ミステリー・サスペンス・ハードボイルド:大ちゃんの本屋さん
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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
DATE:
2007/09/07(金) 20:16
CATEGORY:
・ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
『
その腕のなかで (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
』
二見書房
price :
¥870
release : 2006/10
禁欲ヒーロー、ホットです。
ストーカーに狙われた作家のリズの元へふらりと立ち寄った 元陸軍レンジャー部隊員の庸兵ジョシュア。
このボディーガードを買って出たジョシュアがとにかくヒロインにメロメロでgoodです。
リズと暮らしながら禁欲を自分に制する、いたいけなヒーローがなんとも可愛いのです(笑)
庸兵モノにありがちな、ハイテク基地並セキュリティー要塞も見所のひとつ。
現実にあったら凄そうな微細なセキュリティー描写には、毎回感心してしまいますし。
その他、魅力的な庸兵仲間たちとの固い絆もあったりして、脇役たちの続編が期待される作品です。
『
天使の爪 上 (1) (角川文庫 お 13-25)
』
角川書店
price :
¥760
release : 2007/07
これぞ大沢作品
大沢作品を久しぶりに読んだ。
天使の牙同様一気に読み終えてしまった。
SVRとCIAを巻き込んだ駆け引き、アスカの心の葛藤、古芳の苦悩、ハンと古芳の戦い...。
超一級の娯楽作品です。
更なる続編を読みたくなりました。
『
吸血鬼は殺し屋修業中 (コバルト文庫 あ 1-30)
』
集英社
price :
¥440
release : 2007/06
「愛情」に感じて
相変わらずの楽しい赤川作品です。
今回は、母子家庭で母親を少しでも楽にしようと「殺し屋」のアルバイトに手を染めてしまった青年を描いた表題作「吸血鬼は殺し屋修業中」、不倫の末に恋人の妻に死へと追い込まれる娘の物語「吸血鬼の秘湯めぐり」、清廉な神父の突然の死から愛人と子どもが・・・という「吸血鬼は怒りの日に」の三編です。
三作品に共通するのは、いろんな意味での「愛情」です。その「愛情」に報いるかのように、吸血鬼父娘が活躍します。
『
沙高樓綺譚 (徳間文庫)
』
徳間書店
price :
¥660
release : 2005/11
現代の「百物語」
淺田次郎が描く、現代の「百物語」。
超高層マンションの最上階にある「沙高樓(さこうろう)」に各界の名士たちが集ふ。
そこでは、「口に出すことが出來ない祕密」が語られる・・・。
「語られます方は、誇張や飾りを申されますな。お聞きになつた方は、夢にも他言なさいますな。
「あるべきやうを語り、巖のやうに胸に藏ひますことが、この會合の掟なのです」
5つの祕密の物語。
私が一番好きだつたのは、「立花新兵衞只今罷越候」。
新撰組の「池田屋騷動」を映畫にした時の、不思議なエキストラ。
あの「階段落ち」の元祖となるお話。
映畫「蒲田行進曲」を思ひだしながら讀んだ。
人の思ひは時空を超える・・・
ぞつとしたのは「絲電話」。
子供の頃の絲電話。
相手の聲は聞えるのに、相手には自分の聲が聞えない。
そんなエピソードをもつ二人が偶然に邂逅する。
そんな邂逅が何度も續くと・・・
物語のあとで、小日向君が「私」に解説するのは蛇足。
物語の餘韻、じはりと感じる怖さがいくぶんか損なはれたやうな氣がする。
『
ドミノ (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥580
release : 2004/01
【商品詳細】
ファンタジー、ミステリ、ホラーと、傍流系文学すべてにわたるジャンル開拓者としての恩田陸の仕事は注目すべきものだ。本作は、2つの紙袋が偶然入れ違うという小さなできごとが、まさにドミノ倒しのごとく、しだいに大事件へと膨れあがっていく様子をコミカルに描いたスラップスティック・コメディである。 7月のある蒸し暑い午後、営業成績の締め切り日を迎え色めき立つ生命保険会社から、差し入れ買い出しのためにOLが東京駅に向かって走りだす。ここを物語の出発点として、ミュージカルのオーディションを受ける母娘、俳句仲間とのオフ会のため初めて上京した老人、ミステリーの会の幹事長のポストを推理合戦によって決めようとする学生たち、従妹の協力のもと別れ話を成功させようともくろむ青年実業家、訪日中のホラー映画監督など、さまざまな人間が複雑に絡みあうなかで、物語は日本中を揺るがす大事件へと発展していく。 状況ごとにかき分けられたプロット同士が因果律によって綿密にリンクしあい、登場人物の内面に深く入り込んだ視点によってできごとが相互主観的に語られていく。井上夢人の傑作『99人の最終電車』を連想させる作品だ。人物造形や状況描写などが多少パターン化されている感は否めないが、登場人物が東京駅に集うクライマックスに向けて、ジェットコースターに乗っているかのような気分で一気に読ませる手練には驚嘆せざるを得ない。エンターテイメントに徹した快作である。(榎本正樹)
一気によめた
27人と1匹、それぞれの視点で書かれている物語。
さまざまな人の視点から書かれていると、まとまりがなくなりそうなものだが、出発地点がすべて違う、それぞれの物語が、だんだんと近づいていって、ラストにすべて一箇所、ひとつの物語になるのは、本当に見事。
こんなに、一気に読めた小説は久しぶりである。
まだ、物語同士が近づかないうちも、退屈させない、個々、おもしろいテンポと内容になっているので、けっして読者を飽きさせない内容になっていると思う。
『
邪魔〈下〉 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥660
release : 2004/03
奥田作品は読みやすく面白い
九野という刑事が、なぜかすごくよかった。へぇ?そおゆうこともあるんだ!と思うことが多い。個人的には最悪よりも若干こっちが面白いかな!!
『
図南の翼―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
』
講談社
price :
¥693
release : 1996/02
十二国記の教科書
テレビでアニメを見て、その世界観がよく表現できていることに関心し
その続きをということで読みました。
今回の話は十二国記の世界観やルール(という言い方おかしいかも
しれませんが)が良くわかりやすく書かれている作品で、読み終わりの
爽快感もあると思います。
この少女がどういうふうに国の建て直しを図ったのか、続編を書いて
ほしいと思うのは私だけでしょうか・・・。
『
京極夏彦画文集 百怪図譜
』
講談社
price :
¥2,730
release : 2007/05/11
何かヨウカイ?
