ミステリー・サスペンス・ハードボイルド:大ちゃんの本屋さん
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ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
DATE:
2007/09/08(土) 09:20
CATEGORY:
・ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
『
華胥の幽夢(ゆめ)―十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
』
講談社
price :
¥683
release : 2001/09/05
泰麒の悩み
十二国記の番外編・・・といったところでしょうか?
その中にある泰麒が初めてひとりでお出かけ(笑)をするお話に、泰麒はずっと抱えていた悩みにひとつの答えを見つけます。その泰麒の悩みは今自分が抱えている悩みにも似ていました。
自分は今ここにいる場所で役に立っているのだろうか?自分は非力で考えも及ばず皆に迷惑をかけていないか・・。立場は月とすっぽんのごとく違いますが、想像するだけで泰麒の悩みに胸がちくちくします。
「批判するだけなら簡単だ。大事なのはその先、批判したあとどうあるべきかを示さねば意味がない。」私の解釈ではこれが精一杯なのですが、これは響きました。
文句ばかり、批判ばかりするのは、本当に簡単だし、言っていて気持ちよくなったりします。
人はうつろっていく生き物で時には自信過剰になるし時に不安で居た堪れなくなる。人の傲慢さ、謙虚さ、大胆さ、儚さ、国というものとは・・・・など深く考えさせられる作品です。
ですが、本当に新刊がいつ出るのか待ちどうしい・・・。ある意味その気持ちを通り越して遠い目で待っている・・・・という感じでしょうかね・・・。でもあと4,5年とかだったら待ち死にしちゃいますYO!!!
『
風の万里 黎明の空(下) 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
』
講談社
price :
¥683
release : 1994/09
ただのファンタジーではない
陽子、祥瓊、鈴が合流。
市井の状態や、周りの皆は陽子が王と知らないままなので「王は何をしているのか」という王制の不満を陽子は目の当たりにし、陽子は自らの不甲斐なさに落ち込む一方で、王制に対抗する渦に自ら巻き込まれていきます。
ファンタジーとは爽快な部分が多いけれど、十二国記はその部分よりも「相応の物を手に入れるにはそれ以上の努力が必要で、手に入れた後も勤勉に務めなければそれは脆く崩れる」ということを学ばせてくれる一冊です。
ラストの陽子は格好いいですが、泰麒奪還の際の最後の扱いをみると、良き仲間は手に入れたものの、まだまだ陽子はこれからも苦労を強いられるんだなと思いました。
どこまでもハッピーエンドにはならない十二国記。
普通のファンタジーとはそこが違って、説教臭くないにも関わらず、読後色々と考えさせられます。
『
玻璃の天
』
文藝春秋
price :
¥1,250
release : 2007/04
宮部みゆき氏の講演会で知りました。
北村さんとはデビューがほとんど一緒で、いろいろなことを教えてもらっています
そのように、超売れっ子の宮部さんが言及された事を記憶している。
それでというわけではないが、ベストセラーになっているというので、読んでみた次第。
寝る前に床で読みはじめた。おもしろくてひきこまれっぱなし。表題の1作だけ読了した時点
で、翌朝このレビューをかいている。時代背景といい、よみやすい会話といい、登場人物といい、
江戸川乱歩もしたをまく(はずの)うまさである。
巻末にあった参考文献のうちの「東京物語」(朝吹登水子著)をよんでみるつもり。
『
まひるの月を追いかけて (文春文庫 お 42-1)
』
文藝春秋
price :
¥620
release : 2007/05
オープンエンディングです
静は三十代前半の女性である。
彼女には異母兄がいるが、その研吾が奈良で消息を絶ったので一緒に捜してくれないか。
研吾の彼女に頼まれて、静は優佳利とともに新幹線に乗り込んだ。
研吾はなぜ消息を絶ったか、生きているのか死んでしまったのか、殺されたのか。
「まひるの月」はオーソドックスなミステリではないと思う。
細かいどんでん返しが多く、先を予想して読むことがむずかしい。
2回ほどどんでん返しされたところで、ミステリを読んでいるという意識をやめて、物語の流れに身を任せてしまったら急に楽になった。
光の帝国(常野物語)シリーズとは関係ないのですが、常野物語の一部分を読んでいる錯覚を起こす。
どこか繋がって居るんじゃないかと思いながら読んでいた。
奈良という舞台だから、だろうか。
ところで、この物語はオープンエンディングなんですよね・・・
びしっと終止符を打っているように見えて、オープンエンディング。
これって、今までの物語はなんなのよ。 正直なところ少々ムッとしました。
『
光の帝国―常野物語 (集英社文庫)
』
集英社
price :
¥520
release : 2000/09
早すぎた
私が読むには早すぎた気がします。
悲しいことや、残酷なことばかりが頭から離れない。
けれど、それと同じくらいの優しさや温かさが同居してる。
なのに目を背けたくなる私には、やっぱり早すぎたんだ。
もう少したって、悲しみと優しさ、
両方にきちんと向かい合うことができたら
今度こそ星5つ。ごめんなさい。
素晴らしく優しい作品には変わりありませんので。
『
巷説百物語 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥660
release : 2003/06
【商品詳細】
泉鏡花賞受賞作『嗤う伊右衛門』にも登場する小股潜りの又市が、江戸の世を舞台に悪党を退治する時代小説の第1弾。デビュー作『姑獲鳥の夏』に始まる「憑き物落とし」中禅寺秋彦が活躍する作品群とは、また味わいの異なる妖怪シリーズだ。 寺への帰路で豪雨に見まわれ、やむなく途中のあばら屋に逃げ込んだ1人の僧。小屋には白装束の御行、人形遣いの女、そして初老の商人と若い男が居合せていた。雨宿りの余興に始まる「百物語」。一見無関係な怪談話は、意外な符号を伴って僧の心の内で形を成す。小屋の外では「しょり、しょり」と何者かが小豆を磨く音が。やがて僧は、恐るべき怪異と出会う…。 立ち現れるのは、江戸時代の絵師竹原春泉の『絵本百物語』に描かれる小豆洗い、白蔵主(はくぞうす)、舞首、芝右衛門狸、塩の長司、柳女、帷子辻(かたびらがつじ)の7妖怪。又市をはじめとする小悪党一味、山猫廻しのおぎん、事触れの治平らは巧妙な罠を十重二重(とえはたえ)に張り巡らせ、どうにも立ちゆかない事態を「妖怪」のしわざとして収める。著者自身の言葉を借りれば、本作は、難事件を「妖怪」と名づけて払い落とす中禅寺のシリーズの「裏返し」なのだそうだ。 又市は「悪党だから死んでもいいなンていううざってェ小理屈も俺達にゃァ関係ねェ」とうそぶく。そして「悲しいねぇ」と言葉を継ぐ。登場する妖怪たちは、人間の心の闇や業(ごう)が形を成した末の「悲しい姿」だ。そもそも春泉の『絵本百物語』は人間の醜い心を風刺したものでもある。その業を見据える又市の姿が、たんなる勧善懲悪の時代劇ではない深みを物語に与えている。(中島正敏)
面白い!だが……。
文庫といってもかなりの厚さで、その上それぞれ話によって雰囲気の明るさ、暗さがはっきりと分かれているため、暗い話が苦手な方は途中まで読んでもういいや、と諦めてしまうかもしれない。私はそうだった。
だが後半の話になるに連れて徐々に面白さが増していく。初めのほうの話ではほとんど「役」としてしか描かれなかった登場人物たちの背景やキャラクターにどんどん深みが出てくる。次も読みたい、と思われること間違いなしだ。
お勧めの話は「芝右衛門狸」「塩の長司」「柳女」「帷子辻」。
『
初恋
』
リトルモア
price :
¥1,680
release : 2002/02/15
去年のベスト1!
