Author:店 長 大ちゃんの本屋さんへようこそ!
この人とブロともになる
脚本…というものは、余り世の中に出回っているようなものではなく、早々お目にかかることもない。だから最初は、どんなものだろう…という単なる好奇心から買ってみたのだが、読んでいくと本当に面白い。
原作でも、アニメでも語られていない制作秘話…というべきものが、脚注として多く組み込まれている。原作者の小野不由美sの色々な十二国記の設定等、新たに分かる事も多く、原作ファンにとってもとてもおいしい一冊だと思う。勿論、アニメの方から入った人でも、充分に楽しめる。
三谷幸喜氏の自作解説によると、「王様のレストラン」は「淋しいのはお前だけじゃない」にオマージュをささげたものなのだとか。確かに、大衆演劇の芝居小屋をフランス料理のレストランに置き換えると、似ていることが分かります。「王様」は何度も再放送されるのに、なぜか「淋しいのは」は再放送を見かけません。放送を見たことのない人は、ぜひこの本を読んでみてください。
ヴォネガットのたいていの作品がそうであるように、この作品においても、彼独特のユーモアが展開される。それはもちろん、楽しく、軽い。その軽さ故の読みやすさと、中身の適度な重量感は、素敵な好対照となっている。
ヴォネガットのたいていの作品がそうであるように、この作品においても、人間以外のキャラクターが、重要な役割を果たす。今回は宇宙人ではなく、幽霊が登場する。
ヴォネガットのこのほかの作品とは違って、この作品は戯曲である。彼の唯一の戯曲であり、ヴォネガットファンならば是非読んでおきたい一冊だと思う。
静かに狂っていく登場人物たち・・・・・・とかのゴタクというか事前情報を一切いれずに現実感覚が揺らぐさまを体験するべき。
そしてキャストの一人ひとりのキャラクターがとても濃く、どの登場人物も欠かせない存在だと思いました。また、私がこの脚本を読んだ後で驚いたのは、この脚本での初演が1980年代らしいのですが、その「古さ」というんでしょうか。そういう雰囲気を感じさせないところにも惹かれました。だから今演じても全然違和感がないと思います。
同時収録されている「ここだけの話」もキャストが少なち?のですが、テンポよく演じられると、さらに面白さが増すと思います。
ここには戦中から戦後にかけての、生きることイコール戦いとでも言うべき日々が綴られています。それは同時に著者の青春時代でもありました。のほほんと育った私などは圧倒されるばかりのエピソードが続くのですが、著者の語りくちは常にからっとしていて時にユーモラスです。でも、そのユーモアの底には徹底したニヒリズムがあることが見えてきます。そして、そのニヒリズムと矛盾することなく、リリシズムが全体にあふれているのです。
夭逝した妹や娼婦達を、著者は悲しく美しく描きます。著者は現実をしっかり見据えながらも、美しいものや純粋なものへの憧れを持ち続けているのです。すごいと思いました。映画ファンに限らず、多くの人に読まれるべきすぐれたエッセイだと思います。