妖怪好きしか知らない妖怪。
一般の人も知っている妖怪。
まさに、『百怪図譜』である。京極夏彦氏の著作を愛読している方は、本当にお薦めである。
文と妖怪。
思わず彼岸に引き込まれるような魅力がある。
個人的にお気に入りは、ひょうすべである。
『
GOTH 夜の章 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥460
release : 2005/06/25
作者の人間性を疑う
死体の描写もグロテスクですが、虐殺される犬たちの描写にとても心が痛みました。
正義感の強い方、犬が好きな方は購読を控えたほうが良いと思います。
人間性が著しく欠如した登場人物ばかりなので、そういう意味でゾッとしました。
読者をここまで不愉快にさせる作品は珍しいと思います。
知人に「お勧めだ」と言われて購読したのですが、虐殺された犬たちについて何も感じなかったのかと、怪訝に思いました。
『
顔 FACE (徳間文庫)
』
徳間書店
price :
¥620
release : 2005/04
あれ?
甘すぎる…横山作品の中では、
現実離れしてる感じが。
不祥事、ましてや甘えたような勤務をし続ける主人公が、
警察組織にずるずると居続けられる訳、ないんですが。
今までの作品からして、堅い、静かだけど熱い物語
を期待していたのですが、そういう点からも、
人物の描き方と現実がかけ離れている点も、
この本は肩すかし感が否めません。
まぁ、読み進めてしまう展開は相変わらず巧いので
2つ…。で、恐らくは作風(タッチ)の転換を
計ろうとした意欲に1つ。
『
ダ・ヴィンチ・コード(上) (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥580
release : 2006/03/10
やや肩透かし
期待度200%で読んだせいか、大感動まではいきませんでした。
よく練られたストーリーや仕掛けはさすがですが、はじめ、『ダ・ヴィンチ』の絵の中に隠された謎解きをひたすらするのかと思っていたので、やや肩透かしを食らいました。
これが本当なら、インディ・ジョーンズの『聖杯』ってあるわけないんだ、と思ってしまいました。
『
ナイチンゲールの沈黙
』
宝島社
price :
¥1,680
release : 2006/10/06
なかなか奥深い娯楽小説
映画でもよくあることだが、前評判がよくて期待するとガックリ、逆に期待しないで行くと意外によかったりと同様である。「バチスタ」が傑作だったので次に「螺鈿迷宮」を読んだが期待ハズレで、順番が逆になったが、「ナイチンゲールの沈黙」はその反動で予想していたよりは面白かった。
この小説は単純に娯楽小説と捉えるならば、内容も濃く、それなりに楽しめて学ぶことも多い小説ではないだろうか。医療が抱える様々な問題を分かりやすく描き出しているし、重いテーマもサラッと読者に伝えている。医療に携わる人ならば共感する場面も多いであろう。また、軽いノリのユーモアと共に、アフォリズムともいうべき含蓄のある言葉が所々にあり、なかなか奥深い小説でもあると思う。
ミステリー小説と捉えると、評価を下げざるを得ないであろう。先端の医療技術や最新の科学捜査が出てきたかと思うと、スティーブン・キングに似た超常現象が結末に登場するとミステリーファンならば当然シラける内容である。
しかし、小説は巧みに伏線が敷かれていて次回作の「螺鈿迷宮」に繋がるように出来ている。どれだけのスケールの小説を書こうとしているのか、簡単に推し量れない作家であろう。
『
蒲生邸事件 (文春文庫)
』
文藝春秋
price :
¥900
release : 2000/10
最後は、ほろり
おかしなもので、タイムトラベルなどしたこともないのに、もしそれができるとしたら、きっと歴史は変えられる、と思っていた。いつの時代の出来事にもそれを決定づけた事件や人物というのがいる。日本史の試験などで出てくる事柄だ。だから、それに影響を及ぼすようなことができれば、歴史は変わるんじゃないかと。そうすれば、たくさんの人がなくなってしまうような事件や事故を防ぐことができるんじゃないか、と思っていた。
しかし、ここに出て来るタイムトラベラー平田は「歴史の細部は変えられても、歴史そのものは変えられない。そんなことをしようとしても、それは所詮”まがいものの神”でしかない」と言う。最初はそれが理解できなかった。日本が戦争に突入しない方法、原爆が投下されない方法、または、これほど大きな犠牲をだす前に戦争をやめる方法・・・なにか手だてがあるんじゃないか、そう思いながら読み進めた。
しかし、読んでいくうちに彼の言うことがよくわかった。私たちは後世の人間として、なにが起きるか知っているから後からあれこれ批評もできるけれど、その時代に生きている人たち全ての考えでも変えない限り、歴史を変更するというのは無理なのだ。たとえば東條首相を暗殺したとしても、別の東條がでてくる、それだけのことなのだ。
歴史というのは、人間が積み上げていくものだけれど、個々の出来事に多少の変更があっても、それは歴史全体にはたいした影響のないものらしい。読んでいて、その点は納得ができた。戦前に戻り、自分の祖父や祖母を戦災から守ろうとすることはできるかもしれない。だけど、戦争そのものを防ぐことはできない。
だからこそ、今この時代に生きている、ということが大事になってくる。これからの歴史を決定づけるのは、今を生きている私たちなんだから。
私はSF小説があんまり好きではないので、おもしろいんだろうか、とあまり期待せずに読み始めたこの作品、先が気になって、これだけの厚さだというのに一気に読んだ。あまり急いで読んでしまったから、もう一度ゆっくり読みたいな、と思っている。設定がタイムトラベルした先の時代だからジャンルとしてはSFになるんだろうけれど、いやはや、そんなジャンル分けできるような小説じゃない。いろんな要素を詰め込んだエンターテイメントです。
蒲生邸で働く女中・ふきと、この戦争を生き延びたら浅草で会おうと約束する。昭和20年に蒲生低付近も大規模な空襲にあうことを知っている孝史にしてみれば、会えない確率の方が高い、切ない約束だっただろう。まがいものの神でもいい、せめて関わりを持った人たちだけでも幸せになってほしい、という彼の気持ちが痛いほど伝わってきた。
推理小説の要素もありながら、最後はほろりとさせてくれる。終戦記念日間近のこの時期だからこそ、いろんな人たちに読んでほしいと思う作品だった。
『
私が彼を殺した (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥730
release : 2002/03
加賀刑事にはもっと早く犯人がわかっていたはず
『どちらかが彼女を殺した』に続く、東野圭吾の「犯人当て小説」第2弾。
今度は容疑者が3人になり、事件の背景もずっと複雑、難易度はぐっと上がっている。
しかし、小説としての完成度は今一つか。