映画を見て、すぐに読みました。
非常に薄いことからすぐに読めるはず、と思っていました。
ところが1ページめくるごとに、反芻してかみしめたいようなきらきらした言葉が溢れていて、思春期のころの不安定な心の揺らぎのようなものが強烈に蘇ってきて、読みきるのに5日もかかってしまいました。
お話だけなら映画を見たので大筋はわかっています。けれども、この作者の文章がいやおうなしに「みすず」と同じころの自分を呼び起こし、前に進めなくなるのです。
この美しく繊細な文章に出会えたことが、去年一年間で一番の喜びでした。
本を読み終えると、きっとあなたにも、日本のどこかで一人60年代を生きている実行犯みすずの姿が見えると思います。
『
同級生 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥700
release : 1996/08
西原荘一の周りにおきる疑問を解いていく
宮前由希子が交通事故で亡くなった。それを探る主人公の西原荘一は、この交通事故に何か裏が隠されているのではないかと思い、それを調査する。
この主人公である西原荘一の周りにおきる謎というか疑問を解いていく。交通事故やそれから派生する謎を知っていく時に、物語がだんだん完結していく。キーマンは、水村緋絽子なんだろうか。まあ、ある意味ラブストーリーという言い方もできるかもしれない。序章の妹の春美のことも絡んできて、それは重々しいなあと感じるところである。
それにしても、灰藤にしても御崎にしても、陰湿で陰険なやつらだなという感じがしてならない。西原を陥れようとしたりするわけだから、これでも学校の先生かという感じがした。
それにしても、学校の先生の描き方が全員悪者のように描写されているのは、東野氏の学校の先生に対する思いからきているんだろうね。連中は自分たちのことを立派な人物だと錯覚していることに気づかないことに、辟易する。学校の先生ってそんなに尊敬できる人かい?という疑問は私もずっと持っていました。あとがきの話はすごく共感できるところが多かったですね。
『
探偵倶楽部 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥540
release : 2005/10/25
探偵倶楽部があくまでも脇役に徹する短編集
VIPからの依頼を専門に請けおう、会員制調査機関・探偵倶楽部をえがいた連作短編集。
この作品の特徴は、従来の探偵小説と異なり、探偵達の捜査活動を書いているわけではなく、探偵倶楽部があくまでも脇役に徹することである(彼らの氏名も結局明らかにされない)。探偵はあくまでも調査を依頼された事件をクールに調査して来るのみであり、その調査結果の使用方法については各章の主人公である依頼人にゆだねられている。それぞれの事件のプロットはよいので、あとはこの特徴的な設定に読者の側がなじめるか否かで評価が分かれると思う。私の感想としてはこの設定をうまく生かしている章もあれば、主人公の姿がうまくみえず、作品のメリハリがない章もあったように思う。
『
さまよう刃
』
朝日新聞社
price :
¥1,785
release : 2004/12
答えは・・・?
レイプされた父親の加害者(18才少年たち)に対する復讐である。
少年法への疑問を訴えかけているが、最後は無難に(わざと?)終わらせて著者の意向を曇らせていると感じた。
そこに、今一つ醒めて本を閉じてしまった。
しかし、この小説が我々に問う問題は見過ごしてはいけないのではないか。
現に騒がれている母子殺害事件なども・・・
まだまだ変わっていくには、長い時間がかかりそうですね。
法律ってなんだろう?
『
黒と茶の幻想 (上) (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥650
release : 2006/04/14
まさに恩田ワールド
「非日常」と「美しい謎」。まさにこれこそ恩田ワールドにぴったりのテーマじゃありませんか。学生時代の友人たちが、旅行に出かける。そこは俗世とはかけ離れた、太古の森を抱く島。謎にはぴったりの舞台が用意されている。
蒔生、彰彦、節子、利枝子の4人。ここに、これまた謎めいた存在の”梶原憂理”がどのようにからんでくるのか。上下巻、4部構成で、それぞれタイトルには登場人物の名がついている。タイトルとなっている人物の目を通して、物語が進んでいく。
誰が殺したとか、堂殺したとか、派手なトリックが出てくるわけではなく、かといって、ほんわかした、いわゆる”日常の謎”でもない物語。それぞれが無意識に、この旅で何かを解決しようとしている。それがなんなのか、旅に出た当初はわかっていないのだけれど、繰り返されるたわいもない会話のうちからおぼろげに見えて来る。
いつか行こうと思っているものの、なかなかいく機会に恵まれない。時間とかお金とか仕事の制約で。それが、ひょんなことから実現する瞬間というのは、それがその場所へ「行くべき時」が来たということなんだ、この4人はそれがわかっている。そこで何かが起こるということも。
謎というのは必ずしも解けばいいというものではなく、謎は謎のままのほうが美しい場合もある。それがわかっていながら、答えを探さずにはいられない。それによって苦しむかもしれないと、心の底ではわかっていながら、知らずにはいられない。人間ていうのは、不思議なものです。その答えを見つけることによって、この4人は、これからどんな人生を歩んでいくんだろう。
この物語の設定が、ひなびた温泉旅館なんかだったら、中年にさしかかろうという男女4人の、ただ過去を懐かしむような陳腐な物語になってしまうかもしれないところ、Y島という特殊な舞台だからこそ、雰囲気も盛り上がる。
一部に『麦の海に沈む果実』の風景が出てきて懐かしくなった。恩田作品を愛読している人にはおなじみでしょうが、どの作品も、随所に”おなじみ”のものが出てくるのです。それも、恩田作品の楽しみですよね。
早く下巻も読みたいです。憂理はどうなったんだろう?
