Author:店 長 大ちゃんの本屋さんへようこそ!
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非常に優れた人間ドラマですから、是非映画化を望みます。
創業者というのは、儲けの仕組みを理解しており、耐えずこれを拡大させてゆこうとする。この仕組みはきわめて単純なものであり、今の会社組織は複雑になりすぎているのではないか。複雑になっているのは、組織でなく人間関係がそうなのであろう。
創業者の強みは、創業者は一人しかいないことにあるのであろう。会社の結成から、全て経験しているのは、創業者だけである。この経験こそが、儲けを生み出す鍵なのだろう。大企業のエリートより、一代で築き?上た人物の方がはるかに経済を知っている。
この本を親父に見せたところ、「藤沢さんが社長になろうとしていたら、冗談じゃなく本田技研は分裂していた。なにせ藤沢副社長が会社の実印をもっていて、本田社長は実印をもったことがなかったのだから・・・」と笑っていました。
中でも橋本竜太郎の提訴は凄い。パイオニアとはこういうものなのか、と肯く。顧客第一であるがゆえにお役所におもねることを必要としない。
スキー宅急便は長野支店、ゴルフ宅急便は営業企画、クール宅急便は社長自らというようにどこからでも商品開発が行われる。全て顧客を向いているゆえであろう。先代の時代から、制服制帽、礼儀を重んじてきた教育による企業文化も欠かせないものである。大した企業である。
しかし本書を読む限り、小説としてはまずTQCを批判するという大命題が先にたち、それに沿うかたちでTQCを推進するキャラクター達が子供向けの漫画や童話にでてくるような矮小化された人間達となっています。
見方を変えれば、逆にそういった矮小化されたキャラクターたちをもって、TQCを貶めなければTQCを批判できないというのは、著者がもつTQC批判の根拠が論理的なものではないということではないでしょうか?また、そういったキャラクターのために、単なる小説としての質もかなり劣るものと思います。
著者の「日本的経営の興亡」という本も読みましたが、感情的な批判や著者の都合のいいエピソードのつまみぐいばかりで、論理的な批判とは思えませんでした。