第一に、被害者が殺されて当然の悪人で、犯人を突き止めることが単純に正義とも言えず、「犯人当て」をするエネルギーがあまり沸いてこない。
第二に、事件の背景は複雑なのに、加賀刑事が「犯人はあなたです」と言ったところで終わってしまい、物語としての結末がついていない。せめて、後日談(被害者の婚約者・美和子と加賀刑事が、後で語り合う場面とか)くらいはあってもよかった。
ただ、初出時(雑誌掲載時)とは犯人が変わっているそうで、本になった後の犯人の方が、話として救いはあると思うけれど。
「犯人当て」については、袋綴じの解説で一応は納得。ただ、既に多くの人がネット上でも指摘しているように、疑問は残るけどね。
私の意見を補足すれば、加賀刑事は最後に〇〇を切り札にするが、その問題に気づいたのはもっと前だろう(専門家にも調べてもらったはずだし)。その時点で、加賀刑事は犯行のトリックを見抜いて、犯人がわかっていたはずである。そのトリックを実行可能な容疑者は一人だけだから。
もう一つ個人的な意見を言えば、題名の「私」は、ストレートに犯人のことではない。容疑者3人は、自分のことを「僕」「俺」「あたし」と言っているしね。
「私」とは、一義的には被害者の婚約者・美和子だろう。彼女が自分の「ある想い」と訣別しようとしたことが、巡り巡って殺人事件につながった、その意味で、彼女が「私が彼を殺した」と思った、ということではないかな。
もちろん、犯人が「自分が彼を殺した」、という一種の達成感を示してもいるのだろうけど。そういう二重の意味のある題名だと思う。
『
冷血 (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥940
release : 2006/06
「ドキュメンタル」ではなく、「ノンフィクション・ノヴェル」
約半世紀前のアメリカの農村で起きた、一家4人皆殺し事件の顛末記です。
非情で残酷な犯行は、八王子で起きたスーパー強盗殺人事件を彷彿とさせます。
八王子事件で犠牲になったのはパートの中年女性一人、アルバイトの女子高生二人。
縛られて銃殺されました。「冷血」の被害者家族も縛られて銃殺されています。
この本で注目したいのは、加害者の二人と被害者の四人それぞれの辿って来た人生を、一人ひとり描写していることです。
決して冗長でなく、素っ気無いと思うほど簡潔に表現されています。
しかし、それが物語に深みを与えており、「ノンフィクション・ノヴェル」と呼ばれる所以です。
不可解な存在である人間の、不完全な社会が抱える不安を、良く伝えている作品と言えます。
『
ルパンの消息 (カッパノベルス)
』
光文社
price :
¥920
release : 2005/05/20
「昭和」を感じさせてくれる
1991年、第9囘 「サントリーミステリー大賞」 佳作賞受賞作。
横山秀夫の原點とも云はれ、デビュー前に書かれた「幻の處女作」とも云はれる作品である。
ただし、2005年に光文社から刊行されるにあたつて、作者による改稿がなされてゐる。
1975年12月、不良高校生(死語?)の3人組がテスト問題を盜み出す計畫を立てた。
名付けて「ルパン作戰」といふ。
そして、その作戰實行當夜の9日に、一人の女性教師が學校の屋上から墜落死してゐた。
この作品の「現在」は1990年の12月9日。
すなはち、女性教師の墜落死から15年、もし殺人事件であれば時效が完成する日だ。
その前夜、當局に「あの事件は殺人事件だ」といふタレコミがあつたらしく、搜査員たちは、わづか1日の間で時效を迎へる事件を搜査する破目になつたのだ。
搜査員たちは、「ルパン作戰」を實行した當時の高校生を探し出し、署に連行して當時のことを語らせる。
果たして、女性教師の墜落死はほんたうに殺人事件だつたのか?
犯人はいつたい誰なのか?
迫る時效完成時間との勝負。
この作品を讀んでゐて、最初に違和感を感じたのは、取り調べ室で調書を記録する美しい婦人警官の存在。
あまりにも、登場した際の描寫が丁寧で存在感がある。
もちろん、彼女の存在はあとで大きな役割を果たすことになる。
ストーリーが命といふ作品なので、ここであまり書くつもりはない。
ただ、1968年に起つた3億円強奪事件が關係してくるといふことだけは書いておきたい。
私の少年時代と重なる時代、「昭和」を感じさせる、どことなく懷かしいやうな作品だつた。
『
女子大生会計士の事件簿〈DX.2〉騒がしい探偵や怪盗たち (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥540
release : 2004/11
株価操作?
女子大生会計士2冊目
今回は株価捜査と、萌えさんが会計士になった秘話が
語られています。
身近に接している株式投資もこういうふうに不正の温床になるのですね
興味深かったです
『
代理弁護 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥1,040
release : 2004/03
新人女性弁護士の初々しい懸命な奮闘
本書は、児玉清氏がその著書『寝ても覚めても本の虫』の中で、「女流作家の時代に乾杯」のコーナーの一作として紹介されていた作品で、面白そうだったので読んでみた。
著名な法律事務所の共同経営者で財産管理部門を担当する弁護士ジャックが、資産家の妻を殺したと自首した。前夜遅く帰宅したジャックが見たのは、鋭利な刃物で身体の数ヶ所を刺されて、すでに息絶えていた妻の姿だった。ジャックの頭にとっさに閃いたのは、殺したのは売り出し中のモデルでもある16才になる自分の娘、ペイジに違いないという思いであった。そう、ジャックは、自分が娘の身代わりとして殺人者になることにしたのだった。刑事を前にようやく自白を終えたジャックは、自分のうそを確固たるものにするために、まだ新人で、殺人事件の経験も未熟な駆け出し女性弁護士メアリーをあえて自分の弁護士に指名した。
ところが、彼の思惑は見事にハズれしまう。何もできないと思ったメアリーは、見事な直観力と思考力と行動力を兼備した上に駆け引きや深慮遠謀にもたけた、優秀なルーキーだったのだ。
自分でも母親を殺したと信じ込んでいるペイジ・・・。だからこそ身代わりになったジャック・・・。ジャックの容貌に異性としての魅力を感じながら、どこかおかしいと感じて独自の調査を始めるメアリー。同僚の助けを借りながら、一歩一歩事件の核心に近づいていく彼女に、いつの間にか危険が迫ってくる・・・。
物語は中盤を過ぎる頃から、ハラハラ・ドキドキの連続で、ついストーリーに引き込まれてしまうが、ハードボイルドな男性作家のものとはまた違う、女流作家らしいロマンスの香りと新人弁護士の初々しい懸命な奮闘ぶりの描写に、新鮮な驚きと一種独特なサスペンス小説としての魅力を感じた。
『
運命に導かれて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
』
二見書房
price :
¥1,000
release : 2006/08
いいです!
