新書)
ベストセラーズ
price : ¥820
release : 2006-07

マニュアル的な、あまりにマニュアル的な

 主に公募への投稿を考えている作家志望者向けに「審査に通る小説」の書き方を指南した本である。実際に審査員や作家養成講座の講師として多くの作品に目を通した著者だけあり、特に初心者が陥りがちな失敗---当人は斬新なつもりで実は陳腐なアイディアや、読み手を白けさせる冗長な文章について書かれた部分など、「そういえば自分もやってしまった」と思い当たる人は多いだろう。他にも、長編と短編の違いや推敲の技術、仕事と執筆を両立させるコツなど、いろいろと参考になる内容が盛り込まれている。
 しかし一方で、読めば読むほど、著者が求める模範解答的な小説のスタイルに根本的な疑問が湧いてくるのも事実である。群像小説はだめ(『三国志演義』失格)。「神の目線」はだめ(『モンテ・クリスト伯』失格)。視点はなるべく固定し、途中で変えるのは良くない(『水滸伝』失格)。物語は時系列に沿って進め、カットバックはしないこと(『そして誰もいなくなった』失格)。本筋と関係のない挿話や解説を入れてはならない(『レ・ミゼラブル』『吾輩は猫である』失格)…。挙げ句に、そうした厳しい選別の末に求められる小説が「落涙うるうるの感動ドラマ」では、あまりに哀しくないだろうか。さらに、長編1編を30分から1時間で読まねばならない予備審査や最初の1枚だけ読まれていきなり落とされる作品の話を聞くと、こうした極端なまでの消去法で、出版社や審査員が本当に「新しい才能」や「個性ある作品」を掬い上げることができているのか気になってしまう。
 それとも、このような疑問を抱くのは、私自身が10年以上も前からあちこちの公募に作品を投稿しては講評さえもらえずに落選し続けている事への、単なるひがみに過ぎないのでしょうか。ただ、少なくとも、私の屍を踏み越えて進む若い皆さんには、(知っておくこと自体は無駄ではないにせよ)マニュアル化された禁じ手だらけの小説像に囚われず、自由でスケールの大きな作品を目指してほしいものです。
ウォッチャーズ〈上〉 (文春文庫)
ウォッチャーズ〈上〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥650
release : 1993-06

犬好きの方、必読!

「犬と人間が意思の疎通ができたら・・・?」
犬が好きで、犬を飼ってる人なら誰でも思う事なんじゃないでしょうか?

主人公トラヴィスが、徐々にアインシュタインと、心を通じ合わせていく過程は、犬好きにとっては、まさに至極の幸福な夢の姿なのです。

そして、永遠に続くかと思われた、その関係に黒い影がしのび始めた時の恐怖。
絶えず何かに怯えているアインシュタインの気持ちと、
かけがえのないパートナーとなったアインシュタインを思うトラヴィスの気持ちに感情移入してしまい、後半部分は、もう涙なしでは読めません。

クーンツの凄いところは、それだけ読者をトラヴィス側(善)に引き込んでおいて、
悪にも同情心をもたずにはいられなくなる描き方ができるところだと思う。

なんにしても、必見の一冊。
クーンツの最高傑作だと思います!

この作品を読んで、ゴールデンレトリパーを飼った人は、きっといる筈!
で、名前はアインシュタインよね、やはり。
どうぶつにふくをきせてはいけません
どうぶつにふくをきせてはいけません
朔北社
price : ¥1,260
release : 2005-12

笑えます!

表紙のやまあらしから、笑えますが、中でも「ややこしいことになる
にわとり」が最高におかしいです♪
翻訳者の「服を着せられたペットが”けっ!”と思っているのでは
ないかと想像している」というコメントなど最後のページまで楽しめ
ます。
ダレン・シャン9 夜明けの覇者
ダレン・シャン9 夜明けの覇者
小学館
price : ¥1,575
release : 2003-09

すぐ10を読みたくなる

本巻の後半の展開は読んでてかなり予想が付きます。それでも気持ちが高ぶるのは、1巻以降、敵役として登場してきたキャラクターの再登場のせいでしょう(名前だけ再登場の人もいますが)。スティーブ、R・V、マーロック、ガネン・ハーストがストーリーにねちっこく絡んできます。ラストはスッキリはしないけど、読み応えのある一冊だと思います。
青ひげ (ハヤカワ文庫SF)
青ひげ (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥819
release : 1997-09

世代論は語りたくないのだが

多分、団塊ジュニア世代の人達にとっては
退屈だと思います。

私の父は昭和一桁世代で、軍隊経験は無かったものの
リアルタイムで、第二次大戦を経験した世代。
(ヴォネガットは、それよりも少し、年齢が上である。)
つまり、子供の頃、最も身近な人間が、戦争体験者であるだけで
なく、学校の教師や近所の人達、そして、テレビやラヂオと言う
マスメディアでも、戦時中の体験がある人達が、沢山居た訳です。

ヴォネガットの、作家としての出発点が
戦争と言う原体験にあり、それが最初に、結実したのが、
「スローターハウス5」と考えていいと、思いますが、

リアルな体験、つまり実体験としての戦争と向かい合ったとき、
作家は、どの様に「小説」と言う虚構を構築すれば、良いのかを
示した、一つの成功例が、SH5だとしたら、本作は、
フィクションとして、ぶっ飛んだ様な面白さは、殆ど、
と言うか、「SF作家」による小説にしては、普通すぎて
「しみじみし過ぎ」てしまっていると、感じます。

多分、21歳の頃の私が、本作を読んだとしても、
SH5程の強烈な印象は、受けなかったでしょう。

「結局、戦争文学かよ。」で片付けられてしまうには、
惜しい作品なのですが、第二次大戦と言う「近代戦」だか
「前近代戦」だか分からないような、非常に特殊な
「間の時代の極限的体験」と言うのは、風化されて
いってしまうのならば、人類にとって、「一寸した進歩」
のなるかも知れないので、それでも良いのですが、
2040年代位の時点で、実は「一寸変化しただけ」で
百年前と余り、違いは無かった、と言う未来も
可能性としては、大いに、有り得るでしょうな。

(関係ないですが、私の嫌いな、最近の言葉のひとつが
「ありえねー」と言う奴です。「ありえねー」と言う事こそ、
「ありえねー」。可能性としては、あらゆる事が、起こり得る
からです。)
車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)
ポプラ社
price : ¥1,050
release : 2000-04

かわいいお話がいっぱい。

表題作「春のお客さん」が大好きです。

「どうかどうかそのままで。そのほうがずっといいですよ」
 …なんてやさしさに満ちた言葉なんだろう…

癒されます。

メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊
メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊
理論社
price : ¥1,449
release : 2006-02

ドキドキ

最初はあまりのめり込めなかったのですが、二巻と三巻は面白い!
特に三巻はハラハラします。スーズとジェシーはどうなるの?ドキドキです。ポールの不敵さがこわい!
こう来たか・・・、と思うようなラスト。そしてラストかと思えばまだラストじゃないラスト!(ややこしい書き方をしていますすが、本編はややこしくないです)
読んでスーズとジェシーの恋を見守ってみませんか?私は泣いちゃいましたヨ。

レイチェル (創元推理文庫)
レイチェル (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥1,260
release : 2004-07

サスペンスミステリとして最高の面白さ

 「もうひとつのレベッカ」と評される本作品も、とても面白い。
 レベッカに比べると主人公の男女を入れ替えてあり、レベッカが前妻の幻影に苦しむのに比べて、本作品では亡き従兄の妻の現実の姿に翻弄されていく。
 初な男性主人公が、年上の女性レイチェルの自然な立ち回りに惹かれて行くところは確かにすごく魅力的で、女性側の絶妙な押し引き加減には読んでいても驚いてしまう(いわゆるツンデレ系の女性と言えよう)。幼なじみの女性から「中年女の手管に貴方がかなうはずがない」と早くから警告しているにもかかわらず、主人公はそれを理解できない。読みながら男としては無理もないと思ってしまった。
 最後に、ある事実から疑惑を感じた主人公が真実に気づいたところで物語は一気に終幕を迎える。レベッカと同じくやや唐突ではあるが、最後まで追い込まないところが良いのかもしれない。
ユリシーズ〈4〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ユリシーズ〈4〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
集英社
price : ¥1,200
release : 2003-12

最終章は女の独白にて終わる

16、17、18挿話を収録したユリシーズ文庫最終巻。
まず第16挿話では、スティーブン・ディーダラスと主人公ブルームが喫茶店に行き、仲が良くも悪くもない微妙な雰囲気のなか、
二人が語らったり、他の客のほら話を聴いたりいろいろ夢想したりする様子が描かれる。ユリシーズらしい文体の章。
第17挿話では、ブルームがスティーブンを自宅に招き、ココアを飲む様子が、問答形式で描かれる。
章全体が、問いと答えで構成されており、まるで論文のようになっているのが面白い。
第18挿話は、全てがブルームの妻モリーの独白。一章句読点ナシという悪名高き挿話である。
過去の交際やブルームのこと、今日浮気したボイランのことや生理のことまで、性的なことも含め、
寝る前に頭に浮かんだことを全て書き取ったような章になっている。
翻訳も勿論句読点ナシで文字を羅列しているが、驚くほど読みやすく出来ており、むしろ他の挿話より楽に読めた。
巻末には本一冊分ぐらいある注と、エッセイ・解説つき。因みに訳者のエッセイは何と旧かなまじりでやや読みにくかった。
大聖堂 (中) (SB文庫)
大聖堂 (中) (SB文庫)
ソフトバンク クリエイティブ
price : ¥890
release : 2005-12-17

人々の苦悩が分かる作品

 大聖堂(上)から続く内容が気になったので読んでみたらやはり上手くまとまっている印象を受けた。全員が全員幸運になるのではなく、ひたすら悪い奴もいればひたすら良い面と悪い面がはっきりと分かれた人物も多くいる。こうした宗教歴史に関しての小説は信教との結びつきが強いイギリスならではの作品というのも納得がいった。前回とは話の中心になる人物が異なってきているが、それぞれが違う生い立ちから同じ出来事に対しての心情変化が比較できるのが何よりも面白い。それがこの物語の奥深さを感じさせる大きな要因なのだろう。下巻の展開が楽しみである。
大草原の小さな町―ローラ物語〈2〉 (岩波少年文庫)
大草原の小さな町―ローラ物語〈2〉 (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥840
release : 2000-08

ローラの精神的成長が見れる

これまでの作品と違って、穏やかな日々がつづられています。
大事件といえば、トウモロコシ畑にブラック・バードが大量に
襲ってくるところでしょうか。
ローラは日々家族のお手伝いをし、勉強もして姉のメアリが
大学にいけるようにと願っています。
ここでローラは始めて町での仕事をすることになり、お給金は
メアリのためにと母にそのまま渡します。

また町も人々が集まってきて、学校や教会での催しが盛んに
なってきます。そしてローラとアルマンゾとの出会いも…
随所にローラの精神的成長も見られて、驚いたりやさしい
気持ちになったり。
ぜひ自分の子供にも読ませたい一冊です。
ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)
ハックルベリ・フィンの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)
角川書店
price : ¥780
release : 2004-08

ミシシッピの川面をゆっくりと流れる筏

ミシシッピの川面をゆっくりと流れる筏での豊かな生活に魅了されながら、ハックの真摯さに感情移入しっぱなしで、胸いっぱいに。

どうして素晴らしい小説というのは古さを感じさせないのだろう、と改めて思う一冊。
戦士たちの挽歌―Forsyth Collection〈1〉 (角川文庫)
戦士たちの挽歌―Forsyth Collection〈1〉 (角川文庫)
角川書店
price : ¥580
release : 2004-02

毛色の違う話2つが楽しめました

飛行機での密輸を追う話と、アメリカの19世紀から現代までを舞台にしたラブストーリーっぽい話が1つの、2つからなります。
密輸ものは、「だましあい」で逆転、逆転、最後まで目が離せません。ノンフィクションぽいできです。

もう1篇は、時空を超える恋人たちの物語。19世紀の白人とアインディアンの争い、その中での、敵味方を超えた恋、そして、離別と、時空を超えた再会、という内容でした。ラブストーリーっぽい話ですが、19世紀の様子や、現代アメリカでの森林の中での逃避行、森林戦など、それ以外のところでも、十分楽しめました。

いずれも、精密な描写が読ませます。

黒い時計の旅 (白水uブックス)
黒い時計の旅 (白水uブックス)
白水社
price : ¥1,260
release : 2005-08

時をたぐり寄せる

冒頭から読者を圧倒する鮮烈なイメージと混交するストーリーは、登場人物たちを時の狭間で翻弄する。
そして彼らがついに家路に着いたとき、歴史は語られることで生まれるのだと読者は思い知らされる。
物語への、歴史への妄想的欲望が炸裂する傑作。
祝・復刊!
アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)
アメリカ文学のレッスン (講談社現代新書)
講談社
price : ¥735
release : 2000-05

不安社会アメリカを映し出す

とにかく、現代アメリカ文学の紹介者として、柴田元幸氏(あと村上春樹氏ももちろんですが)は欠かせない存在でしょう。
柴田氏がいなければ、アメリカ文学の日本での受容のされ方も、大きく違ったものになっていたはずです。
本書は、「破滅」「組織」「勤労」「親子」といったテーマ別に、アメリカ文学を論じています。
文学とは、社会の顕在化していない「不安」をあぶりだすことができるものだと、私は思っています。
アメリカの場合は、特に本書で『フランクリン自伝』がその代表とされている、「自分を創り上げ、アメリカンドリームを達成する」ことを頂点とするシンプルな自己創出→栄光達成のドラマが、もはや成立し得ない不安な社会であるというアメリカ社会の真実を、本書はアメリカ文学の作品を通じて、学ぶことができます。
福田恒存氏の「一匹と九十九匹」ではないですが、繁栄から圧倒的に取り残された人々(アメリカの場合は日本と違ってそれがマイノリティではなく、多数派であることが重要なのですが)を表現することは、巨大娯楽産業となってしまったハリウッドでは困難であり、文学こそがその中心的役割を担っているのではないでしょうか。
本書の魅力は、そんな文学の役割を明確に、アメリカ文学をほとんど読んだことの人にもわかりやすい文章で解きほぐしていることです。
2061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
2061年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥735
release : 1995-03

ハレー彗星とエウロパの表面はどうなっているかの仮説

宇宙の旅シリーズの第3弾です。本来ならシリーズ第3弾は『20,001年宇宙の旅』というタイトルの完結編になる予定でした。ところが、執筆準備をしていた1986年にハレー彗星の地球への接近というイベントがあった為に、クラークはハレー彗星についての作品を書きたいと思い立ち、完結編の前にこの作品が登場したとのことです。2061年というのはハレー彗星が次に地球に接近する年です。この為、クラークの興味はハレー彗星の表面がどのようになっているかの仮説を展開することに向いており、シリーズ本来の本筋からはちょっと外れている感じもします。

それでも、中盤からは木星の衛星エウロパを探査していた宇宙船が難破してしまい、ハレー彗星の探査をしていた別の宇宙船が急遽救出に向かうことになるというやや強引なストーリー展開によって、前作で謎とされたエウロパへと舞台が移ります。しかし、完璧に謎解きはされず、第4弾『3001年終局への旅』へと興味をつなぐエンディングとなっています。
心閉ざされて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
心閉ざされて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥870
release : 2000-01

隅々まで読ませる作品

この話は、リンダ作品の中で1.2を争うほどお気に入りです。
せつなく、HOTで、ヒロインの芯の強さが素敵で、
読んでいてイライラさせられることもありませんでした。
読んで損はありません。おすすめです。

シェリ (岩波文庫)
シェリ (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥630
release : 1994-03

甘美な棘

年上の女性と 歳の離れた若い男性の恋物語はフランス文学によくありますが、
ヒロインのレアはもうすぐ五十歳。
“シェリ”と呼んでいる若い恋人より二十四歳も年上です。
でも、元高級娼婦のレアは そんな年齢なんて 物ともしない、
おしゃれで粋で素敵な女性として登場します。

子供のように我儘で傲慢で、でも輝くばかりの美貌の持ち主である恋人のシェリが
結婚するために 二人が別れるところから、この物語は始まります。
お互いに失って始めて気づく、いろいろな思い・大切なこと。
再会。また愛が始まるのかと思えたけれど、結局は結ばれることなく別れる二人。
繊細な心の機敏まで こまやかに描かれています。

何度も読み返していますが、そのたびシェリの美しさの描写や
レアの高い美意識、豪奢な暮らしぶりなどに うっとりさせられます。
でも、ラストは女性にとって残酷で、
まるで甘美な棘に ちくんと刺されたような気持ちです。
パラダイスを君に〈上〉 (ヴィレッジブックス)
パラダイスを君に〈上〉 (ヴィレッジブックス)
ソニーマガジンズ
price : ¥924
release : 2005-05

愛がいっぱい詰まってます♪

老舗デパート”バンクロフト&カンパニー”バンクロフトの一人娘メレデスはあるパーティーで工員”マット・ファレル”と出会った。
身分違いの二人に襲い掛かる様々な困難と苦労。。。   
そして11年後、マットはマスコミに最も注目される複合企業トップとなっていた。。。
そしてまさか!の再会。。。

こちら、ジュディス・マクノート代表作、しかも海外ではロングセラーともなった力作とか。それも納得です!