『
鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)
』
集英社
price :
¥500
release : 2000/03
ラブレター
収録のラブレターがとにかく感動。
同タイトルで映画化もされました。
鉄道員が有名ですがこのラブレターも負けず劣らずのストーリー。
お嫁さんのまんま死んでもいいですか?
というポスターのコピーを見ただけで思い出し涙をしました。
『
闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉 (集英社文庫)
』
集英社
price :
¥540
release : 2002/06
人、斯くあるべし!
この作品には通せないと判っているけど筋を通したい、通さなきゃいけない、そんな信念みたいな物があると思います。特に、第一話「闇の花道」で自分たちの所為で銀二親分が罠にはまり、逮捕された事への仕返しに、目細一家の皆が自分たちの金を隣近所にばら撒く下りはスカっとしました。そして、松蔵の父親がごくつぶしだった為に、吉原に売られた姉・さよと運命的な再会をする話(前後編に分かれています)は、大体お決まり的なんですが、矢張り泣けます。笑えて泣けるピカレスクロマンが好きな人にお勧めです。
『
占星術殺人事件 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥750
release : 1987/07
色々あるけどやっぱり原点
島田氏の基本とも言える突拍子も無い謎と強引な解決法、
デビュー作にて既にその手法は確立されています。
冒頭文長い・京都観光案内・閃きすぎの御手洗潔など、
文句をつけたい点は結構あるのですが何故かスーっと読めてしまう。
しかし、二度にわたって読者への挑戦状ページを作らなくてもいいとは思いますが
(笑)
『
風の万里 黎明の空〈上〉十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
』
講談社
price :
¥683
release : 1994/07
人それぞれの迷い方。
前半は景王・陽子を含めた3人の少女が出会うまでの道のりを書いてます。
王になり民を先導していかなければいけないが官吏にも小馬鹿にされままならない陽子、海客で虐げられ続けられる鈴、公主の立場から一転どん底に突き落とされた祥瓊、、、一見可哀想と思えるのですが実はそうではなく共通していることは「知らないからやらなかった。」「わからなかったからやらなかった」で済まそうとしていることです。それが如実にでているので「月の影」の前半の陽子が3倍になったようですごくイライラされました。陽子はそれでも経験があるのでいち早く気付き慶の実情を知ろうとしたのでまだましなほうですが、、。
知らなければ知ろうという心は彼女達の心に芽生えなく取り返しのつかないことが起こるまで気付かないのはなんとも愚かだと思います。現実世界にも少なからず彼女達のような人間はいるので彼女達の言い訳がましさ、エンホの教え、などを読んでいると何となく身をあらためさせられるようです。
『
ハサミ男 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥770
release : 2002/08
( =ω=.)<かがみを見てれば 犯人なんて一目瞭然だョ
( =ω=.)<犯人のコードネームはハサミ男って出てるけど、なんで男って分かるの?
犯人、分からないんでしょ?
(;//Д//)<・・・・ぇ?まあ・・そうだね
( =ω=.)<この太ったところを気にしているの・・かがみにそっくりだネ・・
犯人の思考・・・
(;//Д//)<・・・・・・・悪かったわね・・。
( =ω=.)<文章も下手クソだし、意外性もなさそうだから。返すョ。
(;//Д//)<・・・・・
『
ブレイブ・ストーリー~新説 16 (16)
』
新潮社
price :
¥530
release : 2007/06/08
おもしろい!
最終章に入っていよいよ終わりに近付いた感があります
ついにソレブリアで相見るワタルとミツル、いいですね?
最初にこの漫画が連載されると聞いた時は嫌な気分になりました
ワタルが幻界に旅立つまでは結構微妙な出来だとも思っていましたが
それなりに見れる様になって来て面白いと思う様にもなりました
原作の焼き直し的に作られる作品は個人的に好きになれないので
小野さんなりに作ってくれたからこそ面白いと思ったのだと考えています
自分は原作を読んでいたんですけど変えてくれて良かったと思います
原作を知っている人には
原作を引っ張って来ないで見て欲しいですね
『
風の海 迷宮の岸(下) 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
』
講談社
price :
¥462
release : 1993/04
子供故に。
王を選ぶ時がせまりつつあるのに転変も叶わず「麒麟」であるべきかと悩む泰麒。そうしているうち昇山の日を迎えある日、他の者とは何かが違う驍宗に出会う。
「畏怖」の気持ちを単なる「恐れ」と受け取り、驍宗を守るためろくに使令も持たない泰麒が「守りたく」て誰にも使令に下せない妖魔に挑み、「お別れしたくなく」てがむしゃらに驍宗のあとを追う、、、なんてやっぱり10歳の子供なんだなぁとその純真無垢な心が何とも優しくそして痛々しかったです。
後半から終章も今まで以上に思い責務が泰麒にかかり悩みますがそれを克服した後は泰麒が一回り大きく成長したようで戴国のためにひいては十二国のためにどう活躍するのか期待です。
『
少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉 (文春文庫)
』
文藝春秋
price :
¥570
release : 2002/05
普通におもしろい!