『そのドアの向こうで』『影のなかの恋人』に続く、マクラウド兄弟が活躍するお話です。
マクラウド兄弟の長男デイビーが主人公です。
ヒロインのマーゴットがストーカーに狙われ、デイビーが助けてくれます。
サスペンスも楽しめますが、やはりロマンスでしょう。デイビーの抱える過去は重い。
兄弟がお互いを思いやる所は泣けます。そんな彼を理解し、愛するマーゴットは素敵。
芯が強くて、ユーモアがあって、とても魅力的なヒロインです。
しかも、前作、前々作同様、かなりホットです。ほんとに、すごいです・・・
でも、このシリーズが好きな私に一番たまらないのは、
前作のカップルがラブラブで登場することです。
コナーとエリンの結婚式はとても素敵。
セスとレインも熱々な夫婦になっています。セスはこの作品でも活躍します。
次回作はモテモテの末っ子、ショーンが主人公だそうです。今から楽しみです。
『
虚無への供物〈下〉 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥730
release : 2004/04
虚無への供物〈下〉
私はこのストーリーテリングには何もピンときませんでした。
しかしこの重厚でいてミステリーの傑作であると誰もが説いた作品ですがあまりにマージャンのシーンが多く感じますがこの作品のオマージュが恐らくかまいたちの夜と言う前編っぽく今では感じています。
とにかく読んでいて疲れるしかしミステリーファンなら是非、一度!
最後の著者の歴史探しは出版社はとにかく疲れたと思います。
多分、帯に書いている京極夏彦氏も協力しています。
京極堂ファンなら読むべきでしょう。
『
邪魅の雫 (講談社ノベルス)
』
講談社
price :
¥1,680
release : 2006/09/27
妖怪談義のない本格推理小説
長編揃いの京極堂もの。またしても800ページ余の大作である。しかし今回は若干様相を異にする。まず、妖怪がらみの会話がほとんどない、ほぼ純粋な推理小説である。また、いつもは冒頭に晦渋な問答や述懐があって読むのに苦労するが、今回はそういう苦労が少ない代わりに、物語がなかなか動き出さない。まるで慣性の大きい物体を動かすような忍耐が、今回は中盤まで続く。中程からは展開に勢いが出ていつもの京極堂ものらしくなるが、そこまでたどり着くのが大変であった。これは、明るいキャラクターで作品を引き立てる榎木津が後半まで登場せず、京極堂も後講釈を除いては一カ所しか登場しない、という構成にもよるだろう。木場の活躍がない(登場はする)ことも一因か。つまり、ほかの登場人物が脇役として如何に非力であるか、ということである。
複雑な物語であり、私には十分に読み込んだ自信がない。しかし、推理小説としての論理的整合性は高く、本格推理として高水準の作品であると思った。なお今回は、各章の冒頭文に死に関する言葉が使われるという趣向がなされている。私はこういう小細工は嫌いである。
『
狩りのとき〈下〉 (扶桑社ミステリー)
』
扶桑社
price :
¥820
release : 1999/09
読みごたえ満点の、4部作の最終作
スティーヴン・ハンターの“ボブ・リー・スワガー・サーガ”4部作の第4作。壮大なスケールの年代記は本書をもって幕になった。
’99年、「このミステリーがすごい!」海外編第15位にランクインしている。
ショキングな幕開けの「プロローグ」の続きは「第3部」までおあずけとなる。
「第1部」では、海兵隊員のダニー・フェンがヴェトナム戦争の機密漏洩事件に巻き込まれるスパイ小説の趣すらある内容である。上層部からの指示を断固拒否するダニーは退役間近にもかかわらず、再度ヴェトナムの最前線へ送り出されるのである。そこで伝説のスナイパー、ボブ・リー・スワガーとチームを組むのが「第2部」である。
著者本人がヴェトナム戦争の最前線の経験者であるかのごとく、その詳細な叙述は並みの戦争小説のレベルをはるかに超えている。そして、宿命のライバル、ロシア人のスナイパー、ソララトフが登場する。
「第3部」は、時は現代、場所はアイダホの牧場でひっそりと暮らすボブ一家を再びソララトフが襲う。本書で最長の第3部のそのまた最長の後半部のチャプター48は、ボブとソララトフの死闘のクライマックスが描かれており、最大の読みどころである。
これで話は終わったかと思ったら、「第4部」では“どんでん返し”が待っていた。
いずれにしても、文庫上・下巻あわせて959ページという、シリーズ最長のボリュームを誇るこの大長編は、どこをとっても読み応え満点の傑作巨編である。
『
毒笑小説 (集英社文庫)
』
集英社
price :
¥630
release : 1999/02
入り口
東野圭吾の作品を読んでみたいなら・・・・でもなんとなく躊躇しているのであれば、こういうとこ
ろから始めるのはどうでしょうか?
