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雷撃深度一九・五 (文春文庫)
雷撃深度一九・五 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥620
release : 2001/01

太平洋戦争に扱った稀有な戦記エンタテーメント小説

太平洋戦争を扱った戦記小説というと悲壮感が漂ういかめしいノンフィクションか、架空の設定の元に描かれた破天荒で脳天気な架空戦記小説と両極端な印象がある。そうした中、本作は歴史的事実に立脚しながらも、エンタテーメントとしても優れた戦記小説になっている。

太平洋戦争末期の日本海軍の潜水艦を扱った小説というと、福井敏晴の「終戦のローレライ」を彷彿とさせられる。「ローレライ」が完全なフィクションの世界だったのに対すると本作は、1945年、アメリカ本土から原爆を運ぶ米海軍巡洋艦インディアナポリスを、日本海軍の伊58号潜水艦が撃沈した史実に基づき、日米の双方の視点から描いたものになっている。著者の後書によると、「半分が史実」ということで、残り半分は架空の設定や筋運びであることは断っておきたい。

サイドストーリーとして挿入される東シナ海をいく日本軍の輸送船団とそれを護衛する旧式護衛艦の悲愴なエピソードは、さながらマクリーンの名作「女王陛下のユリシーズ号」を思い出させるような展開。伊号潜水艦にたまたま乗り合わせる日本海軍の予備役艦長とインディアナポリスの艦長が因縁をもった関係だった、というのはいかにも月並みだが、この手の小説には敵味方のライバルという設定は欠かせないだろう。

制空権をもち優秀な対潜兵器を備えた巡洋艦に対し、潜水艦がいかに対抗するのか?一昼夜以上に上る無音潜行(トイレも使えず、空気清浄機も動かせない)の描写、足が遅い潜水艦がいかに有利な射点を得るべく機動していくのか? 日本海軍の誇ったと言われる酸素魚雷の弱点などなど納得感のあるディテールの描きこみもすごい。

悲愴な覚悟で出航する伊号潜水艦の乗組員や、圧倒的に不利な状況でも果敢に立ち向かう護衛艦の戦いに感動する。一方的に日本軍サイドから描いているわけではなく、原爆の輸送という特殊任務を帯び、単独航行を余儀なくされるインディアナポリス側も艦長をはじめ人間が描かれる。

戦いのディテールに比べ人物の描きこみがややあっさりしているといった感じも受けたが、けっして見劣りするわけではない。

切れない糸 (創元クライム・クラブ)
切れない糸 (創元クライム・クラブ)
東京創元社
price : ¥1,890
release : 2005/05/30

失うことは死ではなく

出だしの場面転換が見事で、ひきこまれた。脇役達まで魅力的で、専門家の矜持が格好いい。これみよがしな悪役が出てこない、日常生活のなかの悲喜。近所の商店街も見直してしまう。
喪失体験を超えて、繋がれていく糸。絡みつかず、張り詰めず、離れていても、繋がっている。
居場所をくれる人。しっかりと地面につなぎとめてくれる存在。確かな拠り所、いつか、いつでも、還ることのできる場所。
そばにいなくても大丈夫。連絡だって、たまにでいい。私が弱り果てたときに必ず頼る昔からの友人を思い出しながら、読んだ。
絶対の信頼と安心。その関係の構築のドラマが、心地よかった。ミステリではあるが、学生という浮遊した立場から、社会や世間に軟着陸していく成長過程の物語でもある。
乱鴉の島
乱鴉の島
新潮社
price : ¥1,785
release : 2006/06/21

カラスの島

 有栖川作品としては平均的な出来と思う。可もなく不可もなくで、ミステリとしてはいまいち魅力に乏しい。
 火村シリーズで4年ぶりの長編ということもあってか、火村・有栖川コンビがいまいち冴えない感じなのが残念。特に有栖川の暴走(本当はそうでもないのだが)にはしらけてしまう。
 メイントリックは、それはそれで面白いのだが、本筋とは関係ないような気がするのは私だけではないだろう。
 クローンとか巨億を稼ぐ青年実業家とか、時事ネタに走っているのもちょっと。
零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)
零崎双識の人間試験 (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥1,365
release : 2004/02/06

これは酷い

 正直期待外れ。

 強烈なキャラクターで書いていく西尾さんの作品とは思えない。三人称ということもあるが、あまりにも彼女――零崎舞織の描写が不完全ではないか。結局殺人鬼への変異という今作のもっとも伝えたいであろう部分が希薄だ。どう読んでも、あるいは何度読んでも、その過程を追えない。というより、薄口過ぎて伝わらない。私はこう勘繰ってしまうのだ。著者自身でさえ、その過程を精緻に組み上げていないのではないか、と。殺人鬼がいかなるものかを定義していないのではないか、と。なるほど分からないものは書けない。書けても読者に伝わるまい。

 更に付け加えるなら展開はご都合主義としか言いようがない。零崎人識が何故登場できたのか。それを良く考えてみたい。気配で探し当てたとでも? 丁度良く長兄の危機に? 

 突っ込み所はまだまだあるが、しかし戯言シリーズへの愛着から星二つに。
法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)
法月綸太郎の冒険 (講談社文庫)
講談社
price : ¥730
release : 1995/11

図書館の冒険

 1992年に講談社ノベルスとして出たものの文庫化。
 7篇の短篇が収められている。大学時代の習作をリライトしたものから、92年頃の作品まで。
 出来はかなりバラバラ。はっとするような切れのあるトリックに驚かされたと思えば、どうしようもない楽屋落ちに脱力したり。しかし、どの作品にも法月氏特有の論理性、文体の格好良さがあらわれており、堪能できた。
 長編と違い、法月父子に「嫌われる名探偵」の役割が振られていないのにもホッとする。『頼子のために』のハッピーエンド・バージョン(著者自称)があったり。
 法月氏の作品のなかでは、比較的、軽く読める一冊。
ダブルダウン勘繰郎 (講談社ノベルス)
ダブルダウン勘繰郎 (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥798
release : 2003/03