おもしろいです。
ほんとよくできている。
軽いノリで読めて、でもどこかスパイスがちゃんとちりばめられているっていう、
そのバランス感覚がいい。
浅はかすぎないけど軽く読める娯楽小説として、
完成されたシリーズ。
読む本がない方はぜひおすすめします。
『
黒と茶の幻想 (下) (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥650
release : 2006/04/14
物語、小説の価値を味わえる文句なしの秀作
エンターテイメントでありながらも、人物描写が素晴らしい。
「自己」というものが、いかに多面的で不確かであるかについて描きつつ、
なぜ人が互いに惹かれ合い、嫌悪し合うのかといった関係性の妙、
人生の綾についても、男女4人の語りを通して鮮やかに浮かび上がらせる。
むろん、人生の実像は期待はずれや失望、いたずらの連続である。
それこそ、「小説」のように甘美なものではない。
しかし、この4人のひとたちの、なんと愛おしいことか。
太古の森の彩りに負けず劣らず、人間の泥臭さといったもののがいかに
慈しくひかりに満ちているか、この小説は教えてくれる。
『
白昼の死角 (光文社文庫)
』
光文社
price :
¥1,200
release : 2005/08
神も悪魔も恐れざる男
「法は正義ではない、法は力である
私はそれを実証してみせる
神も悪魔も恐れざる男 鶴岡七郎」
冒頭に記されたこの言葉から、皆さんは何を連想するでしょうか?
自らの中に潜んだどす黒い悪の本性を燃え上がる炎の中から感じ取った鶴岡
舞台は戦後の混乱期、システムが行き届いた現在ではその現実性は少ないとは思いますが主人公の犯罪者としての心の動きと彼を取り巻く周りに人間模様
犯罪小説史上に残る傑作です
『
悠悠おもちゃライフ (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥790
release : 2007/07/14
『
疾走 下 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥620
release : 2005/05/25
救いはあるか?激烈な人生。
主人公は言葉に絶望しながらも、最後まで「言葉」を捨てられない。彼にとっての「聖書」は超越的な存在としての「神」ではない。「言葉」そのもの。「ことばとはなんだろう」主人公はかつて問ういました。彼が最後のギリギリの場面で聞いたのも、見ず知らずの者の「言葉」でした。
物語に救いはあったか、彼は、救われたのか。彼の存在そのものを許して、信じていた存在。人生が、ここまで堕ちるほどに、人間がここまで壊れるほどに酷くないならば、確かに救いの手はあるのかもしれません。
『
数学的にありえない〈下〉
』
文藝春秋
price :
¥2,200
release : 2006/08
スッキリの下巻。でもラストは…
上巻のフラストレーションをまとめ上げ、一気に読ませるところが、本書の醍醐味と言えましょう。
さえない兄弟の成長(質的変化?)に拍手。
でも、ラストは…?(すべて、お見通しだったの)最後に腰砕けの感想です。
『
天使の耳 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥560
release : 1995/07
身近な交通事故を題材とした短編集
今回は、東野圭吾『天使の耳』を紹介します。本書は、身近な交通事故を題材とした短編集です。意外とドキッとするなあという印象はあります。どうにでも転がっていくからね。一つ一つの短編の内容は濃いですね。
以下は、6篇の短編集を紹介します。
・天使の耳:眼が見えない女性が、兄貴の無実をその女性の耳のよさで証明していく話。
・分離帯:突如の飛び出しによって、事故が起きる話。飛び出したアウディの持ち主を探す。印象的な言葉は、「法律は何かほんの少しずれるだけで、敵にも見方にもなる。」ですね。
・危険な若葉:若葉マークをつけた女性が衝突事故にあって、そのきっかけになった後ろからあおった人を懲らしめる。
・通りゃんせ:路上駐車の話。急病の子供を病院に連れて行こうとしたときに、路上駐車にあって、到着が後れた結果子供がなくなる。その復讐をしようとし、行動する。
・捨てないで:車からのポイ捨てによって視力を失うという被害を受け、その犯人を見つける話。犯人を見つけようとすると、別の事件に間接的に遭遇することになる。
・鏡の中で:監督が身代わりとなって、容疑者になる話と日本(左側通行)と海外(右側通行)の違いの話。
何か身近すぎて何ともいえないなあという感じがするが、私は天使の耳が一番良かったなあと思いました。一番ぞっとするなあというか、その女性の策略が怖いなあと思いました。そういう点で、いろいろ想像して読むことができるのがいいかなと思います。
『
残照 (ハルキ文庫)
』
角川春樹事務所
price :
¥672
release : 2003/11
”ベイエリア分署シリーズ”速見編
いわゆる警察ミステリを得意とする著者の、安積係長率いる“ベイエリア分署シリーズ”の1冊です。普段は準レギュラー的扱いの、交通機動隊の速水氏が主役を張っており、シリーズの中でもやや趣を異にする物語です。
速水氏が主役なだけに、どちらかというと事件の捜査よりもカーチェイス等の要素が強いです。
著者のキャラ造形はいつも独特ですが、今回、何といっても、物語の鍵を握る一匹狼の少年「風間智也」が凛としてかっこいいです。
残照とは、日が沈んでからも雲などに照り映えて残っている光、夕日の光をいうそうです。安積係長は、大人たちは少年少女に責任がある、という。言葉で示す必要はないが、生きていく姿勢を示し、闇を光で照らすように導く責任があると。それが例え、残照のような淡い光であっても…。