東野圭吾の短編は、そのタイトルに興味を惹かれて読み始めやすい様な気がします。
本書の中で気に入ったのは、「つぐない」「誘拐電話網」
全体的にはどの作品もあっさりした内容。
そして、読み進むうちに「きっとこうくるだろう」というこちらの予想を快く裏切るが、納得のいく
結末を用意している。
本書に含まれる京極夏彦との対談の中で、「笑いは難しい。一気に書き上げるために原稿枚数が増え
ない。」と本人も言うように、比較的短めの作品が多いのもオススメの理由。
「毒笑」とあるが、大爆笑を期待して読むのは間違い。行儀の良い少々ブラックな笑いという感じ。
『
狩りのとき〈上〉 (扶桑社ミステリー)
』
扶桑社
price :
¥820
release : 1999/09
読みごたえ満点の、4部作の最終作
スティーヴン・ハンターの“ボブ・リー・スワガー・サーガ”4部作の第4作。壮大なスケールの年代記は本書をもって幕になった。
’99年、「このミステリーがすごい!」海外編第15位にランクインしている。
ショキングな幕開けの「プロローグ」の続きは「第3部」までおあずけとなる。
「第1部」では、海兵隊員のダニー・フェンがヴェトナム戦争の機密漏洩事件に巻き込まれるスパイ小説の趣すらある内容である。上層部からの指示を断固拒否するダニーは退役間近にもかかわらず、再度ヴェトナムの最前線へ送り出されるのである。そこで伝説のスナイパー、ボブ・リー・スワガーとチームを組むのが「第2部」である。
著者本人がヴェトナム戦争の最前線の経験者であるかのごとく、その詳細な叙述は並みの戦争小説のレベルをはるかに超えている。そして、宿命のライバル、ロシア人のスナイパー、ソララトフが登場する。
「第3部」は、時は現代、場所はアイダホの牧場でひっそりと暮らすボブ一家を再びソララトフが襲う。本書で最長の第3部のそのまた最長の後半部のチャプター48は、ボブとソララトフの死闘のクライマックスが描かれており、最大の読みどころである。
これで話は終わったかと思ったら、「第4部」では“どんでん返し”が待っていた。
いずれにしても、文庫上・下巻あわせて959ページという、シリーズ最長のボリュームを誇るこの大長編は、どこをとっても読み応え満点の傑作巨編である。
『
午前三時のルースター (文春文庫)
』
文藝春秋
price :
¥620
release : 2003/06
やばい時期にやばい作家を知ってしまった
試験の追い込み時期に、こんな作家を知ってしまったら、やばい。
デビュー作なのに、すばらしい完成度。
乱歩賞の「13階段」高野和明もその完成度に驚かされたが、素人くささが残っていた。
著書の場合、それがない。
まるで10年作家で飯を食ってる人が書いたよう。
この作家のことは、「ヒートアイランド」から読み始め、さかのぼる感じで本作を読んだ。
一番強く思うのは、作家としての懐の深さかな。
可能性と置き換えてもいい。
ただ、最近の作品の評判がいまひとつなのが気にかかる。
でも当分読む本探しには苦労しなくてすみそうだ。
『
誘拐ラプソディー (双葉文庫)
』
双葉社
price :
¥760
release : 2004/10
笑って、泣いて、胸キュンストーリー
いいですね。
荻原ワールドどっぷり漬かってます、最近。やめられない、止まらない、カッパえびせんのような方ですねえ。
本作品も、伝助(名前がまた笑える!)と伊達秀吉(ふざけた名前だ!)との友情にうるっときちゃいます。
ダメダメ人間の秀吉が伝助との出会いで少しづつ再生していく物語。
いいですよ!超オススメかも。
それにしても、ブックオフとかいくと、”荻原浩”のコーナーがなく、”お”のところにその他のような扱いをされているのが、どうも納得いかないのだ!
『
ブラックライト〈下〉 (扶桑社ミステリー)
』
扶桑社
price :
¥700
release : 1998/05
謎解きや政界の陰謀まで絡む、4部作の第3作
スティーヴン・ハンターの“ボブ・リー・スワガー・サーガ”4部作の第3作。
’98年、「このミステリーがすごい!」海外編第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第6位にランクインしている。
本書は前作をそのまま引き継ぐ後日談ではない。ふたつの作品は、本書に登場するふたりの主人公を、不思議な関係で結びつけることによって互いに微妙にシンクロしている。
前作『ダーティホワイトボーイズ』が、番外編の趣が強かったのに対して、本書では、ボブ・リー・スワガーが再び登場して、得意の銃撃戦も展開する。
『極大射程』事件ののち、アリゾナの田舎町で妻と娘と3人で隠遁に近い生活を送るボブのもとに、作家志望のラスという青年が訪ねてくる。彼はボブの父親アールの話が書きたくて、取材にやってきたという。
アールは元警官で、1955年に起こった逃走中の凶悪犯との銃撃戦で殉職していた。ボブが承諾して調べてみると、事件当日にある黒人の少女のレイプ殺人も起こっており、それにも父親が絡んでいることが分かった。さらに、父の死にも不審な影が・・・。
そして、ふたりがそれにまつわる調査を開始すると、何者かが過敏に反応した。彼らは、事件に隠された秘密が白日の下に晒されることを怖れ、先手をうってボブたちの行く手を阻もうとする。
本書はただ4部作の3作目というだけでなく、謎解きミステリーや政界の陰謀の要素まで含んだノンストップ・アクション巨編である。
『
虚無への供物〈上〉 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥730
release : 2004/04
うーむ・・・
恥ずかしながらこの作品の存在を最近まで知らず、
なにぃいいい、「黒死荘」、「ドグマグ」と並ぶ三大奇書・・・・?!
