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DATE: CATEGORY:・評論・文学研究
スケルトン・クルー〈2〉神々のワード・プロセッサ (扶桑社ミステリー)
スケルトン・クルー〈2〉神々のワード・プロセッサ (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥620
release : 1988-05

映画「ミスト」が見たくなる!

「今日の早川さん」の作者COCOさんのブログで紹介されていたので、読んでみました。とにかく「霧」が秀逸です。見えないことの恐怖、集団ヒステリー、そして驚きの現実。異形のものが何となく「マブラブ・オルタナテイブ」っぽい感じ。映像ではどうなんだろう?ラストは小説と映画では異なるようなので、早く映画を見てみたいです。
新版 シルマリルの物語
新版 シルマリルの物語
評論社
price : ¥3,675
release : 2003-05

トールキンが遺したもの

『シルマリルの物語』は、J.R.R.トールキンの没後4年後に、息子クリストファによって編纂されて出版されたものである。

この「新版」は邦訳初版から21年ぶりに訳しなおされたもので、トールキン研究家でもある伊藤盡さんの協力により、固有名詞等より原音に近い形でカタカナ表記される事となった。その結果、一部『指輪物語』とは整合性に欠ける事になったが、こちらの表記の方が正確である。例えば、ヌメノール→ヌーメノール ナズグル→ナズグール。

あとがきにもあるとおり、この本を読まれようとされている方は『指輪物語』を先に読んでおられると思われるので、アラゴルンの遠い祖先の物語である「アカルラベース」やあるいは「力の指輪と第三紀のこと」の編から読まれたほうが取っ付きやすいかもしれない。

そして、この本の後ろの方に掲載されている系図や付録の地図を行きつ戻りつ参照しながら「シルマリル」をめぐる物語を読み進んで欲しいと思う。登場人物や固有名詞がたくさんあり複雑な、小説というよりも、どちらかと言えばトールキンワールドの概説書に近いと思われていた物語が、いつしかトールキンが遺した美しくも物悲しい壮大な物語の体系となし、その世界観に圧倒され、魅了してやまないものとなるに違いないと思うからだ。

なるほどの対話 (新潮文庫)
なるほどの対話 (新潮文庫)
新潮社
price : ¥500
release : 2005-08

天国からのエール

吉本ばななさんと河合隼雄さんの
あかるい対談集です。
お二人とも本でよく読んで知っていたので
つい買ってしまいました。
作家の習性や、自分に対する考え方
世の中の状況に至るまで、
多岐にわたった対談集。
読んで思ったこと。
いつの間にか、河合さんがうまく吉本さんの
話を引き出して、聞き役に廻っている。
相手のこころの言葉を引き出す側に回って
進行しているのが
さすがだなぁと思いました。

読んでから気がついたのですが、
河合さんは今年天国にいったのですね。
知りませんでした。
天国から心の病をもった人たちに
明るく生きることができるように
エールを送ってくださいね。

ザ・スタンド 5 (文春文庫)
ザ・スタンド 5 (文春文庫)
文藝春秋
price : ¥900
release : 2004-08-04

は?(溜息)

は?、と思わず溜息な内容、と言うか、何が内容?どこに内容?内容が無いよう!と、喚きたくなるような、散々な内容です。つまらない。
冷戦真っ盛りの時代に読んだら、少しはマシだったかも。
でも、多極化、多様化、混沌の時代にこれ読んでもな?。
子供だましでリアルさがない。
名前はキングでも中身はポーンか。化けの皮が剥がれたね。
アメリカ名詩選 (岩波文庫)
アメリカ名詩選 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1993-03

うーーーん、やさしいアメリカ


対訳によって原詩の音韻を堪能しつつ
イメージを膨らませることが出来ます。
イラストが入っていたらどんなに良い
かと思いますが・・・・。

古き良きアメリカ、というのはもちろん
古い洋画から推察するしかないのですが、
他からは出ていない一般人むけの貴重な
詩集として、本棚に1冊、是非。
謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)
謎とき『カラマーゾフの兄弟』 (新潮選書)
新潮社
price : ¥1,365
release : 1991-06

もういちど「カラマーゾフの兄弟」を読みたくなります

名作と言われている、「カラマーゾフの兄弟」ですが、ロシアの文化背景や、キリスト教に関する基礎知識が無いと、ストーリーは追えても、著者の意図した解釈はできません。
かくいう私も、何とかストーリーだけは追いかけて読み終わったわけですが、この状態では消化不良も甚だしく、こころに残る悶々とした気分は収まりませんでした。

その時に本書を知り読みましたが、私が字面だけを追っていた部分にこれだけの深遠な意図、仕掛け、理由があったのかと驚愕の連続でした。
カラマーゾフと言う名前に隠された秘密、3と言う数字の繰り返し、ユダとスメルジャコフとの関連性などなど、「本当に著者はここまでの事を狙って書いたのだろうか?」と感じると共に、そこまでの緻密な計算がなされた小説への畏敬の念が湧き上がって来ます。

本書を読むと、もう一度この名作を読み返し、内容を噛みしめたくなる事でしょう。でも本書の助け無しには、名作の名作たる部分を正しく理解する事は出来なかったと思います。
万物理論 (創元SF文庫)
万物理論 (創元SF文庫)
東京創元社
price : ¥1,260
release : 2004-10-28

神は存在しないって言っても(^^)

 出だしからグワッと惹きつけられ、後は一気にエンディングまで突き進みます。途中でイーガンっぽい「登場人物が説明的に議論する」場面も抑えられ、長編小説としての完成度も高いと思いました。
 登場人物に「人は逃れられないものを神聖視する」と言わせ、最後は神の存在を否定しても、あの感動的なエンディングに“神の存在”があると感じたのは私だけでは無いと思います。
 
ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)
ニーベルンゲンの歌〈後編〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1975-01

