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DATE: CATEGORY:・歴史・時代小説
蜩―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)
蜩―慶次郎縁側日記 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥620
release : 2004/09

心の葛藤を描くこと

またNHKドラマで始まるそうで、うれしいです。

慶次郎、晃之助らが、脇役のようで、その点がいつも残念なのですが(もっと活躍してもらいたい!)、登場人物らの心の葛藤を描かせたら、天下一品。
生活になんら不満もないのに、万引きを繰り返す女。健康なまま長生きすることを恐れる老婆。農民としての共感を年上の女に求めた、元農夫。誰に対しても面倒見が良いために、窮地に陥る男。人の同情心にすがって生きてきた、怠け者の男。
共感できるものから、できないものまで、よくまあこんなに考えつくなあ、という人物図鑑。

王の挽歌〈下巻〉 (新潮文庫)
王の挽歌〈下巻〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 1995/12

はやぶさ新八御用帳〈10〉幽霊屋敷の女
はやぶさ新八御用帳〈10〉幽霊屋敷の女
講談社
price : ¥560
release : 2002/09

二本の銀杏〈下〉
二本の銀杏〈下〉
文藝春秋
price : ¥530
release : 1998/02

ワカタケル大王〈上〉 (文春文庫)
ワカタケル大王〈上〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥620
release : 2003/12

倭王武・雄略天皇、日本の国家基盤を作る

 この小説の舞台となっているのは、五世紀半ばの日本列島である。主人公はワカタケル大王〈雄略天皇、倭王・武〉は、日本に中央集権国家を作ろうとして、大陸や半島の先進国からそのために必要なものを取り入れようとした。百済は倭との同盟関係を強めようと昆支王が大和を訪れる。内政においても、勢力争いで骨肉相食む争いが続く。時には激しい感情を爆発させ、時には冷酷に事を処する。
 多くの争いは皇位継承の問題である。大王位に関する時々の風習は兄弟相続か長子相続かで揺れるものである。埼玉県稲荷山古墳出土の鉄剣銘に大彦を祖とする八代の系譜が書かれているが、みな「その児」となっている。その最後に出ている文字が、ワカタケル大王と読める。表紙カバーに鉄剣の写真が鮮やかに印刷されていて、リアリティがある。
 本書は歴史小説である。随所に古事記、日本書紀等に書かれていることをかみ砕いて引用し、そのはざまに葛藤する人間模様を想起させながら、躍動的でスリリングな古代史ロマン小説に仕立てている(雅)
ワカタケル大王〈下〉 (文春文庫)
ワカタケル大王〈下〉 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥620
release : 2003/12

尻すぼみが残念

五世紀は大和朝廷の基盤が出来た時期である。それまではまだ地方の「国」との連合国だった傾向が強い。首長の強い個性と武力・戦略、そして国際感覚。それらを兼ね備えた大王として「ワカタケル」が登場する。当時の国際情勢、王子同士の覇権争い、そして遠景として描かれる当時の人々の暮らし。五世紀後半の倭国が生き生きと描かれていて、一気に読ませた。

ただ、ワカタケル王子が即位してからの話が尻すぼみなのがなんとも残念である。せっかく百済王の弟を重要人物として登場させているのたがら、弟の帰還、百済の公州への遷都(475)、ワカタケル大王の宋への上表文(476)への件をもっと描いて欲しかった。

鬼あざみ (講談社文庫)
鬼あざみ (講談社文庫)
講談社
price : ¥700
release : 2003/06

ノワールというには人々が良い人

〜都立雑司が谷霊園には「鬼あざみの入口」という道標が立っています。本作の主人公、鬼あざみ清吉の墓があるのです。水木しげる『カラー版妖怪画壇』(岩波新書)にもこの墓は紹介してあったなあ。

『お鳥見女房』で雑司が谷を舞台に下級武士の生き様を描く作者が、江戸の漂泊民・無宿者たちを取り上げた本作。雑司が谷つながりかと思ったら、本作には登場〜〜しません(墓は大正の頃浅草から引っ越してきたので)。残念。
「ノワール」と称するだけあって、主人公はファム・ファタールです。宿命の女。彼女がいかにして盗賊・鬼あざみとかかわっていくか、しっとりとした筆致で綴られます。

しかしですね、この作者の持ち味はしっとり風味であって、暗黒荒涼絶望味ではないの。現代的なノワールを期待するとハズ〜〜レ。誰にも諸事情があって悪の道に入ったり捕まえる側に回ったりするという、この作者には人々への愛情の視線が常に在るため、非情に徹し切れません。この温かさは、作者の限界であると同時に大きな可能性ではないかと、一ファンは期待しています。到来物の高級和菓子のような、美味しいけどちょっと食い足りない作品でした。でも、美味しいんですよ。ホント〜〜。〜

月を吐く (集英社文庫)
月を吐く (集英社文庫)
集英社
price : ¥740
release : 2003/11

優美で可憐で悲しい、瀬名姫の生涯

親子・兄弟同士が戦うのが日常茶飯事だった戦国時代にあっても、
徳川家康が妻と実の息子を抹殺した事件は残酷さもひとしおだ。
そして、家康の妻・築山殿は傲慢でわがままで身持ちが悪い女だから
殺されても仕方なかった・・と後世にいたるまで広く喧伝された。
歴史とは、勝者が自分の都合の良いように作り上げるもの。
山岡壮八の「徳川家康」しか読んだことのないみなさん、
ぜひこの小説も読んでみてください。
精一杯生きているのに、残酷な運命に翻弄されていく
優美で可憐な姫のあまりにも悲しい生涯。

小説としての出来ばえは100点満点とはいかないけれど、
今までにない瀬名姫(築山殿)や家康、於大の方像が妙にリアル。
なにより悪女とされてきた築山殿にスポットをあてたセンスが素晴らしい。
諸田玲子先生、次は淀の方をヒロインにした小説もお願いします!