コンパクト

清涼院流水氏のJDCシリーズが好きなので、読んでみたかった作品です。それに西尾維新氏が挑戦するトリビュートらしいですが、本家JDCよりコンパクトにまとまっている気がしました。でも、「戯言シリーズ」よりも好きです。世界観が違うからでしょうか。
登場人物はそれでも結構魅力的でしたが。

戯言シリーズが何より好きな方には、このトリビュートは物足りないかも。
JDCシリーズを知らずに読むと、またちょっと物足りないかも。
JDCを知っていて、且つ戯言大好き、じゃない方が楽しめるかもしれません。

最後に出て来るあの探偵・・・これは出てこない方が良かったなぁ・・・。
砂の器〈上〉 (新潮文庫)
砂の器〈上〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥660
release : 1973/03

負けたくない

近づく足音

迫る暗い過去

遠ざかる幸せ

孤独、不安、劣等感、忘れかけていた記憶が蘇る。

社会という名の偏見が、無垢な人間を追い詰める。

負けたくない、との切実な思いが・・・

社会によって追い詰められた人間の
孤独と不安の物語。


私は、あなたから逃げているのではありません。
社会から逃げているのです。
犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)
犬はどこだ (ミステリ・フロンティア)
東京創元社
price : ¥1,680
release : 2005/07/21

好き(≧ω≦)b

エリート街道まっしぐらだった主人公・紺屋は、銀行に就職すると、ストレスから皮膚病にかかってしまいます。
あまりの酷さに営業にならず、田舎へドロップアウト。
田舎に帰ってからわずか一ヶ月で皮膚病が治り、始めたのが犬捜しの会社。
しかし初めての依頼は人捜し。
さらには、紺屋の後輩で、探偵に強い憧れを抱くハンペーが無理やり手伝い始めることに。

渋々探偵をやるはめになった紺屋と、探偵に憧れてヤル気満々のハンペーとの温度差が笑えますw
『トレンチコート、ドライマティーニ、リボルバー!』調査の間、探偵に浸りきっているハンペーの胸中は、微笑ましいですv

ストレスから抜け殻になっていた紺屋ですが、社会復帰するにあたり、周囲の様々な人がそっと優しく助けてくれるのが、読んでいて心地良かったです。

まず、開業初日から依頼者が来るんですが、それは町役場に勤める大南が、近隣住民に宣伝してくれていたお陰でした。

更に、ネットに詳しいチャット仲間のGENも、知識や技術を使い、紺屋を手助けしてくれます。
無機質な世界に通う人情に、あったかい気持ちになりました。
そして、憎まれ口を叩きつつも、足になってくれる妹。

人捜しは思わぬ展開をみせます。

結果は、ハッピーエンドとは言い難いんですが、私は納得できました。
やたら正義をふりかざす探偵より、好意を抱けるかも…

おすすめですv
異常気象売ります〈上〉
異常気象売ります〈上〉
アカデミー出版
price : ¥1,200
release : 2006/10

合掌

世界中のあちこちで同時多発的に事故死する科学者たち。極貧の中からスターの座を勝ち取る美女。美女を射留める醜悪な小男。渦巻く金欲と権力欲。シドニィ・シェルダンが久々に放つ現代の黙示録。巨悪に立ち向かう女性二人組の運命は?全ページがクライマックス読み始めたら止まらない!天才作家久々の長編大作。

確かに読み始めるとそれなりに面白く止まりません。
昔の作品と比較してしまうのは、酷な事かもしれませんが、やはりマンネリ感がありますし、先が読めてしまう作品も多くなったように思います。

1月31日 お亡くなりになりました。合掌。


オペラ座の怪人 (角川文庫)
オペラ座の怪人 (角川文庫)
角川書店
price : ¥760
release : 2000/02

映画やミュージカルの先入観は捨ててください!

「怪人」は映画等であまりに安売りされているが、この原作を読んでその内容の深さに唖然とした。19世紀から20世紀へ。古い伝統と新しい時代の混交、そしてフランスの政治的・社会的不安を背景に、この物語は展開される。パリのオペラ座はきらびやかな世界でもあるが、かつてパリコミューンの際に、この地下で処刑が行われたという暗い過去も持つ。こうした歴史的な記述も豊富で、歴史的・文化史的資料としても興味深い作品だと思う。
 映画では、勇敢な青年ラウルがか弱いオペラ歌手クリスティーヌを怪人から救う物語として描かれているが、原作では、ラウルはひ弱な青二才で、クリスティーヌは男を翻弄するやり手の女であり、そのへんのギャップも面白い。
凍りのくじら (講談社ノベルス)
凍りのくじら (講談社ノベルス)
講談社
price : ¥1,040
release : 2005/11

みんなどこかで

理帆子が見出しているS・F(少し不思議…、。少し不完全)な部分を持っていて、それを見抜かれたくないために鎧を着ているハズ。

思春期の少女の自己愛と社会への関わり方をドラえもんの道具を使って現したのは見事だ
堪忍箱 (新潮文庫)
堪忍箱 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2001/10

わかりやすさ重視

 ミステリーファンと時代小説ファンの両方を狙った作品、という印象。
 宮部みゆきの本が好きな人ならばある程度は楽しめるのだろうが、時代小説として読むならば間が足りない。
 動きや演出などの心情表現が大袈裟でコミカルに見えるため、情緒を求める時代小説ファンに勧めるのは躊躇する。
 わかりやすく合理的ではあるから、誰でもある程度は楽しむことができるだろう。
『敵討ち』『お墓の下まで』『てんびんばかり』『砂村新田』は面白かった。短編集の後ろへ行くほど面白い本というのも珍しい。
文藝百物語
文藝百物語
角川書店
price : ¥680
release : 2001/09