指輪伝承の頂点に立つ作品

『ニーゲルンゲンの歌』の元ネタは,北欧古典などに残るゲルマン神話伝承からきています。僕は,エッダやヴォルスンガ・サガなどの北欧古典から,この本に辿り着いたのですが,あまりの素晴らしい出来に腰を抜かしました。
いわゆる指輪伝承を元にした2次創作は,多く読みましたが,なかなか原典を超えるような力強い作品には出会わず,やはりオリジナルが一番だな,というのが僕の正直な感想でした。
しかし,この『ニーベルンゲンの歌』は,2次創作の頂点に立つ,原典も超えるかというような傑作だと思います。
この作品に関しては,2次創作という表現は,もはや当てはまりません。

神話や英雄伝説の題材を織り込み,そこにゴート族の伝承やフン族の歴史などを絡めて,全体が無理のないストーリーとなっています。
この素晴らしい傑作を今は名前も知られていない詩人が作ったということに,また驚かされます。

全く本を読まない僕の弟(19)に,この本を薦めてみたところ,あっという間に読み終わってしまい,日頃の鍛錬が足りないため補えぬ読解力を,あれこれ質問でカバーしていました。推薦人冥利に尽きるというものです。

運命に導かれて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
運命に導かれて (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥1,000
release : 2006-08

いいです!

『そのドアの向こうで』『影のなかの恋人』に続く、マクラウド兄弟が活躍するお話です。
マクラウド兄弟の長男デイビーが主人公です。
ヒロインのマーゴットがストーカーに狙われ、デイビーが助けてくれます。
サスペンスも楽しめますが、やはりロマンスでしょう。デイビーの抱える過去は重い。
兄弟がお互いを思いやる所は泣けます。そんな彼を理解し、愛するマーゴットは素敵。
芯が強くて、ユーモアがあって、とても魅力的なヒロインです。
しかも、前作、前々作同様、かなりホットです。ほんとに、すごいです・・・
でも、このシリーズが好きな私に一番たまらないのは、
前作のカップルがラブラブで登場することです。
コナーとエリンの結婚式はとても素敵。
セスとレインも熱々な夫婦になっています。セスはこの作品でも活躍します。
次回作はモテモテの末っ子、ショーンが主人公だそうです。今から楽しみです。
エッジウェア卿の死 (クリスティ文庫)
エッジウェア卿の死 (クリスティ文庫)
早川書房
price : ¥840
release : 2004-07-15

エンターテイメントな一冊。

この本の最後にある、漫画家・高橋葉介さんの解説文が面 白かったです。『エッジウェア卿の死』をドラマ化なり、舞台化するなら、配役は誰がふさわしいかという内容だったんですけど、配役は考える人それぞれで、イメージが違ってくるでしょうから、まあ、いろんな意見があっていいと思います。で、なんでその解説が面 白かったなと私が思ったのか。本を読み終わった後に、「こういうドラマってあるある」と思ったらから。エンターテイメントだと感じた訳です。

今回の事件は、純粋にポアロと犯人の直接対決だと感じました。今まで、何冊かポアロシリーズを読んできましたが、それらの事件では、ポアロは犯人に対して、何かしら同情のような、憐れみのような、どのような形であれ、ポアロの人間臭さがあったと感じたんですが、今回は、そういう気持ちが一切ない。犯人の身に起こった不幸は、「自分で蒔いた種」だと言い切っています。ポアロを利用しようとした人間や、騙そうとした人間に対しても容赦ない。冷徹だとは思わなかったけど、自分のプライドを傷つけるものには、倍返しで仕返しする姿に、新たな一面を発見した気分です。相変わらず、ヘイスティングズをからかって楽しんでいるような印象もあったんですけど。

楽しんで読むことができた一冊でした。
ユリイカ―詩と批評 (第34巻第13号10月臨時増刊号)
ユリイカ―詩と批評 (第34巻第13号10月臨時増刊号)
青土社
price : ¥2,200
release : 2002-10

悪魔の事典
悪魔の事典
青土社
price : ¥3,360
release : 1992-06

悪魔について調べるならこれ!

事典なので50音順で調べるのが楽!情報量の多さは十二分。
アルファベットの綴りも、もちろん記載。別称や、エノクのデーモン、ソロモンの72霊のひとつ、といった説明も充実。悪魔学や魔術書についての解説も詳しい。
またゲームブック風に「〜の項目もみよ」と関連の項目も案内。図版の多さもいいところです。
ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)
ぐらぐらの歯―きかんぼのちいちゃいいもうと〈その1〉 (世界傑作童話シリーズ)
福音館書店
price : ¥1,155
release : 2005-11

きかんぼでもいいよ。大好きだよ。

酒井駒子さんの作品と、挿絵を描いている作品をたどっていくうちに、この本に出会いました。
イギリス幼年童話の傑作ということで、幼い子に読み聞かせをするにはちょうどよい長さの
お話が10編。
お話に即した酒井さんの絵もたくさん入っていて、どれもかわいくて見あきません。
“ きかんぼのちいちゃいいもうと”が次々しでかすエピソードが、子どもを育てたことのある
方なら多かれ少なかれみんな経験したようなことで、とってもほほえましい。
語り手はおねえさんですが、この子は妹の度の過ぎたいたずらもわがままも許しているなあ
というのがよくわかります。
なんといっても、“ちいちゃいいもうと”が家族やまわりの大人たちに愛されて育っていることが
こちらの幸福感をさそって、やすらかな気持ちになります。
表題作の「ぐらぐらの歯」は、ほんとにおかしかった!!
初めて歯が生えかわる時の子どもって、不安をおぼえるのでしょうね。ぐらぐらし始めた歯を
一日中舌で動かしては、「こんなになってる?。」と、わが家の子どもらも見せにきたものです。
このいもうとも抜いてしまうのを嫌がって、ぐらぐらしている歯を「人にみせるのが、すきなの。」って、言ってまわるの。
いもうとのきかんぼぶりを語りつつ、勧善懲悪的なお説教くささはなく、楽しんで読めました。
いもうとのおこった顔もこまった顔もかわいいです。
最後のお話は、「やっぱり、ちっちゃいんだなあ。」って思わせられる内容で、ぎゅうっと
抱きしめてあげたくなるくらい愛らしいお話でした。


デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森
デルトラ・クエスト〈1〉沈黙の森
岩崎書店
price : ¥840
release : 2002-08

ラスト20ページ

2007年1月6日より放送された人気アニメの原作。アニメ同様これといった力も頭脳も持たないすっとぼけた3人が1つづつまるで「聖なる予言」のようにイベントを攻略していく。アニメとほぼ同じだがわずかに血なまぐさい印象を受けるも、200ページの児童向けファンタジーだけあってラスト20ページのおきまりなパターンには物足りなさも感じる。特に8巻のラストは「なんじゃこりゃ」としか思えない展開と結末だった。最初に本を読んでたらアニメは見なかったかな。
今昔物語(上)―マンガ日本の古典 (8) 中公文庫
今昔物語(上)―マンガ日本の古典 (8) 中公文庫
中央公論新社
price : ¥620
release : 1999-11

勉強になるなあ

水木先生の描く女の人ってねこ娘か砂かけばばあしかイメージなかったけどなんか
あまり水木タッチっぽくない女の人が多く出てきてからみシーンも満載。
しかも乳首までかきこんでて水木先生ノリノリ!
色々日本史の勉強にもなるためになる本でした。
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
星の王子さま (集英社文庫) (集英社文庫)
集英社
price : ¥400
release : 2005-08-26

はじめて読んだ

星の王子さまという題名はよく聞いていたがこの歳になるまで一度も読んだことがなかった。
持っている人から「よく分からない本」という感想を受け貸してもらい読んだ。
読んだ感想としてはとらえどころのない、不思議な感じがするものであった。童話という形をとっているからかこういう不思議な読了感がするのであろうか。長年読み継がれるのはこの不思議さにあるのではないかと思う。
他に書評されている方がおっしゃっているように、オリジナルといわれる訳の「星の王子さま」があるらしい。池澤夏樹訳は確かにぶっきらぼうでとっつきにくい感じがした。
評価の高いもう一つの訳も読んでみたいと思う。
ガラス玉演戯
ガラス玉演戯
ブッキング
price : ¥2,940
release : 2003-12

精神と現実の対立と分離

ヘッセの代表作ともいえノーベル賞を獲得したらしいこの作品でしたが内容的にも思想的にも奥深く人生の中での理念形成において大きな示唆を与えてくれる作品かもしれません。ただその分言えることは内容が難解で読むのに時間がかかる・・集中して読みと通すにはかなりの精神力が必要です、まぁ個人的にはそれだけの精神力を費やす価値がこの作品にはあると思う、最後の結末の部分は賛否両論でしょうが、個人的にはヘッセはあの結末以外当時書けなかったのだと思います、もしヘッセが現在ガラス玉演技を書いたとしても同じ結末しか書けなかっただろうし、将来ヘッセがなにか他の結末が書けるような時代が来てほしいものです。まぁそれは物理学でいう大統一理論の完成よりはるかに難しくというか不可能なのかもしれないが・・・
赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)
赤毛のアン (完訳クラシック赤毛のアン)
講談社
price : ¥1,680
release : 1999-05

親の成長

孤児のアンが、マシューとマリラとともに成長するどたばた喜劇。
カナダの自然の風景、個性ある登場人物、心温まる物語。
少女が、自立心を持って、生きていこうという積極的な姿勢が心強い。

あしながおじさん、少女バレアナ(ポリアンナ)、小公女などとともに、少女文学の最高傑作だと思われます。
その中で、子供の成長に伴って、親も成長していくことが分かるお話です。

ps.
原文はWEBにあがっています。ダウンロードして英語で読むことができます。
翻訳の善し悪しは、読み比べたことがないのでわかりません。
文化の変換は、時代によって違う可能性があるので、ある期間が過ぎたら翻訳し直すことも意味があると思われます。
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)
早川書房
price : ¥945
release : 2005-09-22

眩暈をよぶハードSF

スケール、内容ともにハードSFの最高の帰結点。
ここまでいきついてなお人類としてのアイデンティティが保たれているのが不思議なほど。
アイデアそのものは現代科学の延長線上にあり、実際の未来をリアルに想像できるのも良い。
多元宇宙の果てへと向かうスケール感の大きさ。
量子スピンに隠されたメッセージという、理解より直感をくすぐるアイデア。クラクラと読者を快く幻惑させてくれる、まさにSF小説。
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)
虚空の旅人 (偕成社ワンダーランド)
偕成社
price : ¥1,575
release : 2001-07

チャグムの成長する姿がいいですね

 『精霊の守り人』の冒険から三年がたち、14歳になった「新ヨゴ皇国」の皇太子チャグム。彼と、星読(ほしよみ)博士のシュガが、招かれたサンガル王国で危難に遭遇する物語。
 チャグムの成長と、彼の人間味あふれるあたたかさにふれて、胸がじんとしましたね。今回、女用心棒のバルサは登場しませんでしたが、チャグムの行動の背後に、バルサとの身分を越えた心の絆を感じて、そんなところにもぐっときました。チャグムとシュガの間に、生死をともにするほどの強い信頼関係が結ばれたのも嬉しかったです。
 チャグムのよき補佐役を務めているシュガ。『精霊の守り人』の初めの頃とは、印象が全く変わりましたね。チャグムに付き従い、彼の言動に触れるうちに、シュガも人間としてでかくなっていってるんだなあと、その変化が好ましく感じられました。
 あと、単行本表紙カバーのチャグムのイラスト(佐竹美保・装画)がいいですねぇ。物語から受けるチャグムの、気骨と気品を併せ持つ皇子の印象にぴったり。チャグムのイメージが、すっとこのイラストに結ばれた気がしました。
コナンドリル―オフィシャルブック
コナンドリル―オフィシャルブック
小学館
price : ¥1,890
release : 2003-05