柳生忍法帖(下)―山田風太郎忍法帖〈10〉 (講談社文庫)
柳生忍法帖(下)―山田風太郎忍法帖〈10〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥800
release : 1999/06

文句無しです!!

読み終わった瞬間深いため息が出ました。自覚はなくともずぅーっと緊張していたみたいです。とっても不思議です。柳生忍法帖は。とてつもなく酷い仕打ちを受けているのを読んでいるのに泣く事はないのです。(私は涙腺が物凄く弱いです)そのかわり心臓をわしづかみされている様な気分になります!苦しいのに読むのを止めるなんてまったく選択肢になく、一気に読んでしまうのです!!十兵衛がすごくかっこ良い!堀の女性達の心がとっても解ります。男性にはもちろんですが女性にも読んでもらいたい作品です!!ヒーロー像が変わるかも(笑)
皇帝ナポレオン〈下〉 (角川文庫)
皇帝ナポレオン〈下〉 (角川文庫)
角川書店
price : ¥820
release : 2006/12/22

五年の梅 (新潮文庫)
五年の梅 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2003/09

心にしみる

人は、生きている。悩んだり、恨んだり、悲しんだり、喜んだりしながら。作者は、日常に生きる人々の心情を細やかに描いている。時代物でありながら、時代物だと感じさせない。そこには、今の時代にも共感できる人々の姿がある。いつの時代も大切なのは、人を思いやる心なのかもしれない。人が人を思う時、そこからまた新たな人生が始まる。作者はそのことを静かに語っている。
上杉謙信―至誠を貫いた希代の勇将
上杉謙信―至誠を貫いた希代の勇将
PHP研究所
price : ¥680
release : 1998/06

真田幸村 (学研M文庫)
真田幸村 (学研M文庫)
学習研究社
price : ¥620
release : 2002/09

結局読み物でしかない


もともと真田信繁の史料は少ないので、ま、突拍子も無い物語が生まれるわけで・・・
家康の陣をあと少しまで追い詰めたのは判りますが、でも、それまで。

江戸期の神聖化されたいわゆる「幸村」から脱してないというのが感想です。

・・・佐助ってホントにいたのか?


あんちゃん (新潮文庫)
あんちゃん (新潮文庫)
新潮社
price : ¥660
release : 1981/08

後期の気合いの入った短編集です。読み応えあり

周五郎短編は数々あれど、やはり50年代の諸作は凄い。無駄がない。

この作品集でも最後のメンタルなどんでん返しが秀逸な表題作を始め、シチュエーション悲劇の傑作菊千代抄など素晴らしいものが並んでいるのだが、ワタクシのお気に入りは巻頭のいさましい話。周五郎のこの手の落梅記や山女魚を彷彿させる物静かな音楽のような語り口には本当に弱い。ストーリーは酔いどれ次郎八などに通じる泣いた赤鬼タイプの武家ものだが、戦前の次郎八が美談てこういうもんでしょう的類型的なのに比べ、格段に美しく厳かになっていると思う。

背負い富士
背負い富士
文藝春秋
price : ¥1,850
release : 2006/04

講談だけの次郎長じゃない

次郎長の幼な友達が語る、頼もしくも人間身のある男との付き合い、そしてその周りにあつまる人との出会いを講談で語られる物とは一味違う読みだせば最後まで手を本から外せなくなるかもしれない一冊です。
無影剣 (徳間文庫)
無影剣 (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥680
release : 2002/12

右肩上がりにいいですね。

本作品は、著者上田秀人氏の竜門の衛シリーズの第3段です。
第1作の竜門の衛から2作、3作と進むにつれて、筆もこなれ、大変すばらしいできになっています。
この作品の中に登場するプロットのどれをとっても、一本の作品が書けそうな、贅沢なないようです。あまり贅沢をすると、次回作のネタが無くなるのではないかと、勝手に心配するくらいです。

史実や時代背景の捉え方、構成力、文筆力、もう読むしかありません。
絶対にお勧めです。

龍馬 四、薩長篇 (角川文庫)
龍馬 四、薩長篇 (角川文庫)
角川書店
price : ¥660
release : 2005/05/25

葬送〈第2部(下)〉
葬送〈第2部(下)〉
新潮社
price : ¥660
release : 2005/08

著者の器の大きさを想う。

原稿用紙2500枚に上る大作、約一週間かけて、のろのろと読み終えてみますと、全く様々な想いが脳裡を去来して、半ば呆然としてしまいました。とても面白く読ませて頂きました。残念ながら私自身は、ショパンの音楽、ドラクロワの絵画に対してそれ程造詣が深い訳では無いので、「物語」の中で展開される芸術論に対して、私は議論を差し挟む事が出来ませんが、CDで聴くショパンの音楽に対して、これまでよりもより深く愉しみたいと願う機会を与えて頂きました。”芸術に触れたい”という想いを抱かせてくれます。
 著者が何故に、この19世紀のパリを舞台に有名な芸術家達の交流を描いたのだろうか、という事に、しばしば想いを馳せる事になりました。この「物語」全体から浮かび上がる印象ですが、ショパンやドラクロワの孤独、そして哲学的な思索、それらを通じて、平野啓一郎氏の想い、世界観、思索が滲み出ているように感じられます。決して、ショパンが平野氏ではなく、またドラクロワが平野氏という訳でもない。明確にダブる、重なる、という訳では無いのですが、その全体の中に、芸術家達の作品を産み出す苦悩や、孤独な作業、哲学的思索が、ショパンでもありドラクロワでもあり、なおかつ、著者・平野氏でもあるように、浮かび上がって来るかのようです。著者・平野氏の裡に抱えるその孤独、世界観を垣間見るような印象を受けました。著者・平野氏の器の大きさを想わずにはいられません。平野氏がその裡に秘めるものを表現しようとする時、その器の大きさが、結果として、この19世紀の芸術家達を通じて表現せざるを得なかった、ようにも想えて来ます。
幽恋舟 (新潮文庫)
幽恋舟 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥620
release : 2004/09