上下合わせるととても長い作品ですが、気の長くなるような間、マット・ファレルの一途にたった一人の女性を愛し抜く姿勢は凄いし、よほどの根性じゃないとなかなか出来ることじゃないと思う。既に胸がジンジンしてきます、、、。
お互い、様々な誤解が生じてヤキモキする部分もあり、かなり気を揉んだ分、打ち解けてからのマットの甘?い言葉は世界を揺るがすほどゴージャスで、
それはそれは読む価値あり。

もう?うっとり。
後読感は最高に幸せな気分になることでしょう!



プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)
プレイヤー・ピアノ (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥987
release : 2005-01

この本はキャリア・クライシスの本なのだ・・・

実は、この本を購入したのは20代の頃。本の厚さと、最初の20ページぐらいまでの重い雰囲気に威圧されて、唯一ヴォネガット作品の中で読まずにいました。

しかしキャリア・クライシスの年頃=44才になった今読んでみると。圧倒的なメッセージ性で自分に迫ってきます。SFとか、愛とか 優しさとか、階級闘争とか、そういうメッセージ性でなく、「今のクソ組織に帰属して、クソ仕事を続けているサラリーマンとしての自分のキャリアが本当に正しいのか!」という「剣」をつきつけられたようなメッセージです。

若い読者でなく、ぜひ40代で会社人生に疲れてきた同志に読んで欲しい作品です。それと昔読んだことのある方も再度読み直してみると、全く違った発見があると思います。
妊娠カレンダー (文春文庫)
妊娠カレンダー (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥420
release : 1994-02

【商品詳細】

タイトルにひかれて表紙の絵に目を凝らせば、ハンカチで鼻を押さえた女が、岩の上にのけぞっている。厚い毛皮の外套を着た男が2人、鼻血の女には無関心で、彼方を見やる。裏表紙では、3人退場。代わりにとぼけた顔の白い犬が、女の倒れていたあたりをかいでいる。空には暗雲垂れこめて…。 でも本書は、不吉な一篇の物語というわけではなく、26の個別な文と、緻密な白黒のペン画とで構成された、アルファベットブック。AからZまでの頭文字の副詞が、ワンセンテンスの短文の中に必ず含まれている。というより、その副詞を中心にしている点が、珍しい。 たとえば「B」なら、「The creature regarded them Balefully」が原文。「まがまがしく/こ(子)らにらむ/いきもの」という訳文に、水から上がってきたばかりの変な生き物が、桟橋の上で3人の子どもをじっとにらんでいる絵。「E」は「Endlessly(とめどなく)」で、長い長いマフラーのはなし、などなど。それぞれは独立した場面だが、全体をタイトルに結びつく1つの筋に想像力でつなげようとして、はてつながるかどうか。ゴーリーの手品に挑むもよし、あるいはお好みの場面だけ、心の箱にしまっておくのもよい。 訳文は、2から3行の縦書き平仮名。原文には必ずある主語が訳文にはなく、おまけに文頭の文字が黒丸に白抜きと目立つので、名調子のいろはカルタのよう。どのページにも、予感としての不吉は漂っているものの、ゲーム感覚で、楽しめる。(中村えつこ)

すでに独自の作風を確立している

芥川賞受賞作となった「妊娠カレンダー」。
妊娠をきっかけに、刻一刻と変貌を遂げ、どんどん知らない人になっていく姉に戸惑う妹。
やがてアメリカ産グレープフルーツジャムを作り続けることにより、周囲を振り回し続ける姉に密かな抵抗の手段を見い出す。
「悪意」と言うよりは、ふとしたきっかけで、暗い考えにとらわれる、そのハードルのあっけなさみたいなものを書こうとしたのだろうか?

「夕暮れの給食室と雨のプール」。
婚約者との同居生活が始まる前の、細々した生活の準備の様子を書いても書いても、見事に生活臭がしないところがさすが、小川洋子(笑)。
こういうノスタルジックな日常からファンタジーに迷いこんでしまう…というのも彼女の基軸の一つ。
「博士の?」や「ミーナ?」もこの路線かな?

しかし、私は作者の真骨頂は「ドミトリイ」だと思う。
この頃すでに、短編集「海」の「バタフライ和文タイプ事務所」に匹敵する完成度のものを書いていることに驚かされた。
読んでほんわかしたいい気持ちになるのは、「博士?」や「ミーナ?」だろうけれど、ザ・小川洋子なのは「バタフライ和文タイプ事務所」や「ドミトリイ」のような作品だと思う。

殺人者の顔 (創元推理文庫)
殺人者の顔 (創元推理文庫)
東京創元社
price : ¥1,050
release : 2001-01

とにかくシリーズ1冊目を

ヘニングマンケルはスェーデンの小都市(地図で確認すると,スカンディナビア半島の南端,海辺の街)イースタードの警察署のNo.2。事件発生時は署長が休暇中で,事件の指揮をとることになります。人間くさいというのは,酔っぱらい運転をしたり,酔ったあげくに女性に抱きついたりすること。事件についても自分一人で解決するスーパー刑事ではなく,同僚に頼ります。家庭的な問題を抱えたり。あまり馴染みのないスウェーデンがぐっと近くなります。
華々しき鼻血
華々しき鼻血
河出書房新社
price : ¥1,050
release : 2001-11

わからない

評価が高かったので、読んでみましたが、おもしろさが理解できませんでした。
ごめんなさい!
ぴんぽんぱん ふたり話
ぴんぽんぱん ふたり話
集英社
price : ¥1,575
release : 2003-04

戦後の時代背景の思想・空間を感じとれた本でした。

御二人の共通のお友達三島由紀夫さんのお話が多く、三島さんを通して人生観や価値観・社会の構造を振り返りお話されていました。
私の知らない戦中戦後の思想・生き方のお話は新鮮でした。
戦後は軍事思想が色濃く残り、芸能・文芸は軽視され武勇が尊ばれていたけれど、まだ戦前のロマンも残っていたとのこと。
「喫茶店では、粋なヨーロッパ音楽や味のある流行歌、クラシックが蓄音機から流れ、生活全体にロマンティックが漂い、破廉恥なことも美しいオブラートに包まれ、ロマンティックな匂いに摩り替えられてしまう。」
そんな素敵な空間があったんですね。
軍事思想とロマン、全く違う思想が同時代にあったのが、今の時代を生きる私には不思議に思えました。
御二人が時代と経験を共感されたお話なので、私はその時代の空気をイメージしやすく、つかみやすかったです。

瀬戸内寂聴さんが本を出版する前無名の時に、三島由紀夫さんにファンレターを書き、三島さんからお返事が来て、親交を深め友達になったといういきさつに驚きました。
無名でも、才能のある文豪同士は引き合うんだなと感心。
私が、誰かにファンレターを出しても、友達になることないですよ(笑。
そうなのか。似たもの同士は、ちゃんと引き合うようになっているんだな。

私が惹かれたのは、お経の部分で。
私が観音経(法華経第25)をあげていているとぽかぽか温かくなったり、気持ちが晴れ晴れするのですが。
法華経を唱えると、その音魂で活性化するという話に、なるほどとうなずけました。音魂による現象だったんですね。
七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
七王国の玉座〈1〉―氷と炎の歌〈1〉 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥735
release : 2006-05

じっくり読んでみたください。読み応えのある本です。

王と諸侯、騎士とその家族たちの物語です。これら登場人物の数が、極めて多いことが特徴です。
1巻で端役を除いても約40人のほど人物が登場します。
これだけの人数を登場させても破綻していないだけでなく、各人物の人間関係やキャラがきっちり描かれています。
ことから、この物語が綿密に構成されていることが判るかと思います。
人物だけでなく、背景となる広大な世界のディーテイルの構成も見事です

しかし、これだけ多くの登場人物と広大な世界に入り込むまでが大変です。
最初の100頁くらいは、次から次へと様々な人物が登場して、何がなにやら判らない状態です。
何の説明もなく、突然登場する人物が何人もいます。この人は誰?という謎をといてゆくのも楽しめます。
しかし、最初の100頁で投げ出してしまうと、この物語の世界に入れません。
この人は誰だろうという謎解きに、疲れてしまった方のためには、巻末付録に20頁近い登場人物紹介と人名索引があります。
人名索引には84人登場人物が記載されています。250ページ弱の本文に84人が登場していることになります。
読み終わるころには、約40人くらいの人間関係が判るようになりますが、
2巻では登場人物はさらに増え、巻末付録はさらに長くなっています。

なお、竜、人外の生き物、魔法のなどもチラチラ見え隠れしていますが、ほとんど出てきません。
ドラゴンの火炎の嵐!魔法爆発!魔族vs騎士団的なファンタジーではありません。
高潔、強欲、勇猛、惰弱。様々な面を持つ人間中心の物語です。
盟約 上  文春文庫 ニ 1-4
盟約 上 文春文庫 ニ 1-4
文藝春秋
price : ¥820
release : 2002-08

大河ストーリーの第二弾

「勇魚」に始まるニコル氏の大河小説の第二弾である。
「勇魚」の主人公であった甚助(銛一甚助=ジム・スカイ)の末子である銛一三郎の物語である。カナダに居住する甚助の末子三郎は、日本人への偏見に満ちたカナダを後にし、明治期の日本へ渡る。上巻では日本へ渡航した三郎が、江田島の海軍士官学校へ合格し、日英同盟を背景にした英国への留学、日露戦争での日本海海戦の勝利までを描いている。

「勇魚」の続編のつもりで手に取ったが、背景となるトーンが重苦しいし、暗い。父甚助が国禁を犯して海外へ渡航し自由と成功を手に入れたのとは逆に、三郎は軍という組織に入り「個」の能力を組織のために発揮しなければならない立場になるからだろう。もちろん、幕末と明治期の時代の変化もある。
己の夢のために己の腕と知恵だけを頼りに海外で成功した父と、日本という国のために、葛藤しながら自らの能力を発揮し夢を追おうとする子。置かれた環境が違いすぎるため、単純に比較は出来ないが、物語の背景となる日本人の誇り、気高さは共通である。また本シリーズ全作に共通する背景はもちろん「海」であり、たとえ陸にいても大きな時代の流れに翻弄される姿は、海での大時化にあらわれる船を連想させる。

日本陸軍軍人の描写の醜悪さ、日英双方の海軍軍人の描写の崇高さはそれぞれ過剰気味で少し気になる。これは、本作上下巻と続編二作にも共通する。ニコル氏の出自による贔屓や、もちろん創作上のデフォルメは含まれると思うのだが、少しくどさを感じた。
苔のむすまで
苔のむすまで
新潮社
price : ¥2,730
release : 2005-08-24

所有感

写真や文章のよさはもちろん、一冊の本としてのつくりのよさに感心した。白い本体の清楚でカチッとしたデザイン、一転黒を基調としたカバーのコントラストとその手触り。中身の紙質も一味違う。これらが渾然となって本という「モノ」の出来のよさが伝わり、所有する喜びも感じさせてくれる。カバー裏面に隠された写真も秀逸。
寓話セラピー―目からウロコの51話
寓話セラピー―目からウロコの51話
めるくまーる
price : ¥1,575
release : 2005-02

あなたも、癒される話しも見つかるはず!

 物語は、聞く人によって色々な印象を与え、無意識に働きかけ、その人の持つリソースを活性化したり、無意識的な気づきを促すことは、ミルトン・エリクソンをはじめとした催眠療法家にとっては、よく知られた事実である。

 この本の筆者も、いわゆるゲシュタルトセラピーなどを背景にしたサイコセラピスト(心理療法士)だが、このような話しを利用しながら治療を勧めているのだという。すなわち、それだけ、パワーを持った物語が、紹介されているのである。

 物語が、受け取る人によって、様々な影響力をもたらすことは、すでに述べたが、きっと、あなたの無意識の可能性を開き、癒される物語が本書の中に見つかるだろう。

 また、あなたが臨床心理士だったり、特に催眠療法などに関心を持っているなら、この物語は、逸話(治療に使用する物語)としても役立つのではないだろうか?
 
 

人間の絆〈中〉 (岩波文庫)
人間の絆〈中〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 2001-11

モームと絵画

 主人公のフィリップがパリで画学生の生活を送っているときのこと、初めて作品を展覧会に出品し落選して自分は画家としての資格があるかと悩んでいるときの話である。知人のクラトンに自分の絵を見てほしいと言うと、相手はこんなことを言う。人はよく批評を求めるが、それは誉めてもらいたいからだ。批評が何の役にたつ。画を描くただひとつの理由は、描かずにいられないからだ。肉体の機能と同じくそれはひとつの機能なのだ。画を描くのは自分のためだ、そうでないなら自殺するよりほかにない。入選したとしても、人は通りすがりにほんのちょっとながめるだけだ。批評なんて、画かきとはなんの関係もない。客観性とはなんのかかわりもない。画かきは独特の感動を受けて、やむをえぬ衝動でそれを表現する。自分では理由もわからぬうちに、線と色で気持ちを表現する。
 ここまではだれでも言いそうなことである。もうひとつ批評が無意味なわけを教えようと先へ進める。偉大な画家は、自分が見ているとおりに、自然を世間の人に見させる力をもっている。次の世代になると、べつの画家がまたべつの方法で世界を見る。そのとき大衆は当の画家によってではなく、その画家の先行者によって彼を判断する。自然というものは、まさに画家が見ようとするとおりのものなのだということを、彼らは一度も考えたことがなかった。ぼくたちが自分の見方を世間におしつけると、世間はぼくらを偉大な画家と呼ぶ。押しつけないと、無視してしまう。しかし、ぼくたちは、変わらない。偉大さや卑小さはなんの意味も付与しない。出来上がった作品に起こることは、なんの重要さもない。ぼくたちは、画を描いているあいだに、すべてを獲得してしまっている。
 ここにはモームの芸術を見る確かな洞察がうかがえる。


第二段階レンズマン―レンズマン・シリーズ〈3〉 (創元SF文庫)
第二段階レンズマン―レンズマン・シリーズ〈3〉 (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥945
release : 2002-11

スミス節は止まない

レンズマンキニスンの銀河をかける戦いとロマンス。
おなじみのキャラクターの期待どおりの活躍、
いつものようにボスコーンに潜入するキニスン、
そしてついに迎える大円団。
前作を読んでこの古典的SFの新訳の魅力にはまった方、とうぜん本書も読もう。
壮大かつ古めかしい、古き良きSFである。
おさるのジョージ とっきゅうにのる
おさるのジョージ とっきゅうにのる
岩波書店
price : ¥945
release : 2003-10

おもしろくてお勧めなのだが・・・

 「おさるのジョージ どうぶつえんへいく」を子供(3歳半)が好きだったので、乗り物好きであることも考えて、取りあえず本作を買ってみた。
 内容は相変わらずおもしろい(おさるのジョージの駅での活躍?ぶり。ただし、特急に乗って何かをするわけではない)ようで、よくこの話をするので購入自体は正解であったと思うが、
 うちの子供ぐらいの歳でも、これ1作だけだとちょっと量的に寂しいかなという印象。
 全部で20作もあるのなら、2作か3作セットにしてもらった方がよかったかも。
 しかし、これでまだ2冊。先は長い。
ホテル・ニューハンプシャー〈上〉
ホテル・ニューハンプシャー〈上〉
新潮社
price : ¥740
release : 1989-10

長編というより短編集

痛烈なエピソードが満載で、一つ一つのエピソードはそれなりに楽しめましたが、登場人物のキャラクターに一貫性がなく、支離滅裂の印象を受けました。小説に出てくるスランプ時のリリーに対する批判がそのまま当てはまります。全体的なストーリーがありません。特にバーベル上げしか能がなく、精神的な成長もない主人公には落胆させられました。
ゴシップガール
ゴシップガール
ソニー・マガジンズ
price : ¥1,365
release : 2003-03-20

???

この本普通におもしろかったけど
内容はすっごく良いとはいえないかな?
日本はセレブセレブって騒いでるから読む人多そう 笑
私も外国のお金持ちの女子校通ってたけど(ロンドンだけど)
ニューヨークの学校のお金持ち学校すべてがこういうのだと思わないほうがいいよ!
だって日本の高校のお話が外国にいって
それを読んだ外国人が「日本の高校ってすべてこういう感じなんだ?」
って思われるのと同じでしょ?本当はいろんな学校があるのにさ^^
私はバーバーリーが好きだからよかったかも。
Bが大大大大好き!
ロボ―カランポーのオオカミ王 (シートン動物記)
ロボ―カランポーのオオカミ王 (シートン動物記)
福音館書店
price : ¥945
release : 2003-06

大人が読むならこの本を!