【商品詳細】

『私が愛したリボルバー』、いかにもハードボイルドな日本語タイトルである。主人公はステファニー・プラムというバウンティ・ハンター(女賞金稼ぎ)。裁判をすっぽかした保釈中の容疑者を見つけ出し、警察につき出すことで報酬をもらう。保釈金を踏み倒して身を隠すような輩であるから、連れ出す相手は相当物騒であることは想像がつく。護身用にリボルバーを手にしなければならないほどに。しかし意外にも、ステファニーは勇ましさやたくましさとはまったく縁がない。銃だって撃ったことがないし、そもそも危ない仕事など、できればやりたくないというタイプ。そのミスマッチ感覚がたまらなく楽しい。 仕事をクビになり、クレジットカードも車も没収。電話代も払えない始末となったのに再就職先がない。たった今この空腹をなんとかするために、とにかくやるしかない、のである。お金のために、行きがかり上仕方なく、とはいえ、ずいぶんとマッチョな仕事についたものである。しかしステファニーには、男と張り合う気負いがまるでない。すぐにべそをかくし、助けが必要ならば一応躊躇(ちゅうちょ)するだけの職業意識はあるものの、あっさり降参して頼れる男を呼び出す。彼女をサポートしてくれる男たちも魅力的。男を敵にまわすよりも共生していきたいと臨む90年代型の女主人公の登場である。 小難しい筋書きは一切なし。ドジでどちらかというと間の抜けた主人公が、あれよあれよという間に、かなり危ない事件に巻き込まれていく。ステファニーの魅力に乗って走り出したら止まらない事件の行方はジェットコースターなみのドキドキを体感させてくれる。(木村朗子)

驚きの要素が欲しい

作者の青山先生へのインタビューは、とても興味を持って読むことが出来ました。しかし、他のどの情報も推測が多くもう少し確かな情報が得られなかったのかなぁと思わされます。それに、『名探偵コナン』のコミックスを隅々まで読んでいれば確実に読み取ることの出来るような情報が多いので、いまひとつ物足りなさを感じずにはいられませんでした。
私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)
私が愛したリボルバー (扶桑社ミステリー)
扶桑社
price : ¥591
release : 1996-04

生きるために


普通の30歳のバツイチ女性がいきなりバウンティ・ハンター(賞金稼ぎ)に転職する展開が面白いです。
その日を食べていくお金にも困ってたステファニーは仕方なくそして強引にバウンティ・ハンターの仕事を得るけど、最初から大物を捕らえるのは至難の業で素人丸出しの方法で自らピンチを招いてしまいます。
護衛術や逮捕術など一切知らずに、そしてバウンティ・ハンターとしての知識もないからヒヤヒヤするけど持ち前の感の良さでピンチを切り抜けていきます。
お金に困ってるとはいえ、自分の身を危険にさらしてる訳やから銃を持つけど、その銃の使い方すら知らないんですよね。
解説などにも書いてあったけど、ステファニーの育った場所はファミリー意識の強い街らしいです。
だからこそ素人であるステファニーを幼馴染みが喜んで助けたりするんでしょうね。
この物語を読んでいて、この街って昔の日本の下町のような親しみやすさがありました。

そしてステファニーが追いかける逃亡者が、この街の幼馴染でもある元警官のモレリ。
ステファニーとモレリには、色々な苦い過去があって最初の頃はその呪縛が2人を磁石の同極のように反発させます。
この2人の関係ってこれからも楽しみな要素なんですが、個人的にはステファニーのおばあちゃんのメイザが好きです。
なんか天然っぽいキャラやけど一番ステファニーの事を理解してる感じがしました。

日本人には馴染みのないバウンティ・ハンターという職業やけど、最近では映画【ドミノ】などでも取り上げられてましたね。
まさに命がけの職業やけど、アメリカという国では犯罪者が多いから賞金稼ぎの存在って警察にとっても有難いのかも。
日本もこれだけ未解決事件が増えてきたから、こういう職業があってもいいのかな。

唐草物語 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)
唐草物語 (河出文庫―渋沢龍彦コレクション)
河出書房新社
price : ¥620
release : 1996-02

時空を超えた空想の羽ばたき

 始皇帝の御世の徐福伝説、紀元一世紀のローマの博物学者プリニウス、平安時代の蹴鞠の名人や文章博士など、古今東西の人物の奇行や変わったエピソードをモチーフにした物語風のエッセー集。最初のうちはその人物の奇癖や変わった嗜好を紹介する形で進んでいた話が、途中から原典を離れて、著者が自由に空想を紡いでゆくところ。そこに本書の一番の妙味を感じました。
 人物肖像画的なエッセーが、グラデーションの色の変化のように、徐々に物語へとシフトしていく一連の作品(『唐草物語』『ドラコニア綺譚集』『ねむり姫』『うつろ舟』『高丘親王航海記』)の最初期に位置する一冊。雑誌「文藝」に、1979年1月から1980年(昭和55年)1月にわたって連載された十二篇。「鳥と少女」「空飛ぶ大納言」「火山に死す」「女体消滅」「三つの髑髏」「金色堂異聞」「六道の辻」「盤上遊戯」「閹人(えんじん)あるいは無実のあかし」「蜃気樓(しんきろう)」「遠隔操作」「避雷針屋」。
 今回再読して一番の魅力を感じたのは、平安時代の陰陽師・安倍晴明と、奇行をもって知られる天皇・花山院にスポットライトを当てた「三つの髑髏」。合わせ鏡のような無限連鎖の光景、夢幻の箱の中の箱の中の・・・とでもいう入れ子の構図に、吸い込まれるような妙味を覚えた逸品です。
グリム童話より怖いマザーグースって残酷 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
グリム童話より怖いマザーグースって残酷 (二見文庫―二見WAi WAi文庫)
二見書房
price : ¥560
release : 1999-05

読みやすい!!