常に自分を律し、自分の行動の是非を問い、相手の年齢に惑わされず少年であっても認めるべきところは認め、偏見をもっていたら謝罪する…。本人が“大人になりきれない”と言い切るその生き方は、不器用で誠実な、誇り高い大人の生き様――そんな風に思いました。
警察ミステリといっても、人間ドラマの要素の強いこのシリーズ。今回も魅せてくれます。
『
贈る物語 Terror みんな怖い話が大好き (光文社文庫)
』
光文社
price :
¥720
release : 2006/12/07
魅力いっぱいの水先案内文に導かれて・・・
本書の水先案内人を務める宮部みゆきさんの文章が、その作品のツボを押さえた上質の紹介文になっていたところが、まず魅力的でしたね。宮部さんが編集した『松本清張傑作短篇コレクション』の上中下巻の三冊での案内文も読みごたえがあったけれど、本書での司会進行ぶりも実に素晴らしかった。その底に、「こんなに怖くて面白いんだよ。おすすめしないじゃいられません」という気持ちがこもっているからでしょう。その物語を読む前からわくわくさせてくれる、魔法の呪文みたいな案内文が素敵でした。
収録された英米のホラー小説は、ジャンジャジャーーーン♪ 次の作品たちです。
◎W・W・ジェイコブズ「猿の手」 ◎H・R・ウェイクフィールド「幽霊(ゴースト)ハント」 ◎デイヴィッド・マレル「オレンジは苦悩、ブルーは狂気」 ◎フレデリック・マリヤット「人狼」 ◎ピーター・フレミング「獲物」 ◎リチャード・ミドルトン「羊飼いの息子」 ◎J・D・ベリスフォード「のど斬り農場」 ◎ジョー・R・ランズデール「デトロイトにゆかりのない車」 ロバート・L・フィッシュ「橋は別にして」 ◎オーガスト・ダーレス「淋しい場所」 ◎W・デ・ラ・メア「なぞ」 ◎フィリップ・K・ディック「変種第二号」 ◎シャーリー・ジャクスン「くじ」 ◎ジョイス・キャロル・オーツ「パラダイス・モーテルにて」
生き生きとして親しみやすい紹介文に導かれて舞台に登場する作品たちも、心なしか誇らしげで、「いっちょ、怖がらせてくれるどっ」と張り切っているようにも見えました(笑)
『
硝子の殺人者―東京ベイエリア分署 (ハルキ文庫)
』
角川春樹事務所
price :
¥714
release : 2006/09
警察小説ファンなら安心して読めます
安積警部補のシリーズは、多数出版されているので、わけがわからなくなってきたが、これは、初期の東京湾臨海署の話だと思われる。
(同シリーズは、東京湾臨海署がいったん閉鎖されて神南署に異動し、さらに再建された臨海署に戻る)
シリーズでおなじみの須田、黒木、村雨、速水などが登場するが、今回は速水の出番は控えめ。
ある脚本家が殺され、暴力団の一員が容疑者として逮捕される。
しかし、この脚本家と暴力団のつながりが見えない上に、事件当日に被害者は別の人気脚本家と会う約束をしていた。
捜査本部の方針に疑問を抱いた安積らは、人気脚本家に疑いを抱いて捜査の手を伸ばす。しかし、この人気脚本家の父親は政界の大物で・・・。
警察小説、ミステリに必要な要素はすべて盛り込んであり、適度なボリュームで抑えてある。
毎度のことながら、このシリーズの肝は謎解きではなく、刑事たちの人間ドラマなので、そっちのほうが読みどころです。
『
神南署安積班 (ハルキ文庫)
』
角川春樹事務所
price :
¥672
release : 2001/12
みんないい味出してます
安積シリーズの短編集。
ベイエリア分署は計画が頓挫し、この本では神南署に異動していますが、安積班のメンツは相変わらず。
敏捷なアスリートのような黒木、太っちょでパソコンおたくの須田、神経質で型にはまったタイプの村雨、村雨に教育されて個性を失いつつある若手の桜井・・・。
おなじみ、交通課の速水係長も活躍します。
このシリーズの魅力は、事件の謎よりも、むしろ個性的な刑事たちの内面にスポットを当てていること。
「異動」は、新聞記者の他愛のない人事異動のうわさ話を聞いた刑事が、「自分は評価されてないのではないか。安積班から異動させられるのではないか」と悩み、アピールしようと無謀な行動に出る話。
「夜回り」は、部下が美人記者と一緒にいるところを目撃され、その後その美人記者がスクープ記事を書く。主人公の安積は情報を漏らしたのが部下ではないか、と思い悩む・・・。
話ごとに主人公が変わり、それぞれのキャラの魅力が際だつ作りになっています。
噛めば噛むほど味の出るスルメのようなこのシリーズ。
派手さはないですが、刑事小説好きにはオススメです。
『
しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥420
release : 1987/07
すばらしい。420円は安すぎる(笑)
この手のものをマジックグッズとして販売したら、どんなに安く見積もっても8000円はくだらない。数万円しても不思議ではない。マジックグッズというのはそう言うモノ。それが420円とは……さすが、としか言いようがない。マジシャン兼推理作家だからできたことであって、世界中のどのマジシャンにも絶対になし得なかった作品。
『
春期限定いちごタルト事件 (創元推理文庫)
』
東京創元社
price :
¥609
release : 2004/12/18
非常にいい
創元推理文庫から出ている一冊なんですが、本屋さんで見たとき、その表紙のラブリーさ具合にかなり気になったんですが、その時はちょうど読みたい本が何冊かあったのでスルーしました。それが最近、その本の続編の「夏季限定」の紹介をブログ(で読ませていただいて、やっぱこれは買うしかないと思い、買って来ました。
で、読みました。
読んでみた感想が、実にこれがよかったのです!
