Author:店 長 大ちゃんの本屋さんへようこそ!
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慶次郎、晃之助らが、脇役のようで、その点がいつも残念なのですが(もっと活躍してもらいたい!)、登場人物らの心の葛藤を描かせたら、天下一品。生活になんら不満もないのに、万引きを繰り返す女。健康なまま長生きすることを恐れる老婆。農民としての共感を年上の女に求めた、元農夫。誰に対しても面倒見が良いために、窮地に陥る男。人の同情心にすがって生きてきた、怠け者の男。共感できるものから、できないものまで、よくまあこんなに考えつくなあ、という人物図鑑。
ただ、ワカタケル王子が即位してからの話が尻すぼみなのがなんとも残念である。せっかく百済王の弟を重要人物として登場させているのたがら、弟の帰還、百済の公州への遷都(475)、ワカタケル大王の宋への上表文(476)への件をもっと描いて欲しかった。
『お鳥見女房』で雑司が谷を舞台に下級武士の生き様を描く作者が、江戸の漂泊民・無宿者たちを取り上げた本作。雑司が谷つながりかと思ったら、本作には登場〜〜しません(墓は大正の頃浅草から引っ越してきたので)。残念。「ノワール」と称するだけあって、主人公はファム・ファタールです。宿命の女。彼女がいかにして盗賊・鬼あざみとかかわっていくか、しっとりとした筆致で綴られます。
しかしですね、この作者の持ち味はしっとり風味であって、暗黒荒涼絶望味ではないの。現代的なノワールを期待するとハズ〜〜レ。誰にも諸事情があって悪の道に入ったり捕まえる側に回ったりするという、この作者には人々への愛情の視線が常に在るため、非情に徹し切れません。この温かさは、作者の限界であると同時に大きな可能性ではないかと、一ファンは期待しています。到来物の高級和菓子のような、美味しいけどちょっと食い足りない作品でした。でも、美味しいんですよ。ホント〜〜。〜
この作品集でも最後のメンタルなどんでん返しが秀逸な表題作を始め、シチュエーション悲劇の傑作菊千代抄など素晴らしいものが並んでいるのだが、ワタクシのお気に入りは巻頭のいさましい話。周五郎のこの手の落梅記や山女魚を彷彿させる物静かな音楽のような語り口には本当に弱い。ストーリーは酔いどれ次郎八などに通じる泣いた赤鬼タイプの武家ものだが、戦前の次郎八が美談てこういうもんでしょう的類型的なのに比べ、格段に美しく厳かになっていると思う。
史実や時代背景の捉え方、構成力、文筆力、もう読むしかありません。絶対にお勧めです。
おすずとは自害した許婚の名前。自分を忘れてちゃんと嫁入りし幸せになってくれるものと思ってたのになぜ?…ということで、信太郎が真相究明に走ります。ここからはじまり。
大店の様子、町人の親子関係、長屋に住む幼馴染、吉原の風物など、江戸のあれこれが丁寧に詳細に描かれていて、時代小説読みによっては涎の出る作品です。おすずが最後に会った時に着ていた振袖の色は当世の流行り。角火鉢の猫板に酒の肴を乗せて晩酌。長屋のどぶ板が鳴る音、障子に映る陰…
文庫はまだ1冊ですが、シリーズは4作以上続いているので今後にも期待が大。これがシリーズ第一作です。
普段、時代物を読まない自分だが、これは面白かった。どの話もそれぞれに味わいがあり、江戸という街に生きる哀しさを感じさせる話ばかり。
池波正太郎の本をまだ一冊も読んだことのない人は、ぜひこの本を読んでみてほしい。
特に敬語がどうかしています。「れる」「られる」「される」ばかりで辟易です。おまけに普通の句読点でいいところを「・・・・」ばかり使うので、読みづらいことこの上ありません。
極めつけは「お病気」。
また、この本の設定には何ら斬新なところを感じませんでした。参考文献を見るとわかるように、底の浅い掘り下げ方でがっかりです。それでも文章力がありさえすれば読ませる展開だったので、残念でなりません。
レオナルド・ダ・ヴィンチを題材にしている本は他にも沢山あるので、そちらを強くお勧めします。
ジュリアンのファンには胸の痛い展開ですが、今回も最高の料理(レシピつき)とハラハラドキドキが満載で、最後はほっとできる温かさ。安心して読めます。
田中芳樹氏の歴史観を見事に反映した、名作といえるでしょう。歴史物にありがちな、史実を書くのではなく、物語としての圧倒的な存在感、同氏の力量が存分に発揮されています。
内容ですが最後の方にいくにつれ近藤勇は誇りと義を大切に生き、歳三は最後まで抵抗して戦う事を決意して生きていき。。。。。新撰組結成当初の8人はそれぞれ道が違ってもいつまでも大事な友という近藤勇の気持ちにとても共感がもてました。(去年放送された某番組の近藤さんそのものです)
あと最後、近藤勇が連行されていくとき野村がどうしても一緒に行きたいと懇願した時に言った台詞”俺と相馬は互いが半身のような親友です。俺が局長についていき相馬が最後まで副長に従うと”互いが互いを想い身を捨ててまで守ろうとする歳三と近藤。それと合わせるかのようにそれぞれが大事な二人を命をかけて守ろうとする野村と相馬。凄くかっこいいと同時にそういう男同士の友情がいいなぁと思いました。
マダム・ロワイヤルなるアントワネットの娘が、彼女の母親の最後の様子を書き記した弁護士の随想録を、悪名高いプレイボーイ(死語)司祭と娼婦に朗読させるという趣向である。それによって臨場感がいや増し、アントワネットの人間像が浮かび上がってくる。ツワイクの言うとおり、その平凡性ゆえに国家を統治する一国の后の荷が重かったのだと片付けることはあたっているのかもしれない。でも、彼女には彼女の生きた社会でのルールがあり、彼女はそこで生きるのに精一杯だったのだろう。
なににせよ、架空の人物、司祭と娼婦の場面が当時の風俗を語っていてなかなか興味深い。マダムとの関係の必然性などは?だが、当時の興味も、現代の興味も、人間の営みにさして変わりはないのだと感じさせてくれた。
著者の作品ははじめて読んだ。ヨーロッパの歴史に造詣が深く、とても信頼が置ける。かつて「ベルばら」を教科書代わりとしたように、著者の作品で教科書では味わえない歴史の面白さを感じることができた。歴史は人間のドラマだからだ。