とても読みやすく、理解しやすいです。
サラッっと読めて、本棚にずっとしまっておきたくなるような本です。
「星の王子さま」をフランス語で読む (ちくま学芸文庫)
「星の王子さま」をフランス語で読む (ちくま学芸文庫)
筑摩書房
price : ¥945
release : 2000-10

フランス語原文のニュアンスを味わうための名ガイドブック

私は(英語は普通に自信ありますが)フランス語は多少かじっている程度です。そんな私でも本書の仏語文法解説は(時間をかければ)何とかfollow出来る程度の難易度でした。学ぶべき文法事項の全体像を概観できた気がします。この経験は今後きっと役立つことでしょう。(スキー初心者が中級者コースを体感してみて、今後の参考にした、そんな感じですね)

前もって「星の王子さま」を読んでいる方が面白く読めると思います。以前読んだ日本語翻訳は、実は非常に訳しにくい仏文だったんだ、と認識できました。(翻訳者の人知れないご苦労が偲ばれます) 翻訳を通すと、原文でのニュアンスがどうしても失われる処が出てきます。その事情を仏文とその英文試訳(or 日本語訳)の差で具体的にご説明される処は読み応えがありました。いわば、翻訳によって【生のイカ】が【焼きイカ】(時には【スルメ】!)に変わってしまわざるを得ない訳です。「そうか、あそこはスルメを食ってた訳だ!」と色々と気付きました。そういう訳で仏語原文から直接味わえるようになりたいなぁ、というモチベーションが高まりました。

本書を通じて改めて"On ne voit bien qu'avec le coeur"を味わいました。「花も美しい、月も美しい、それに気付く心が美しい」(円覚慈雲 和尚)と共通する点があるように思えて、改めて興味深かったです。
カタロニア讃歌 (岩波文庫)
カタロニア讃歌 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥798
release : 1992-05

反ファシズムの感性

ジョージオーウェルがスペイン内乱に反(フランコ将軍=ファシスト)として共和国国際義勇軍に参加した話である。
ジョージオーウェルは実際に現場で生活して取材するスタンスをとっている。この作品もその例にたがわず自ら志願兵となって最前線で戦闘に参加している。内容は日常的な塹壕生活や休日の様子を描いている。ルポルタージュとして貴重な資料でもあろうが、過去の話になってしまった私達にとっては具体的で、当時の感覚を知る上ではとても分かりやすい。
第二次世界大戦前夜になるスペイン内戦が、イタリアとドイツのファシズムの介入に対してオーウェルやヘミングウェイがイギリスやアメリカからファシズム阻止に立ち上がって銃を取ったリアルな体験を再現してくれる。
どうしても我々日本人にとってスペイン内戦は見逃しがちである。単に、ドイツと協力してアメリカと戦争をしたことから見かねないが、アメリカ人やイギリス人がファシズムに対して当時どのような感じを持っていたかこの本で分かるだろう。そしてそのファシズムの末端には日本も繋がっていたということを認識すると世界の中で日本もどのように見られていたかも類推できるだろう。
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2006-06

池田訳と高橋訳を読み比べても楽しい

 私は子どもの頃に高橋訳で、夢中になって読みました。しかし、我が子に読み聞かせると、表現が古風なので、ぴんとこない様子。
 試しに池田訳を読み聞かせたところ、こちらは現代の文章なので、一生懸命聞いています。
 大人にとっては、読み比べも楽しいですよ。
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう (講談社現代新書)
週末作家入門 まず「仕事」を書いてみよう (講談社現代新書)
講談社
price : ¥756
release : 2005-10-19

いろいろな顔を持つ時代。作家という魅力的な顔。

サラリーマンが、週末と言わず、さまざまな顔を持つ時代。
そんあ時代に向けて、ものづくり、と、自分の人生経験、をベース
に、ビジネス書、経済小説、などを創作し、企画・出版するまでを、
これでもか、と言わんばかりに懇切丁寧に解説した、優れた啓蒙書。

「作家」と言っているのは、広い範囲の「週末物書き」という意味で
捉えるのがあっているかと思います。

勤め人から作家になった多くの人とともに、著者の人生経験、さらに
著者がであった「物書き」をする市井の人々のさまざまな生きかた、
それと、具体的な本のテーマ、目次、企画、内容を挙げて、丁寧に
丁寧に説明しています。

新書ですが、丁寧に解説した結果、ページ数も多いのですが、しかし、
その内容と語り口調は、とってもやさしい感じで、メンターに手取り
足取り、物書きを教えてもらっている錯覚に陥る、そんなやさしさ
が感じられる、よいガイドです。
くじ (異色作家短篇集)
くじ (異色作家短篇集)
早川書房
price : ¥2,100
release : 2006-01

これが「異色」短編だ

 本書ではあちこちにジェームズ・ハリスという悪魔(?)が出没します。しかし、悪魔をめぐる連作ではありません。「異色」としか言いようのない短編ばかり収められた短編集です。
 私が得た印象は「絵」です。読者はページをめくって一枚の絵を見つけます。じっと見ているとその情景からは少しの過去と少しの未来が読み取れます。結婚の約束をした恋人が現れないために心配している女性、食事に行ったレストランで見つけた大げんかをしているカップル(腹話術師(とその人形)と恋人の女性)、息子が通う幼稚園での困ったちゃん、お隣に越してきた迷惑な一家……どれもこの世のどこにでもある情景ですが、どこにもない違和感が仕込まれています。
 私が一番気に入ったのは『麻服の午後』です。近所の一家を午後のお茶に招待した家の少女ハリエットは、お客をもてなすためにピアノ演奏を命令されて断ります。次に自作の詩の朗読を……これも断ると、詩を書いた紙を無理矢理取り出され(それも気にくわない招待客の男の子の手で)皆の前で読まれてしまいます。それに対してハリエットが行った「復讐」は……
 ラストの『くじ』も異色ですが、本書でのそれまでの作品とは違って起承転結があります。ある村で一年に一回のくじ引きが行われます。そのくじの目的は……読んでいるうちに大体予想はつきますが、それでもラストでこちらの心が震えます。本作の日本初出は1964年のSFマガジンですが、ちっともSFではありません。心して(覚悟して)読んでください。
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
ペンギンの憂鬱 (新潮クレスト・ブックス)
新潮社
price : ¥2,100
release : 2004-09-29