ほのぼのとします。

一言で言ってしまえば、おじさんと少女の恋愛物語。まぁ、江戸時代ですから47才は初老で17才は結婚適齢期なんでしょうけど。妻とは死別し、息子と嫁にいった娘があり、己の出世はもうあきらめている、絵に描いたようなくたびれたやもめ男の兵五郎が町娘のたけを自宅にかくまう事に。明日は兵五郎の家を出て行くという夜、たけは兵五郎に「抱いて欲しい」とせまり、望みをかなえるが朝が来ると出て行ってしまう。それからの兵五郎の活躍はすごかった。47才と言う年齢も何のその。あっちへ行って話を聞き、こっちに行っては頭を働かせる。愛するたけのためかと思うとほほえましい。しかし、兵五郎の心情はよくわかったが、たけの心の移り変わりがわからず、いまいち、物語の中に入り込めなかった。兵五郎のどこが好きなのか・いつから好きなのか・どのくらい好きなのか・どうしたいのか・・・。これらが諸田さんの文章で書かれていたら満点なのに残念。
流離の海―私本平家物語
流離の海―私本平家物語
中央公論新社
price : ¥1,200
release : 2000/08

小説 中江藤樹〈下〉 (人物文庫)
小説 中江藤樹〈下〉 (人物文庫)
学陽書房
price : ¥840
release : 2001/09

旅涯ての地〈下〉
旅涯ての地〈下〉
角川書店
price : ¥600
release : 2001/06

司教ベルナルドの話は聞いたことがある

こんどの子猫殺し騒動は黒い笑いが満載だった。
「他国に在住する一人の作家の(たかが)猫殺し」と「レバノンの子供老人を含む住民の無差別殺戮」との温度差。
その次に「不買運動」。わたしの好きな作家はみんなこの対象になってしまうだろう。
ベストセラーリストを見て暗澹とした気分になる人には、坂東眞砂子の長編はどれもお薦めだ。
何度読んでも面白い。
何度も読む価値がある。
繰り返して読めば読むほど味がでてくる。
(どこかで聞いたような粗い人物描写でも)生の魂にじかに触れた気分になる。
5-6行でまとめられたあらすじでは、見当もつかないところにつれていってくれる。
忍びの者〈4〉忍びの陣 (岩波現代文庫)
忍びの者〈4〉忍びの陣 (岩波現代文庫)
岩波書店
price : ¥1,050
release : 2003/02

決戦!関ヶ原

 武田家崩壊後の真田昌幸を中心とした真田家の活躍が描かれているといって良いでしょう。
関ヶ原で徳川の勝利に終るところまでの内容になります。


ようやく十勇士が信州上田の真田の元で揃います。十勇士の中でこの巻で一番の中心として描かれているのは穴山小助かと思います。
この巻では、有名な真田昌幸が徳川家康を破った上田合戦や、関ヶ原を前に、長男のみ家康方とする真田親子の苦渋の会合、中山道くだる秀忠を上田に足止めにした様子が描かれる、真田昌幸としては一番の盛り上がりところです。

関ヶ原に向かうまでの歴史の各史料の検証も増え初め、実際には忍者はあくまで情報をもたらしてくれる程度の役目になっていて、忍術を使った大活躍というほどのものはありません。小助の犬は大活躍ですが。
初秋の剣―大江戸定年組 (二見時代小説文庫)
初秋の剣―大江戸定年組 (二見時代小説文庫)
二見書房
price : ¥680
release : 2006/06

烈火の剣 (時代小説文庫)
烈火の剣 (時代小説文庫)
角川春樹事務所
price : ¥735
release : 2004/12

浅草弾左衛門〈第1巻〉天保青春篇上 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)
浅草弾左衛門〈第1巻〉天保青春篇上 (小学館文庫―時代・歴史傑作シリーズ)
小学館
price : ¥580
release : 1998/12

被差別民への視点が変わる本!

俗に「関八州・・頭」として、江戸時代の被差別民の代名詞のように言われ、歌舞伎十八番「助六」にもそれらしき人物が登場するほどの「有名人」であった弾左衛門。この本を読むと、江戸時代の被差別者の思いが行間からもにじみ出てくる。他方、「被差別民=貧民」というのが、明治以降の現実であって、江戸時代の被差別民たちは、後のような貧民では必ずしもなかったのも明らかになる。幕府崩壊から明治新時代への移行は、弾左衛門にとって、被差別民からの「解放」であったが、他方、幕府から保障されていた収入源の喪失をも意味した。それ故に、時代の狭間における弾左衛門の苦悩は激しい。日本における差別構造が、「江戸時代にできあがった問題」ではないことを改めて考えさせられる名著である。
井伊直政―家康第一の功臣 (光文社時代小説文庫)
井伊直政―家康第一の功臣 (光文社時代小説文庫)
光文社
price : ¥600
release : 2004/10

彦根藩の藩祖、井伊直政の生涯

今だに真偽のほどがわからない、「直政は徳川家康の隠し子である」という設定を上手く活用しながら、戦国時代という激動の時代を生きたひとりの男を生き生きと描いた物語。養父母への感謝、実母への恋慕、譜代の家臣たちとの軋轢、様々な想いを胸に、ただひたすら孤高なまでに実父家康への忠節を貫く直政。戦場にあっては勇猛果敢、外交にあっては非凡な才能を発揮、部下には厳しく恐れられる存在であったが、戦場での傷がもとで若くしてこの世を去る。家康が幕府を開く直前のことであった。あたかも時代が戦国の動乱から平和へ向かおうというとき、直政も役目を終えるかのように。もし「直政が長命であったならば・・・」と、読み終えた後そう思わずにはいられない作品である。
永遠の都〈2〉岐路 (新潮文庫)
永遠の都〈2〉岐路 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥580
release : 1997/04

おすず―信太郎人情始末帖 (文春文庫)
おすず―信太郎人情始末帖 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥600
release : 2003/09