主人公は、初々しい高校一年生の男女が一組。二人とも、なぜだかどうしてか「小市民」を目指しているのですが、日常のさまざまな謎に関して名推理をほぼ無意識にしてしまうくらい頭脳は明晰。
その二人が出会う日常やちょっとした謎を解き明かしていく謎解きの本格さ加減にミステリファンとしては高いポイントをつけざるを得ないし、なにより青春小説としてくすぐったくなるぐらいに純度が高く、またキャラクターの造型が非常によいです。特にヒロインの小佐内ゆきさんが非常によいキャラクターなのです。
すごく恥ずかしがりで、人見知りで、何かあるとすぐに主人公の陰に隠れる内向的な感じの小さな女の子なのですが、食べ物、特に甘いものに関しては鋼鉄の底なしの胃袋をもっていて食べるときにだけすごく幸せそうな顔をするんです。萌え要素が非常に高いですね。そして、それだけでなく、彼女には本作で少しだけほのめかされる凄い過去があるらしく、、、続きがとても気になります。
ある意味、文系男子の理想像に近い、萌え要素の非常に高いヒロインがいて、そして謎解きがとても本格的で、青春もの。これは読まずにはいられない、読まなきゃ損の一冊ですね。
おすすめの度合いや雰囲気としては、ちょっと違うけれど、理想っぽい女性が出て来て人が死なないものの本格ミステリということで北村薫さんの「私」シリーズが一番近いでしょうか。文句なくお勧めですね。こういう頭のよい女の子のキャラクターって好きだなぁ。
『
名探偵のコーヒーのいれ方 コクと深みの名推理1 (ランダムハウス講談社文庫)
』
ランダムハウス講談社
price :
¥882
release : 2006/10/02
本を閉じたくないっ(>_<)
途中でカフェオレとオレオを用意してムグムグしちゃいました(^-^)
読んでると無性にコーヒー飲みたくなります。普段はそんなに好きじゃないのに(^_^;)だから絶対に準備しておいてた方がいいです。
ミステリー書店シリーズの続きを期待してましたがこれはこれですんごく良かったです。
小柄でコーヒーを心から愛する主人公とセクシーな元夫、この事件で知り合ったクィン警部補の三角関係(?!)も気になります。次作が待ち遠しいです。
クッキングママシリーズやステファニーシリーズ好きな人にはオススメです。
『
疾走 上 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥660
release : 2005/05/25
ひとり
ひとりで生きるしかなくなった状況の中で、まだ中学生という幼さからくるのか彼(シュウジ)はそれでも人と繋がることを欲する。誰かと孤独を分かり合いたい。僕も、常に自分はひとりだと感じているが、誰かと繋がりたいとはもう思っていない。それは、僕はシュウジより幾分、時間を重ねているからであろうか、それとも僕はアナボコのような目をしているからだろうか。
『
風の海 迷宮の岸〈上〉 十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
』
講談社
price :
¥462
release : 1993/03
「麒麟」を主人公にしたシリーズ第2作目
読者から厚い支持を受ける『十二国記』シリーズの第2作目である。
この作品は、前作『月の影 影の海』のストーリーを純粋に継承しているわけではないが、十二国記の世界観を形づくるのに重要な存在である「麒麟」の性質や地位が、詳細に説明される作品である。
よって、シリーズを読破するなら早い段階で読んでおくべき作品といえる。
また、主人公の麒麟は、蓬莱生活が長かったために麒麟としての真価を発揮できないが、繊細で素直な心持ちによって日々成長していく姿に心打たれる。
空想上の動物である麒麟の姿は、文章だけではなかなか想像できないが、適切な箇所に挿入された山田章博のイラストがそれを補ってくれる。
『
LAST (ラスト) (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥560
release : 2005/08/12
短編 < LAST > 長編
短編集って面白さが個々にバラけがちだけど、結構全体的に楽しめた。
『LAST?』で全体をくくることで、一貫性があって、あまり短編とゆうことを
意識させられなかったのも良い部分だと思う。
内容は暗めですが、なぜかワクワクさせられました。
『
文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥1,360
release : 2002/09
傑作。
シリーズ第5弾である本作に関連する題材は、フェミニズム・心理学(精神分析)・悪魔学・民俗学(特に夜這い)というところか。
特に本書では女性の登場人物が多く、京極夏彦氏のフェミニズムに対する考え方が見て取れて興味深い。
そして、作中に出てくる夜這いについての考え方にはおそらく賛否両論あると思われるので、事前にそういった関連の知識をつけておくとより興味深く読めるかもしれない。
シリーズ中最長ということもあってか、ちょっと冗長過ぎるかも・・・というところは流石にあるが、それでもこれだけの分量を読者に楽しく読ませてしまう筆力は本当に凄い。
現代の日本の作家の、他の誰にこんなことができるだろうか。
個人的に関口がほとんど出てこない点が少し残念なぐらいで、他に欠点は見当たらない傑作。
『
超・殺人事件―推理作家の苦悩 (新潮文庫)
』
新潮社
price :
¥460
release : 2004/04
“幻の”デビュー作を…
読んでみて「東野さんがこんなの書いて大丈夫かいな?」と思いましたが、そんな事も吹っ飛んでしまう名作(迷作?)でした。
個人的に「超高齢化社会殺人事件」「超読書機械殺人事件」がお気に入りです。特に後者は意外と考えさせられる作品でした。(内容は読んでみてのお楽しみという事で)
あと「超長編小説殺人事件」である作品が使われていますね。
『
百器徒然袋 風 (講談社ノベルス)
』
講談社
price :
¥1,365
release : 2004/07/06
小市民の吐露
番外編榎木津シリーズ第2弾。前作同様面白い。民族学な薀蓄も感心する。「今昔続百鬼」もそうだけど、文体の面で作者のおふざけモードがさらに加速している気もする。普通人の主人公が誰もが心に思っても口に出さない毒を文章でしつこく主人公に吐露させているのでそうなる。まあ変な例えで言うと、ドラえもんに人の考えている事が分かる機械を借りて「今昔」や「本作」の主人公の頭の中を見ている様な部分が多いから作品が長くなる。凡人の主人公達は心の中で思うだけだけど、榎木津はそれをそのまま口にする。三話目の「面霊気」でのテーマは「仮面」だけど、それを踏まえてこの話を読むと榎木津が神や妖怪の如き者から一気に普通の人として感じられるでしょう。作品のテーマ上そういうオチになるのは必然だったが、個人的には榎木津のキャラを少し確立させてしまった気もして心配にもなるが、中々感動的なラストになっている。
『
アフリカの蹄 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥700
release : 1997/07
南アフリカの夜明け前
5年程前、ヨハネスバーグの空港から市内へ向かう道で唖然としたことがあります。先には摩天楼、道ばたにはスラムが続き、夕餉準備をする為の薪をたく煙が立ちあがっていたからです。アパルトヘイトが撤廃されて10年で、まだこうなのか!と思ったのです。この小説の舞台は更にさかのぼること10年(多分)。黒人解放運動の黎明期を舞台に、心臓移植術の研修に来た日本の外科医が、黒人のおかれた立場を見るにつれて同情心を持ち、スラムの診療所で見たものは、死いいたる発疹性疾患。ここから医学ミステリーとも、冒険小説とも言える展開で物語がすすんで行きます。当時の状況を彷彿させる小説で、やや荒唐無稽とも言える話しですが、緊張感を感じさせながらも読者を引きつける筆力はさすが。十分に楽しめる小説としてお勧めします。
『