南極の氷山のような世界

私たちの生活は、たとえば南極の氷山のようなものらしい。
水面に出ている一角だけでは、水面下の様子はわからない。

冴えない小説家ヴィクトルの生活は、ペンギンの訪れが直接の原因ではないにしろ、なにかしらの引き金となって、気がつけばものの価値やら感覚やらがどうしようもないほどに変わってしまう。
別に急に世界が変わってしまったわけではなくて、水面下にはいつもあった知らない世界が、自分の日常に侵食してくるのだ。

家の鍵は破られる、大金と少女が置いていかれる、発砲事件が相次ぐ・・・
まるでへたくそな冗談のような世界が、つつましくも平穏だった日常をのっとっていく。
そこにまた、閑話休題といったようにペンギンの描写が入ってきて、いい感じに話の腰を折る。

なぜペンギンなのか。こればっかりはわからない。
緊迫した場面で、ペンギンがぺたぺたと歩いている光景を想像すると、なんだか気が抜けてがっくりとなる。

もろい世界の上に生活するのは、人間もペンギンも同じらしい。
温暖化の影響が出ないことを、切に祈る。
みどりのゆび (岩波少年文庫)
みどりのゆび (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2002-10

うちが、愛なき場所のハッピーサプライズが好きになったきっかけって。

名作!!

『ばら色のボンボン菓子の色をした砂漠』という表現が
初めて読んだ時からすごく印象的で、
だからうちの頭の中の砂漠では、
結構頻繁に花が咲き乱れます。
砂漠に植物が生えにくいという概念がナカナカ物にできない系。

でも…終わり方はぶっとび過ぎやろ。。

ダライ・ラマ その知られざる真実
ダライ・ラマ その知られざる真実
河出書房新社
price : ¥2,940
release : 2004-06-18

現代チベットの政治情勢を知る

チベットそしてダライ・ラマについて興味を持ったのは、数年前にNHKのパンチェン・ラマの特集の放送を見たのがきっかけでした。 ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマについては、その存在は非常に有名ですが、チベット第二の精神的指導者パンチェン・ラマの存在とそして第十一代の運命はそのとき初めて知りました。 それから、「チベットの7年(セブンイヤーズ イン チベット)」を読み、どうしてチベットはあそこまで追い込まれ、そしてその後チベットはどうなったのだろうという漠然たる興味がありました。 この本は、まさしくそれを教えてくれる本です。 第十三代ダライ・ラマの遷化にはじまり、今のチベット情勢までを伝えてくれます。 この本を読む限り、残念ながらチベットの将来は明るいものではありません。 少なくとも、亡命チベット政府が再びラサの地で独立を勝ち得るには、相当な困難があるだろうということが伝わってきます。 非常に丹念な取材と平易な文章のおかげで、かなりのボリューム(500ページ)もスムースに読みすすめていくことができます。

本書を読み終えて、非常なる困難・苦難の道を歩むダライ・ラマがいつも微笑みを絶やさずにいることの意味をほんの少しではありますが、私も垣間見ることができたような気がします。

カフカ寓話集 (岩波文庫)
カフカ寓話集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥630
release : 1998-01

どれもが不思議な味を持つ短編集

訳者の解説によると「寓話集」にとくに強い意味はないとのことだが、動物を擬人化し、なんらかのメッセージや皮肉を込めた短編を集めていることは間違いない。全部で30編が200ページちょっとに収められている。最も短い「アレクサンドロス大王」に至っては注を含めてもわずか6行しかない。どう解釈すれば悩むような作品が多いが、どれもが不思議な味を感じるのがカフカの真髄か。「巣穴」のいらいらするような思考の螺旋ともいえる文章にも引き込まれる。
ガープの世界〈下〉
ガープの世界〈下〉
新潮社
price : ¥780
release : 1988-10

夢中でむさぼり読める小説

めまぐるしいストーリー展開、私小説のような抒情さ、悪趣味な人間描写、生きることへの希望の率直さ、これら全てが高密度で1つの小説にパックされていることに驚愕。延々と自己満足的に続く終幕も全く許せる。

夢中でむさぼり読める小説。
虹の谷のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
虹の谷のアン (講談社文庫―完訳クラシック赤毛のアン)
講談社
price : ¥800
release : 2005-10

迷路 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
迷路 (二見文庫―ザ・ミステリ・コレクション)
二見書房
price : ¥940
release : 2003-07

奥が深い

FBI関連の小説はたくさんあって飽和状態にあるけど、このシリーズは独特の雰囲気があって新鮮な気持ちで読めます。少し残念なのが、「迷路」はFBIシリーズの第2作目なんです。どうせなら1作目から読みたいと思いました。でもサビッチとシャーロックのコンビが活躍するのは本作からなので許せる範囲です。二見さんどうか1作目の「THE Cove」も翻訳して下さい。お願いします。
この作品で今後とも活躍していくサビッチのシャーロックの出会いが描かれています。2人の出会いはユニットに配属される前の訓練生時代なんですよね。この頃からシャーロックは目立ってました。
邦題の「迷路」ってかなりお気に入りです。犯人が被害者を迷路に連れ込むと言う理由もあると思うけど、登場人物の人間関係が迷路のように絡まりあって凄く奥の深い作品になってると思います。あらゆる意味で「迷路」です。
犯人は結構早く分かるのですが、そこからの展開がメチャクチャ面白いです。まさしく二転三転って言葉が似合う作品です。
オススメの1冊です。
ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)
集英社
price : ¥1,200
release : 2003-12