江戸文化が丁寧に描かれていて秀逸

主人公の信太郎は大店の跡取息子。なのに吉原の茶屋の子連れの若後家とわりない仲になって内証勘当の身の上。結果的に捨ててしまった許婚は盗賊に犯され自害してしまう…

おすずとは自害した許婚の名前。自分を忘れてちゃんと嫁入りし幸せになってくれるものと思ってたのになぜ?…ということで、信太郎が真相究明に走ります。ここからはじまり。

大店の様子、町人の親子関係、長屋に住む幼馴染、吉原の風物など、江戸のあれこれが丁寧に詳細に描かれていて、時代小説読みによっては涎の出る作品です。おすずが最後に会った時に着ていた振袖の色は当世の流行り。角火鉢の猫板に酒の肴を乗せて晩酌。長屋のどぶ板が鳴る音、障子に映る陰…

文庫はまだ1冊ですが、シリーズは4作以上続いているので今後にも期待が大。これがシリーズ第一作です。

龍馬 五、流星篇
龍馬 五、流星篇
角川書店
price : ¥700
release : 2005/05/25

戦国繚乱 (文春文庫)
戦国繚乱 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥650
release : 2004/12

裏戦国史ともいうべき好中編集

どちらかというと鎌倉時代の題材を得意とする作者の、これは「裏戦国史話」ともいうべき作品集。

その領地を我が物にせんとする策士 黒田如水(官兵衛)の策略にはまって、一旦秀吉への恭順を示したにも関わらず、我が地を守るために討ち死にする城井一族の物語。
大友義鎮(宗麟)の跡目相続に関わる有名な「大友二階崩れ」の詳細。
上杉謙信の死によって跡目を争う喜平次(景勝)と三郎(影虎)の争いで、優柔不断だった喜平次が変身して行く様を描いた「不識庵謙信の影」。

いずれも今まで華々しい逸話に隠れて取り沙汰されなかった主人公達の影の部分や、それによって翻弄される人々に描写を当てた興味深い、しかも面白さ抜群の中篇作品集です。
闇夜の義賊 武者とゆく(二) (講談社文庫)
闇夜の義賊 武者とゆく(二) (講談社文庫)
講談社
price : ¥660
release : 2006/12/15

尾形光琳―江戸の天才絵師
尾形光琳―江戸の天才絵師
ウェッジ
price : ¥2,730
release : 2004/10

龍馬 三、海軍篇
龍馬 三、海軍篇
角川書店
price : ¥660
release : 2005/04/23

子産〈下〉 (講談社文庫)
子産〈下〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥650
release : 2003/10

若干トーンダウンか?

前半に続きいよいよ子産が時代の表舞台に出てくる後半ですが、
本人が至って秀才肌な為か、本国がこうもりの様に煮え切らない情勢
のためか、面白いことは面白いのですが若干内容にのびやかさが
無いのが少し残念でした。上下巻通して読んだ感想としては、
もちろん満足感があるのですが、後半どちらかというと子産の描写が
優秀な政治家(官僚?)像に終始している部分が、上巻の子供時代の
描写に比べトーンダウンしているように感じました。
龍馬 二、脱藩篇
龍馬 二、脱藩篇
角川書店
price : ¥660
release : 2005/04/23

八代将軍吉宗〈上〉
八代将軍吉宗〈上〉
日本放送出版協会
price : ¥1,529
release : 1994/12

喜知次
喜知次
講談社
price : ¥700
release : 2001/03

東北小藩の武家社会

 山本周五郎の「蝉時雨」を思わせるような、小藩の政界劇が描かれている。二つの派閥に分かれ、互いに策謀をめぐらす執政達。藩の行く末など眼中になく、己の保身のみに奔走する上士達に、下級武士達は政争に巻き込まれて人生をひっくり返されてしまう。現代のサラリーマン社会にも通じるなあ。
 小太郎と台助と猪平の仲良し三少年は、成長とともに三者三様の道を進む。猪平は政争の犠牲者として、小太郎は改革者として、台助は武士を見限って生きてゆくことになる。
 おや?タイトルの喜知次は?というところだが、喜知次が小太郎の義理の妹につけたあだ名である。キンキともいい、真っ赤で目の大きい深海にすむ食用魚。さて、この妹が影のように小太郎の精神世界に深く関わってくるのだ。
 乙川優三郎は、短編では鋭利なスキのない作品を描くが、「かずら野」といい「霧の橋」といい本作といい、長編ではしっとりと柔らかな印象の作品を書く。
江戸の暗黒街 (新潮文庫)
江戸の暗黒街 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2000/03

とっつきやすい時代物短編集。

タイトルには「暗黒街」とついているが、血生臭い話ばかりではなく、
言ってみれば「江戸事件簿」という内容の短編集。

普段、時代物を読まない自分だが、これは面白かった。
どの話もそれぞれに味わいがあり、江戸という街に生きる哀しさを
感じさせる話ばかり。

池波正太郎の本をまだ一冊も読んだことのない人は、ぜひこの本を
読んでみてほしい。

だいこん
だいこん
光文社
price : ¥1,890
release : 2005/01/21

致命的な史実の間違い

1764年、主人公つばきの誕生から始まるこの物語には、隅田川に架かる吾妻橋がつばき10歳までの間にしばしば登場し、重要な舞台装置となっている。ところが吾妻橋の架かったのは1774年。架空の時代小説とはいえこれでは物語が成立しない。山本氏のみならず連載した「小説宝石」編集部の常識が疑われる。
はぐれ念仏 (学研M文庫)
はぐれ念仏 (学研M文庫)
学習研究社
price : ¥893
release : 2004/11/10

佐渡流人行―傑作短編集〈4〉 (新潮文庫)
佐渡流人行―傑作短編集〈4〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥700
release : 1965/09