百番目の話を読み終えたら・・・

今作は稀代のホラー作家8人によって、実際に行われた『百物語』を文章に起こしたものです。
ご存知の方ばかりだとは思いますが、『百物語』とは、
『数人が夜、一箇所に集まって、1つずつ順番に『恐ろしい話(怪談)』を語り、話し終える度に
 目の前の蝋燭の炎を消していき、100本目の炎が消えた時に『何か(よからぬこと)』が起こる』
というアレです。
今回の『百物語』は、1997年3月17日の夕刻から、東京・根津の路地裏に佇む古びた旅館で、
会場には『結界』を張り、外界との連絡を一切絶った上で、執り行われました。
しかも話される内容は、参加した作家が『実際に体験した実話』ばかり。
普段から『怪異』を求めて取材などを行っている作家だけあって、
語られる内容は信じられないものばかりです。

さて、始めは周りの出方を伺うかのように、『恐怖』よりも『違和感』や『奇妙さ』が目立つ話が
披露されますが、徐々にヒートアップし、文字通り『身の毛がよだつ』ような鬼気迫るエピソードが、
次から次へと繰り広げられていきます。
それは既に語られた話を、文字で追っているだけの読者にも、まるで今目の前で語られているかのような
『臨場感』と『迫力』で迫ってくるのです。
いや、背後には実際に『何か』がいる気配まで・・・。
最後の『百話目』を読み終えたら、こちらの身にも『何か』が起こるのでは、という気にすらさせる
8人+αの語り部たちの『百物語』。
西洋のハロウィンもいいですが、和のハロウィンもまた、長い秋の夜を過ごすにはいいのでは
ないでしょうか。

ちなみに、今回参加の作家です。
・井上雅彦 ・加門七海 ・菊地秀行 ・篠田節子 ・霜島ケイ ・竹内義和 ・田中文雄
・森真沙子 (・東 雅夫:編者)
いずれも、『あっちの業界』では押しも押されぬ一流のホラー作家揃いです。
(更に言うと、皆『異形シリーズ』の常連でもあります。)
砂の器〈下〉 (新潮文庫)
砂の器〈下〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥700
release : 1973/03

良くも悪くも時代小説

かなり読みやすい文体。そしてわかりやすい設定とわかりやすい展開。
推理要素というよりコントのような立ち回りの捜査劇をひたすら追っていく疲れない文章。
イメージ程固くもないし事件の背景などを2時間ドラマのように回りくどくわかりやすく説明してるトコはさすが現代でもリメイクされる作品書く人だなと。

ただ良くも悪くも戦後10?20年程度の作品なんですね。正直あんまり面白いとは思えなかった。
例えば被害者の意味不明の行動(仏と呼ばれる人の行動には思えないんだが)や音波への認識の異常な弱さ、前衛志向の時代性やら所々理解不能な点があった。まーしょうがないんだけど。
映像版は実は見てなかったりするが小説版のいい点は淡々と、抑揚を徹底的に抑えた描写な事。

まー読みやすいけど特別書く事の無い作品って事です・・(笑
今の時代でこの人が作品書いたとしてもあんま面白くはならなそうかな。
青森ねぶた殺人事件 (文春文庫 に 3-32)
青森ねぶた殺人事件 (文春文庫 に 3-32)
文藝春秋
price : ¥520
release : 2007/09/04

悩める刑事
悩める刑事
岩崎書店
price : ¥1,470
release : 2007/03

風の万里 黎明の空〈上〉―十二国記 (講談社文庫)
風の万里 黎明の空〈上〉―十二国記 (講談社文庫)
講談社
price : ¥660
release : 2000/10

己の道を歩むとき

陽子の治める慶に話が戻ってきました。
戴冠したものの、いまだに異世界の仕組みになじめていない陽子は腐敗した官僚制度の中で孤立し泥沼にはまっていた。
それを自覚して打開するために市井の生活に降りてしまう。
一方芳では父王を討たれ農村に追われた公主が周りを恨みながら生きていた。
そして百年以上前に流されてきた海客の少女もまた、主となった女仙のもとで卑屈な生活を送っていた。
その三人が他人の道と交差しながら自分の道を切り開いていく様子が微笑ましく描かれている。
当初は引っ込み思案だった女子高生の陽子があまりにも少年っぽく変貌してしまったのが不思議だけど、まあ年齢的にそんな時期でもあるしね。
三人の道が交わり、お互いに成長しつつまた新しい歴史が刻まれていくのでしょう。
上野谷中殺人事件―長編推理小説 (光文社文庫 (う1-54))
上野谷中殺人事件―長編推理小説 (光文社文庫 (う1-54))
光文社
price : ¥520
release : 2007/07

悪夢の棲む家 (上) ゴースト・ハント 講談社X文庫―ホワイトハート
悪夢の棲む家 (上) ゴースト・ハント 講談社X文庫―ホワイトハート
講談社
price : ¥578
release : 1994/03

おもしろいです。

 ゴーストハントシリーズは、漫画文庫の4巻まで読んだだけなのですが、
それぞれのキャラの個性は把握していたので楽しく読めました。
しかし、漫画文庫4巻まででは語られていない部分も多く含まれており
(麻衣の夢や、ナルの個人情報?等)初期のシリーズを読んでからのほうがおすすめだと思いました。
 悪霊が棲む家、ということで調査に乗り出したSPR。
怪奇現象の謎がどんどん解明される中、それと同様にして深まっていく謎。
そして霊の存在が・・・。
(上)巻一気に読んで(下)巻にGOです(笑
七つの危険な真実 (新潮文庫)
七つの危険な真実 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2004/01

大人の読みもの

 真実というのは、明らかにされた方がいいものと、誰かの幸せのために、隠されたままの方がいいものがある。真実がわかることによって救われることもあるし、絶対に明かしてはならない、それこそ墓場まで持っていかなくてはいけない場合がある。作品によって、真実が明かされるものとそうでないものがあるのだが、どの作品も読んだ後にほっとするのは、その結末がみんなにとってふさわしいものであるからだと思う。

 なかでも乃南アサさんの『福の神』が一番ぐぐっときました。以前、別の短編集で読んだことのあった作品なのですが、改めて読んでみると、心にしみます。もしかしたら、自分が母親になったからかもしれません。小料理屋を舞台にした静かな作品ですが、女将の心情がよく描けていて、これだけの短い作品なのにすんなり感情移入してしまい、最後はほろりと来ました。