日本語がわからない第三巻

ジョイスの『ユリシーズ』、文庫第3巻は、たった2挿話しか入っていない。それでこの厚みである。
まずひとつめは、いきなり古文・漢文調で始まる。ジョイスが、古代中世をはじめ、
昔の英語作品の文体を模写しているため、翻訳でも同時代の近接ジャンルの文体で訳しているのである。
ひとつめの挿話は、産院で子供が産まれるので、それにからめて生殖など性的なallusionが語られるが、
いかんせん古文なので、ほとんどわからなかった。
また、英語は、かなり早い時期から見た目には現在とほぼ一緒の文章になるため、
ここまで古っぽく翻訳する必要はないように思われる。
マロリー(1480)でさえ、現代の日本人が見ても大体はわかるであろう。
そのため、昔の文学の文体模写を、そのまま古文、文語調にうつしてしまうと、相当英語と日本語でギャップが出てしまう。
さて、つづく挿話では一転、劇のスタイルになり、それまでの4?5倍のスピードで読めるようになる。
内容は、現実と虚構がないまぜになってややこしいが、娼家に向かったスティーブン・ディーダラス、
ブルームらの様子をベースにしつつ、それまでの出来事や心にかかっていることなどが出てくる劇である。
巻末には、相変わらず本一冊分はある詳細な注と、翻訳者の小論、地図つき。
ダライ・ラマとパンチェン・ラマ (ランダムハウス講談社文庫)
ダライ・ラマとパンチェン・ラマ (ランダムハウス講談社文庫)
ランダムハウス講談社
price : ¥998
release : 2006-09-02

シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫)
シルバー・レイクの岸辺で―インガルス一家の物語〈4〉 (福音館文庫)
福音館書店
price : ¥788
release : 2003-02

フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が拡がる

荒らくれた流浪人や保安官は登場しないけれど、アメリカの西部開拓らしい雰囲気が高まる。プラム・クリークから西へ移動し落ち着くデ・スメット(現サウス・ダコタ州東部の街)は、農業開拓の最前線というだけでなく鉄道敷設の最前線に近い。鉄道工事の現場を経験し、越冬用に借りた測量技師の家は即興ホテルにもなる。父さんは、払い下げ農地の場所を確保し開拓の足場を固める。春になると、開拓民のラッシュが始まる。開拓小屋ができる。その近くにたまたま赤ん坊のグレイスが見つけたスミレ咲く窪地は、スミレの香りが漂う素晴らしい場所、続巻でもしばしば登場することとなる。

「大きな森」、プラム・クリーク、シルバー・レイクはほぼ同緯度なので、気候、自然などはとても類似している。ローラは12歳。フロンティア精神の息吹に触れ社会への眼が急速に拡がってゆく。娘時代のローラの物語は、ここシルバー・レイクを舞台に次巻以降に続いてゆくこととなる。
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
五匹の子豚 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
早川書房
price : ¥756
release : 2003-12

人間関係・・・入り組んでるか?

なんかベタベタを通り過ぎて印象が無い。証拠を探るのではなく人間関係の中から正式な動機を探っていくタイプ・・・にしてはシンプルすぎる関係性。
このタイプで前半にこれほどハッキリと情報を示してるのは女史にしては珍しい。だから話は物凄くわかりやすいんだがなんか浅い。
その割にはよーく読むと話の整合性も今一つだし結論に至る明確なポイントというのも実は無い。構成自体はストーリーを見せる物・・・
死が最後に?辺りよりは遥かに読みやすいが心理描写モノの中ではイマイチな出来。
このタイプはしばらく断続的に出た後に「象は忘れない」で完成系となる。正直こちらの方が遥かに出来が良い。女史の場合心理描写に関しては晩年の方がしっかりしてる。
サンクチュアリ (新潮文庫)
サンクチュアリ (新潮文庫)
新潮社
price : ¥620
release : 1973-01

多分好き嫌いの別れる作品

フォークナーを読むのは初めてなのだが、
正直言って読み辛かった。(それでもどうにか読了)
本書は禁酒法時代の米国南部の保守的な面と退廃的な面を見事に描写していると評価したいが、
読者によって多分好き嫌いのはっきり別れる作品だと思う。
(私はあまり好きではない)
著者が「想像しうる最も恐ろしい物語」と語っているそうだが、
70年以上経った今日ではこれより恐ろしい小説は
いくらでも転がっていると思う。
何かフォークナーの作品を読んでみたいと思う人は、
他の作品を選んでも良いかもしれない。
やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)
やかまし村の春・夏・秋・冬 (岩波少年文庫)
岩波書店
price : ¥672
release : 2005-12

日常の中のドラマ

スウェーデンの日常から物語を紡ぎだしている作品です。
日本からはるか遠くにあるところの話ですが、
すぐ身近に起きているように感じさせてくれる本です。
それはやかまし村の出来事が異世界のことではなく、
私たちの生活と接点があるからでしょう。
平凡な日常の中にもドラマがあることを思うと
一日一日は違ったように見えてきます。

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
評論社
price : ¥1,890
release : 2006-09

久しぶりに文学しました。

実はこの本を買ったのは2・3年前でした。ウサギが好きなのでそれだけの理由で・・・。正直言うと、初めは挫折しました。理由はよく分かりません。なぜか読み進めることができなくて。文体のせいだったかもしれません。直前に友人に借りたアニメ映画を見てしまったからかもしれません。
ともあれ、最近再チャレンジしたのですが、非常に面白かったです。文学部を卒業して約10年。久しぶりに文学を読んだ!と感じました。そうは言っても気楽に読める本です。ただおくが深いように思います。冒険ものとして読んでもいいのではないでしょか。
風の影〈下〉 (集英社文庫)
風の影〈下〉 (集英社文庫)
集英社
price : ¥780
release : 2006-07