とばかりに慌てて読み出しましたが・・・ストーリーとキャラ設定は面白くって満足しましたがトリックはこんなもんかぁ、という感じでしたね。アンチ・ミステリだそうなので、そもそもトリック云々を議論する方が間違っているのでしょうか?? だとすると他の2作程の規格外的な凄みは感じなかったなぁ。しかし、これだけ評判とっているのだから、私が汲み取りきれていないのかも。もう一回読み直してみます。
『
MORI LOG ACADEMY 6
』
メディアファクトリー
price :
¥704
release : 2007/06/13
『
フラッタ・リンツ・ライフ (C・Novels BIBLIOTHEQUE 84-4)
』
中央公論新社
price :
¥1,050
release : 2007/05
キルドレの秘密
いつの時代の何のための戦争か。この小説には物語の背景説明は一切ない。プロットの拘束を受けないストーリー展開は、あくまでも自由だ。
スカイ・クロラシリーズ第4弾は、天才撃墜王クサナギが管理職に昇格し内勤となってしまう。今回大空で活躍するのが、クサナギの一番弟子・クリタだ。キルドレのくせに娼館に通ったりするが、散華を操る腕は確かなようだ。
キルドレの秘密が一部明かされたり、一般小説的な要素が多少盛り込まれているが、このシリーズにおいて物語の起承転結などどうでもいいディテールに過ぎない。
散文詩のように描写される空中戦闘シーンは、何度読んでもみずみずしい輝きを放っているし、生と死、愛と戦について、戦闘の合間に哲学的自己問答を繰り返すクリタがいとおしい。
多少青臭さは感じられるものの、小説内容自体が浮世離れしているため生臭さは感じない。世間のしがらみを逃れて、大空を自由に飛び回るキルドレのように、このまま何の種明かしもされずに尻切れトンボで終わってほしいシリーズだ。
『
かまいたち (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥540
release : 1996/09
読み甲斐のある短編ぞろい
『かまいたち』『師走の客』『迷い鳩』『騒ぐ刀』の四作品を収めた短編集。
『迷い鳩』と『騒ぐ刀』は、後に多少設定を変えてシリーズ化されることになる「霊験お初」こと岡っ引き六蔵の妹で一膳飯屋の看板娘お初が活躍する作品です。
収録された四作の中では、『かまいたち』が一番のでき。ある程度先が読めてしまうということはあるものの、緊張感サスペンス感は申し分なし。この四作の中というより、作者の時代ものの中の代表作といっても良いくらい。
『師走の客』は、他の三作品と比べると短いものですが、一読忘れられない心に残る一編です。
四作ともに読み甲斐のある短編ぞろい、時代小説は苦手という人にもすすめてまわりたくなる一冊です。
『
世界の宗教と戦争講座 (徳間文庫)
』
徳間書店
price :
¥620
release : 2003/07
【商品詳細】
著者は、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道、儒教の6宗教、それぞれの教義のポイントを簡潔にまとめ、宗教間、宗派間で起きた紛争理由やその争点を、独自の視点を交えて論じている。 キリストの処刑を機に形成されたとされるユダヤ民族への根深い差別意識、布教の名のもとに侵略行為を黙認したカトリック、キリストを預言者と認めながらも他宗派を徹底して排除するイスラムの「原理」、神道と朱子学の違いが広げる日韓の溝、ボスニア紛争、バーミアンの石窟破壊、「味の素事件」などの背景に厳として存在する宗教的アイデンティティーや戒律…。こういったことから、宗教が違うということの意味とその対立の重みが伝わってくる。 著者は、国際的に理解されがたい日本人特有の宗教的意識も指摘している。たとえば、「和」の精神からくる無原則な話し合い至上主義、「水に流す」という特異な価値観を外国人にも期待してしまうこと、「言霊」信仰からくるあいまいな契約態度といったものだ。 本書は7年前に刊行された『井沢元彦の世界宗教講座』に加筆を施した改訂版である。取り上げられる内容にバラつきが見られたり、あまり脈略のないまま著者の持論が加えられたりする部分もあるが、難解な教義を話し言葉でわかりやすくまとめている点がありがたい。(棚上 勉)
わかりやすい内容ですが
平易な文章で読みやすい文章ですが、著者の略歴を調べると、すべてを鵜呑みにすることはできないと思います。少し、個人的な主観も強い印象もあります。
『
七回死んだ男 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥620
release : 1998/10
だまされる
1995年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
著者の初期の傑作。
お得意の超能力ものだが、その能力が持ち主の自由にならず、ほとんど役に立たないというところが面白い。また、それであるからこそ、ミステリとして成り立っている。全能の人物が登場してしまったら、謎は存在しなくなるのだ。
考え抜かれた構成で、ついついだまされてしまう。こんな落とし穴があったなんて、と呆然としてしまうこと請け合いだ。細部も凝っているし、ストーリーにも工夫がある。
読んで損のない一冊だろう。
『
慟哭 (創元推理文庫)
』
東京創元社
price :
¥780
release : 1999/03
最初が退屈
最初がつまらないです。
新興宗教のほうが読みたくてうずうずして、刑事の方は読み流す感じでした。
乾くるみさんの「イニシエーションラブ」で衝撃を受けましたが、
この作品ではあまり衝撃は受けませんでした。
驚かせるのを目的とするか、メッセージ性を目的とするかでこんなに変わるものですね。
最初が刑事の方がつまらなくて、後半は宗教の方がつまらなかったです。
『
陰の季節 (文春文庫)
』
文藝春秋
price :
¥470
release : 2001/10
社会の生々しさが良く描かれています。
読み始めは取っ付き難いところがあるのですが、ぐいぐいと引き込まれます。
何処が違うのだろうと思っていたのですが、解説にも記されている通り警察小説ではありますが、捜査畑の人間が主人公ではなく管理畑の人間が主人公なんです。
4つの短編が収録されていますが、それぞれ人事、組織内の対立、出世争いが上手く散りばめられ生々しさを読者に与えます。
「鞄」などは、読みながら身につまされる人が多いのではないでしょうか。
私は、いつの間にか主人公になりきるほど没頭してしまいました。
切れの良い短編4編、お勧めです。
そろそろ、横山秀夫の長編を読んでみたいです。
『
百万の手 (創元推理文庫)
』
東京創元社
price :
¥840
release : 2006/06/10
久しぶりの爽快感
しゃばけシリーズにはまりこの作者の本を片っ端から読みましたが、
しゃばけとはまったく別物で、また違った面白さがありました。
最後まで犯人が分からない小説は近頃では珍しい。。
一度読み始めたら引き込まれてしまい最後までご飯も食べずに読みきってしまいました。
読んだ後の爽快感がたまりません!