恥ずかしながら幼少の頃にはシートン動物記を読んだことが無く、齢三十にして初めて興味を持ちました。
ロボとブランカの話は哀しいけれど、かなりロマンティックですね。

シートン動物記はそのほとんどが児童書として出版されています。というか大人向けに出版された物は
見つけきれませんでした。その中から大人にとって読み易そうなものを探し、レビューなど見てこれに決めました。

この本はそれなりに字も大きいしルビも振ってあるし児童書ならではの工夫がされているのですが
翻訳された文章が、読み易い!必要以上にかみ砕かれておらず、難しい言葉は注釈になっているので
ペースを乱されることなくスイスイ読み進めることができました。文章もどことなく上品です。
他のシートン動物記と読み比べたわけではないのですが、大人が読むならこの本をお勧めします。
子どもさんなら高学年以上向け、くらいだと思います。
コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))
コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985))
新潮社
price : ¥3,150
release : 2006-10-28

入り混じりながら均一化されない

夫(夫になる前は、誰からも信頼される欧州帰りの医師、見た目も良い男)を事故で亡くしたばかりの女フェルミーナ・ダーサ(父によって守られた勝気なお姫様体質)は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきた(正確には少し違うのですが...)という男フロレンティーノ・アリーサ(自身の信念に忠実でありながらも、臨機応変の効く男、だが見た目が暗い)は76歳。51年9カ月と4日、男は女を待っていた、そして未亡人になった最初の夜、男は女に愛を告白した、それは同じ女への2回目の告白だった。

というのが、冒頭で物語はフェルミーナ・ダーサとフロレンティーノ・アリーサの最初の出会い回想してゆき、そしてそこから約半世紀の物語が、2人を軸にその関係者、住む町、国を描きながら進んでいきます。
この51年9カ月と4日男が女を想い続ける、この1点に現実味を持たせるのではなく、神話的、幻想的でありながら、また現実的でもある、という例えるなら「コーヒー」と「ミルク」を混ぜ合わせると均一になり「コーヒーミルク」になりますが、そうではなく、わざと「コーヒー」に「ミルク」を注いでかき混ぜない状態、を目指した様な小説です。

ですから、現実的描写や解釈があったかと思うと、次の場面ではいきなり非現実的な、幻想的な場面になったり、現実的物事を幻想的に解説してみたり、と、不均一な混ざり物を味わう様な感じなのですが、いわゆる神の視点からの3人称を使った語り口が均一な為に読みにくいという事はありません。

主人公2人のそれぞれの人生を振り返りながら、最後に2人はどうなるのか、が気になる方にはあまりオススメできません。それよりも、些細な出来事から決定的な出来事へと続く物事を楽しめる方にオススメ致します。物語に、ジョン・アービングの様な腑に落ちる、あるいは納得したい方にはあまりオススメできませんが、そのものをそのまま楽しめる方に(ちょっと分かりにくい表現でスミマセン、私の表現力が足りないのです)オススメします。

私としましてはガルシア=マルケス作品の中では(そんなにたくさんは読んでませんけれど)やはり「予告された殺人の記録」がベストですが、この作品も良いです。
黒衣の騎士との夜に (ヴィレッジブックス)
黒衣の騎士との夜に (ヴィレッジブックス)
ヴィレッジブックス
price : ¥903
release : 2006-11

すきなの。黒ずくめノヒーロー

黒衣の騎士との夜にという題名に惹かれて読んだ私の好みにはぴったりのストーリーでした。なんたって程よい長さの黒髪に衣類は黒ずくめ、騎士としての実力はめちゃ強いし、その上頭もよいし、知的だし、経済力もあり、長身はもちろんのこと、このアイロニカルな会話はどうだ。完璧に近い設定に大満足かな。翻訳者の方の力量もありますよね。でも機関車はいただけないのでは?隣のサー・ヴィンセントも途中からなんだかいい人になってて安心して読めました。彼と妻のエマとの間にも一ストーリーありそうです。楽しめるロマンスとしてお勧め!黒髪好きよっといで!
アカデミー賞を獲る脚本術
アカデミー賞を獲る脚本術
フィルムアート社
price : ¥2,520
release : 2005-04

著者の肯定的な人生観がにじむ好著

 ハリウッドで脚本家として名をあげようと野心を持つ読者のために、すぐれたシナリオを書くための極意を指南しようという書です。著者はアメリカの映画界でスクリプト・コンサルタントとして活躍する女性。
 脚本家の卵のための入門書というよりは中上級者向けの書ということですが、私のような一映画ファンでも十分楽しめます。

 コーエン兄弟がオスカー脚本賞を獲得した「ファーゴ」が、「登場人物を明確に描くための体系的映像」をどのように用いているかについて記した箇所(154頁以降)はなかなか唸らせます。二人組の犯人が凍った雪道の中で凍える様子と、捜査するマージが温かい家庭に包まれている様子を対比させることで、主人公がこの世を肯定的に捉えていることを脚本家は示そうとしたと著者は考えるのです。

 このように映画(の脚本)には、観る者の深層心理にするりと入り込む仕掛けがいくつも散りばめられている場合があり、そしてその散りばめ方が見事であればあるほど観る者の心を深くつかみとることができるのです。

 そしてまた著者は、脚本家が目指すべきは登場人物たちが成長する物語であると強く信じて次のように記します。

 「人間は成長しなければ人生の勢いは衰え、時には止まってしまう。変化がなければ、人間は同じパターンを繰り返すだけで、人生の旅は止まってしまう。(中略)人間の変化とはより人間味のある、自分らしい人間へと変わっていく動きであり、前向きなものだ」。(184頁)

 人間を信じる力強さをそこに感じます。映画というものが優れた表現手段であり続けるのは、まさにこうした脚本家たちの信念が背景にあるからなのだという意を強くしました。

 なお、巻末に掲げられた映画作品名に先に目を通すことをお薦めしておきます。これは本書で言及されている作品のリストですが、本書はその結末にまで触れてしまっている場合がほとんどだということを忠告しておきます。

百まいのドレス
百まいのドレス
岩波書店
price : ¥1,680
release : 2006-11

加害者側の心もキチンと書いている

ド貧乏な移民の女の子が
「ドレス100枚持っている」と言っていじめられる
人種差別の問題も含んでいるので結構考えさせられる
中学生日記みたいに「いじめをなくそう」ってんじゃなく
被害者側の心も、加害者側の心もキチンと書いていて
ちゃんと文学作品として読める

大人は「イジメは悪い!みんな一緒なんだから!」と押付けるけど
それがイジメを余計に悪いものにしていると思う
加害者側にも心があり、理由があるのだから。
今の学校はただ「イジメ0」を目指すのではなく
イジメを解決するプロセスを教えた方が良いと思う
マディランとペギーがやったようなやり方を。
ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)
ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈下〉 (ファンタジー・クラシックス)
評論社
price : ¥1,890
release : 2006-09

童謡の謎―案外、知らずに歌ってた (祥伝社黄金文庫)
童謡の謎―案外、知らずに歌ってた (祥伝社黄金文庫)
祥伝社
price : ¥600
release : 2003-10

倍賞千恵子さんのコンサート

先日のNHKの朝の番組で倍賞千恵子さんが、合田道人さんの本を読んで構成台本を書いてもらったというコンサートを見て来ました。この本の中に描かれている謎や秘密を話しながら歌う倍賞さんの姿に感動しつつ、この本の面白さを大切さを改めて感じました。おすすめ度◎
DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
スケルトン・クルー〈2〉神々のワード・プロセッサ (扶桑社ミステリー)
スケルトン・クルー〈2〉神々のワード・プロセッサ (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥620
release : 1988-05

映画「ミスト」が見たくなる!

「今日の早川さん」の作者COCOさんのブログで紹介されていたので、読んでみました。とにかく「霧」が秀逸です。見えないことの恐怖、集団ヒステリー、そして驚きの現実。異形のものが何となく「マブラブ・オルタナテイブ」っぽい感じ。映像ではどうなんだろう?ラストは小説と映画では異なるようなので、早く映画を見てみたいです。
新版 シルマリルの物語
新版 シルマリルの物語
評論社
price : ¥3,675
release : 2003-05

トールキンが遺したもの

『シルマリルの物語』は、J.R.R.トールキンの没後4年後に、息子クリストファによって編纂されて出版されたものである。

この「新版」は邦訳初版から21年ぶりに訳しなおされたもので、トールキン研究家でもある伊藤盡さんの協力により、固有名詞等より原音に近い形でカタカナ表記される事となった。その結果、一部『指輪物語』とは整合性に欠ける事になったが、こちらの表記の方が正確である。例えば、ヌメノール→ヌーメノール ナズグル→ナズグール。

あとがきにもあるとおり、この本を読まれようとされている方は『指輪物語』を先に読んでおられると思われるので、アラゴルンの遠い祖先の物語である「アカルラベース」やあるいは「力の指輪と第三紀のこと」の編から読まれたほうが取っ付きやすいかもしれない。

そして、この本の後ろの方に掲載されている系図や付録の地図を行きつ戻りつ参照しながら「シルマリル」をめぐる物語を読み進んで欲しいと思う。登場人物や固有名詞がたくさんあり複雑な、小説というよりも、どちらかと言えばトールキンワールドの概説書に近いと思われていた物語が、いつしかトールキンが遺した美しくも物悲しい壮大な物語の体系となし、その世界観に圧倒され、魅了してやまないものとなるに違いないと思うからだ。

なるほどの対話 (新潮文庫)
なるほどの対話 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2005-08

天国からのエール

吉本ばななさんと河合隼雄さんの
あかるい対談集です。
お二人とも本でよく読んで知っていたので
つい買ってしまいました。
作家の習性や、自分に対する考え方
世の中の状況に至るまで、
多岐にわたった対談集。
読んで思ったこと。
いつの間にか、河合さんがうまく吉本さんの
話を引き出して、聞き役に廻っている。
相手のこころの言葉を引き出す側に回って
進行しているのが
さすがだなぁと思いました。

読んでから気がついたのですが、
河合さんは今年天国にいったのですね。
知りませんでした。
天国から心の病をもった人たちに
明るく生きることができるように
エールを送ってくださいね。

ザ・スタンド 5 (文春文庫)
ザ・スタンド 5 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥900
release : 2004-08-04

は?(溜息)

は?、と思わず溜息な内容、と言うか、何が内容?どこに内容?内容が無いよう!と、喚きたくなるような、散々な内容です。つまらない。
冷戦真っ盛りの時代に読んだら、少しはマシだったかも。
でも、多極化、多様化、混沌の時代にこれ読んでもな?。
子供だましでリアルさがない。
名前はキングでも中身はポーンか。化けの皮が剥がれたね。
アメリカ名詩選 (岩波文庫)
アメリカ名詩選 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1993-03

うーーーん、やさしいアメリカ


対訳によって原詩の音韻を堪能しつつ
イメージを膨らませることが出来ます。
イラストが入っていたらどんなに良い
かと思いますが・・・・。

古き良きアメリカ、というのはもちろん
古い洋画から推察するしかないのですが、
他からは出ていない一般人むけの貴重な
詩集として、本棚に1冊、是非。
謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)
謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)
新潮社
price : ¥1,365
release : 1991-06

もういちど「カラマーゾフの兄弟」を読みたくなります

名作と言われている、「カラマーゾフの兄弟」ですが、ロシアの文化背景や、キリスト教に関する基礎知識が無いと、ストーリーは追えても、著者の意図した解釈はできません。
かくいう私も、何とかストーリーだけは追いかけて読み終わったわけですが、この状態では消化不良も甚だしく、こころに残る悶々とした気分は収まりませんでした。

その時に本書を知り読みましたが、私が字面だけを追っていた部分にこれだけの深遠な意図、仕掛け、理由があったのかと驚愕の連続でした。
カラマーゾフと言う名前に隠された秘密、3と言う数字の繰り返し、ユダとスメルジャコフとの関連性などなど、「本当に著者はここまでの事を狙って書いたのだろうか?」と感じると共に、そこまでの緻密な計算がなされた小説への畏敬の念が湧き上がって来ます。

本書を読むと、もう一度この名作を読み返し、内容を噛みしめたくなる事でしょう。でも本書の助け無しには、名作の名作たる部分を正しく理解する事は出来なかったと思います。
万物理論 (創元SF文庫)
万物理論 (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥1,260
release : 2004-10-28

神は存在しないって言っても(^^)

 出だしからグワッと惹きつけられ、後は一気にエンディングまで突き進みます。途中でイーガンっぽい「登場人物が説明的に議論する」場面も抑えられ、長編小説としての完成度も高いと思いました。
 登場人物に「人は逃れられないものを神聖視する」と言わせ、最後は神の存在を否定しても、あの感動的なエンディングに“神の存在”があると感じたのは私だけでは無いと思います。
 
ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)
ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1975-01

指輪伝承の頂点に立つ作品

『ニーゲルンゲンの歌』の元ネタは,北欧古典などに残るゲルマン神話伝承からきています。僕は,エッダやヴォルスンガ・サガなどの北欧古典から,この本に辿り着いたのですが,あまりの素晴らしい出来に腰を抜かしました。
いわゆる指輪伝承を元にした2次創作は,多く読みましたが,なかなか原典を超えるような力強い作品には出会わず,やはりオリジナルが一番だな,というのが僕の正直な感想でした。
しかし,この『ニーベルンゲンの歌』は,2次創作の頂点に立つ,原典も超えるかというような傑作だと思います。
この作品に関しては,2次創作という表現は,もはや当てはまりません。

神話や英雄伝説の題材を織り込み,そこにゴート族の伝承やフン族の歴史などを絡めて,全体が無理のないストーリーとなっています。
この素晴らしい傑作を今は名前も知られていない詩人が作ったということに,また驚かされます。

全く本を読まない僕の弟(19)に,この本を薦めてみたところ,あっという間に読み終わってしまい,日頃の鍛錬が足りないため補えぬ読解力を,あれこれ質問でカバーしていました。推薦人冥利に尽きるというものです。

運命に導かれて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
運命に導かれて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥1,000
release : 2006-08

いいです!

『そのドアの向こうで』『影のなかの恋人』に続く、マクラウド兄弟が活躍するお話です。
マクラウド兄弟の長男デイビーが主人公です。
ヒロインのマーゴットがストーカーに狙われ、デイビーが助けてくれます。
サスペンスも楽しめますが、やはりロマンスでしょう。デイビーの抱える過去は重い。
兄弟がお互いを思いやる所は泣けます。そんな彼を理解し、愛するマーゴットは素敵。
芯が強くて、ユーモアがあって、とても魅力的なヒロインです。
しかも、前作、前々作同様、かなりホットです。ほんとに、すごいです・・・
でも、このシリーズが好きな私に一番たまらないのは、
前作のカップルがラブラブで登場することです。
コナーとエリンの結婚式はとても素敵。
セスとレインも熱々な夫婦になっています。セスはこの作品でも活躍します。
次回作はモテモテの末っ子、ショーンが主人公だそうです。今から楽しみです。
エッジウェア卿の死 (クリスティ文庫)
エッジウェア卿の死 (クリスティ文庫)
早川書房
price : ¥840
release : 2004-07-15

エンターテイメントな一冊。

この本の最後にある、漫画家・高橋葉介さんの解説文が面 白かったです。『エッジウェア卿の死』をドラマ化なり、舞台化するなら、配役は誰がふさわしいかという内容だったんですけど、配役は考える人それぞれで、イメージが違ってくるでしょうから、まあ、いろんな意見があっていいと思います。で、なんでその解説が面 白かったなと私が思ったのか。本を読み終わった後に、「こういうドラマってあるある」と思ったらから。エンターテイメントだと感じた訳です。

今回の事件は、純粋にポアロと犯人の直接対決だと感じました。今まで、何冊かポアロシリーズを読んできましたが、それらの事件では、ポアロは犯人に対して、何かしら同情のような、憐れみのような、どのような形であれ、ポアロの人間臭さがあったと感じたんですが、今回は、そういう気持ちが一切ない。犯人の身に起こった不幸は、「自分で蒔いた種」だと言い切っています。ポアロを利用しようとした人間や、騙そうとした人間に対しても容赦ない。冷徹だとは思わなかったけど、自分のプライドを傷つけるものには、倍返しで仕返しする姿に、新たな一面を発見した気分です。相変わらず、ヘイスティングズをからかって楽しんでいるような印象もあったんですけど。

楽しんで読むことができた一冊でした。
ユリイカ―詩と批評 (第34巻第13号10月臨時増刊号)
ユリイカ―詩と批評 (第34巻第13号10月臨時増刊号)
青土社
price : ¥2,200
release : 2002-10

悪魔の事典
悪魔の事典
青土社
price : ¥3,360
release : 1992-06

悪魔について調べるならこれ!