 これだけの作家の作品が一度に読める。それだけでもお得ですが、なにより短編というのがいい。短編で、読者をあっと言わせるのは結構大変なことだと思いますが、これらの作品がすばらしいのは、登場人物の描き方。短編でも、その人たちの人となりがよくわかり、その結末に納得がいくというのは、さすが一流作家。

 文庫オリジナルアンソロジーですから、読んだことのない作家の作品を読んでみたり、新しい”お気に入り作家”を探すのにもってこいでしょう。

 
パズル・パレス (下)
パズル・パレス (下)
角川書店
price : ¥1,890
release : 2006/04/04

ダン・ブラウン作品の中ではイマイチ、の部類です

「天使と悪魔」「ダヴィンチコード」「デセプションポイント」そして「パズルパレス」の順で読みました。
好みなのは「天使と悪魔」、インパクトがあり説明が多く難解なのが「ダヴィンチコード」、主人公が狙われ追われ続けるスリル感は「デセプションポイント」、「パレスパズル」はダンブラウンらしい作風ではあるものの、作品としての個性が少なく、その分読みやすいともいえるのですが、他3作品と比べると私は好みではありません。
めずらしく日本人がキーパーソンとして描かれていますが名前からいってもあまり日本では聞きなれない名前ですし、いかにも海外(アメリカ人)からみた日本人、といったような記述が多いと思いました。(私がまだ若いからかもしれません・・・古きよき時代、もしくは戦時中の日本人をイメージして描かれているから仕方ないかもしれません・・・)
また、黒幕が他登場人物に濡れ衣をきせたことがわかる場面でもさらっと描かれていたり、犯人(黒幕)は誰なのだろうという、読者の興味をわかせることが他作品では強くあるにもかかわらず本作品には少なく・・・その分ゆとりをもって読め、また、読みやすいのですが・・・ダンブラウン作品、という期待をもって読むには物足りないです。
早く新作が出ることを期待する毎日です!
女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)
女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN (新潮文庫)
新潮社
price : ¥820
release : 2004/01

人生は最悪でなければ、特に素敵じゃなくても良い

生への執着に欠け、人生あそこで道を間違えたという心当たりが三つ程ある主人公サエバミチル。
ミチルと従者のロイディ(ウォーカロン)が不時着した城岩都市。
そこは女王デボウ・スホによって統治された楽園のような小世界だった。
完璧なはずの都市で起きる殺人。それはやがてミチルの過去と絡み合い………。


舞台となるルナティックシティーは造られて百年、
死者はただの一人もなく、貧富の差も無く、皆自身の役目に満足しており、
他人を羨む事も不満も反発も起きず、犯罪も殺人も死者も出ない。
罪が無いから罰する仕組みも無いまさに絵に描いたような楽園。
統治するは、見た夢を神からのお告げとして語る見た目25歳実年齢52歳の女王。

そんな楽園のような世界に突如起きる殺人事件。
しかし事件を前にして人々は「眠りについた」とだけ言い、
冷凍処理を行い、遠い未来の医療技術に賭け保存する。
また、事件の連鎖が起きるといった危機意識の欠如からか、
犯人の捜索も事の解明も行おうとはしない。

不思議に思い問いただすミチルを女王は優しく諭す。
狼に殺された羊は復讐しない。嵐に襲われても人は自然に復讐しない、と。
放っておけば、また誰かを殺すかもしれない。しかし何のために、そんなことを?
一度人を殺した人間は、また人を殺す可能性がある。それが何故だと問われても、答えられない。
結局はミチルが人を信用出来ていないだけなのでは?と。

ミチルが嫌いな鏡、ミチルを含めただ二人しかいない楽園への訪問者。
そのもう一人の訪問者は同じ日本人の見知った顔だった。
この偶然さえも神の予言を受け語っていた女王。果たして神はいるのか?
一度は説得され、自分自身を納得させようとしたミチルだったが、
思い出された約束、大切なその約束を果たすため楽園のタブーへ挑む。



「すべてがFになる」の森博嗣氏が描くSFミステリー小説。
その中身はミステリーである以上にSF然としており、
その魅力的な世界設定は一つの理想の世界、社会の作り方を提示してくれています。
また、生への執着に欠けるミチルの生死感、女王にやり込められた犯罪に対する意識、
どれもが非常に興味深くミステリーである事を忘れ考えさせられる作品です。
死体を買う男 (講談社文庫)
死体を買う男 (講談社文庫)
講談社
price : ¥730
release : 2001/11

乱歩風・・・

乱歩の小説を思い出させるような 怪奇な自殺?殺人?
小説と現実をうまく交差させ、読者は何度もだまされます。
さすが 歌野さん。 こういう雰囲気がいいですねぇ。
アンフェアな月-----刑事 雪平夏見
アンフェアな月-----刑事 雪平夏見
河出書房新社
price : ¥1,680
release : 2006/09/26

頭の中では篠原涼子さんの映像が大活躍

主人公・雪平夏見の格好のよさは小説の中でも際立ってると思います。
常にクールで分析力の際立った高さは、同じ女性でも惚れ惚れしてしまいます。
ドラマでは篠原涼子さんが、この役柄を演じておられますが、まさに適役といった感じですね。
文章を読みながら、頭の中では篠原涼子さんの映像が大活躍でした。
すごく面白い小説です!
豹頭の仮面―グイン・サーガ(1)
豹頭の仮面―グイン・サーガ(1)
早川書房
price : ¥567
release : 1983/01

久々に再読して

2007年8月現在において115巻まで刊行されてる大河小説の記念すべき第一巻。 実に27年ぶりに再読してみた訳でして、いやぁ懐かしいですと言うか面白いです。 今(115巻)のストーリーの停滞ぶりが嘘みたいに話がポンポン進みますわい。 レムスとリンダ、イシュト、そして豹の仮面の大男(そう、この時は間違い無く仮面なんよ。凄い伏線だよね、これって!)の後の三国史の主役たる四人がルードの森で出会うと言う出来すぎのスタートライン(実はコレも伏線なんですよォォ!恐るべしXXXXXッX)に黒死病に冒された伯爵、面白いストーリー展開に27年ぶりにワクワクしちゃいましたよ。 先が判ってても楽しめる、超オススメ小説です。 既に100冊以上刊行されてるわけだから読み始めるのは勇気がいると思いますが、とにかくまずは読んでみて。 のめり込めること間違い無しです。 あ、トーラスのオロの名は忘れないでね。 だいぶ後になってからだけど、豹頭王の物語に大きく関わって来ますから。
ダックスフントのワープ (文春文庫)
ダックスフントのワープ (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥500
release : 2000/11