面白すぎます

こんな面白い本を読んだことがない、と言うくらい面白い。
歴史物がすきな人におすすめ。また、サスペンス系が好きな人。
また皆様もご存知のある大物人物が、別の視点で書かれてます。
本当に面白いの一言に尽きます。
色々な本を読んできましたが、これほど印象に残る本は珍しい。
日本史を別の視点で読みたい人、是非読んでください。
三国演義〈第5巻〉 (講談社文庫)
三国演義〈第5巻〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥700
release : 2001/05

時代が・・・

当たり前というか、しつこいというか、
出てきたと思ったらすぐに殺される人
が多すぎます。

老丁よ残念だったな。人の一生という
ものは、ほんの一瞬の出来事で決まる
ということを実感しました。

韓當よ、北方三国志の世界ではむちゃ
くちゃかっこよかったぞ。

軍師であるゥ葛孔明よ、人を見る目が
なくてどうする。

最後の最後まで劉備とゥ葛孔明の駆け
引きはおもしろいです。そのおもしろ
いと感じるのは、作者の解説があるか
らだと思います。

劉禪はこのときばかりは聡明だと思っ
てしまいました。

蛮兵とゥ葛孔明の戦いはなんだかあっ
けなさすぎます。
もちろん、孟獲を七度とらえる場面が
あるのですが、あっけなさすぎます。

5巻になっても呂布の話が出てきます。
しかも、情けない存在になっています。

プライドとはくだらない物だと実感し
てしまいます。
パイって・・・あのアップルパイの
パイ!?ん?
神かくし [新装版] 御宿かわせみ(14) (文春文庫)
神かくし [新装版] 御宿かわせみ(14) (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥500
release : 2005/09/02

天涯の船〈上〉 (新潮文庫)
天涯の船〈上〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥660
release : 2005/12

明治10年代の子女留学と愛のはじまり

兎に角、物語として面白い。少女が実際に替え玉であったのかどうか歴史としては判然としないが、史実に近い。明治の人々は大志に燃えて、日本を背負い何と立派なのだろう。主人公の女性と光次郎という明治政府の政策に乗って出世していく男性との密やかな恋いの芽生え。女性として西洋風にヨーロッパ人男性から結婚を申し込まれるロマンと幸せ。神戸と姫路の歴史的立場、当時のアメリカでの日本人留学生生活の様子。いじめと友愛、奉公。封建道徳のしばり。複雑にからむ登場人物たち。播州弁と鹿児島弁のかたりが興味深く、成功している。
レオナルドのユダ
レオナルドのユダ
角川書店
price : ¥2,205
release : 2003/11

何ら新鮮さを感じさせない

日本語能力がかなり欠如していました。
現代物ならばそれでもいいのでしょうが、西洋が舞台だとしても
あくまで歴史ものです。なおさら正しい日本語が必要なのに。

特に敬語がどうかしています。
「れる」「られる」「される」ばかりで辟易です。
おまけに普通の句読点でいいところを「・・・・」ばかり使うので、
読みづらいことこの上ありません。

極めつけは「お病気」。

また、この本の設定には何ら斬新なところを感じませんでした。
参考文献を見るとわかるように、底の浅い掘り下げ方でがっかりです。
それでも文章力がありさえすれば読ませる展開だったので、
残念でなりません。

レオナルド・ダ・ヴィンチを題材にしている本は
他にも沢山あるので、そちらを強くお勧めします。

バラガキ―土方歳三青春譜
バラガキ―土方歳三青春譜
講談社
price : ¥600
release : 2003/10

現代小説のような

この表紙からもわかるように、良い意味でかなり軽いノリの青春小説です。
「歴史もの」という先入観は、これもまた良い意味での裏切りにあい、
特に土方・沖田のやりとりは現代の若者の普通の友人同士の関係を見ているようです。
他の小説ではまず描かれることのないこの土方像は、人によって好き嫌いが分かれるとは思いますが、
「身近にいたら友達になりたい」
と心底思うような、痛快な「バラガキ・土方」はとても魅力的で、作者の土方歳三に対する思いの溢れる作品だと思います。
嫌なことがあった時、落ち込んでいる時にこそ読みたい一冊です。
楊家将〈下〉
楊家将〈下〉
PHP研究所
price : ¥1,575
release : 2003/12

続きが読めますよ

 北方謙三の中国史三部作、三国志、楊家将、水滸伝の中で本作が一番短いが、登場する男たちの熱さ、その颯爽とした生き様は、他の二作に劣る物ではない。難をいえば、主人公の皇帝に対する態度に少し歯痒さを感じるが、全体的にバランスの取れた傑作だと思う。
 嬉しいことに、この作品の続編が読める。版元の宣伝になるのは癪だが、この本と同じ出版社の出している「文蔵」と言う文庫版型の月刊誌に 北方氏が「血涙―楊家将後伝」として連載中だ、06年1月現在、既刊四冊はAmazonで全て購入可の様だ。
 内容は想像していた通り、次世代の楊家の者たちの父に負けない健気な頑張りと、一人の運命に翻弄された男の生き様が描かれつつある。
単行本に成るのが待ちきれない人は、即チェック!
最上義光(もがみよしあき) 伊達・上杉と死闘を演じた出羽の勇将 (PHP文庫)
最上義光(もがみよしあき) 伊達・上杉と死闘を演じた出羽の勇将 (PHP文庫)
PHP研究所
price : ¥600
release : 2006/08/02

義光もの唯一の文庫です。

全体としてはインパクトに欠けるかと思いますが、最上義光の全生涯を網羅していることには評価できます。ライバルの伊達政宗ものの小説に登場する義光像が強いからでしょう。また駒姫や嫡子家親を気遣う心配りも描かれ秀作に値します。
DATE: CATEGORY:・歴史・時代小説
クッキング・ママの供述書 (集英社文庫)
クッキング・ママの供述書 (集英社文庫)
集英社
price : ¥840
release : 2003/09

期待を裏切りません!