事典なので50音順で調べるのが楽!情報量の多さは十二分。
アルファベットの綴りも、もちろん記載。別称や、エノクのデーモン、ソロモンの72霊のひとつ、といった説明も充実。悪魔学や魔術書についての解説も詳しい。
またゲームブック風に「〜の項目もみよ」と関連の項目も案内。図版の多さもいいところです。
ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)
ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)
福音館書店
price : ¥1,155
release : 2005-11

きかんぼでもいいよ。大好きだよ。

酒井駒子さんの作品と、挿絵を描いている作品をたどっていくうちに、この本に出会いました。
イギリス幼年童話の傑作ということで、幼い子に読み聞かせをするにはちょうどよい長さの
お話が10編。
お話に即した酒井さんの絵もたくさん入っていて、どれもかわいくて見あきません。
“ きかんぼのちいちゃいいもうと”が次々しでかすエピソードが、子どもを育てたことのある
方なら多かれ少なかれみんな経験したようなことで、とってもほほえましい。
語り手はおねえさんですが、この子は妹の度の過ぎたいたずらもわがままも許しているなあ
というのがよくわかります。
なんといっても、“ちいちゃいいもうと”が家族やまわりの大人たちに愛されて育っていることが
こちらの幸福感をさそって、やすらかな気持ちになります。
表題作の「ぐらぐらの歯」は、ほんとにおかしかった!!
初めて歯が生えかわる時の子どもって、不安をおぼえるのでしょうね。ぐらぐらし始めた歯を
一日中舌で動かしては、「こんなになってる?。」と、わが家の子どもらも見せにきたものです。
このいもうとも抜いてしまうのを嫌がって、ぐらぐらしている歯を「人にみせるのが、すきなの。」って、言ってまわるの。
いもうとのきかんぼぶりを語りつつ、勧善懲悪的なお説教くささはなく、楽しんで読めました。
いもうとのおこった顔もこまった顔もかわいいです。
最後のお話は、「やっぱり、ちっちゃいんだなあ。」って思わせられる内容で、ぎゅうっと
抱きしめてあげたくなるくらい愛らしいお話でした。


デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森
デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森
岩崎書店
price : ¥840
release : 2002-08

ラスト20ページ

2007年1月6日より放送された人気アニメの原作。アニメ同様これといった力も頭脳も持たないすっとぼけた3人が1つづつまるで「聖なる予言」のようにイベントを攻略していく。アニメとほぼ同じだがわずかに血なまぐさい印象を受けるも、200ページの児童向けファンタジーだけあってラスト20ページのおきまりなパターンには物足りなさも感じる。特に8巻のラストは「なんじゃこりゃ」としか思えない展開と結末だった。最初に本を読んでたらアニメは見なかったかな。
今昔物語(上)―マンガ日本の古典 (8) 中公文庫
今昔物語(上)―マンガ日本の古典 (8) 中公文庫
中央公論新社
price : ¥620
release : 1999-11

勉強になるなあ

水木先生の描く女の人ってねこ娘か砂かけばばあしかイメージなかったけどなんか
あまり水木タッチっぽくない女の人が多く出てきてからみシーンも満載。
しかも乳首までかきこんでて水木先生ノリノリ!
色々日本史の勉強にもなるためになる本でした。
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
集英社
price : ¥400
release : 2005-08-26

はじめて読んだ

星の王子さまという題名はよく聞いていたがこの歳になるまで一度も読んだことがなかった。
持っている人から「よく分からない本」という感想を受け貸してもらい読んだ。
読んだ感想としてはとらえどころのない、不思議な感じがするものであった。童話という形をとっているからかこういう不思議な読了感がするのであろうか。長年読み継がれるのはこの不思議さにあるのではないかと思う。
他に書評されている方がおっしゃっているように、オリジナルといわれる訳の「星の王子さま」があるらしい。池澤夏樹訳は確かにぶっきらぼうでとっつきにくい感じがした。
評価の高いもう一つの訳も読んでみたいと思う。
ガラス玉演戯
ガラス玉演戯
ブッキング
price : ¥2,940
release : 2003-12

精神と現実の対立と分離

ヘッセの代表作ともいえノーベル賞を獲得したらしいこの作品でしたが内容的にも思想的にも奥深く人生の中での理念形成において大きな示唆を与えてくれる作品かもしれません。ただその分言えることは内容が難解で読むのに時間がかかる・・集中して読みと通すにはかなりの精神力が必要です、まぁ個人的にはそれだけの精神力を費やす価値がこの作品にはあると思う、最後の結末の部分は賛否両論でしょうが、個人的にはヘッセはあの結末以外当時書けなかったのだと思います、もしヘッセが現在ガラス玉演技を書いたとしても同じ結末しか書けなかっただろうし、将来ヘッセがなにか他の結末が書けるような時代が来てほしいものです。まぁそれは物理学でいう大統一理論の完成よりはるかに難しくというか不可能なのかもしれないが・・・
赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)
赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)
講談社
price : ¥1,680
release : 1999-05

親の成長

孤児のアンが、マシューとマリラとともに成長するどたばた喜劇。
カナダの自然の風景、個性ある登場人物、心温まる物語。
少女が、自立心を持って、生きていこうという積極的な姿勢が心強い。

あしながおじさん、少女バレアナ(ポリアンナ)、小公女などとともに、少女文学の最高傑作だと思われます。
その中で、子供の成長に伴って、親も成長していくことが分かるお話です。

ps.
原文はWEBにあがっています。ダウンロードして英語で読むことができます。
翻訳の善し悪しは、読み比べたことがないのでわかりません。
文化の変換は、時代によって違う可能性があるので、ある期間が過ぎたら翻訳し直すことも意味があると思われます。
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
早川書房
price : ¥945
release : 2005-09-22

眩暈をよぶハードSF

スケール、内容ともにハードSFの最高の帰結点。
ここまでいきついてなお人類としてのアイデンティティが保たれているのが不思議なほど。
アイデアそのものは現代科学の延長線上にあり、実際の未来をリアルに想像できるのも良い。
多元宇宙の果てへと向かうスケール感の大きさ。
量子スピンに隠されたメッセージという、理解より直感をくすぐるアイデア。クラクラと読者を快く幻惑させてくれる、まさにSF小説。
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)
偕成社
price : ¥1,575
release : 2001-07

チャグムの成長する姿がいいですね

 『精霊の守り人』の冒険から三年がたち、14歳になった「新ヨゴ皇国」の皇太子チャグム。彼と、星読(ほしよみ)博士のシュガが、招かれたサンガル王国で危難に遭遇する物語。
 チャグムの成長と、彼の人間味あふれるあたたかさにふれて、胸がじんとしましたね。今回、女用心棒のバルサは登場しませんでしたが、チャグムの行動の背後に、バルサとの身分を越えた心の絆を感じて、そんなところにもぐっときました。チャグムとシュガの間に、生死をともにするほどの強い信頼関係が結ばれたのも嬉しかったです。
 チャグムのよき補佐役を務めているシュガ。『精霊の守り人』の初めの頃とは、印象が全く変わりましたね。チャグムに付き従い、彼の言動に触れるうちに、シュガも人間としてでかくなっていってるんだなあと、その変化が好ましく感じられました。
 あと、単行本表紙カバーのチャグムのイラスト(佐竹美保・装画)がいいですねぇ。物語から受けるチャグムの、気骨と気品を併せ持つ皇子の印象にぴったり。チャグムのイメージが、すっとこのイラストに結ばれた気がしました。
コナンドリル―オフィシャルブック
コナンドリル―オフィシャルブック
小学館
price : ¥1,890
release : 2003-05

【商品詳細】

『私が愛したリボルバー』、いかにもハードボイルドな日本語タイトルである。主人公はステファニー・プラムというバウンティ・ハンター(女賞金稼ぎ)。裁判をすっぽかした保釈中の容疑者を見つけ出し、警察につき出すことで報酬をもらう。保釈金を踏み倒して身を隠すような輩であるから、連れ出す相手は相当物騒であることは想像がつく。護身用にリボルバーを手にしなければならないほどに。しかし意外にも、ステファニーは勇ましさやたくましさとはまったく縁がない。銃だって撃ったことがないし、そもそも危ない仕事など、できればやりたくないというタイプ。そのミスマッチ感覚がたまらなく楽しい。 仕事をクビになり、クレジットカードも車も没収。電話代も払えない始末となったのに再就職先がない。たった今この空腹をなんとかするために、とにかくやるしかない、のである。お金のために、行きがかり上仕方なく、とはいえ、ずいぶんとマッチョな仕事についたものである。しかしステファニーには、男と張り合う気負いがまるでない。すぐにべそをかくし、助けが必要ならば一応躊躇(ちゅうちょ)するだけの職業意識はあるものの、あっさり降参して頼れる男を呼び出す。彼女をサポートしてくれる男たちも魅力的。男を敵にまわすよりも共生していきたいと臨む90年代型の女主人公の登場である。 小難しい筋書きは一切なし。ドジでどちらかというと間の抜けた主人公が、あれよあれよという間に、かなり危ない事件に巻き込まれていく。ステファニーの魅力に乗って走り出したら止まらない事件の行方はジェットコースターなみのドキドキを体感させてくれる。(木村朗子)

驚きの要素が欲しい

作者の青山先生へのインタビューは、とても興味を持って読むことが出来ました。しかし、他のどの情報も推測が多くもう少し確かな情報が得られなかったのかなぁと思わされます。それに、『名探偵コナン』のコミックスを隅々まで読んでいれば確実に読み取ることの出来るような情報が多いので、いまひとつ物足りなさを感じずにはいられませんでした。
私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)
私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥591
release : 1996-04

生きるために


普通の30歳のバツイチ女性がいきなりバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)に転職する展開が面白いです。
その日を食べていくお金にも困ってたステファニーは仕方なくそして強引にバウンティ・ハンターの仕事を得るけど、最初から大物を捕らえるのは至難の業で素人丸出しの方法で自らピンチを招いてしまいます。
護衛術や逮捕術など一切知らずに、そしてバウンティ・ハンターとしての知識もないからヒヤヒヤするけど持ち前の感の良さでピンチを切り抜けていきます。
お金に困ってるとはいえ、自分の身を危険にさらしてる訳やから銃を持つけど、その銃の使い方すら知らないんですよね。
解説などにも書いてあったけど、ステファニーの育った場所はファミリー意識の強い街らしいです。
だからこそ素人であるステファニーを幼馴染みが喜んで助けたりするんでしょうね。
この物語を読んでいて、この街って昔の日本の下町のような親しみやすさがありました。

そしてステファニーが追いかける逃亡者が、この街の幼馴染でもある元警官のモレリ。
ステファニーとモレリには、色々な苦い過去があって最初の頃はその呪縛が2人を磁石の同極のように反発させます。
この2人の関係ってこれからも楽しみな要素なんですが、個人的にはステファニーのおばあちゃんのメイザが好きです。
なんか天然っぽいキャラやけど一番ステファニーの事を理解してる感じがしました。

日本人には馴染みのないバウンティ・ハンターという職業やけど、最近では映画【ドミノ】などでも取り上げられてましたね。
まさに命がけの職業やけど、アメリカという国では犯罪者が多いから賞金稼ぎの存在って警察にとっても有難いのかも。
日本もこれだけ未解決事件が増えてきたから、こういう職業があってもいいのかな。

唐草物語 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)
唐草物語 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)
河出書房新社
price : ¥620
release : 1996-02

時空を超えた空想の羽ばたき

 始皇帝の御世の徐福伝説、紀元一世紀のローマの博物学者プリニウス、平安時代の蹴鞠の名人や文章博士など、古今東西の人物の奇行や変わったエピソードをモチーフにした物語風のエッセー集。最初のうちはその人物の奇癖や変わった嗜好を紹介する形で進んでいた話が、途中から原典を離れて、著者が自由に空想を紡いでゆくところ。そこに本書の一番の妙味を感じました。
 人物肖像画的なエッセーが、グラデーションの色の変化のように、徐々に物語へとシフトしていく一連の作品(『唐草物語』『ドラコニア綺譚集』『ねむり姫』『うつろ舟』『高丘親王航海記』)の最初期に位置する一冊。雑誌「文藝」に、1979年1月から1980年(昭和55年)1月にわたって連載された十二篇。「鳥と少女」「空飛ぶ大納言」「火山に死す」「女体消滅」「三つの髑髏」「金色堂異聞」「六道の辻」「盤上遊戯」「閹人(えんじん)あるいは無実のあかし」「蜃気樓(しんきろう)」「遠隔操作」「避雷針屋」。
 今回再読して一番の魅力を感じたのは、平安時代の陰陽師・安倍晴明と、奇行をもって知られる天皇・花山院にスポットライトを当てた「三つの髑髏」。合わせ鏡のような無限連鎖の光景、夢幻の箱の中の箱の中の・・・とでもいう入れ子の構図に、吸い込まれるような妙味を覚えた逸品です。
グリム童話より怖いマザーグースって残酷 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
グリム童話より怖いマザーグースって残酷 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
二見書房
price : ¥560
release : 1999-05

読みやすい!!

とても読みやすく、理解しやすいです。
サラッっと読めて、本棚にずっとしまっておきたくなるような本です。
「星の王子さま」をフランス語で読む (ちくま学芸文庫)
「星の王子さま」をフランス語で読む (ちくま学芸文庫)
筑摩書房
price : ¥945
release : 2000-10

フランス語原文のニュアンスを味わうための名ガイドブック

私は(英語は普通に自信ありますが)フランス語は多少かじっている程度です。そんな私でも本書の仏語文法解説は(時間をかければ)何とかfollow出来る程度の難易度でした。学ぶべき文法事項の全体像を概観できた気がします。この経験は今後きっと役立つことでしょう。(スキー初心者が中級者コースを体感してみて、今後の参考にした、そんな感じですね)

前もって「星の王子さま」を読んでいる方が面白く読めると思います。以前読んだ日本語翻訳は、実は非常に訳しにくい仏文だったんだ、と認識できました。(翻訳者の人知れないご苦労が偲ばれます) 翻訳を通すと、原文でのニュアンスがどうしても失われる処が出てきます。その事情を仏文とその英文試訳(or 日本語訳)の差で具体的にご説明される処は読み応えがありました。いわば、翻訳によって【生のイカ】が【焼きイカ】(時には【スルメ】!)に変わってしまわざるを得ない訳です。「そうか、あそこはスルメを食ってた訳だ!」と色々と気付きました。そういう訳で仏語原文から直接味わえるようになりたいなぁ、というモチベーションが高まりました。

本書を通じて改めて"On ne voit bien qu'avec le coeur"を味わいました。「花も美しい、月も美しい、それに気付く心が美しい」(円覚慈雲 和尚)と共通する点があるように思えて、改めて興味深かったです。
カタロニア讃歌 (岩波文庫)
カタロニア讃歌 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 1992-05

反ファシズムの感性

ジョージオーウェルがスペイン内乱に反(フランコ将軍=ファシスト)として共和国国際義勇軍に参加した話である。
ジョージオーウェルは実際に現場で生活して取材するスタンスをとっている。この作品もその例にたがわず自ら志願兵となって最前線で戦闘に参加している。内容は日常的な塹壕生活や休日の様子を描いている。ルポルタージュとして貴重な資料でもあろうが、過去の話になってしまった私達にとっては具体的で、当時の感覚を知る上ではとても分かりやすい。
第二次世界大戦前夜になるスペイン内戦が、イタリアとドイツのファシズムの介入に対してオーウェルやヘミングウェイがイギリスやアメリカからファシズム阻止に立ち上がって銃を取ったリアルな体験を再現してくれる。
どうしても我々日本人にとってスペイン内戦は見逃しがちである。単に、ドイツと協力してアメリカと戦争をしたことから見かねないが、アメリカ人やイギリス人がファシズムに対して当時どのような感じを持っていたかこの本で分かるだろう。そしてそのファシズムの末端には日本も繋がっていたということを認識すると世界の中で日本もどのように見られていたかも類推できるだろう。
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2006-06

池田訳と高橋訳を読み比べても楽しい

 私は子どもの頃に高橋訳で、夢中になって読みました。しかし、我が子に読み聞かせると、表現が古風なので、ぴんとこない様子。
 試しに池田訳を読み聞かせたところ、こちらは現代の文章なので、一生懸命聞いています。
 大人にとっては、読み比べも楽しいですよ。
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう (講談社現代新書)
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう (講談社現代新書)
講談社
price : ¥756
release : 2005-10-19

いろいろな顔を持つ時代。作家という魅力的な顔。

サラリーマンが、週末と言わず、さまざまな顔を持つ時代。
そんあ時代に向けて、ものづくり、と、自分の人生経験、をベース
に、ビジネス書、経済小説、などを創作し、企画・出版するまでを、
これでもか、と言わんばかりに懇切丁寧に解説した、優れた啓蒙書。

「作家」と言っているのは、広い範囲の「週末物書き」という意味で
捉えるのがあっているかと思います。

勤め人から作家になった多くの人とともに、著者の人生経験、さらに
著者がであった「物書き」をする市井の人々のさまざまな生きかた、
それと、具体的な本のテーマ、目次、企画、内容を挙げて、丁寧に
丁寧に説明しています。

新書ですが、丁寧に解説した結果、ページ数も多いのですが、しかし、
その内容と語り口調は、とってもやさしい感じで、メンターに手取り
足取り、物書きを教えてもらっている錯覚に陥る、そんなやさしさ
が感じられる、よいガイドです。
くじ (異色作家短篇集)
くじ (異色作家短篇集)
早川書房
price : ¥2,100
release : 2006-01