不思議な透明感

実家に忘れてきたので、2冊目を買いました。透明感を持ちながらも、ずっと心に残り、また読みたくなります。
メインストーリーに挿入されている、主人公の語る「ダックスフントのお話」。そこだけ取り出して一冊の絵本にしたいほど、美しく鮮烈な印象を受けました。藤原伊織さん、童話作家になってほしい。。。

還らざる道
還らざる道
祥伝社
price : ¥1,785
release : 2006/11

官財の犯罪

 大企業のトップや官僚を巻き込んだ犯罪なのだから、具体的に表現していただきたかった。官財の犯罪の奥深さを描いていただきたかった。語りだけで「そういう犯罪があったのだ」では興味半減である。光彦の想像だけでストーリーが進んでしまうのは惜しい。犯罪の中心人物の改心や行動も安易だ。上級のファンを増やすためにも内容を深めて欲しい。
結婚詐欺師〈下〉 (新潮文庫)
結婚詐欺師〈下〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2004/01

ダマす側、ダマされる側の双方から描いた作品

結婚詐欺師

徹夜度    ★★★★☆    話題性    ★★★☆☆
着想     ★★★★☆    作品の重さ  ★☆☆☆☆
テンポ    ★★★★★    読みやすさ  ★★★★★
謎解き    ★☆☆☆☆    感動     ★☆☆☆☆
読後感    なるほど!
おすすめ度  ★★★★★

結婚詐欺師という、古今東西、小説の題材として取り上げられてきた職業を、ダマす側、ダマされる側の双方から描いた作品。

作品の前半の軸となるのは、「橋口雄一郎」という結婚詐欺師のだましっぷりである。女性の心に巧みに入り込むプロのテクニックもさることながら、詐欺師なりに努力・苦労しているところがおもしろい。

作品の中盤からは、捜査に関わる刑事・阿久津の昔の恋人美和子が橋口雄一郎にダマされることとなり、追うもの・追われるもののサスペンスが展開される。

ブラック・ユーモア傑作選 (光文社文庫)
ブラック・ユーモア傑作選 (光文社文庫)
光文社
price : ¥660
release : 1989/08

流石は阿刀田高の編集!広く深いです!

文化審議会で敬語のガイドラインが発表された際、阿刀田さんの名前を拝見した。
懐かしく思い、久々に本書を開いた。短編が16編で構成されている選集である。
ブラックユーモアとあるが、その範疇は広義である。腹を抱えて笑いたいものから、思わずニヤリと
してしまうもの、引きつった笑いしか出てこないもの、微笑を湛えて読みふけられるものと、
大変多岐にわたる。
筒井康隆、横光利一、半村良、遠藤周作、野坂昭如など現代の名だたる作家がずらりと並び、阿刀田さんの作品も1編だけ収録されている。
夏目漱石や芥川龍之介、志賀直哉の作品も収録されていることから、如何に多くの切り口で
編集しているかが分かろうかと思う。

硬軟織り交ぜ、大変充実した読後感に浸れる佳作だと思います。
オススメです。
この子だれの子 (講談社青い鳥文庫)
この子だれの子 (講談社青い鳥文庫)
講談社
price : ¥651
release : 2006/10/14

絶対に楽しめる本です!!

「この子だれの子」は、一冊の本に4作品が入っています。
夢中になって読める本なので、たくさんの人が楽しめると思います。
また、とってもほんわかと温かいイラストも私のお気に入りです!!


ナイトホークス〈下〉 (扶桑社ミステリー)
ナイトホークス〈下〉 (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥660
release : 1992/10

恋の行方は>>>

マイクルコナリーのボッシュシリーズは、まさに最高のハードボイルド小説である。
そして本作の良さは、多分35歳を過ぎたよい大人が読むと尚一層考え深いものがあると思う。
本作は、その第一作であり、ラスト50ページに意外な犯人が登場するどんでん返しのミステリーでもある。そして何より、ボッシュとある登場人物の恋の行方がとても切ない。物語の中盤からラストのエンディングまで、二人の恋の(迷)行く末が堪らない、最高の恋愛小説である。本作を読んで、コナリーも又ベトナム戦争にかなり影響を受けた作家である。私が好きなコナリーと同年代の作家であろうSハンターやNデミルなどの巨匠達も又、ベトナム戦争に大きな影響を受けている。米国の国民作家と、ベトナム戦争は、やはり切っても切れない出来事であることがを再認識させられた。
探偵 神宮寺三郎 新宿の亡霊 下
探偵 神宮寺三郎 新宿の亡霊 下
ゴマブックス
price : ¥1,050
release : 2006/11/24

ハードボイルド入門書としては最適かも

 下巻に入ってから一気にハードボイルド色が強まり、物語の展開もスピードアップ。逆に細かな描写や一つ一つのエピソードの書き込みが薄まり、ややご都合主義的な部分も感じられる。このあたりは好みが分かれるところであろうが、個人的には探偵・神宮寺であれば物語の展開するスピードはある程度犠牲にしても、じっくりと描写してほしい、と思う。もちろん、最初から「ライトノベル」と銘打っているわけだし、気軽に手にとってもらえるページ数でおさえるという目的もあるのだろうから、望むべくもないのだが。ハードボイルド入門書としてはお手頃であろう。
猫の建築家 (光文社文庫)
猫の建築家 (光文社文庫)
光文社
price : ¥650
release : 2006/12/07

ナ・バ・テア―None But Air (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
ナ・バ・テア―None But Air (C・NOVELS BIBLIOTHEQUE)
中央公論新社
price : ¥1,050
release : 2004/10