クッキング・ママシリーズの第11作。周囲の土地開発が進んでケイタリングは大繁盛ですが、ゴルディの疲れはピークに達し、14歳になった息子アーチは難しい年頃。そして、またしてもゴルディは死体を発見し、よりによって頼りの助手ジュリアンが容疑者として刑務所に・・・。

ジュリアンのファンには胸の痛い展開ですが、今回も最高の料理(レシピつき)とハラハラドキドキが満載で、最後はほっとできる温かさ。安心して読めます。

秋霜の撃  勘定吟味役異聞(三) (光文社文庫)
秋霜の撃 勘定吟味役異聞(三) (光文社文庫)
光文社
price : ¥680
release : 2006/08/10

海嘯 (中公文庫)
海嘯 (中公文庫)
中央公論新社
price : ¥620
release : 2002/09

亡宋の武将たちの浪漫

崩れゆく国の中で、それぞれの生き様をもって、ある者は運命に従い、ある者は運命に抗い。それでも歴史は流れていく。
歴史とは、人と人が織り成す広大な物語であることを改めて痛感します。

田中芳樹氏の歴史観を見事に反映した、名作といえるでしょう。
歴史物にありがちな、史実を書くのではなく、物語としての圧倒的な存在感、同氏の力量が存分に発揮されています。

武神の階 (角川文庫)
武神の階 (角川文庫)
角川書店
price : ¥819
release : 1997/02

謙信マニア(上級者)向け

謙信を扱ったもので川中島をラストに持ってこずに彼の生涯を通して描いた小説として本作は貴重
ただ文脈の合間に無機質な史伝をたびたび織り込ませてあるので(津本氏の作風だが)物語に入りこめ難い。司馬作品ようなテンポに慣れた人やそれを期待した人には少々キツいだろう。上級者向けの作品。
太平記鬼伝―児島高徳 (小学館文庫)
太平記鬼伝―児島高徳 (小学館文庫)
小学館
price : ¥690
release : 2005/10/06

超人、児島高徳

 意志強靱。戦に出れば幾多の敵をなぎ倒し、策を練れば不利をも有利へと覆す。南北朝時代の知られざる名将、それが児島高徳です。
 後醍醐天皇を慕い続け、多くの仲間が戦乱の中に消えても、足利尊氏から誘いを受けても、南朝方について奮闘する高徳。恋もあり、絶望もあり、そんな中でも折れずに自分の意志を突き通そうとする姿、いやぁ、格好いいです。
 塀を軽々と跳び越え、雨のように降る矢の中を進み、夜襲奇襲で敵を破り……なんだか、スケールが大きすぎて、ほとんど忍者か超人の様で、歴史上の人物とは思えないほど(実在しない人物だ、と言う説はある)。行動力も異常で命あらば、全国どこでも飛んでいく。ちょっと、歴史小説、という点を考えれば、首を傾げざるをえないですが、やはりすごい。大活劇を見てるような、そんな興奮が得られるのでは無いでしょうか。
 鬱屈した気持ちも、高徳がぱーっと払ってしまう。心の中で、思わず応援してしまう奮闘ぶり。
 文章も読みやすくて満足です。歴史小説としては疑問ですが……。
双調平家物語〈7〉乱の巻
双調平家物語〈7〉乱の巻
中央公論新社
price : ¥1,890
release : 2000/12

魔天忍法帖 新版 (徳間文庫)
魔天忍法帖 新版 (徳間文庫)
徳間書店
price : ¥660
release : 2002/11

著者自身も認める大駄作だが

「魔界転生」と平行して執筆され、まるで栄養をほとんど吸い取られた
双生児の片割れのような本作だが、「風太郎忍法帖の駄作」にはすべて
得も言われぬ味わいがあり、カス愛好家の皆様には強くお薦めします。
本作は戦国時代をテーマとした時間逆行SFであり、特に石川五右衛門が
最後に登場するシーンは大爆笑。何故か徳間文庫は本作を絶版にしないので、
入手しやすい点でもおすすめです。
夢の浮き橋―橋廻り同心・平七郎控 (祥伝社文庫)
夢の浮き橋―橋廻り同心・平七郎控 (祥伝社文庫)
祥伝社
price : ¥590
release : 2006/04

退屈姫君 恋に燃える
退屈姫君 恋に燃える
新潮社
price : ¥500
release : 2005/09

ただの恋じゃありません。めだか姫が乗り出すのですから天下の一大事の恋なのです。

退屈姫君こと、陸奥磐内藩五十万石の姫君にして四国風見藩の正室めだか姫が、天下の一大事に立ち向かうシリーズ三作目。
この書名から、風見藩主時羽直重が参勤交代で国許に帰っているため、さてはめだか姫、誰か想い人でもできたのか?と思ったら大間違い。風見藩士の冷飯食い(役職につけずにフラフラしていた一家の次男、三男たちのことです)と小藩の姫君との身分違いの恋を成就させるため、めだか姫が一肌脱ぐといったお話。前作までと違って色恋沙汰かとガッカリしたら大間違い。めだか姫が乗り出して単なる色恋沙汰で終わるはずもなし、老中の田沼意次や将軍さま、藩取り潰しの陰謀までからんで、やっぱり天下の一大事となるわけです。
めだか姫はじめ、くのいちのお仙や将棋指しの天童小文五などいつものメンバーに加え、著者の他の作品には登場していますが退屈姫君のシリーズでは前作が初顔見せだったお仙の兄の一八や無類の棋力を持った榊原香奈らも活躍、大騒動に花を添えています。
いつもながらの落語風の口調で語られるめだか姫の大活躍、最終章を見るとまだ続きそう。次作が待ち遠しいです。
魔界転生(下)―山田風太郎忍法帖〈7〉 (講談社文庫)
魔界転生(下)―山田風太郎忍法帖〈7〉 (講談社文庫)
講談社
price : ¥790
release : 1999/04

伝奇小説の最高傑作!

下巻から、本格的な戦いになります。
特に、父である柳生但馬守との勝負と、心理描写は凄いの一言!