絶対にお勧めの一冊です。
『
魔球 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥580
release : 1991/06
青春の光と翳
タイトルに見覚えがあったが、あれは宮部みゆきさんの「魔球はささやく」
だったかと勘違いして、一度読んでいたのにまた読んでしまった。
途中でそのことに気付いたが、最後まで引き込まれて一気に読みきった。
高校野球という青春の象徴のようなさわやかなイメージと殺人事件とを
どう結びつけるのかといぶかしんだが、恨みや憎しみとは違った位相で
みごとに結実させていた。
東野圭吾氏の最高傑作「白夜行」を髣髴とさせる、陰のある主人公の造形がみごと。
単なる謎解きではない物語がここにはある。
『
13階段 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥680
release : 2004/08
最後読むのが止まりませんでした
グレイブディッガーを読んで面白かったのでこちらも読んでみました。
ちょっと暗いかな、と思いましたが事件の真相にせまるところから
読むのが止まりませんでした。
最初から最後の最後まで飽きることなく伏線も見事で
面白かったです。個人的にはグレイブディッガーのほうが
好きですが物語の重厚感はこちらのほうが勝っていると感じました。
『
ブラックライト〈上〉 (扶桑社ミステリー)
』
扶桑社
price :
¥700
release : 1998/05
謎解きや政界の陰謀まで絡む、4部作の第3作
スティーヴン・ハンターの“ボブ・リー・スワガー・サーガ”4部作の第3作。
’98年、「このミステリーがすごい!」海外編第3位、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第6位にランクインしている。
本書は前作をそのまま引き継ぐ後日談ではない。ふたつの作品は、本書に登場するふたりの主人公を、不思議な関係で結びつけることによって互いに微妙にシンクロしている。
前作『ダーティホワイトボーイズ』が、番外編の趣が強かったのに対して、本書では、ボブ・リー・スワガーが再び登場して、得意の銃撃戦も展開する。
『極大射程』事件ののち、アリゾナの田舎町で妻と娘と3人で隠遁に近い生活を送るボブのもとに、作家志望のラスという青年が訪ねてくる。彼はボブの父親アールの話が書きたくて、取材にやってきたという。
アールは元警官で、1955年に起こった逃走中の凶悪犯との銃撃戦で殉職していた。ボブが承諾して調べてみると、事件当日にある黒人の少女のレイプ殺人も起こっており、それにも父親が絡んでいることが分かった。さらに、父の死にも不審な影が・・・。
そして、ふたりがそれにまつわる調査を開始すると、何者かが過敏に反応した。彼らは、事件に隠された秘密が白日の下に晒されることを怖れ、先手をうってボブたちの行く手を阻もうとする。
本書はただ4部作の3作目というだけでなく、謎解きミステリーや政界の陰謀の要素まで含んだノンストップ・アクション巨編である。
『
五郎治殿御始末 (中公文庫)
』
中央公論新社
price :
¥620
release : 2006/01
出色
最近の浅田モノでは出色の短編集。
去り行く侍の時代に抗う「武士」の矜持。
「西向く侍」は名作。
是非、人目の無い場所で読まれることを。
『
本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥540
release : 1995/08
実は相当緻密に構成されている
さっと読める。さらさらと書いたかに見える。しかし、そんなはずはない。
深川の七不思議を題材として、まったく違う物語を展開している。最初から七不思議すべての構想があった上で書かれたのではないだろうか。そうでなくてはこうも首尾よくそれぞれの不思議がはまることはないと思う。はまり方もそれぞれに違う。見事なものだと思う。
会話があまりに現代の言葉に近いのに最初は少々抵抗を感じたが、それもすぐに慣れてしまう。いい物語を紡ぐ人だなぁ、と改めて感心。
『
続巷説百物語 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥900
release : 2005/02/24
質の高さにただただ驚き
2001年5月リリース。『嗤う伊右衛門』に登場した御行の又市を中心に据えた『怪』シリーズ第2弾。今月文庫化されたこの続編で第130回直木賞を受賞した『後巷説百物語』には付録として詳細な『巷説百物語シリーズ解説書』が添付されていて好事家には必須アイテムとなっている。
6編の短編で構成されているのだが5番目の『死神』へと向かう伏線のような構成になっていて、6番目の『老人火』はその後日談にもなり長編として捉えることも可能な『仕掛』になっている。問わず語りのように物語る京極節は絶好調で、変にトリックまで考えねばならない京極堂シリーズよりもむしろ無理なくストーリーを紡ぎ出している。その質の高さにただただ驚きである。京極夏彦は京極堂よりもきっとこっちが書きたいのだろう。
妖怪仕立てで御行奉為(おんぎょうしたてまつる)ってしまいたい巨悪は現代にもやたら眼につく。そんな時又市の鈴の音が鳴り、キレイにしてもらいたいなぁ、と読書と音楽にあけくれる若隠居百介のような僕も思う。『前巷説百物語』もリリースされたが、一番読みたいのは『巷説百物語』と『続巷説百物語』の間あたりの『中巷説百物語』かもしれない。出して欲しいなぁ。
『
誰か Somebody (カッパノベルス)
』
光文社
price :
¥900
release : 2005/08/20
ミステリーだけどミステリーっぽくない
宮部みゆきが、著書の言葉としてカバーに載せているが、曰く
人生に不足がない、あるいは、幸せな人生をおくっている探偵役というのは、ミステリーの世界ではなかなか珍しいような気がする―と、常々考えていました。
平凡でこれという取り得もなく、でも日常生活は安定していて、ほのぼのと幸せ。この作品はそういう人物が主人公です。
著者自身が述べているように、主人公自身にはこれといった特徴はなく、無害で平凡実直なだけが取り得というサラリーマンである。これがそもそもミステリーの主人公としては異色といえる。また、主人公がそういう感じであるため、ストーリーそのものも、決して劇的な展開はなく、ただただ、静かに進んでいく。かといって、安直なストーリー展開かといえばそうではない。話の内容自体は使い古されたものではあるが、見事な人物描写と、ありふれているからこそ、感情移入もしやすく、親しみやすい杉村三郎のキャラクターが、淡々と進んでいくストーリーを単調さから救ってくれている。宮部みゆきミステリーでは、だいたいにおいて、驚くような展開、結末が用意されているのが特徴であり、それがファンの心を捉えているが、この作品では良い意味でそれを見事に裏切ってくれる。
ただし、決してハッピーエンドでは終わらないので、どこかもやもやした気持ちを抱えてしまう事になるかもしれない。そんなところも、この作品の特徴といえば特徴であるともいえるが。
『
天狗風―霊験お初捕物控〈2〉 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥820
release : 2001/09
次作が早く読みたい!