これほどの作品に次、いつ出会えるだろう

2006年7月に日本版はリリース。既に37カ国で翻訳出版されていて、スペインの現代小説では史上空前のロング・セラーになっている。

作者のカルロス・ルイス・サフォンは1964年バルセロナ生まれ。勤めも全く辞めてしまい、外の世界がオリンピック開催に湧く中、小説を書き始めている。この見事な文体に到達するまで大変な苦労をしたようだが、そういった『影』は余り感じられない。むしろ『喜び』に満ちている気がする。平行線手法の魔術と訳者の表現している小説手法が実に見事で、過去と現在、フリアンとダニエル、ペネロペとベアトリスが見事に交錯する。そして実は100人以上登場する人物たちがどれも生き生きと動き、謎を深める。

特に下巻は、あまりの素晴らしいストーリー展開にまったく気が抜けず、一気に読んでしまった。これほどの作品に次、いつ出会えるだろうかと思う。ある意味この本はミステリーでもありながら恋愛小説でもあり、ファンタジーでもある。是非とも映像化して欲しい作品だ。
カミーノ ― 魂の旅路
カミーノ ― 魂の旅路
飛鳥新社
price : ¥1,680
release : 2001-06-22

反面教師として

「アウト・オン・ア・リム」を読んだ後、この本を読みました。
「アウト・オン・ア・リム」から17年ほど経ったでしょうか。
旅路はもちろん、歳月を経て著者がどのように変化しているか、
楽しみにしていました。

しかし読み始めて間もなく感じたのは、
「精神世界を探求すると心が平穏になる」という私の思い(込み)は
間違っていたということでした。
著者の心は平穏ではなく、より頑強になっているように感じられました。

また、全ての物事は偶然ではないとして「意味付け」をしている著者の姿には
若干辟易してしまい、「人生における出来事は偶然ではない一方で、
偶然にすぎない事だってある」と思いました。

「アウト・オン・ア・リム」は食い入るように読みましたが
「カミーノ」はかなり引き気味で読み続けました。
でも、自分の性格は著者と通じる部分もあるため、
反面教師として役立ったと思っています。



ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)
ニーベルンゲンの歌〈前編〉 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1975-01

圧倒的な力強さ

他の方が書かれているとおり、あまりにも有名な古典的傑作。そのダイナミックなストーリー、勇敢で情熱的な登場人物、行動に滲み出る思想精神の圧倒的な力強さに引き込まれ、飲み込まれてしまう。男の私からすれば、向こうの女性はかくも強いのかと驚嘆させられ、その嫉妬心には恐ろしくなる。鴎外の描く日本の女性の強さともまた違う。
登場人物の強さは超人的である。精神の高揚とともに、また物語の展開によってその強さもダイナミックに変化する。多少の矛盾などあざ笑うかのように力強く突き進む。
この物語は、血、血、血の嵐である。血が飛び、血が流れ、血が飲み干される!これほどまでに血なまぐさい物語もそうないのではないか。この物語は、至るところに熱き血潮が通っている。それは脈打ち、噴出し、地を覆いながら、しかしそれでも尽きることがない。
今の時代を舞台にしてこのような物語が物語として成立することは不可能だろう。それだけに物語として読まれ続けるだけの価値がある傑作。
ムーン・パレス (新潮文庫)
ムーン・パレス (新潮文庫)
新潮社
price : ¥740
release : 1997-09

衝撃・感嘆・そして沈思黙考に至る

現代日本にとっては極めて現代的な内容である(のではないだろうか)。
とくに、耽美的であり虚無的な20代の青年には、その衝撃はかなり大きいのではないだろうか。いつか読むべき本ではなく、『今』読むべき本だと思う。
新訳 チェブラーシュカ―ワニのゲーナとおともだち
新訳 チェブラーシュカ―ワニのゲーナとおともだち
平凡社
price : ¥1,575
release : 2002-12

原作が素晴らしかった!

アニメの方は見ていても、本は読まないままでいましたが、書店で見かけて思わず手にしました。アニメでは、いじわるなお婆さんの登場が、どうも良くわからなかったのですが、これで納得。ロシア女性による挿絵がまたなかなかです。挿絵の点数も意外とあり楽しめます。次は彼女による絵本を期待してしまいます!
漱石文明論集 (岩波文庫)
漱石文明論集 (岩波文庫)
岩波書店
price : ¥735
release : 1986-10

小説より

実は小説よりも好きかもしれない。
特に好きなのは明治三十四年三月二十一日の日記。

「未来は如何あるべきか。自ら得意になる勿れ。自ら棄る勿れ。黙々として牛の如くせよ。孜々として鶏の如くせよ。内を虚にして大呼する勿れ。真面目に考えよ。誠実に語れ。摯実に行へ。汝の現今に播く種はやがて汝の収むべき未来となって現はるべし。」

すごい。日記とは思えない。日記ってとても個人的なことを綴るものだから、これが漱石の素顔なんだと思う。作家として、人としての誠実さに感動する。

ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)
ビリー・ミリガンと23の棺〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)
早川書房
price : ¥777
release : 1999-10

まだ読み途中ですが・・・

「24人のビリーミリガン」を読み終わって、続きが気になり
読み始めました。
間違えて「下」の方にレビューを書いてしまいましたが、
「24人の〜」よりも、かなりえぐい表現がかかれていて
ビリーや仲間達のライマでの恐ろしい日常の事などが書かれていますが
そこでビリーの賢さと強さを知りました。
実話だと思うと、ぞっとしますがこのような現実があった事を知る事ができ
考えさせられ,よかったと思います。
「下」が早く読みたい!!
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