恐るべき魔人達相手に次々と仕留める十兵衛も凄まじいが、やはりなんといっても宮本武蔵!
どの死闘も凄いが、やはり武蔵との勝負は、最終決戦に相応しい迫力!
激しい剣撃戦ではなく、「達人対決」らしい、一瞬の勝負の妙が面白い!
この小説は物語と言うより、歴史上のIfだ。
戦国時代に間に合わなかった剣の達人、柳生十兵衛がもし、全盛期の宮本武蔵、荒木又右衛門、父、柳生但馬守、柳生如雲斎、宝蔵院、田宮坊太郎と戦えばと言うIfだ!
そのIfを存分に楽しめる伝奇小説、それが、『魔界転生』だ!
妖華-かがり淫法帖 (6) (廣済堂文庫)
妖華-かがり淫法帖 (6) (廣済堂文庫)
廣済堂出版
price : ¥600
release : 2006/01/17

近藤勇 (時代小説文庫)
近藤勇 (時代小説文庫)
角川春樹事務所
price : ¥756
release : 2004/06

それぞれが大切にしたもの

今、この本を読み終えました。
近藤さんが主役の小説を読んだのは初めてでしたが
秋山さんだったので読みやすいかなと思って読みました。
土方さんや藤堂さん沖田さんを主役にしたものと
違って骨太な歴史小説でした。上の三つはどちらかと
いうと読者が女性であることを想定して書かれている
小説のように思いますがこちらは男性の方を意識して
書かれているのかなと感じました。

内容ですが最後の方にいくにつれ近藤勇は誇りと義を
大切に生き、歳三は最後まで抵抗して戦う事を
決意して生きていき。。。。。
新撰組結成当初の8人はそれぞれ道が違っても
いつまでも大事な友という近藤勇の気持ちに
とても共感がもてました。(去年放送された
某番組の近藤さんそのものです)

あと最後、近藤勇が連行されていくとき野村が
どうしても一緒に行きたいと懇願した時に
言った台詞”俺と相馬は互いが半身のような親友です。
俺が局長についていき相馬が最後まで副長に従うと”
互いが互いを想い身を捨ててまで守ろうとする歳三と
近藤。それと合わせるかのようにそれぞれが
大事な二人を命をかけて守ろうとする野村と相馬。
凄くかっこいいと同時にそういう男同士の友情が
いいなぁと思いました。

余寒の雪 (文春文庫)
余寒の雪 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥580
release : 2003/09

読み終えて気持ちが清々しくなる絶品

 昔、藤沢周平の短編にぞっこんだったことがあった。宇江佐真理の七つの短編は、あのすぐれた世話物時代小説に特有の深く濃く香り立つ匂いや、滋味深くて爽快な味わいを久しぶりに思い出させてくれた。でも、これは当たり前のことだけれど、そこにはくっきりと藤沢節とは違う宇江佐真理の個性が刻まれていて、それは中村彰彦さんが「解説」で紹介している「女性ならではの繊細さ」という評言が言い当てようとしているものと同質であるように思う。たとえば仙台の女剣士・知佐が、騙されて同居することとなった北町奉行所同心・鶴見俵四郎宅で五歳になる松之丞との交情を深め、やがて俵四郎との真剣勝負を経てその後添いとなることを受け入れる一部始終を丹念に淡々と綴った表題作「余寒の雪」などは、読み終えて気持ちが清々しくなる絶品で、その丁寧な筆運びのうちに、情感の襞に分け入りながらもこれをそっと事物、言動に託して描写する「繊細さ」がいかんなく発揮されている。
山霧―毛利元就の妻〈下〉
山霧―毛利元就の妻〈下〉
文藝春秋
price : ¥509
release : 1995/11

血の匂いを感じながらも嫌悪を感じない

安藝国の地方国人として大内・尼子の二大名の狭間で生き抜こうとする毛利元就とその妻・おかたの物語。下剋上・弱肉強食であった戦国時代において生き抜くためにはかなり悪辣なこともしなければならなかったことに気づく。元就も例外ではなく、騙討ちまがいのことを何度も何度も経験して自らの地位を築きあげていっている。
血の匂いのしない歴史小説が多いなか、このどろどろとした血なまぐささが僕としてはとても心地よい。それでいてまったく嫌悪を感じないのは永井路子の筆力である。世の中はけしてうつくしいものばかりに囲まれているわけではない、おぞましいものもおそろしいものも隣合わせなのだということに改めて気づきながら、僕は山霧が晴れるような気持ちで本を閉じた。
千利休とその妻たち〈下〉 (新潮文庫)
千利休とその妻たち〈下〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥540
release : 1988/03

表現力

千利休。その名を聞いて知らない人はいないだろうと思われるくらいの、茶会の偉人。その生涯を描いた作品。しかし、この小説の凄い所は表現力の高さである。氷点で朝日新聞賞を受賞した作者ならでわの思考錯誤を繰り返し、それを収めている。利休最後の場面は、茶の世界に命を途した一人の人間の命の重みを描いている。
縁切り橋―くらがり同心裁許帳 (ベスト時代文庫)
縁切り橋―くらがり同心裁許帳 (ベスト時代文庫)
ベストセラーズ
price : ¥650
release : 2004/09