これが「異色」短編だ

 本書ではあちこちにジェームズ・ハリスという悪魔(?)が出没します。しかし、悪魔をめぐる連作ではありません。「異色」としか言いようのない短編ばかり収められた短編集です。
 私が得た印象は「絵」です。読者はページをめくって一枚の絵を見つけます。じっと見ているとその情景からは少しの過去と少しの未来が読み取れます。結婚の約束をした恋人が現れないために心配している女性、食事に行ったレストランで見つけた大げんかをしているカップル(腹話術師(とその人形)と恋人の女性)、息子が通う幼稚園での困ったちゃん、お隣に越してきた迷惑な一家……どれもこの世のどこにでもある情景ですが、どこにもない違和感が仕込まれています。
 私が一番気に入ったのは『麻服の午後』です。近所の一家を午後のお茶に招待した家の少女ハリエットは、お客をもてなすためにピアノ演奏を命令されて断ります。次に自作の詩の朗読を……これも断ると、詩を書いた紙を無理矢理取り出され(それも気にくわない招待客の男の子の手で)皆の前で読まれてしまいます。それに対してハリエットが行った「復讐」は……
 ラストの『くじ』も異色ですが、本書でのそれまでの作品とは違って起承転結があります。ある村で一年に一回のくじ引きが行われます。そのくじの目的は……読んでいるうちに大体予想はつきますが、それでもラストでこちらの心が震えます。本作の日本初出は1964年のSFマガジンですが、ちっともSFではありません。心して(覚悟して)読んでください。
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
新潮社
price : ¥2,100
release : 2004-09-29

南極の氷山のような世界

私たちの生活は、たとえば南極の氷山のようなものらしい。
水面に出ている一角だけでは、水面下の様子はわからない。

冴えない小説家ヴィクトルの生活は、ペンギンの訪れが直接の原因ではないにしろ、なにかしらの引き金となって、気がつけばものの価値やら感覚やらがどうしようもないほどに変わってしまう。
別に急に世界が変わってしまったわけではなくて、水面下にはいつもあった知らない世界が、自分の日常に侵食してくるのだ。

家の鍵は破られる、大金と少女が置いていかれる、発砲事件が相次ぐ・・・
まるでへたくそな冗談のような世界が、つつましくも平穏だった日常をのっとっていく。
そこにまた、閑話休題といったようにペンギンの描写が入ってきて、いい感じに話の腰を折る。

なぜペンギンなのか。こればっかりはわからない。
緊迫した場面で、ペンギンがぺたぺたと歩いている光景を想像すると、なんだか気が抜けてがっくりとなる。

もろい世界の上に生活するのは、人間もペンギンも同じらしい。
温暖化の影響が出ないことを、切に祈る。
みどりのゆび (岩波少年文庫)
みどりのゆび (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2002-10

うちが、愛なき場所のハッピーサプライズが好きになったきっかけって。

名作!!

『ばら色のボンボン菓子の色をした砂漠』という表現が
初めて読んだ時からすごく印象的で、
だからうちの頭の中の砂漠では、
結構頻繁に花が咲き乱れます。
砂漠に植物が生えにくいという概念がナカナカ物にできない系。

でも…終わり方はぶっとび過ぎやろ。。

ダライ・ラマ その知られざる真実
ダライ・ラマ その知られざる真実
河出書房新社
price : ¥2,940
release : 2004-06-18

現代チベットの政治情勢を知る

チベットそしてダライ・ラマについて興味を持ったのは、数年前にNHKのパンチェン・ラマの特集の放送を見たのがきっかけでした。 ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマについては、その存在は非常に有名ですが、チベット第二の精神的指導者パンチェン・ラマの存在とそして第十一代の運命はそのとき初めて知りました。 それから、「チベットの7年(セブンイヤーズ イン チベット)」を読み、どうしてチベットはあそこまで追い込まれ、そしてその後チベットはどうなったのだろうという漠然たる興味がありました。 この本は、まさしくそれを教えてくれる本です。 第十三代ダライ・ラマの遷化にはじまり、今のチベット情勢までを伝えてくれます。 この本を読む限り、残念ながらチベットの将来は明るいものではありません。 少なくとも、亡命チベット政府が再びラサの地で独立を勝ち得るには、相当な困難があるだろうということが伝わってきます。 非常に丹念な取材と平易な文章のおかげで、かなりのボリューム(500ページ)もスムースに読みすすめていくことができます。

本書を読み終えて、非常なる困難・苦難の道を歩むダライ・ラマがいつも微笑みを絶やさずにいることの意味をほんの少しではありますが、私も垣間見ることができたような気がします。

カフカ寓話集 (岩波文庫)
カフカ寓話集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥630
release : 1998-01

どれもが不思議な味を持つ短編集

訳者の解説によると「寓話集」にとくに強い意味はないとのことだが、動物を擬人化し、なんらかのメッセージや皮肉を込めた短編を集めていることは間違いない。全部で30編が200ページちょっとに収められている。最も短い「アレクサンドロス大王」に至っては注を含めてもわずか6行しかない。どう解釈すれば悩むような作品が多いが、どれもが不思議な味を感じるのがカフカの真髄か。「巣穴」のいらいらするような思考の螺旋ともいえる文章にも引き込まれる。
ガープの世界〈下〉
ガープの世界〈下〉
新潮社
price : ¥780
release : 1988-10

夢中でむさぼり読める小説

めまぐるしいストーリー展開、私小説のような抒情さ、悪趣味な人間描写、生きることへの希望の率直さ、これら全てが高密度で1つの小説にパックされていることに驚愕。延々と自己満足的に続く終幕も全く許せる。

夢中でむさぼり読める小説。
虹の谷のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
虹の谷のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
講談社
price : ¥800
release : 2005-10

迷路 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
迷路 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥940
release : 2003-07

奥が深い

FBI関連の小説はたくさんあって飽和状態にあるけど、このシリーズは独特の雰囲気があって新鮮な気持ちで読めます。少し残念なのが、「迷路」はFBIシリーズの第2作目なんです。どうせなら1作目から読みたいと思いました。でもサビッチとシャーロックのコンビが活躍するのは本作からなので許せる範囲です。二見さんどうか1作目の「THE Cove」も翻訳して下さい。お願いします。
この作品で今後とも活躍していくサビッチのシャーロックの出会いが描かれています。2人の出会いはユニットに配属される前の訓練生時代なんですよね。この頃からシャーロックは目立ってました。
邦題の「迷路」ってかなりお気に入りです。犯人が被害者を迷路に連れ込むと言う理由もあると思うけど、登場人物の人間関係が迷路のように絡まりあって凄く奥の深い作品になってると思います。あらゆる意味で「迷路」です。
犯人は結構早く分かるのですが、そこからの展開がメチャクチャ面白いです。まさしく二転三転って言葉が似合う作品です。
オススメの1冊です。
ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
集英社
price : ¥1,200
release : 2003-12

日本語がわからない第三巻

ジョイスの『ユリシーズ』、文庫第3巻は、たった2挿話しか入っていない。それでこの厚みである。
まずひとつめは、いきなり古文・漢文調で始まる。ジョイスが、古代中世をはじめ、
昔の英語作品の文体を模写しているため、翻訳でも同時代の近接ジャンルの文体で訳しているのである。
ひとつめの挿話は、産院で子供が産まれるので、それにからめて生殖など性的なallusionが語られるが、
いかんせん古文なので、ほとんどわからなかった。
また、英語は、かなり早い時期から見た目には現在とほぼ一緒の文章になるため、
ここまで古っぽく翻訳する必要はないように思われる。
マロリー(1480)でさえ、現代の日本人が見ても大体はわかるであろう。
そのため、昔の文学の文体模写を、そのまま古文、文語調にうつしてしまうと、相当英語と日本語でギャップが出てしまう。
さて、つづく挿話では一転、劇のスタイルになり、それまでの4?5倍のスピードで読めるようになる。
内容は、現実と虚構がないまぜになってややこしいが、娼家に向かったスティーブン・ディーダラス、
ブルームらの様子をベースにしつつ、それまでの出来事や心にかかっていることなどが出てくる劇である。
巻末には、相変わらず本一冊分はある詳細な注と、翻訳者の小論、地図つき。
ダライ・ラマとパンチェン・ラマ (ランダムハウス講談社文庫)
ダライ・ラマとパンチェン・ラマ (ランダムハウス講談社文庫)
ランダムハウス講談社
price : ¥998
release : 2006-09-02

シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫)
シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫)
福音館書店
price : ¥788
release : 2003-02

フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が拡がる

荒らくれた流浪人や保安官は登場しないけれど、アメリカの西部開拓らしい雰囲気が高まる。プラム・クリークから西へ移動し落ち着くデ・スメット(現サウス・ダコタ州東部の街)は、農業開拓の最前線というだけでなく鉄道敷設の最前線に近い。鉄道工事の現場を経験し、越冬用に借りた測量技師の家は即興ホテルにもなる。父さんは、払い下げ農地の場所を確保し開拓の足場を固める。春になると、開拓民のラッシュが始まる。開拓小屋ができる。その近くにたまたま赤ん坊のグレイスが見つけたスミレ咲く窪地は、スミレの香りが漂う素晴らしい場所、続巻でもしばしば登場することとなる。

「大きな森」、プラム・クリーク、シルバー・レイクはほぼ同緯度なので、気候、自然などはとても類似している。ローラは12歳。フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が急速に拡がってゆく。娘時代のローラの物語は、ここシルバー・レイクを舞台に次巻以降に続いてゆくこととなる。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
早川書房
price : ¥756
release : 2003-12

人間関係・・・入り組んでるか?

なんかベタベタを通り過ぎて印象が無い。証拠を探るのではなく人間関係の中から正式な動機を探っていくタイプ・・・にしてはシンプルすぎる関係性。
このタイプで前半にこれほどハッキリと情報を示してるのは女史にしては珍しい。だから話は物凄くわかりやすいんだがなんか浅い。
その割にはよーく読むと話の整合性も今一つだし結論に至る明確なポイントというのも実は無い。構成自体はストーリーを見せる物・・・
死が最後に?辺りよりは遥かに読みやすいが心理描写モノの中ではイマイチな出来。
このタイプはしばらく断続的に出た後に「象は忘れない」で完成系となる。正直こちらの方が遥かに出来が良い。女史の場合心理描写に関しては晩年の方がしっかりしてる。
サンクチュアリ (新潮文庫)
サンクチュアリ (新潮文庫)
新潮社
price : ¥620
release : 1973-01

多分好き嫌いの別れる作品

フォークナーを読むのは初めてなのだが、
正直言って読み辛かった。(それでもどうにか読了)
本書は禁酒法時代の米国南部の保守的な面と退廃的な面を見事に描写していると評価したいが、
読者によって多分好き嫌いのはっきり別れる作品だと思う。
(私はあまり好きではない)
著者が「想像しうる最も恐ろしい物語」と語っているそうだが、
70年以上経った今日ではこれより恐ろしい小説は
いくらでも転がっていると思う。
何かフォークナーの作品を読んでみたいと思う人は、
他の作品を選んでも良いかもしれない。
やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)
やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2005-12

日常の中のドラマ

スウェーデンの日常から物語を紡ぎだしている作品です。
日本からはるか遠くにあるところの話ですが、
すぐ身近に起きているように感じさせてくれる本です。
それはやかまし村の出来事が異世界のことではなく、
私たちの生活と接点があるからでしょう。
平凡な日常の中にもドラマがあることを思うと
一日一日は違ったように見えてきます。

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
評論社
price : ¥1,890
release : 2006-09

久しぶりに文学しました。

実はこの本を買ったのは2・3年前でした。ウサギが好きなのでそれだけの理由で・・・。正直言うと、初めは挫折しました。理由はよく分かりません。なぜか読み進めることができなくて。文体のせいだったかもしれません。直前に友人に借りたアニメ映画を見てしまったからかもしれません。
ともあれ、最近再チャレンジしたのですが、非常に面白かったです。文学部を卒業して約10年。久しぶりに文学を読んだ!と感じました。そうは言っても気楽に読める本です。ただおくが深いように思います。冒険ものとして読んでもいいのではないでしょか。
風の影〈下〉 (集英社文庫)
風の影〈下〉 (集英社文庫)
集英社
price : ¥780
release : 2006-07

これほどの作品に次、いつ出会えるだろう

2006年7月に日本版はリリース。既に37カ国で翻訳出版されていて、スペインの現代小説では史上空前のロング・セラーになっている。

作者のカルロス・ルイス・サフォンは1964年バルセロナ生まれ。勤めも全く辞めてしまい、外の世界がオリンピック開催に湧く中、小説を書き始めている。この見事な文体に到達するまで大変な苦労をしたようだが、そういった『影』は余り感じられない。むしろ『喜び』に満ちている気がする。平行線手法の魔術と訳者の表現している小説手法が実に見事で、過去と現在、フリアンとダニエル、ペネロペとベアトリスが見事に交錯する。そして実は100人以上登場する人物たちがどれも生き生きと動き、謎を深める。

特に下巻は、あまりの素晴らしいストーリー展開にまったく気が抜けず、一気に読んでしまった。これほどの作品に次、いつ出会えるだろうかと思う。ある意味この本はミステリーでもありながら恋愛小説でもあり、ファンタジーでもある。是非とも映像化して欲しい作品だ。
カミーノ ― 魂の旅路
カミーノ ― 魂の旅路
飛鳥新社
price : ¥1,680
release : 2001-06-22

反面教師として

「アウト・オン・ア・リム」を読んだ後、この本を読みました。
「アウト・オン・ア・リム」から17年ほど経ったでしょうか。
旅路はもちろん、歳月を経て著者がどのように変化しているか、
楽しみにしていました。

しかし読み始めて間もなく感じたのは、
「精神世界を探求すると心が平穏になる」という私の思い(込み)は
間違っていたということでした。
著者の心は平穏ではなく、より頑強になっているように感じられました。

また、全ての物事は偶然ではないとして「意味付け」をしている著者の姿には
若干辟易してしまい、「人生における出来事は偶然ではない一方で、
偶然にすぎない事だってある」と思いました。

「アウト・オン・ア・リム」は食い入るように読みましたが
「カミーノ」はかなり引き気味で読み続けました。
でも、自分の性格は著者と通じる部分もあるため、
反面教師として役立ったと思っています。



ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)
ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1975-01

圧倒的な力強さ

他の方が書かれているとおり、あまりにも有名な古典的傑作。そのダイナミックなストーリー、勇敢で情熱的な登場人物、行動に滲み出る思想精神の圧倒的な力強さに引き込まれ、飲み込まれてしまう。男の私からすれば、向こうの女性はかくも強いのかと驚嘆させられ、その嫉妬心には恐ろしくなる。鴎外の描く日本の女性の強さともまた違う。
登場人物の強さは超人的である。精神の高揚とともに、また物語の展開によってその強さもダイナミックに変化する。多少の矛盾などあざ笑うかのように力強く突き進む。
この物語は、血、血、血の嵐である。血が飛び、血が流れ、血が飲み干される!これほどまでに血なまぐさい物語もそうないのではないか。この物語は、至るところに熱き血潮が通っている。それは脈打ち、噴出し、地を覆いながら、しかしそれでも尽きることがない。
今の時代を舞台にしてこのような物語が物語として成立することは不可能だろう。それだけに物語として読まれ続けるだけの価値がある傑作。
ムーン・パレス (新潮文庫)
ムーン・パレス (新潮文庫)
新潮社
price : ¥740
release : 1997-09

衝撃・感嘆・そして沈思黙考に至る

現代日本にとっては極めて現代的な内容である(のではないだろうか)。
とくに、耽美的であり虚無的な20代の青年には、その衝撃はかなり大きいのではないだろうか。いつか読むべき本ではなく、『今』読むべき本だと思う。
新訳 チェブラーシュカ―ワニのゲーナとおともだち
新訳 チェブラーシュカ―ワニのゲーナとおともだち
平凡社
price : ¥1,575
release : 2002-12

原作が素晴らしかった!