聖なる黒夜〈上〉 (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥860
release : 2006/10
こんな作品も書くんですね
柴田さんの作品はClose to youから読み始めました。その後、観覧車やMiss youなど、シリーズものじゃないものを選んで4?5冊読んだと思います。
この本もシリーズものとは知らずに、評価がよいので手にとってみました。
まず私が今まで読んできた柴田さんの作品とあまりに違うタッチで驚きました!考えてみれば、これまでは女性が主人公で女性の一人称で語られるものばかり読んでいました。それがいきなりの男性視点、描かれてる世界も…。まるで別の作家の作品みたい…例えば…そう、高村薫を読みやすくしたような。まわりくどい描写を直接的な表現に変えたような感じ?あ、私は高村薫の全作品を読んでいるファンです。
改めて、柴田さんの力量を感じました。話そのものも二転三転してグイグイラストまで引っ張って行きますし、麻生や連らの終わらない苦しみが徐々に自分にものしかかってくるような、ただよく出来た話というだけではない、心に何かを落として行く作品だと思います。
これまでは柴田さんは女性の心理を丁寧になぞったミステリーを書く人、という印象でしたが、この作品で大きく印象が変わりました。いきなり新しい色を投げ込まれて何色っていう判断が出来なくなりました(笑)。これから注目していこうと思います。
『
クリムゾンの迷宮
』
角川書店
price :
¥672
release : 1999/04
それはないだろ、というような設定も見事にリアル
こんなに結末が気になってしょうがない小説は初めてでした。
怖いけど、ものすごく面白い。次の日仕事なので寝る前にち
ょっとだけ読むつもりが次々ページをめくってしまい、なか
なかやめられませんでした。
しかも読んだら読んだで怖くて眠れなくなり、明け方うっす
ら寝たら寝たで怖い夢を見ました…。
この本を読みはじめるのは時間に余裕があるときをおすすめ
します。こんなに中だるみしない小説は他にないのではない
でしょうか。途中でやめるタイミングがはかれない本です。
『
赤川次郎の文楽入門―人形は口ほどにものを言い (小学館文庫 あ 7-1)
』
小学館
price :
¥560
release : 2007/08
『
黄昏の岸 暁の天(そら)〈下〉―十二国記 講談社X文庫―ホワイトハート
』
講談社
price :
¥557
release : 2001/05
一筋の光。
李斎は西王母にすら叫ぶー天や天帝の存在があるなら、仁をしめせと唱えた者がどうして戴を見殺しにしておくのか、と。
「天」が存在する・しないにしろ何故貧しく日々苦しんでいる民や李斎のような人達を救わないのか?間違っているかもしれませんがそれは一度でも「天」のような存在が人間を助けてしまうと、人間は本来甘やかされると自分でするという努力を怠り、自分でできることでもそれに頼ってしまうから、ではないでしょうか?それに陽子のように胎果で現実世界のような助け合う精神があるなき無きに関わらず今回の麒麟達・王達同士が集い助け合うことでやり遂げられることで人間は協力ということができる。だから「天」はあえて要請のない王が他国に兵を連れて踏み込むと罪、にして自発的に学ばせるためかな、と私は思ったりもしています。
そういう話もさることながら今回は愉快な(?)麒麟達と王達がでてきたので面白かったです。まあ言わずとしれた氾王と氾麟。一体この強烈なキャラは何なんだ、とクスっと笑いました。それに振り回されるショウケイもチョイ役ですがよかった。陽子達の周りもお馴染みの人達に揃えられているし。泰麒も、、それは読んでのお楽しみです。
2001年から新刊がでていない状況でいつでるのかもわからない。この先あの2人の帰還の行く末を見てみたいのにそれができない歯痒さ。1、2ヶ月待てばいい世界ではないので読み返しをすることでやり過ごします、、、。なんだか未完の気配がするのですが。なかなか読み応えのある一冊でした。
『
文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥1,360
release : 2001/09
読めば「禅」の理解が確実に進む。
シリーズ第4弾である今作は仏教、それも禅宗がテーマである。
個人的にはシリーズ中、『魍魎の匣』に次ぐ面白さだと思うのだが、おそらくこの作品は京極堂シリーズが好きな人でも好みがわかれるだろう。
まず、見た目からすぐ判断できるように、とても長い。
そして単に長いだけならまだしも、扱う内容が上記の通り「禅」なので、
興味を持てない人は読んでてただしんどい部分がかなりあると思う(笑)
逆にそれが禅や宗教に興味がある人だと面白いことしか書いていない、と感じる程の出来。
禅だけでなく、寺院で生活している人の生活がリアルに描かれているので、本作を読んだ後、京都や高野山をまわると余計に風情が理解できるようになった、と感じたぐらいだ。
文庫版の解説は、禅を本格的に研究している方が書いているのだが、それによると
京極堂の(つまり京極夏彦氏の)禅の本質についての理解は、正にその本格的な禅の研究者と
同じぐらいのレベルまでに達しているらしい(笑)
確かに、つまらん禅の解説書を読むよりも、本作を読んだ方が絶対にわかりやすいと思う。
つまり、これだけ面白い上に読んだ後は禅の本質が理解できてしまうという、(人によっては)嬉しい副次的効果を本作は持っているということだ。
個人的にはもっとそこに焦点が当てられて、もっともっと本作が評価されても良いんじゃないかなあと思う。
何度でも何度でも読みたい。
『
半島を出よ (上)
』
幻冬舎
price :
¥1,890
release : 2005/03/25
リアルなシミュレーションと壮大な物語
この「半島を出よ」という作品は、上巻と下巻で少しスタイルが違っていて、上巻が徹底的にリアルな想像を元に執筆された話であり、下巻はエンターテイメント性を重視した物語へと展開される。それ故、若干上巻・下巻で読者として戸惑ってしまう部分はあったが、全体的にとても楽しむ事が出来た。話のボリュームは多いけれど、作品通してスリリングな展開が広がり、飽きずに読ませてしまうのはやはり流石だと感じた。
この上巻は北朝鮮が日本でテロを起こす事がメインで描かれているが、これに関しては非常に緻密な情報収集を行った上での、一種のシミュレーションといった感じで、前述したように、話が現在の日本の状況に即していて、とてもリアルな緊張感に満ち溢れている。村上龍の戦争小説として、「愛と幻想のファシズム」や「五分後の世界」といったものは、ある条件を最初に設定しておく事で、物語を構成していた故に、読んでいて現実感というものがとても遠くにあった気がするのだが、この小説はとてもタイムリーな話題ゆえ、僕自身、身の毛のよだつような、恐怖を感じる事が出来た。
特筆されるべき点は、様々な人々の目線より作品が構成されていく所だろうと思う。政治家、一般市民、北朝鮮の兵士、マスメディア、社会からはみ出したもの達等、それぞれの価値観の違いがあり、優先するべきものも違う。そういった中で発生する、ほんの少しの認識のズレが、様々な問題を引き起こし、事態はどんどん悪化していく事になる。実際僕がこの人だったら、どういう行動を取ったのだろう?そういった想像をしながら読んでいくと、やはりこの小説に出てくる人々と同じ行動を取らざるを得なかったのではないか?そんな風にも感じさせられる。本当に取らなくてはならない行動を示されていても、それぞれの立場でモノを考えると、とてもややこしい問題が数多く存在し、正しい行動に繋がっていかないように思う。そういう意味で色々と僕自身も考えさせられる事となった。
多くの情報量を含み、読者に飽きさせない緊張感を作品中に張り巡らせた、村上龍の渾身の作品であるように思う。読んで決して損は無い小説だと思う。
『
三月は深き紅の淵を (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥700
release : 2001/07
娯楽作品として、いかがでしょうか?