深紅に燃える

2004年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』以前、草薙水素の謎の過去がストーリーの中心である。『スカイ・クロラ』に始まるシリーズは『ナ・バ・テア』、『ダウン・ツ・ヘブン』と続きWEB日記によれば後2冊続刊を出すようだ。まもなく登場するであろう新作短編集『レタス・フライ』もこの手のネーミングで成立していて、『Let Us Fly』を忠実に日本語表記していると言うつもりなのだろう。その辺が変に古式ゆかしく不可思議でもある。最後を伸ばさない英語表記も進んでいたが、今回はもっと原語に近づいているのだろう。

読了してまず思ったのは、『スカイ・クロラ』や『ナ・バ・テア』をもし戦中派(こういう言葉も死語になりつつあるな(●^o^●))の飛行機乗りたちが読んだらどう感じるだろう、ということだった。森博嗣の放つ文章は実に詩的で、実に立体的だ。激しく揺れるその展開の速さにまるで自分が草薙水素の隣にいるような気がしてくる。『死』と隣り合いながら生きた『遅れなかった青年たち』の見た風景とそれは似ているのだろうか。

森作品は、まずキャラクターありきだ。何体かの魅力的な要素を持ったキャラクターを適度に配置、そして当然予想される化学変化を映像化し、それを文章化するという感じがする。その辺がふつうの作家とだいぶ違う。言ってみればそれは、2次元で小説を書くのと3次元で小説を書くのとの違いだ。森博嗣のキャラクターは皆、立ち上がり動き回る。その中でも草薙水素は『純』に光っていてステキだ。(●^o^●)

反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5 (池袋ウエストゲートパーク (5))
反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク 5 (池袋ウエストゲートパーク (5))
文藝春秋
price : ¥1,600
release : 2005/03/10

個人的に反自殺クラブは・・・

 先が読めてしまい、あまり面白くなかった。軽い推理小説のようなその文章は、先が読めてしまえば、せっかくの面白さも半減してしまう。他の石田氏の作品ならばテンポの良さがページを繰る手に、喜びを与えてくれるものだが、「反自殺クラブ」は、私の場合半ば義務的に読んでしまった。
 登場人物が事件に絡むのは当たり前だが、シリアスなテーマを扱っているだけに、もう少し伏線をはらないと深刻さが伝わってこない。生々しい背景描写や、人物の感情の表現はさすがと思わせる筆力は確かにあったが。


 他の作品は、他のウエストゲートパークシリーズ同様とても面白かった。スピーディーに展開される物語はやはり読者を飽きさせないし、魅力たっぷりの人物たちも実在する人物をモデルにしているかのような生々しさであった。
 繰り返しになってしまうが、ただ看板になっている短編の「反自殺クラブ」が勿体無かった気がするだけに、残念だ。
ユダの銀貨が輝く夜―イヴ&ローク〈11〉 (ヴィレッジブックス)
ユダの銀貨が輝く夜―イヴ&ローク〈11〉 (ヴィレッジブックス)
ソニーマガジンズ
price : ¥893
release : 2006/01

今回も読ませます!

ルーク所有のバーで、一二八分署の真面目な警察官が、残虐殺されます。
麻薬組織と何だかの関係があったのではないか?そう感じたイヴは、ルークと
昔、闇取引に関係していた人物にあうことにします。そのことを知った
ルークは…
今回は真剣にイヴとルークの間で諍いが起ります。昔の取引相手と会った
というイヴの身の危険を心配してのことだったのですが、イヴの勝手な
行動にルークは腹を立て、口も利かなくなります。
そのことに悩んだイヴは…

今回はメイヴィスやマイラにイヴは悩みを打ち明けます。初期の頃には
なかったこと。彼女は何もかもを一人で背負い込む癖を直しつつあります。
もちろんルークとの関係においても。初期にはすごく冷たい人間に思えた
イヴもずいぶんと女らしくなったものです。これからも彼女の成長が
楽しみです。
繋がれた明日 (朝日文庫)
繋がれた明日 (朝日文庫)
朝日新聞社
price : ¥760
release : 2006/02/07

手紙とは似て非なるもの

殺人を犯したものの社会的制裁を巡るストーリーという点では東野圭吾の「手紙」とよく似ています。しかし、「手紙」では犯罪者の弟が主人公であるのに対し、この物語では犯罪者自身が主人公になっています。その分だけ「手紙」よりも社会的描写が薄く、ミステリー色が濃く仕上がっています。どちらにせよ、「手紙」同様に犯罪者の更正のプロセスについて深く描いているという意味で感動を呼びます。お薦めです。

殺人現場は雲の上 (光文社文庫)
殺人現場は雲の上 (光文社文庫)
光文社
price : ¥460
release : 1992/08

東野圭吾のミステリーとしては物足りないかな

 東大中退の才色兼備・早瀬英子(通称エー子)と入試から面接までギリギリのボーダーラインで通過し、訓練学校の成績はビリだった・藤真美子(通称ビー子)の二人のスチュワーデスが巻き込まれる様々な事件を、絶妙なコンビネーションで解決していきます。(ほとんどがエー子が解決するのですが・・・) 
 トリックがそんなに難しいものではないので、難解なトリックを期待して読むとがっかりするかもしれません。 ほかの方のレビューにもありますが、軽く読めるという感じです。
夜のピクニック
夜のピクニック
新潮社
price : ¥1,680
release : 2004/07/31

【商品詳細】

POPを拡大する 『「本屋大賞」事務局(http://www.hontai.jp)』より、恩田陸さんの受賞の言葉が届きました!(Copyright© 新潮社 恩田陸)

買いです。

とある進学校の「歩行祭」なる行事を舞台に「貴子」と「融」の異母兄弟のドラマを軸に話が進む(というほどの展開はありませんが、良い意味で)、ほぼ高校生たちをのみ登場人物にした物語です。解説にもありますが、そんな行事を体験したことがないにもかかわらず、読み進めていくうちにまるでかつて自分も同様の行事に参加したことがあって、その経験を読みながらなぞっているかのような錯覚に陥ってしまいます。まさに「最初から名作」とは言いえて妙だと思います。個人的に話や舞台が目まぐるしく変わる小説よりも、こういったしっかりした器にしっかりしたエピソードを注ぎ込むような物語のほうが好きなので、最後まで楽しく読めました。しかし、p260くらいの「祐一」の台詞を、思わず「貴子」を口説いているように勘ぐってしまう自分に気付いたのは、「思えば遠くに来たもんだ」という切ない感慨にふけさせられたひとコマでした。