アニメの方は見ていても、本は読まないままでいましたが、書店で見かけて思わず手にしました。アニメでは、いじわるなお婆さんの登場が、どうも良くわからなかったのですが、これで納得。ロシア女性による挿絵がまたなかなかです。挿絵の点数も意外とあり楽しめます。次は彼女による絵本を期待してしまいます!
漱石文明論集 (岩波文庫)
漱石文明論集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1986-10

小説より

実は小説よりも好きかもしれない。
特に好きなのは明治三十四年三月二十一日の日記。

「未来は如何あるべきか。自ら得意になる勿れ。自ら棄る勿れ。黙々として牛の如くせよ。孜々として鶏の如くせよ。内を虚にして大呼する勿れ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現はるべし。」

すごい。日記とは思えない。日記ってとても個人的なことを綴るものだから、これが漱石の素顔なんだと思う。作家として、人としての誠実さに感動する。

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)
ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)
早川書房
price : ¥777
release : 1999-10

まだ読み途中ですが・・・

「24人のビリーミリガン」を読み終わって、続きが気になり
読み始めました。
間違えて「下」の方にレビューを書いてしまいましたが、
「24人の〜」よりも、かなりえぐい表現がかかれていて
ビリーや仲間達のライマでの恐ろしい日常の事などが書かれていますが
そこでビリーの賢さと強さを知りました。
実話だと思うと、ぞっとしますがこのような現実があった事を知る事ができ
考えさせられ,よかったと思います。
「下」が早く読みたい!!
DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
ドラゴン・スレイヤー・アカデミー〈2〉ママゴンのしかえし
ドラゴン・スレイヤー・アカデミー〈2〉ママゴンのしかえし
岩崎書店
price : ¥840
release : 2004-11

ウィリーは、とっても弱虫

ウィリーは、とっても弱虫。だけどドラゴンはたおせる。なぜ?って、それは「ドラゴン・スレイヤー・アカデミー」を読んで自分で知ろう。
1・2年の人に、おすすめ!とくにぼうけんものが、好きな人。読んでみて。
幼い娼婦だった私へ
幼い娼婦だった私へ
文藝春秋
price : ¥1,600
release : 2006-07

知ることから始まる

前半は著者の少女時代の原体験、後半は人身売買を根絶するための活動が記されている。
少女時代の体験は、すさまじい。物心つかないうちに斡旋宿に売られ、何のためにそこにいるのかも理解できないでいる少女を待っていたのは性的暴行、虐待の日常。鎖につながれるというのだ。逃げても逃げても追い戻される。使い回され、使えなくなったら捨てられる。少女たちは生きる気力を失い、逃げることすら諦める。そこに人間としての尊厳は全くない。
自分とそう違わない年齢の著者の体験には、身につまされる思いで本当に辛かった。と同時に、現在までの精力的な活動に尊敬の念を覚えた。

著者の強いメッセージを一人でも多くの人に受け止めてほしい。

ルドルフといくねこくるねこ―ルドルフとイッパイアッテナ〈3〉 (児童文学創作シリーズ)
ルドルフといくねこくるねこ―ルドルフとイッパイアッテナ〈3〉 (児童文学創作シリーズ)
講談社
price : ¥1,365
release : 2002-03

みんな大好き

第1弾、第2弾とは違い、イッパイアッテナの活躍は見られませんが、その分他の猫たちの生き様が書かれており、登場する猫たちみんなが好きになりました。成長する際に感じる痛み、苦しみを乗り越えていく姿はとても印象に残りました。でも、猫たちのほんわか〜♪した感じは相変わらずです。可愛らしいところもたくさん楽しめます。第3弾まで揃えて損はしない!と思います。
ゴリオ爺さん (新潮文庫)
ゴリオ爺さん (新潮文庫)
新潮社
price : ¥700
release : 1972-04

金、金、金...

フランス文学の巨匠バルザックの代表作です。が、まず彼の作品を楽しむには、彼の文体にできるだけ早く慣れる必要があります。
「ドラマ」という言葉をあえて使用することの前置きだけで1ページ使い、
話が動き出す前の登場人物の1人の説明だけで、数ページを要しています。

しかしバルザックの作品の魅力はこの人物造形に上手さ、的確さにあります。
その人がどういう家に生まれ、そういう歴史をたどり、どういう行動から、どういう性質を持っているのが明らかなのか、
どうなっていくのか――作者は事細かに、時には哲学的な講釈を加えて叙述しています。
紙面を割いている分とても信憑性があり、「確かにこういう人いるよね」と、ふっと自分の身近にいる人を思い浮かべてしまうのです。

野心はあるが良心を捨てきれない「ラスティニャック」、冷徹で豪胆な策士「ヴォートラン」、
娘を盲愛する凡人「ゴリオ爺さん」といった、読了後も忘れられない魅力的なキャラクターを作り出しています。
なので最初の方は冗漫に感じるかもしれませんが、ちょっと我慢して読み進めてみれば、
きっとバルザックの世界にはまり込んでいけると思います。

ちなみにこの作品中では、読み手のこっちが哀しくなるくらい、「世の中、金だ!」といわんばかりにお金の話やモノの金額について書かれています……。
かなりアイロニカルな(著者の言うところの)「人間喜劇」です。
神秘の島〈第2部〉 (偕成社文庫)
神秘の島〈第2部〉 (偕成社文庫)
偕成社
price : ¥735
release : 2004-09

無人島で文明を作る五人

前作に続いて、今度は船ですら作る。(ただ、この無人島から脱出できるほどの物ではない)
風車小屋を作ったりしながらも、時々、彼等に都合の良い事が起こるのだが、この無人島に誰かがいるのだろうかと言う疑問も出る。

この物語の凄いところは、とにかく五人の不屈の精神力であり、リーダーがしっかりしているところだ。
リーダーのサイラス技師は、本当に博学であり、温厚であり、リーダーシップに溢れている。
『サイラスさんのいない街より、サイラスさんのいるこの無人島の方が住みやすいさ』
と、仲間の一人が言うのだが、本当にその通りだと思わせる人物である。

博学で、この無人島で文明を起こせる力のあるサイラス技師。
陽気で明るい、料理や大工仕事も得意なペンクロフ水夫。
鉄工技術もあるサイラス技師の家の召使の、黒人青年、ナブ。
優秀な新聞記者でも有り、何でも出来る新聞記者でもある、ジュデオン・スピレット。
優秀な知識と記憶力を持ち、植物学に詳しい少年、ハーバード。

この五人のチームワークと、ペンクロフの陽気さ、サイラス技師のリーダーシップが、読んでいて楽しい作品です。
大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1980-08

シーモアを語るということ

 ナインストーリーズの冒頭でいきなり拳銃自殺したシーモア。この短編では言葉少なく語られなかった彼のことをひたすらに語る。
 それは、彼を通してではなく、彼以外のものを通してだ。大工?では彼がいない場所でも、彼の兄妹らのやり取りらを通して、彼を語る。シーモア?では、ひたすら彼のことを語っているだけなのだが、過去に向けての淡々とした視線がひたすらとおす。
 『語る』ことと『書く』ことに間接的に言及しながら、シーモアという人間を外部から書くことによってその内面を描こうとした、傑作。
クマのプーさん Anniversary Edition
クマのプーさん Anniversary Edition
岩波書店
price : ¥2,730
release : 2006-09

E・Hシェパード

物語もいいですが、なんといっても挿絵。
少年クリストファー・ロビンや、クマのプー、コブタ、ロバのイーヨー、ウサギなど、動物達はあどけなく、
よちよち歩きくらいの子供が持っているような健気さが、彼らの様子からひたすらに伝わってきます。
微笑ましく、この画家は実に詩人であると思う。
ひとつの挿絵からひとつのストーリーが生まれてくる、見ても読んでも楽しくなる一冊です。
ダレンシャン 外伝
ダレンシャン 外伝
小学館
price : ¥1,470
release : 2004-02-20

くも嫌い・・・

著者のコメント付き短篇集です。
著者のホームページに綴られていた短篇を集めたもので、日本でしか発売されていないのだとか。
本編はダレンの一人称なので他の登場人物の胸中はわかりませんが、
この短篇は、そんな脇役たちのサイドストーリーです。
中でもガブナーの悲恋にジーンときました。
これからダレン・シャンシリーズを読まれる方は、三巻の後に外伝を挟まれるのがよろしいかとv
より本編を楽しめると思います。

著者の写真も載っているのですが、スティーブのイメージそのまま!!

それにしても、表紙が嫌い…くも嫌い…
バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜 (ちくま文庫)
バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜 (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥1,470
release : 2003-10-13

ドゥニャザッド姫の如く

「まあ、お姉さま、なんと面白いお話なんでしょう。もっとお聞かせくださいませ。」
「いいえ、明日話す話に比べたら・・・」
って感じで夜な夜な、命をかけて、語り始めるシャーラザッド姫の語りに、めくるページが止まりません。
古式ゆかしく、間接的な表現がかえってエロい表現と、その見事な訳業と、イラストのおかげでもあります。

それだけでなく、わくわくしたり、いろんな意味で興奮させられたり、哀れを催したり、ありえね、と笑ったり、夢うつつのようなお伽噺、そう、難しい小説とかでなく、こころを動かされる純粋なお伽噺があれば、それでよかったのです。

バートンはレインのまる写しとか、言われてますが、なんだか異常に詳細な注釈とか、イスラム人を始めとして東洋社会を、彼が代表する西洋社会がどう見ていたかもうかがい知れて、興味深いです。
しかし思春期にこれ読んでたら人生が、いろんな意味で変わっていたかもしれない、かも。。

ツンデレ?シャーリヤル王は、まだ目だった発言はしてませんが、巻が進むに津入れての、その変わり様も見所です。
批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)
批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義 (中公新書)
中央公論新社
price : ¥819
release : 2005-03

現代思想の鏡としても。

フランケンシュタイン(メアリ・シェリー著)を例にとり、書き手の側と読み手の側とから分析を進めていく。

一部では小説の書き方を解説している。そこでは冒頭・ストーリーとプロット・語り手・焦点化・提示と叙述・時間・性格描写・アイロニー・声・イメジャリー・反復・異化・間テクスト性・メタフィクション・結末といった表現方法を通じて作者の意図したところを推察し、またこれらの表現がどういう結果を生んでいるか説明する。

二部では様々な批評理論を紹介する。順に挙げると、伝統的批評・ジャンル批評・読者反応批評・脱構築批評・精神分析批評・フェミニズム批評・ジェンダー批評・マルクス主義批評・文化批評・ポストコロニアル批評・新歴史主義・文体論的批評・透明な批評だ。現代思想のテーマを見るものとしてもいいかも。
切り口によって違うものが出てくるように書けるのは作者の才能か、それとも理論がこじつけなのか、あるいは人間の意識には深いところがあるのか…。
怪盗紳士    怪盗ルパン 文庫版第1巻
怪盗紳士 怪盗ルパン 文庫版第1巻
ポプラ社
price : ¥630
release : 2005-02

祝・ルパン誕生100年!

ルパンものを一度きちんと読んでみたいと言っていた娘(中1)のリクエストで購入しました。
彼女はすっかりはまって、文庫版の全シリーズを読んでみたいと申しています。

原作はたしか大人向けのものだったなあと記憶していたのですが、これは現代の少年少女向け(これも今やかなりクラッシックな言い方ですが、、)に読みやすくしてあるという点、文庫本という手軽さが親としては気に入りました。

内容も非常に面白いものだったようで、娘は集中して一気に読んでしまいました。
誰がルパンか推理しながら読み進めていったようですが、なかなか思うような展開にはならず、でもかえってそれが読み手の感心を最後まで引いたようですね。
イラストも文章の雰囲気を良く伝えていると思います。

100年経っても魅力が褪せる事のない本と出会えるのは子供にとっても親にとっても嬉しいものです。
ぜひご一読を!

おさるのジョージ 映画版 (OFFICIAL CG MOVIE BOOK)
おさるのジョージ 映画版 (OFFICIAL CG MOVIE BOOK)
学習研究社
price : ¥630
release : 2006-07

シェイクスピア全集 (3) マクベス
シェイクスピア全集 (3) マクベス
筑摩書房
price : ¥630
release : 1996-12

悪人夫婦の対比が面白い

 マクベスとマクベス夫人の対比が面白い。最初は夫人に背中を押されて鼓舞、さらに罵倒されることでしか悪事に向かえなかったマクベスが、終盤には夫人をも圧倒する存在になり、逆に夫人はすっかり弱気で妄想に取り憑かれてしまうと言うキャラクターの入れ替わりが非常に作為的ではあるが面白い。
 魔女の予言で「女の股から生まれたものはマクベスを倒せない」「バーナムの森が動かないかぎり安泰だ」といわれたマクベスが、どのように滅びていくかというのも非常に興味津々だった。これは読んでいて、なるほどと感心してしまう仕掛けだ。
 物語を語る単調なドラマではなく、いわゆる「ボケ」「突っ込み」などが溢れる喜劇的なやりとりの中に、真情を吐露する独白が混じったり、セリフに文化的な教養や時事性、痛烈な皮肉があるのには驚いた。さらにセリフに溢れる罵詈雑言、猥雑さに驚き、「ライブ総合芸能」としての演劇のエネルギーというかエンターテイメント性に感心した。実際には衣装、舞台装置や照明、そして客の反応を見るような間が演出されたりするのだろうが、あまり馴染みがなかった「演劇」にがぜん興味が湧いてくる。
 原典が古いうえ何通りもあること、さらに解釈が色々あるのが古典の常だが、国内外の前例を踏まえた丁寧な脚注や解説がそれらを補ってくれている。こちらは文学という学問ジャンルへの取り組み方の認識が改まるところだ。


村上春樹 イエローページ〈2〉 (幻冬舎文庫)
村上春樹 イエローページ〈2〉 (幻冬舎文庫)
幻冬舎
price : ¥520
release : 2006-10

ノルウェイの森が優れた小説の理由

 イエローページ1と同様この本も村上春樹の小説の解釈を行っている.個人的に一番面白かったのはノルウェイの森についての箇所.
 ノルウェイの森は素晴しい小説だと思う.村上春樹というよりは今まで呼んだ作品の中でもトップクラスの衝撃を与えてくれた.だが「この小説の何処が良い」と聞かれた時に上手く答えることは出来なかった.感じたことをそのまま言葉に出来ないことを幾度も歯がゆく思ったものだ.
 それをこの本はさらっと代弁してくれた.ノルウェイの森が与えてくれた感動の源泉,それをたったの数行で・・・それだけでもこの本は読む価値があった.
夢みる宝石 (ハヤカワ文庫SF)
夢みる宝石 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥756
release : 2006-02

夢みる傑作

『人間以上』と並ぶ、スタージョンの最高傑作。ただし、『人間以上』はあまりにも傑作すぎて、解りにくいところがあるので、初心者には、解りやすく親しみやすい本書の方がオススメです。幻想的な美しさと、グロテスクなリアリティが、渾然一体と溶け合った、この不思議な味わいは、スタージョンにしか表現できない、全くオリジナルな世界です。気に入った方は、是非、『人間以上』や短篇集にも挑戦してみてください。
天使と罪の街(下) (講談社文庫)
天使と罪の街(下) (講談社文庫)
講談社
price : ¥680
release : 2006-08-12

追うもの「善」と追われるもの「悪」がはっきりとした、現代ハード・ボイルドの秀作

恥ずかしながら、今年、前作の『暗く聖なる夜』を読んではじめてマイクル・コナリーという作家を知った。<ハリー・ボッシュ>シリーズなるものも知らなかった。本書でシリーズ第10弾にもなるそうだ。

『暗く聖なる夜』は、ロサンゼルスの古風なまでの正統派ハード・ボイルド私立探偵小説という趣が強かったが、本書は、緻密な仕掛けと壮大なスケールが融合した、“派手なサスペンス”に仕上がっている。

ストーリーは、『わが心臓の痛み』『夜より暗き闇』の主人公、元FBI心理分析官テリーの変死について、彼の妻からボッシュが調査を依頼されるところから始まる。時を同じくして、ネヴァダ州の砂漠から多数の他殺体が見つかり、『ザ・ポエット』の主人公のひとり、左遷中のFBI捜査官レイチェルが現地に呼び出される。これはかつて世間を震撼させた連続刑事殺人犯「詩人(ザ・ポエット)」の仕業だった。
やがてボッシュとレイチェルはラスベガスで出会い、共通の敵を追いかけることになる。

コナリーは本書で、コナリー作品・オールスターキャストの布陣をしいて、ノンシリーズの2つの傑作、『ザ・ポエット』と『わが心臓の痛み』に決着をつけたと思われる。

ともあれ、本書は、追うもの<善>と、追われるもの<悪>がはっきりとしており、なおかつ、二転三転する展開といい、一人称と三人称の効果的で巧妙な表現方法の使い分けといい、巧緻なプロットといい、ラストの対決場面の緊迫感といい、意外なほろ苦い結末といい、さすがは「当代最高のハード・ボイルド」シリーズの秀作である。

私は神!―リズ・ブルボー自伝
私は神!―リズ・ブルボー自伝
ハート出版
price : ¥1,995
release : 2005-11

自分の振り返りとこれからに('▽`)

いいんじゃないでしょうか?
タイトルが突飛なので、初めて見た時は「うわ?(;^ω^A 」と思いましたが…。
著者の他の本(<からだ>の声を聞きなさい)を持っているので
この本も手に取ってみました。

内容は彼女の自叙伝ですが、アタシ自身にもあてはまる部分があり
今までの人生の中で「問題」と感じていたことの解答やヒントが
ちりばめられているような気がしました。

分厚い本なので読み応えは十分です(笑)

読者と等身大で…という姿勢も良いですね。
先生といわれる人から諭されるという内容ではないので
(著者の失敗なんかも余さず書いてあります)
ああ、そういう事あるある、と思いながら読めますよ。

漠然と抱えていたこと、思っていたことがクリアーになるような気がします。

よりよい自分に変えていくためのヒントがたくさんある本ではないかと思います。
三島由紀夫と楯の会事件 (角川文庫)
三島由紀夫と楯の会事件 (角川文庫)
角川書店
price : ¥700
release : 2001-04

ソノシートを聴いてみた

 三島事件の衝撃は、団塊の世代といわれる昭和20年代以降の世代には、当時の「進歩的文化人」の跳梁跋扈した社会背景の中で、「日本とは何か」「自分のアイデンチティーは何か」を問うた事件であった。
 不幸にして、三島の最後の演説は、市ヶ谷の自衛隊員の怒号とマスコミのヘリコプターなどによって充分聞くことは出来ないが、当時、まだ中学か高校生だった小生は、週刊誌の衝撃的な「三島の首写真」とか演説の一部の録音をしたソノシートを持っている。
 こうしたものとあわせてこの本を読むと、三島の行動は、愚直であったし、自己陶酔であったかもしれないが、戦後失われつつあった「日本」とか『日本人』を喚起したものと思える。

 著者は、本書で、その時代背景とか、三島の行動を分析しているが、もう少し、当時の社会情勢というか、「日本」における言論界の状況その他について突っ込んだ主張をしても良かったのではなかろうか?