3つ目の『虹と雲と鳥と』はおもしろかったし、1つ目の『待っている人々』も良かった。
4つの話のオムニバス。
すべてがつながっていて、1冊の本をめぐっての物語となっている。
それが、イコール表題作であり、その本の内容と、この本の内容が、リンクしていて、登場人物なんかが、微妙に似ている。
ちょっと企画ものとして書かれているようで、物足りなさは否めないが・・・。
娯楽作品として読んではいかがでしょうか。
『
魍魎の匣―文庫版 (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥1,090
release : 1999/09
第2弾にして、早くもシリーズ最高の出来。
京極堂シリーズ第2弾。
シリーズ第1弾『姑獲鳥の夏』で表された登場人物それぞれのキャラクターが、
この作品でより濃くなり、固まっていく感じなので、やはり本書を読む前には
『姑獲鳥の夏』は読んでおきたい(もちろん、本書を独立して読んでも十分に楽しめる)。
このシリーズ(というか京極夏彦氏)は、本当に多様な分野を扱ったストーリーを描く。
作者自身はどういう意図でこのシリーズを書いているのかわからないけれど、
個人的にはこのシリーズは啓蒙の書だと思っている。
つまらん常識を覆す、という意味で。
特に本書は、(メインテーマとは少しズレるけれど)一般的な「犯罪者に対するイメージ」
を覆そうとする作者の意図がよく見て取れる。そういう意味で、できる限り多くの人が本書を読んで欲しいなあと思う。
評者は、テレビのコメンテーターやなんかが犯罪者を異常者扱いするのを観て、さらにそれらを無批判に受け入れる人間をみて、毎度ムカついているタイプなので、同じような方は本書に共感できるところが多いはずであるし。
評者は推理小説が好き、というわけではないので、本書のトリックや推理が推理小説として
成功しているかどうかはわからない(この点、他のレビューでは良い風に評価していないものもあるようだ)。
ただ、ストーリーの奇抜さ、それに伴ってついてくる知識、ボリュームがあるのに一文の無駄も無い構成etc...秀作が多いこのシリーズの中でも、本書の「面白さレベル」は群を抜いていると思われる。
個人的にはシリーズ最高の出来。
なぜ商品の評価を「星5つ」までにしかできないのだろう・・・残念。
『
女子大生会計士の事件簿 Dx.3 神様のゲームセンター (角川文庫)
』
角川書店
price :
¥580
release : 2005/09/22
らしくないゾ!萌っち
‘さお屋’の山田さん著、女子大生会計士シリーズ。
会計用語は難しいですが、会社のお金のしくみを知りたい人にはよいと思います。
しかし!今回のエピソード‘天使のウィルス’はちょっと…。
パソコンのウィルス製作は犯罪だと思います。どんな背景があってもまずいのではないでしょうか?
他のエピソードでは自分なりの‘正義’に悩む主人公、萌っちが、あまりにも簡単に考えている様は残念です。
『
パラレルワールド・ラブストーリー (講談社文庫)
』
講談社
price :
¥780
release : 1998/03
ディック的な立派なSF作品だ
冒頭から最後まで「饒舌なフィリップ・K・ディック」と言う印象がいつまでも抜けなかった。ディックに比べると恋愛がらみで情緒的な面が強いのだが、立派なSF作品だ。SF的な着想や仕組みはそれほど大がかりではないが、良くできていると感じた。
時系列が錯綜した構成で、更に虚実が混じっているので、読んでいても疑心暗鬼にかられてしまう。そこが非常に面白い。
タイトルがややソフトすぎるのと、この作家のファンが本書をSFとして読んでくれるのかどうかが心配だ。
『
シャーロック・ホームズの冒険―新訳シャーロック・ホームズ全集 (光文社文庫)
』
光文社
price :
¥880
release : 2006/01
時代背景にも理解が深まる良書
「シャーロック・ホームズの冒険」は、子供の頃から訳者の違う数種類のものを
読んだことがあったが、いずれも十年以上前の話。
せっかく新訳が出たのだからと、軽い気持ちで手に取ったのが本書だったのだが、
思いの外楽しい思いをさせていただいた。
時代感を損ねず、現代的になった訳も気持ちが良いが、個人的には注釈が有り難い。
日本では馴染みのない事物や制度が、とても分かりやすくまとめられている。
子供の頃から読書に親しんだ人ならば、必ず一度は手に取った本ではないかと思うのだが、
本書で新たに読み直してみるのも一興ではないだろうか。
少なくとも私の場合は、イギリスの文化や歴史への理解を深める一助になったし、
大好きだったホームズシリーズへの再入門の書として、うってつけのように思われた。
・ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
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