ステップファザー・ステップ
ステップファザー・ステップ
講談社
price : ¥650
release : 1996/07

子供から大人まで

サクサクッと読めて、スッキリする読後感。小・中学生の読書感想文に最適なのではないでしょうか。

「ぜひ実写化」という声が高いようですが、もしも実写化するのなら局は多分、NHK教育で双子役は山上兄弟で決まりではないでしょうか?
ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
ナイトホークス〈上〉 (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥680
release : 1992/10

恋の行方は>>>

マイクルコナリーのボッシュシリーズは、まさに最高のハードボイルド小説である。
そして本作の良さは、多分35歳を過ぎたよい大人が読むと尚一層考え深いものがあると思う。
本作は、その第一作であり、ラスト50ページに意外な犯人が登場するどんでん返しのミステリーでもある。そして何より、ボッシュとある登場人物の恋の行方がとても切ない。物語の中盤からラストのエンディングまで、二人の恋の(迷)行く末が堪らない、最高の恋愛小説である。本作を読んで、コナリーも又ベトナム戦争にかなり影響を受けた作家である。私が好きなコナリーと同年代の作家であろうSハンターやNデミルなどの巨匠達も又、ベトナム戦争に大きな影響を受けている。米国の国民作家と、ベトナム戦争は、やはり切っても切れない出来事であることがを再認識させられた。
ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)
ハンニバル〈下〉 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥780
release : 2000/04

映画しか見たことない人にこそ

映画しか見たことない人にこそ読んで欲しい。他の方がたくさんレビューしているので多言は要しないが、私は映画を先に見たので小説は読んでいなかった。しかし、ハンニバルライジングの小説が読みやすく面白かったので、こちらも読んでみたが、こっちの方が面白い。映画ともかなり違うので、是非映画を見た人も読んで欲しい作品。
世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)
角川書店
price : ¥780
release : 2006/10

身につまされる

最後までどきどきしながら読みました。
自分が犯罪を犯すよりも、血の繋がった家族が犯罪を犯すほうが辛いかもしれない…
そんなことを考えていたので、読みながら何度も自分だったら、と思ってしまいました。
私的には、アリで好きな終わり方です。
読み終わってから、この本が歌野さんの本だと知りました。
実はずっと違う人の本だと思いながら読んでいたのでびっくりしました(笑)
ワイルド・ソウル
ワイルド・ソウル
幻冬舎
price : ¥1,995
release : 2003/08

【商品詳細】

『午前三時のルースター』で2000年のサントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞してデビューを飾った垣根涼介は、旅行会社の添乗員だった経験を生かしたリアルな舞台設定と、繊細な人物描写を得意とする新しい才能である。そんなクライム・エンターテイメント小説の気鋭が、事実を基に練り上げ1年をかけて書き下ろした意欲作が本書である。国の無責任な移民政策による被害者たちの怨恨という難しいテーマを、きめ細かく鮮やかに料理し、読者を突き抜ける爽快感へと導く。 外務省、ひいては日本国にだまされた形で南米へ移住し、辛酸をなめた人間たちの復讐譚(たん)が、骨太につづられる。爽快なリベンジというのは妙な話だし、書名と装丁からも、盛大に人が死んだり大量な血が流れるステレオタイプなクライム・ノベルを想像しがちだが、それはまったくの間違いだ。垣根の作品に共通する要素は、「美意識を共有する者同士は、初対面から信頼しあい決して裏切らない」というテーゼと、自動車マニアやメカ好きなクールガイが多く登場する、という2点。また、ある種の性善説にもとづく博愛的世界観および諦念、それから底辺に生きる人間への優しいまなざしも随所に感じさせる。本作では、それらの「垣根要素」がうまくミックスし、更に2か月にわたる南米取材を糧に、存在感のある登場人物が大活躍する理想のリベンジ譚となった。 主要な登場人物ではないが、外務省襲撃の目撃者で夜ごと首都高をとばすルーレット族の男性が、「機関銃がバンバン撃たれているところを見たかった」「外務省が嫌いだから…ザマアミロって思っていた」と証言する場面がある。読者の気分を代弁すると共に、ヒッチコックのように、一瞬作者が姿を現したようで面白い。今後も目の離せない書き手のひとりだ。(坂本成子)

圧倒的なスケールとリアリティとスピード感

大藪春彦賞、吉川英治文学賞、日本推理作家協会賞をトリプル受賞した作品ということでかなり期待値が高かったのだが、その期待をさらに上回る出来で、次のページをめくるワクワク感を与えてくれる本に久しぶりに出会った。自分の不勉強で知らなかったのだが、戦後のブラジルへの移住政策というのが日本政府の完全な失策であり、著者は、この移住者の多くにかなり過酷な結果をもたらした事実を現地まで赴いて克明に取材し、かなりのリアリティをもって書き起こしている。実際の過去の出来事の上に、悲劇の日系ブラジル人たちを主人公に据え、おもに日本とブラジルの両国を舞台にフィクションを重ねて描くスタイルで、そのスケールとリアリティと展開の速さには圧倒させられた。ハードボイルド系を好む男性にお薦めの1冊である。
嫌な女を語る素敵な言葉―恋愛ホラー (祥伝社文庫 (い16-1))
嫌な女を語る素敵な言葉―恋愛ホラー (祥伝社文庫 (い16-1))
祥伝社
price : ¥630
release : 2007/07

アンティーク鑑定士は見やぶる (ランダムハウス講談社文庫)
アンティーク鑑定士は見やぶる (ランダムハウス講談社文庫)
ランダムハウス講談社
price : ¥882
release : 2006/06/02