 その点が残念。
水滸伝の世界 (ちくま文庫)
水滸伝の世界 (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥840
release : 2001-12

お手軽に中国文学の研究室にお邪魔できます

水滸伝の物語をどう散策し楽しむかだけにとどまらず、
水滸伝という文学作品がどういう変遷を辿ってきたのか、
また水滸伝を通してそれに親しんだ民衆の意識や習慣を垣間見るなど、
水滸伝を知っている人はもちろんのこと、
読んだことのない人でも興味を惹かれる内容になっています。

水滸伝には色んな裏や謎があり、
知的好奇心をくすぐってくれるものであることが分かります。
話し言葉で書かれている水滸伝よろしく、本書の筆致は実に軽快でテンポ良く、
いたる箇所に筆者のスパイスの効いた諧謔が鏤められていて
読んでいて愉しい一冊です。
バッテリー〈2〉 (教育画劇の創作文学)
バッテリー〈2〉 (教育画劇の創作文学)
教育画劇
price : ¥1,680
release : 1998-04

面白くない。

正直児童書とはいえないと思った。
なんとも女性向けというか。
野球小説って感じでもないし、つまらない。
ムチって… 
はっきりいうとあまりにホモくさい。
西遊記〈1〉 (岩波文庫)
西遊記〈1〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥903
release : 1977-01

原典はムズカシイ。。。

オットが本書を読破した経験があり、『平岩版もウルウルさせられていいけど、原典もいいぞ』と言われ、連休の間に近所の図書館で借りてきました。原典を知らない私は、平岩さんの西遊記で三蔵・悟空のピュアな心に浸りきっていたのですが、悟空誕生から天界での騒動までの回でスッカリ打ちのめされてしまいました。悟空てこんな暴君だったの?。とか、悟空に仙丹を食べられたりで、神様ってかなりいい加減じゃないのよ?とか思ってしまいました。
また、情景の説明や台詞が講談調で難しく、女性には少しとっつきにくいかも知れません。

タイトル100年愛されるキャラクターのつくり方
タイトル100年愛されるキャラクターのつくり方
ゴマブックス
price : ¥1,260
release : 2005-12-23

キャラクターのことが体系的に理解できます!

今まで断片的に理解していたことが、
体系的に、わかりやすく書かれていて、
キャラクターとは?キャラクター作家とは?
を理解するのに、とてもわかりやすい本です。

また、キャラクターを世に送り出す方法も書かれていて、
作家を目指す方、プロデュースを目指す方、
教本として活用できます。

キャラクター、著作物に関係する方々は、必見です!!
八十日間世界一周 (岩波文庫)
八十日間世界一周 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥840
release : 2001-04

これも傑作だな。

とにかく、アイデアが秀逸だね。時間が決まってるって所が最高にシビレる。いやがおうにも、ハラハラドキドキする。乗り物も、色々出てきて楽しい。日本で、パスパトゥが曲芸師のような芸当をやるシーンは思わず笑った。これは、映画だったか原作だったか忘れたが。それと、映画の方だがスペインでの闘牛シーンも面白かったな。この作品も、映画と原作はどちらもすばらしい。「80日間世界一周」と「地底探検」は、本当にスゴイ作品だ。
IT〈1〉 (文春文庫)
IT〈1〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥780
release : 1994-12

アホ訳

全体を通して、誤訳、偽訳、ゴマカシ訳の嵐。英語を全く理解していない低能極まりないボンクラによる拙訳。読みたければ、原書を読もう。こんな馬鹿げた翻訳を読んではいけない。
極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)
極大射程〈下巻〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥700
release : 1998-12

面白い

ベトナム戦争の英雄である元海兵隊員のスナイパーであるボブ・リー・スワッガーが政治的な陰謀に巻き込まれる話です。作者のスティーブン・ハンターの名前は前から知っていたが、本作がスワッガーシリーズの第一作目と聞いて本作をまず手にとって見ました。予想通り英語は読みやすく、物語の展開は非常に速くとにかく面白いです。特に銃撃シーンは圧巻で、銃や射撃についての知識が充実しています。主人公スワッガーは、無敵と思えるくらい強く、その射撃能力はゴルゴ13のようです。読んで損はない作品です。
現代マンガの全体像 (双葉文庫―POCHE FUTABA)
現代マンガの全体像 (双葉文庫―POCHE FUTABA)
双葉社
price : ¥590
release : 1997-01

マンガ概史

 日本マンガ史を概観するのにベストな本です。。
 多くのマンガ評論が好ききらい、むかつくむかつかないで行われている中、評論として
 優れています。
 戦前から1980年辺りまでをマンガ慨史として扱い、著者はそれを五期に分けています。
 ホラーマンガからギャグマンガ、少女マンガまで押さえています。
 単行本が発売されたのは1986年。まだまだ古びておらず「真剣に」マンガを
 考えたい人はぜひ読むべきでしょう。
モンキー・ハウスへようこそ〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
モンキー・ハウスへようこそ〈2〉 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥714
release : 1989-03

A collection of short stories from various sources

This book is a collection of 25 short stories. They are simple but you can if you want read great depth in them. These stories would make good starters for a reading group or circle. They are professional but not extraordinary or unique.

I bought this book for one story in particular "Harrison Bergeron"; I bought the movie with Sean Astin and thought even if the story was fleshed out to be more like "This Perfect Day". So I thought it would be time to read the story. Unfortunately the short story can not hold a candle to the movie. It never really gets off the ground and comes to a curt conclusion never resolving the conflict.


アンの夢の家 (講談社文庫)
アンの夢の家 (講談社文庫)
講談社
price : ¥800
release : 2005-08-12

水源―The Fountainhead
水源―The Fountainhead
ビジネス社
price : ¥5,250
release : 2004-07-08

言葉がぐわっと

心に突き刺さる、とはこういうことを言うのですね。いままで言葉にできなくて、感覚として捕らえていたぼんやりふわっとした子を、つかまえた!!!と思いました。おにごっこが、とりあえず、終わったとでも言うのでしょうか。今は、五時の鐘が鳴って解散した帰り道、自転車を漕いでいるときにみる夕暮れのような黄昏時のような、あの感覚です。
芥川龍之介全集〈1〉 (ちくま文庫)
芥川龍之介全集〈1〉 (ちくま文庫)
筑摩書房
price : ¥840
release : 1986-09

全集で読まないと損をする作家

 まず芥川龍之介は全集で読むべき作家です。それは作品の大半が短編で、その創作内容が広いためです。純文学、時代小説もの、王朝もの、切支丹もの、明治もの、児童小説など挙げればきりがありません。そして純文学の正道を歩みつつ、ここまでレトリックを駆使する作家も珍しい。多彩かつここまで楽しませてくれる作家もそうはいないと思います。短編集で満足するには惜しすぎる作家なのです。
 
 しかし一般読者にずっと愛されたのに反し、人間の苦悩を好む戦前文壇では永く無視されてきました。短編中心で、ラストの落ちで読者をあっと言わせるような話の書き手である以上合いが悪かったのだと思います。話の大半は最後が幻想文学的で、通常の内容では結末がつけられないと本人が言っている程です。

 この全集の年代順に読んでいくと作品の傾向などの変化が感じられて良いです。第一巻ではシニカルで皮肉的な「MENSURA ZOILI」が一番お気に入りです。どうぞ一度全集を通して読んでみて下さい。きっと気に入る話が見つかります。

氷の女王の怒り (ヴィレッジブックス)
氷の女王の怒り (ヴィレッジブックス)
ソニーマガジンズ
price : ¥987
release : 2005-11

ヒロインがいい!

この物語のテリ-、過去のトラウマより男性不信ぎみ。ヒーローのスタンとであって、お互いひかれあっていくのですが。一見内気そうな、まじめそうなテリー。でもがんばっちゃうんです。スタンを手に入れるために、その捨て身の愛の表現にとても魅力を感じる。スタンの母親の親友、ユダヤ人の外交官のおばあちゃまもとても魅力的。アルツハイマー病に冒されながらも、なぜかコミカル。最後のテリーのかっこよさに心惹かれます。
悪魔とプリン嬢 (角川文庫)
悪魔とプリン嬢 (角川文庫)
角川書店
price : ¥540
release : 2004-09

選択

人間の性善説と性悪説を真っ向から取り上げた本で、読み進めて数分で物語の中に引き込まれていきました。

何の変化もない街で、家族もおらず孤独に暮らす若い女性に、悪意に満ちた誘惑が訪れます。
突然現れた一人の男によって・・・。

『私ならどうするだろう?』『何て言うだろう?』と自問自答しながら読みました。

登場人物たちの人生の背景もよく描かれていて、自分の中の善と悪と闘う描写が素晴らしかったです。
海外の小説にも関わらず、こんなに感情移入出来た本は珍しいです。

考えさせられる本ですが、読後はスッキリすると思います。
一読をおすすめします。
完訳 カンタベリー物語〈下〉 (岩波文庫)
完訳 カンタベリー物語〈下〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥693
release : 1995-01

宗教色の強い下巻

幸福あるいは権力の絶頂にあった人々がいかに転落し酷い目に遭うかを延々
と語る「修道僧の物語」、詐欺を行う僧を語る「錬金術師の徒弟の話」、
七つの大罪について綿々と語る格調高い「教区司祭の話」など6話を収録
した下巻。僧が話の中にも、話し手としても登場し、最後の締めは司祭の話、
というわけでキリスト教色の濃い下巻となっている。

「教区司祭の話」では、人間の罪とその救済について詳しく語られており、
現代人は皆地獄行き?と思ってしまうほどの厳しさ。当時の死生観やキリスト
教観が垣間見えて興味深い。

マジック・ツリーハウス〈14〉ハワイ、伝説の大津波
マジック・ツリーハウス〈14〉ハワイ、伝説の大津波
メディアファクトリー
price : ¥819
release : 2005-06

我が家ではクリスマスプレゼントに♪

昨年がゲーム関連に凝っていた小学校3年生の我が子より今年は読書にハマッてるらしくマジック・ツリーハウス1?18の要望がありました♪小生も25日以降じっくり読書させて頂きます。
ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)
ピーターラビットのおはなし (ピーターラビットの絵本 1)
福音館書店
price : ¥735
release : 2002-09-21

かわいいイラスト

いたずらっ子、ピーターの冒険にドキドキします。

五歳の子どもにも読んでみました。
家の中にピーターラビットの小物が
いくつかあるので、興味津々で聞いてくれました。
リクエストする時は、表紙のピーターを指差しながら
「わるいこ。よんで。」と、言ってきます。

リクエストの多い絵本。
銀河鉄道の夜―宮沢賢治童話傑作選 (宮沢賢治童話傑作選)
銀河鉄道の夜―宮沢賢治童話傑作選 (宮沢賢治童話傑作選)
偕成社
price : ¥1,890
release : 2000-11

真のプロフェッショナルによる入魂の作品

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』の全文に、田原田鶴子さんの挿絵が25ページ
ほど(小さい挿絵は数点まとめて1ページ相当と数えて)入っています。
田原さんの絵は、適度に写実的でありながら、同時に極めて幻想的です。
原作のイメージを全く損なっていません。
描かれる風景は、植生は日本の東北地方のものなのに、建物はヨーロッパ風の
石造りだったりして、それがまた良い具合に調和しています。
岩手の自然を愛し、その自然の中にヨーロッパ風の空想の国を創り上げた賢治も、
きっとこのようなイメージをもっていたのではないか、と思わされます。
画家が賢治の原作を深く愛し、熟読し、取材などの下調べも入念に行った上で
仕事に取りかかったことが良くわかります。
手抜き一切無し。プロフェッショナルの入魂の作品です。

造本も紙質もしっかりしてます。
小説本文は縦書きで、レイアウトも絵と本文がちゃんと分離していて、
読みやすいです。
何より拍手を送りたいのは、総ルビになっているところです。
これで読者の年齢層がぐっと広がって、小学校低学年から読めるようになります。
まあ、低学年では、たとえ読めたとしても、この話の内容を本当に理解するのは
難しいでしょうが・・・
それでも、若い読者を本物に触れさせるのは大切です。

これだけのクオリティでこの値段というのは、はっきり言って安すぎです。
入魂の仕事をされた田原さんと出版社の方に、心から敬意を表します。

出版社への提案ですが、中身を見られるようにしてはいかがでしょうか。
表紙の画像でも絵のすばらしさの一部は伝わるでしょうが、
中の挿絵をもう何点か見られるようにすれば、
この本の魅力がより一層伝わると思います。
2010年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
2010年宇宙の旅 (ハヤカワ文庫SF)
早川書房
price : ¥798
release : 1994-03

名作2001年宇宙の旅の謎を明らかにしてくれる刺激溢れる1冊です

映画、そしてSF小説の名作「2001年宇宙の旅」の続編です。著者であるクラークが断っているように、前作の直接的な続編ではなく、あくまで、主題を一つにする著作なのですが、今作と次の2061年との関係よりは、連続性が強く、とりわけ、前作では、明らかにされなかった、宇宙船ディスカバリー号の船長であるボーマンの失踪、そして、驚異のコンピューターHALの暴走の理由を明らかにしてくれています。
また、クラークといえば、SF作家の中でも、最新の科学的知識をモチーフにすることで有名で、荒唐無稽さからはかけ離れた作家なのですが、今作でも、当時最新の木星に関する科学的事実を基に、知的刺激を満足させるSF物語を作っています。
前作に興味があり、その謎を知りたい方や、知的刺激を満足させてくれるSF小説をお探しの方にはお奨めの1冊です。

シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)
シンプル・プラン (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥734
release : 1994-02

クライムノベル版「リプレイ」

もしも大金をネコババできたらどうするか?
というワンアイデアを徹底的に消化してます。
落ちはやや弱いが、
カットバックという小手先のテクニックは使わず、
一人称の主人公視点で最後まで突っ走る展開が素晴しい。
六人と犬一匹を殺すことになる極悪非道の男が主人公だが、
巻き込まれ型主人公なので、
殺人者の主人公に感情移入してしまいます。
武闘派というより頭脳派の主人公なので、
銃で殺人してる時はなんとかなったが、
鉈で肉弾戦する羽目になるシチュエーションは傑作であった。
どうする?どうなる?という物語の面白さを追求した徹夜本である。
一気に読めるが、落ちが物足りないので四つ星。

「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか (角川oneテーマ21)
「ジャパニメーション」はなぜ敗れるか (角川oneテーマ21)
角川書店
price : ¥780
release : 2005-11-10

第二部は説得的

 1958年生まれの戦後民主主義に肯定的なまんが原作者・編集者・評論家と、1976年生まれの左翼的評論家が(両者の役割分担については287頁参照)、「まんが/アニメーションにとっては決してプラスになるとは思えない」ジャパニメーション国策化の動きの無効・無根拠性を徹底批判するために、2005年に刊行した本(みなもと太郎も関与)。第一部は日本の漫画・アニメ史のイデオロギー批判的な回顧であり、1)現在の日本の漫画・アニメがディズニー・ハリウッドの二次制作として始まり、その結果美術から自立して記号的・無国籍的なキャラクターを生み出したこと(これが普及の原因であるとされる)、2)戦時下の要請により、科学的な兵器リアリズムと透視図法的な映像的手法を駆使し、記号的な不死の身体性を持つ主人公を使い、鳥瞰的に物語を構成するという、戦後漫画の基本形ができたこと、3)戦後に手塚治虫が記号的なキャラクターを受肉させ、内面を持たせた上で、倫理的に暴力性を抑止したが、70年代以降徐々にこの抑止が解除されていったことが述べられる。著者はこの3点を踏まえて現在の国策化に警鐘を鳴らすが、言わんとするところは分かるけれども、正直言って批判としては抽象的すぎる感が否めない。他方、第二部は国策化推進派のレポートの分析であり、内外の漫画・アニメ市場の狭さ、配給ルートを支配するハリウッドの圧倒的な経済的な強さ、オタク市場の「国辱的」要素の強さと収益性算定の困難さ、アニメーター養成プログラムの問題性等が指摘され、漫画・アニメが現在十分自律的にやっていける以上、対米追随と利権のための国策化は拒否する、という結論が導かれる。この第二部は説得的に思える。総じて、第一部と第二部のつながりが希薄であるように思えるが、興味深い本ではあった。

レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)
レ・ミゼラブル〈上〉 (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥756
release : 2001-01

人間の心情の奥底を描ききった傑作


この作品を初めて読んだのは30年以上も前の小学生か中学時代で、それも少年少女版であったと思う。当時の自分には社会から虐げられた元犯罪者の悲しい物語という印象しか残らず、それ以来この作品を手に取ることはなかった。しかし、最近ある新聞でこの作品を何度も読み返しているという作家のコメントを読み、興味が沸いてきて再び挑戦することにした。

今度は完全版に近いものを読みたいと思い、思い切ってPenguin Classicsの英語版に挑戦することにした。翻訳者のNorman Dennyによると、これでも原書の一部は省略したそうだが、それでも1,200頁にも及ぶ大作であった。

仕事の行き帰りや休日の合間に読んだため、読み終えるのに1ヶ月以上を要したが、それに見合う素晴らしい作品であった。この作品のすごさは、人間の心の奥底をこれまでするかというほど執拗に描く描写力である。例えば、決して主役とはいえないジャン・ヴァルジャンを最初に救う牧師を描くのに50頁以上を費やしているのはほんの一例で、あらゆる登場人物の性格や心の動きが驚くほど繊細かつ執拗に描かれている。また、当時のフランスやパリの社会情勢や政情に関しても、例えば物語の筋とは殆ど関係のない、ウォータールーの戦闘の様子が始まりから終りまで描写されていたり、ジャン・ヴァルジャンとコセットが逃げ込む修道院に関しても、その歴史や慣習がこれでもかというぐらい執拗に説明されていたりしており、次のストーリー展開を早く知りたい時には正直言っていらいらすることもあったが、19世紀のパリの様子をまさしく目の当たりにしているような気になった。

細かいことを書いてしまったが、物語自体も実に面白くドラマチックな展開が繰り広げられ、最後の1頁まで堪能することができた。日本語版ではどの程度まで翻訳されているかは確認していませんが、とにかくなるべく完全版に近いものを読むことをお勧めします。

ガラスの動物園 (新潮文庫)
ガラスの動物園 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥460
release : 2000

【商品詳細】

『The Amber Spyglass』は、冒頭のシーンからいきなりスリリングな展開で読者の心をむんずとつかむ。差し障りのない範囲であらすじを紹介しよう。 前作『The Subtle Knife』(邦題『神秘の短剣』)でライラを捕らえたのは誰かという謎はすぐに解き明かされる。だが、その人物のもくろみが善なのか悪なのか、それとも心を決めかねているのかは依然として謎のままだ。また、世界を分断するよう託された剣はまだウィルの手の中にある。そしてその彼をアスリエル卿がいる山頂の要塞まで導くように定められた、翼をもつ2人の天使が仲間に加わる。だが、この少年ウィルの目的はただひとつ。それは、友を救い、彼女に「真理計」(アレシオメーター)を返すことだった。アレシオメーターとは、彼女にとっても『The Golden Compass』(邦題『黄金の羅針盤』)と続編『The Subtle Knife』を読んだ読者にとっても、多くを明らかにしてきた道具である。セラフィナ・ペカーラが腹ぺこのイオレク・バーニソンを捜し出し、アスリエル卿の十字軍に入隊させるときには、読者も「瞬く星明かりのようにぞくぞくした感じ」を同時体験することとなる。 王の心の中でいくつもの思いがクモの糸のように絡まっていった。飢えや満足を超えた何かが膨れ上がっていく。あどけない少女ライラの記憶だ。王がシルバータンと名づけた女の子。スバールバルでいまにも崩れてしまいそうな雪の橋を通り、地表の裂け目の上を渡ったあのときに最後に見た女の子である。そのあと、魔女たちがいろいろなことを言いふらし、協定を結ぶとか同盟をくむとか戦争になるといった噂が広まったのだ。思えば、この新世界が誕生したこと自体が不思議な事実だ。しかも、魔女たちはこういう世界はほかにもたくさんあり、それらの運命がすべてあの子に託されていると言ってきかなかった。 一方、教会は二派に分かれて、ライラを見つけようと躍起だった。そのうち片方は、恐ろしい計画を滞りなく実行できるよう、僧侶に「赦免の前貸し」さえした。こういった暴君たちは、この少女の抹殺を「聖なる仕事」と見なしていたのだ。 3部作を締めくくる本書で、フィリップ・プルマンはこれまで以上に高いハードルを自らに課した。アクションと独創性の点でも前作に匹敵するものを作らなくてはならなかったし、前作で未解決だった謎もことごとく解決する必要があった。うれしいことに、本書には読者を落胆させるような最悪の展開はひとつとしてない。だからといって、息詰まる展開やまさに危機一髪というシーンに欠ける、ということではないのだが。(もし本書にそういった要素が不足しているというなら、十分だといえる本などほかにないだろう) しかし、プルマンは『Paradise Lost』を彼なりに大胆に改訂したとも思える、穏やかであると同時に悲劇的な結末を用意している。叙情的なSFではあるがわかりやすいこの散文作品の中で、著者は自らのテーマを徹底的に表現している。また本書でほかにもいくつかの世界をつけ加えて表現している。そのうちの1つの世界では、一見すると単純な生物の集まりに、メアリー・マローン博士が温かく迎え入れられる。「ミュレファ」の環境(ここでもこれ以上は明かせないのだが)によって彼らの意識は豊かになり、その生活はゆったりとした一定のリズムが保たれるのだ。ところが、この不思議な生き物たちは、必要とあらば俊足にもなれる(体のほかの部分も素早く動かせるようになる)。 だが悲しいかな、その牧歌的な風景に「ダスト」が流れ込むと、彼らは全滅の危機に瀕する。オックスフォードの秘密研究者メアリーは、はたして彼らを救う方法を発見できるのか? それとも我らが若きヒーローたちの助けが必要となるか? メアリーが治療方法を解き明かそうと必死になっている一方で、ウィルとライラは最も残酷な形での犠牲、あるいは裏切り行為を強いられながらも、すべての光と希望が失われた王国への巡礼へと赴くのだった。 この、衝撃の長編英雄小説を通じて、プルマンは鳥肌が立つほど美しく優しさに包まれた場面を絶やすことがない。またその中には、くすっと笑える息抜きの場面も加えている。ライラの母親が教会の下っぱを痛めつける一連の場面などは、よい例だ。「男はただただひたすら謝り続け、やっと彼女は去って行った。彼女の後ろにいた番人はほっとしたため、ほっぺたをぷくーっとふくらませた」。 コールター夫人が、相変わらず我々を楽しませてくれる目の離せないキャラクターであることは言うまでもない。物語の大詰め、絶望的なシーンで彼女がとる行動は、読者の心に彼女への畏敬の念を育むか? この点でも『The Amber Spyglass』は、真の意味での啓示の書といえるだろう。目前の暗闇から光を放つ真実へと、我々を導いてくれるのだから。

劇ではなくまず原作を読んで欲しい名作

テネシー・ウイリアムズを一躍有名にした本作は色々な劇団によって演じられているそうですが劇という演出家の観念で作った物を見る前に是非とも原作を読んでイマジネーションを広げて欲しいと思いました。
語り手であるトム、過去の栄光が忘れられない母アマンダ、ガラスのように繊細な心の持ち主である姉ローラ。
作者が一番訴えたかったのはローラの人生なんだと思います。
繊細すぎ、傷つきやすいがために人生とうまく折り合いをつけられない姉。
姉の日常においてできることは彼女のコレクションのガラスの動物たちを世話することと、古い1枚のレコードを聞くこと。
ガラスの動物たちは彼女の心の反映であり、小さくて壊れやすいのです。
それは作者の実在する姉であるローズがモデルであることは明かです。
両親にロボトミー手術を受けさせられ、廃人になってしまった姉。
それを止められなかった作者は終生悔恨の情に溺れ、名声とは裏腹に私生活は荒れていたと言います。
そんな作者の魂の吐露が切実なまでに我々に訴えてきます。
こころに効く小説の書き方
こころに効く小説の書き方
光文社
price : ¥1,470
release : 2004-04-21

作家になりたいひとも、小説をもっと深く読みたいひとも。

『書くことは、すなわち、生きることです。(本文引用)』

もったいぶらず、変に説教臭くもなく、
無名の書き手たちに惜しみなく伝えられる、
プロ作家の技術と思い。

まっすぐで温かい書き方に、
なんと謙虚で誠実な作家だろうとうれしくなった。

小説の構造についてのレクチャーも解かり易く、面白い。

小説を書きたいひとだけでなく、
もっと深く小説を読みこなしたいひとのこころにも、
『効く』1冊だと思う。
琥珀の望遠鏡―ライラの冒険シリーズ〈3〉 (ライラの冒険シリーズ (3))
琥珀の望遠鏡―ライラの冒険シリーズ〈3〉 (ライラの冒険シリーズ (3))
新潮社
price : ¥2,940
release : 2002-01

現実を精一杯生きろ

・ライラ・・・しばらくコールター夫人に眠らされて、目覚めても元気なし。
       どこがイブなの?
・ウィル・・・引きつける魅力なし。ライラはどこが気に入ったのかな?
・アスリエル卿・・・ライラなんかどうでもいいと言ったと思ったら、ライラを助けろとは?
          なかなか登場しないで登場したら直ぐに死ぬとはね。
・コールター夫人・・・急に優しくなって、娘ライラを溺愛、どの言葉も嘘に聞こえる。
・メアリー・・・どこがヘビの役なの?

・イオレク・バーニソン・・・チョット登場。神秘の短剣を修復する。驚きですね。
・オーソリティ・・・天使は肉体がないから人間より弱いといってもアスリエル卿とコールター夫人との戦いで簡単に死ぬとは弱すぎでしょ。
・天使・・・見えるの?見えないっていいながら、やたら見えてるような場面が多い。

・真理計・・・ライラが愛に目覚めたらなんとなく読めなくなりました。
・神秘の短剣・・・守り手ウィルが愛を思うとき短剣は砕ける。不可解。
・琥珀の望遠鏡・・・メアリーが作った物のこと?望遠鏡が出てきてしばらくして琥珀って言われてもね。

・死後の世界・・・ライラとウィルが死後の世界に行く動機が薄弱。           
・ダイモン・・・ライラの世界に行くと誰でもダイモンが現れるの?
       ウィルの父さんにはダイモンが現れたけどウィルには現れず。
       死後の世界から以後なんとなく魔女のようにダイモンと離れられるようになったライラ。
       なんとなくじゃ疑問です。
・ダスト・・・魔女が異世界の窓を閉じて解決?
・ライラの冒険シリーズ・・・現実を精一杯生きろって作者は言ってるの?

『黄金の羅針盤』『神秘の短剣』『琥珀の望遠鏡』よりも『花火師リーラと火の魔王』が私は好きです。

物は言いよう
物は言いよう
平凡社
price : ¥1,680
release : 2004-11-10

笑えるところも盛りだくさん(笑)

本書のキーワードはフェミコード、略してFCです。
FCは「性や性別にまつわる『あきらかにおかしな言動』『おかしいかもしれない言動』に対するイエローカード」と定義されており、要するに他人を不快にさせないための判断基準みたいなものです。


構成としては、「女性は産む機械」に代表される、政治家や著名人の失言・妄言を、どの点がFCに引っかかるかを挙げてバッサバッサとぶった切っていくという感じ。
一つ一つの項目のページ数が少ないので全体的なボリュームが多い割にサラッと読めます。
更にその切り方もユーモアたっぷりで、笑えるところも盛りだくさんです。いやあ、この人は皮肉を言うのは上手い。


「あとがき」にも書かれているように、本書は「実用書」です。
実生活で自分が他人(特に女性)を不快にさせないように話すにはどうすれば良いかを知るにはとても良い教材になるでしょう。

また、難しい言葉がほとんど使われていないのにも関わらず、フェミニズムやジェンダーフリー思想の本質を学ぶにはうってつけです。
いまだに「ジェンダーフリー」を「ジェンダーレス」と勘違いしている方に是非読んで頂きたい。
グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死 (新潮文庫)
グリーン・マイル〈1〉ふたりの少女の死 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥460
release : 1997-01

序章

死刑囚、事件の発端、看守達の苦悩
1932年 様々なキーワードが埋め込まれた第一巻です。
果たして コーフィーの心理は? この後どう展開するか?
予備知識が無いので非常に楽しみに思えます。
ホテル・ニューハンプシャー〈下〉
ホテル・ニューハンプシャー〈下〉
新潮社
price : ¥700
release : 1989-10

長編というより短編集

痛烈なエピソードが満載で、一つ一つのエピソードはそれなりに楽しめましたが、登場人物のキャラクターに一貫性がなく、支離滅裂の印象を受けました。小説に出てくるスランプ時のリリーに対する批判がそのまま当てはまります。全体的なストーリーがありません。特にバーベル上げしか能がなく、精神的な成長もない主人公には落胆させられました。
見えない都市 (河出文庫)
見えない都市 (河出文庫)
河出書房新社
price : ¥893
release : 2003-07

あらゆるものを抱きつつ、全てをとり零していく都市

散文詩と都市論の融合したような小説です。
マルコ・ポーロは過去・未来・現在に浮かんでは消えていく諸都市の見聞をフビライ汗に語ります。

マルコ・ポーロとフビライ汗の対話によって枠物語となっていますが、
読み進めていく内に読者はさらなる都市の入れ子の中へ迷い込んでいくようです。
これらの見た事も聞いた事もないような、複雑な都市群は極めて空想的でありながら、
都市の本質そのものでもあるように思えます。
空気のような軽さと生々しさ、常に相反するものがお互いを取り込み合う空想都市。

訳も美しいです。修飾語で編み上げられたような原文を想像します。
果てしない空虚と飽和にめまいのするような幻想小説でした。
そのドアの向こうで (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
そのドアの向こうで (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥910
release : 2004-02

大好きです。

ロマンティックというより、エロテッィクなのですが、あまりにもヒーローが不器用で、不器用でほほえましいです。それでいて、ヒロインはあくまでも恋愛(?)を重視して、ヒーローを振り回します。ストーリー展開のテンポもよくてあきません。お気に入りのヒーローです。
不思議な少年 (岩波文庫)
不思議な少年 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥630
release : 1999-12

愚かな、あまりに愚かな人間たち…

人間の愚かしさ、度し難い愚かしさを知りたければ本書を読まれたし。
人間に希望を、ある限りの希望を見出したければ本書を読むべし。

マーク・トウェインは第一次世界大戦の前に本書を書いている。
故カート・ヴォネガットはそのことに驚いていた。
二度の大戦を経てもなお、人間の愚かしさだけは克服されない。

人間存在に希望を見出したければ、まず徹底的に絶望すべきではないか?
人間の愚かしさを直視すべきではないのか?
トウェインはおそらく絶望していたであろう。
だからこそ、人間を救済する最後の手段を「ユーモア」だと断言することができた。
彼は「ユーモア」に絶望的状況を笑い飛ばす希望の光を見出している。




砂漠の狂王―マロリオン物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)
砂漠の狂王―マロリオン物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)
早川書房
price : ¥1,050
release : 2006-02

いよいよ新たな旅へ、そして新たな出会い

 誘拐された自分たちの息子を追って新たな旅に出たガリオンとセ・ネドラ達。トルネドラ、ニーサを経ていよいよクトル・マーゴスに足を踏み入れる。
 ドラゴンとの対決、身分を隠してのダガシの本拠地やグロリムの神殿、そしてマーゴの王の宮殿への潜入と息もつかせぬ展開は一級品のエンターテイメントに相応しい。そして、その中身もよく練り上げられた長編ならでは、そしてエディングスならではの”味"がある。
 ベルガラスが新たな旅の道連れや予言に対して悪態を付き、予言はそんなベルガラスが苛立つ様子を楽しむ古なじみ同士の不思議な関係、悪魔との対決や隠者との対決でそれぞれ違った貌を見せるポルガラと、彼女を支え、支えられるダーニクのカップル。ベルガリアード物語からの時間を感じさせる人々との再会や、シルクをやりこめるヴェルベットことリセルや、新たな旅の道連れに加わったサディなど、新たな出会いもそれぞれ見せ場があって面白い。特に、ベルガラスをすら手こずらせるシルクの天敵、リセルの加入でこれまでとは一味違った旅を予感させる。
 さらに、ベルガリアード物語では敵役だったサディやマーゴ人もこれまでとは違った顔を見せて、勧善懲悪という基本路線を押さえながらも、それに留まらない偏見や恩讐を越えた可能性を感じさせてくれる。
 マーゴの王の宮殿での群像劇や、それに続く船の上の一幕、さらに思いもよらない人物との旅は、ガリオンのみならず、読者へも新たな認識をもたらしてくれる。ますます盛り上がるシリーズ第二巻はその厚さにもかかわらず、途中で本を置けない魅力に満ちている。

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