主人公のお初は、現代でいえばサイキック、超能力者です。人には見えないものが見えたり、ものにふれるとそこに残っている持ち主の思いを読み取ったり、その不思議なチカラで事件の謎を解いていきます。
こういった設定は、ある意味なんでもありのストーリーになりがちで、だからこそキャラクターが魅力的でないとおもしろくないし、ラストをどういう風に持っていくか、というところが大事なわけですが、そこはさすが宮部みゆき、なのです。”おてんば”という言葉がぴったりのお初はとてもかわいらしいし、どこまでも不器用でまじめな右京之介、お初の兄夫婦や板前の加吉など、お初を取り巻く面々はとても人情にあふれ、魅力的な人たちです。
ストーリー展開もスピードがあり、けっこうな長編小説であるにもかかわらず、厚みを感じさせません。今回は人と会話ができる不思議な猫ちゃんたちも登場し、さらにおもしろくなっています。
お初と右京之介のふたりも、何となくいい雰囲気になっているし、早く次の作品が読みたいです。
『
真相 (双葉文庫)
』
双葉社
price :
¥630
release : 2006/10
隱れてゐる「眞實」
2003年に刊行された、横山秀夫の6作目の短篇集。
5作品が收録されてゐる。
いづれの作品も、ある出來事の裏に隱れてゐる「眞實」を描くことで共通してゐる。
「眞相」
10年前に息子を殺された事件の犯人が逮捕された。
そして、犯人の供述から明らかになつた息子の知られざる「顏」。
「18番ホール」
村長選に出馬した主人公の眞の動機は何か。
樂勝の筈だつた選擧戰が苦しい戰ひとなつてゆくとともに、主人公の過去が明かされてゆく。
「不眠」
リストラされた45歳の主人公のアルバイトは製藥會社の治驗藥の被驗者である。
その所爲で不眠症になつた主人公が眞夜中の散歩で目撃したのは・・・
「花輪の海」
「あなたにとつて、これまで一番嬉しかつたことは何ですか」
再就職の面接で聞かれた質問は、主人公に「友人が死んだ時」を思ひ出させた。
「他人の家」
前科のあることをインターネットで暴露され、住んでゐるアパートを追ひ出されることになつた夫婦。
彼らを助けてくれたのは、毎朝、贖罪のつもりでゴミ拾ひをしてゐる時に知合つた老人だつた。
老人の薦めで養子となり、老人が亡くなつた後、その老人の家に住むことになつた夫婦だつたが・・・
いづれの作品も讀みごたへのあるものだ。
表題作の「眞相」では、「妻」といふ存在の強さを思ひ知らされた氣がした。
「不眠」では、リストラされた中年のやるせなさを痛感させられた。
「他人の家」では、最後の「眞相」に驚かされたと同時に、この夫婦はこれからどのやうな人生を選擇するのだらうかと思はされた。
『
イナイ×イナイ
』
講談社
price :
¥945
release : 2007/05/10
とっても普通でした
今回の本のあらすじは、
「私の兄を捜していただきたいのです」
美術品鑑定を生業とする椙田事務所を訪れた黒衣の
美人・佐竹千鶴はこう切り出した。
都心の一等地に佇立する広大な佐竹屋敷、美しき
双子、数十年来、地下牢に閉じ込められているという
行方不明の兄・鎮夫。そして自ら“探偵”を名乗る男が
登場する。
旧家で渦巻く凄惨な事件の香り…。
新章開幕、Xシリーズ第1弾。
と、いうことですが、今までのシリーズに登場していた
人物が顔を出していたりして、今回は繋がりを印象付け
ているような気がしました。
だからでしょうか、事件といっても、いったって普通な
イメージで、これからどういう感じになるかが楽しみと
いったとろこです。
『
龍は眠る (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥780
release : 1995/01
うーん・・
終盤で一気に展開が進み面白くなったけど、それ以前が退屈に感じました。
超能力に関わる人への聞き込み回り が主で、なかなか進まない展開で 途中読むのが億劫になりました。
直也(超能力)を事件に関わらせる方法も無理やりな感じがありましたし・・
あと私は あの主役(?)の少年2人にどうも共感・感情移入できなくて; 逆にイラッっとくる事も多かったです。
いろいろ書きましたが とりあえず展開の進みが遅いのが一番堪えましたね;読後【おもしろかった】とは思えませんでした。
途中でもっとハラハラドキドキできる展開があれば嬉しかったです。
『
消された一家―北九州・連続監禁殺人事件
』
新潮社
price :
¥1,470
release : 2005/11
究極の洗脳マニュアルか・・・
この事件は深い・・・フツーの人間の持っている闇、その闇をコントロールする可能性を示唆する貴重な記録だ。あまりに危険すぎるので発禁扱いすべきかも。少なくとも読むのに資格を問うべきだろう。
『
ギリシア神話を知っていますか (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥420
release : 1984/01
ヨーロッパ文芸の奥行きを感じる!
トロイア王国のカッサンドラやアンドロマケ、
オデュッセウスの妻、ペネロペイア 等々、
「イリアス」「オデュッセイア」の世界に登場する魅力ある人物たちについて
阿刀田さん、現代文学まで連綿と続く様を、わかりやすく説明してくださっています。
「・・フランス演劇は過去に優れた古典劇の作品群を持ち、
文化の伝統としてもギリシア・ローマの影響を色濃く受け継いでいるので、
現代の劇作家もこうした古典を題材にしてそれをパロディ化し、
一つの枠の中で自分の演劇を展開する傾向を根強く持っている。」
アイスキュロス、ソポクレス、エウリピデス
モリエールやラシーヌのフランス演劇、
ジャン・ジロドウ「アンフィトリオン38」
ジャン・アヌイ「アンチゴーヌ」
サルトルの「蝿」、カミュの「シシュポスの神話」
「・・ヨーロッパ文芸の奥行きは深い。
その遠い源流にギリシア神話がある。
二十世紀の文芸を理解するためにもギリシア神話への配慮が必要だ。
オイディプスからアンティゴネまで、血なまぐさい一連のエピソードがいろいろな姿に
形を変えて現代に生きている。・・」
『
半落ち (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥620
release : 2005/09
人間が生きる動機
妻を殺して自首してきた現職警察官。
殺害に至る事情については素直に供述するのだが、殺害してから自首するまでの2日間については口を閉ざす。
なぜ完全に「落ち」ないのか。
この事件に關はる人物達の視點から描き出されて行く謎と眞實。
搜査一課指導官の視點、檢事の視點、新聞記者の視點、辯護士の視點、判事の視點、そして刑務官の視點。
最後にすべてが明らかになつた時、人間が生きる動機にはこのやうなこともあるのかと感銘をうける。
この作者の他の作品も讀んでみたくなつた。
・ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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