骨董品を巡っての駆け引き

何が事件なのかよくわからないままに読み進んで行きました。骨董品についての解説が面白いし、都会であるニューヨークと、離れた場所の雰囲気の違いなど、飽きることがありませんでした。登場人物も、それぞれの個性がはっきりしていて、好感が持ている人も多く、恐怖感も嫌悪感も感じません。シリーズ化されて、ながく続けば良いなとお願いしたくなりました。
風の万里 黎明の空〈下〉―十二国記 (講談社文庫)
風の万里 黎明の空〈下〉―十二国記 (講談社文庫)
講談社
price : ¥660
release : 2000/10

目を覚まさせてくれた本

最初にこの本を読んだのは、8年くらい前の、学生の頃です。

当時は、十二国記シリーズの中では、
「風の海 迷宮の岸」や「図南の翼」に感動して、
この本は、厚いのに印象の薄い話というイメージでした。

私は就職し、それから何年も過ぎて、デスクワークからサービス業に転職しました。
環境は全く変わり、今までの自分は通用しませんでした。
毎日怒鳴られ罵倒され、職場の人間も、来るお客も大嫌いになりました。
「私は私なりに頑張ってるのに、見てくれない。
 理由があってやったことなのに、何をしても怒られる」と泣いて、
毎日ヤケ食いをしてはフテ寝していました。
そんな中、久しぶりにこの本をふと読み返し、はっとさせられました。

「なぜ自分ばかりが不幸な目に合うのか」と泣き怒る祥瓊とか、
「その涙は子供と同じ。誰か何とかしてくれって泣いてるのと同じだ」と諭される鈴とか、
正に今の自分の事を指摘された気分でした。

一番心に響いたのは、
「人生は辛い事と幸せな事が半々のはずなのに、
 人間っていうのは、なぜか辛い事の方を大きくとらえてしまう」
という一文でした。素直に反省の涙が出ました。

あの時の自分に一番効いた言葉は、友達や同僚の慰めではなく、この本でした。
あまり記憶になかった作品だったのに、その時からとても大事な作品になりました。

十二国記の続きは、現在刊行未定だそうですが、
数年経って読み返して、新たな感動をもらっている人間もいる、
本当にすばらしい作品だと思います。
続きがでるまで、これからも何年も待ち続けることと思います。

朽ちる散る落ちる―Rot off and Drop away (講談社文庫)
朽ちる散る落ちる―Rot off and Drop away (講談社文庫)
講談社
price : ¥750
release : 2005/07

個人的には・・・

他のレビューは概ね高評価だが、他のシリーズに比べるとそれほど面白いとは思わなかった。
研究所の密室のトリックはなんというか力技的な感じがするし、人工衛星の密室もちょっと
拍子抜けしてしまった。
レギュラーの面々については、練無の素性が明らかになるのを期待していたがこれも期待
はずれ。まぁそれは仕方ないかもしれないが。保呂草の暗躍についてもほどんとなし。
全体的に中途半端だったかなぁと思わなくもない。
雨のなかの待ち人―イヴ&ローク〈2〉 (ヴィレッジブックス)
雨のなかの待ち人―イヴ&ローク〈2〉 (ヴィレッジブックス)
ソニーマガジンズ
price : ¥798
release : 2003/05

脇役がいいです

イブ&ローク・シリーズ第2弾!
前作の【この悪夢が消えるまで】を読んでこのシリーズの虜になってしまいました。
ノーラ・ロバーツがJ.D. ロブ名義でやりたかった事の一つに、シリーズを通して登場人物を発展させる事を挙げてたけど、その言葉どおりイヴ個人の成長やイブとロークの関係、さらに脇を固める個性的な登場人物達の成長や進歩がみえます。
特にイブとロークの関係は育ってきた環境の違いから、喧嘩もするけどその度にお互いを理解して関係が進歩してると思う。

近未来がこの小説の舞台やけど、警察の捜査の基本は同じなんですね。
犯人の足跡や痕跡を辿るために現場に戻って再捜査したり、聞き込みを続けたり地道な捜査を進めて犯人に近づいていきます。
近未来やからと言ってロボットに頼ったりせずに、イブという人間が地道に捜査する事によって読んでいる人も親近感を覚えるんでしょうね。

こらから長い付き合いになりそうなこのシリーズ!
イヴとロークの関係や執事のサマーセット、さらにはイヴの親友メイヴィスなどがどう変化していくのか楽しみです。
次はいったいどういう展開になるのか、予想もつかないシリーズなので図書館で予約した3作目を読むのが待ち遠しいです

グリーン・ティーは裏切らない お茶と探偵(2) (ランダムハウス講談社文庫)
グリーン・ティーは裏切らない お茶と探偵(2) (ランダムハウス講談社文庫)
ランダムハウス講談社
price : ¥819
release : 2006/04/01

出版第2弾。

 日本出版第二弾。
前回の同著者の「ダージリンは死を招く」は翻訳があまり良くないと思
ったにも関わらず第二弾を書店で見付けるや否や手に取りレジヘ。
なんだかんだ言って魅力が有るシリーズなんだと思う。

 お茶に関しては本当に詳しく書いてあるし、出てくるお菓子も美味しそう。
 何よりもディティールが事細やかに描かれているのだ。
お皿一枚、アンティーク家具一つ取っても、ブランドや色合い
など、ちょっと不自然な位説明してある。
それが、日本の流行とバチッとはまっているのだから、女心を
擽るったらない(クロエなども出てくる)。

 舞台は、アメリカチャールストンの歴史地区。
主人公のセオドシアはインディゴと言うティーショップを経営している
賢く、美しい女性。海辺のバーティのケータリングサービス中に殺人事
件は起る。いつも通り、セオドシアは犯人探しに夢中になり、愛車のチェロキーで走り回る。


 個人的には、犯人探しなんてどうでも良くて、その他の事が気になってしょうがない作品。
愛犬のアールグレイもとっても可愛いし。
文学的には稚拙だなぁ、今一歩だなぁ、とは思うけれど、第三弾が待ち遠しくて仕方が無い。
 思わずリピートしてしまったので、☆4っつにしました。
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