巷説百物語 (怪BOOKS)
巷説百物語 (怪BOOKS)
角川書店
price : ¥1,995
release : 1999/09

【商品詳細】

泉鏡花賞受賞作『嗤う伊右衛門』にも登場する小股潜りの又市が、江戸の世を舞台に悪党を退治する時代小説の第1弾。デビュー作『姑獲鳥の夏』に始まる「憑き物落とし」中禅寺秋彦が活躍する作品群とは、また味わいの異なる妖怪シリーズだ。 寺への帰路で豪雨に見まわれ、やむなく途中のあばら屋に逃げ込んだ1人の僧。小屋には白装束の御行、人形遣いの女、そして初老の商人と若い男が居合せていた。雨宿りの余興に始まる「百物語」。一見無関係な怪談話は、意外な符号を伴って僧の心の内で形を成す。小屋の外では「しょり、しょり」と何者かが小豆を磨く音が。やがて僧は、恐るべき怪異と出会う…。 立ち現れるのは、江戸時代の絵師竹原春泉の『絵本百物語』に描かれる小豆洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻(かたびらがつじ)の7妖怪。又市をはじめとする小悪党一味、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らは巧妙な罠を十重二重(とえはたえ)に張り巡らせ、どうにも立ちゆかない事態を「妖怪」のしわざとして収める。著者自身の言葉を借りれば、本作は、難事件を「妖怪」と名づけて払い落とす中禅寺のシリーズの「裏返し」なのだそうだ。 又市は「悪党だから死んでもいいなンていううざってェ小理屈も俺達にゃァ関係ねェ」とうそぶく。そして「悲しいねぇ」と言葉を継ぐ。登場する妖怪たちは、人間の心の闇や業(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」だ。そもそも春泉の『絵本百物語』は人間の醜い心を風刺したものでもある。その業を見据える又市の姿が、たんなる勧善懲悪の時代劇ではない深みを物語に与えている。(中島正敏)

面白い!だが……。

文庫といってもかなりの厚さで、その上それぞれ話によって雰囲気の明るさ、暗さがはっきりと分かれているため、暗い話が苦手な方は途中まで読んでもういいや、と諦めてしまうかもしれない。私はそうだった。
だが後半の話になるに連れて徐々に面白さが増していく。初めのほうの話ではほとんど「役」としてしか描かれなかった登場人物たちの背景やキャラクターにどんどん深みが出てくる。次も読みたい、と思われること間違いなしだ。

お勧めの話は「芝右衛門狸」「塩の長司」「柳女」「帷子辻」。


鬼麿斬人剣 (新潮文庫)
鬼麿斬人剣 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥540
release : 1990/04

気軽に読める決闘小説


隆慶一郎の小説の中では比較的軽めで、気軽に楽しめる作品だ。

一番勝負?八番勝負の八部構成となっているため、剣豪小説によくあるスタイルとの決闘シーンが主題のような体裁を取っているが、読み終わってみると主人公の鬼麿と師匠の清麿の何にも縛られない自由な生き方が印象に残る。

主人公の鬼麿は刀鍛冶の清麿の弟子で、師匠の清麿から死の間際にある依頼を受ける。その依頼とは清麿が若い頃に江戸から出奔して逃走の旅をした際に、旅費を稼ぐためにやむを得ず各地で手抜きの刀を量産したが、そのような駄作を残したことが心苦しので、それを探し出して一本残らず折ってほしいというものだ。

これに応えて鬼麿は若き日の師匠の旅の後を巡って各地を彷徨い、同じくその刀を狙う伊賀忍者たちと激闘を繰り広げることになるが、隆作品らしく鬼麿も師匠の清麿もタイプは違うが女にもてて、旅先で出会う女達との交情もたっぷり描かれている。また、江戸から京都まで鬼麿が滞在する各地の様子もきちんと詳しく描かれており興味深く、単なる決闘小説にとどまらず色々な角度で楽しめる作品である。

マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫)
マリー・アントワネットの遺言 (朝日文庫)
朝日新聞社
price : ¥840
release : 2002/10

いつ読んでも

 フランス革命やルイ16世、マリー・アントワネットに関するメディアは、それこそ星の数ほどある。「ベルばら」〜いろいろと目にしてきた。できはいいものとわるいもの(何をもってそういうかは置いておいて)があると思う。ただ、扱われる数が多いので、少し食傷気味。「誰が書いたか」によって、つまり「料理の仕方によって」面白くもつまらなくもなる代物である。これも、かなりなファンの友人が「一気に読んじゃった」といわなければ決して手にとることはなかったでしょう。手にとってから読むまでの間、これほどわくわくした本は久しぶりでした。

マダム・ロワイヤルなるアントワネットの娘が、彼女の母親の最後の様子を書き記した弁護士の随想録を、悪名高いプレイボーイ(死語)司祭と娼婦に朗読させるという趣向である。それによって臨場感がいや増し、アントワネットの人間像が浮かび上がってくる。ツワイクの言うとおり、その平凡性ゆえに国家を統治する一国の后の荷が重かったのだと片付けることはあたっているのかもしれない。でも、彼女には彼女の生きた社会でのルールがあり、彼女はそこで生きるのに精一杯だったのだろう。

なににせよ、架空の人物、司祭と娼婦の場面が当時の風俗を語っていてなかなか興味深い。マダムとの関係の必然性などは?だが、当時の興味も、現代の興味も、人間の営みにさして変わりはないのだと感じさせてくれた。

著者の作品ははじめて読んだ。ヨーロッパの歴史に造詣が深く、とても信頼が置ける。かつて「ベルばら」を教科書代わりとしたように、著者の作品で教科書では味わえない歴史の面白さを感じることができた。歴史は人間のドラマだからだ。

一枚摺屋
一枚摺屋
文藝春秋
price : ¥1,680
release : 2005/06

大坂の人情・風景を味わう

「第12回松本清張賞」受賞作。

といってもミステリー色はほとんど無く、幕末の不穏で不安定な世情に絡んだ大坂の風景や人情が生き生きと描かれていた。


山霧―毛利元就の妻〈上〉
山霧―毛利元就の妻〈上〉
文藝春秋
price : ¥509
release : 1995/11

岳飛伝〈1〉青雲篇 (講談社ノベルス)
岳飛伝〈1〉青雲篇 (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥798
release : 2003/08

日本唯一の岳飛軍物語

日本で岳飛に関する物語はこの本にしかありません。金軍との微妙な戦の駆け引きがとても緊張感を引き立てます。しかもとても読みやすいです。主人公の岳飛は水滸伝の林沖や三国志の関羽が好きな人ならばきっと好きになれると思います。